| 【発明の名称】 |
衣 服 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉本 昌義
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| 【要約】 |
【課題】保温性を従来に比して向上することができる衣服の提供。
【解決手段】衣服の筒状部分に、該筒状部分が部分的に周方向に縮むように、伸縮自在な紐状体が周方向に沿って伸張状態で取り付けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 衣服の筒状部分に、該筒状部分が部分的に周方向に縮むように、伸縮自在な紐状体(20)が周方向に沿って伸張状態で取り付けられていることを特徴とする衣服。 【請求項2】 紐状体(20)が筒状部分の軸線方向に間隔をおいて複数並設されている請求項1記載の衣服。 【請求項3】 紐状体(20)はシャーリングにより取り付けられ、該紐状体(20)が取り付けられた生地(9)の外側に、防水性を有する表地(10)が設けられている請求項1又は2記載の衣服。 【請求項4】 筒状部分は、袖部(3)である請求項1乃至3の何れかに記載の衣服。 【請求項5】 筒状部分は、胴部(5)である請求項1乃至3の何れかに記載の衣服。 【請求項6】 筒状部分は、脚部(31)である請求項1乃至3の何れかに記載の衣服。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、上衣やズボン等の衣服の改良に関し、特に、防寒に適した防寒用衣服に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の衣服を着用すると、例えば上衣における袖部について図5に示すように上衣50と腕R(内側に他の衣服を着用している場合にはその衣服)との間には空気層Vが形成される。空気層Vは断熱効果を有しているため、この空気層Vが形成されることによって保温効果が得られ、特に、衣服を重ね着する場合には空気層Vが幾層にも形成されるため効果が大きい。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の衣服の場合、腕R等の外側に、単に衣服50が重なり合っているだけであるため、その間に形成された空気層Vにおいて空気の移動が大きく、この空気の移動に伴って放熱ロスも大きくなるという問題があり、保温性の更なる改良が求められていた。 【0004】それゆえに本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされ、保温性を従来に比して向上することができる衣服を提供することを課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係る衣服は、衣服の筒状部分に、該筒状部分が部分的に周方向に縮むように、伸縮自在な紐状体が周方向に沿って伸張状態で取り付けられていることを特徴とする。尚、衣服には、上衣、ズボン、及び、上衣とズボンとが一体となったものの何れも含む。また、周方向には、筒状部分の軸線方向に対して斜めである場合も含まれる。 【0006】特に、紐状体が筒状部分の軸線方向に間隔をおいて複数並設されていることが好ましい。 【0007】また、紐状体はシャーリングにより取り付けられ、該紐状体が取り付けられた生地の外側に、防水性を有する表地が設けられていることが好ましい。このように、紐状体を取り付けた生地とは別にその外側に表地を設けると、表地に防水性を持たせることができ、且つ、紐状体をシャーリングにより簡単に生地に取り付けることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る衣服の一実施形態として図面を参酌しつつ説明する。但し、図1及び図2において一部表地を破断している部分がある。図1に示す衣服は、主として防寒用の上衣であり、特に、重ね着をした場合、最も外側に着用されるものである。 【0009】この防寒用の上衣は、長袖タイプであり、左右一対の前身ごろ1,1と、後ろ身ごろ2と、長袖状の両袖部3,3とを備えている。前身ごろ1同士を前側で連結する前合わせ部4は、面ファスナーとスライドファスナーとを備えており、スライドファスナーによって両前身ごろ1を連結、離反させることができると共に、両前身ごろ1をスライドファスナーによって連結した際に更に面ファスナーによって連結状態を保持する構成となっている。そして、前身ごろ1同士が前合わせ部4で連結されると、該上衣の胴部5は筒状となる。即ち、該上衣は、胴部5と両袖部3とから構成されている。従って、該上衣は筒状部分として両袖部3と胴部5の合計三カ所有しており、これらの筒状部分の開口部は、両袖口6、首部7、及び裾部8である。 【0010】かかる上衣は、表地9と裏地10とから構成された多層構造となっている。裏地10は、胴部5のみならず袖部3にも設けられており、表地9の裏側略全体を覆っている。表地9は、防水性を有することが好ましい。 【0011】また、裏地10は、所定の通気性を有することが好ましく、例えば、ポリエステルの生地が使用され、特に、50デニール×75デニールのものが好ましい。裏地10の外面(人体側の面)はステンレスやチタン等の物理蒸着処理がなされることが好ましく、特に、チタンのスパッタリング加工が蓄熱、輻射の点で好ましい。また、生地を熱加工することにより生地を目詰まり状にし、生地の透気度を低下させることによって、より一層効果を向上させることができる。従って、その生地を裏地10として使用すれば、通気性の低下と蓄熱、輻射で保温性を向上させることができる。 【0012】更に、裏地10は、大別すると五つに区画されており、合計五つのパーツが互いに縫着されることにより一つの裏地10を構成している。具体的には、筒状の両袖裏部11と、後ろ身ごろ2に対応するシート状の後方裏部12と、前身ごろ1に対応するシート状の両前方裏部13とから構成され、袖裏部11は前方裏部13及び後方裏部12に肩口14において縫着され、前方裏部13と後方裏部12は脇部15及び肩部16において互いに前後に縫着されている。このように縫着により一枚に連結された裏地10は、開口部である両袖口6と首部7と裾部8、並びに、前合わせ部4において、それぞれ表地9と縫着により連結されており、それ以外の箇所においては表地9とは連結されずに離反状態にある。 【0013】図1乃至図3において、20は、伸縮自在な紐状体としての、ゴム紐である。該ゴム紐20は、取り付け後において衣服が周方向に沿って縮む(縮径する)ように、自然長から所定量伸張させた状態で生地に取り付けられている。具体的には、ゴム紐20は、シャーリングにより裏地10に取り付けられており、本実施形態においては、裏地10の内面側(表地9側)に取り付けられている。従って、ゴム紐20は、裏地10の外面には表出しておらず良好な外観を得ることができる。 【0014】ここで、シャーリングする場合におけるゴム紐20の伸張の程度は、衣服の形態や形状、生地の材質等によって種々変更することが可能であるが、例えば、10乃至20%伸張させた状態で縫着することが好ましく、特に、15%程度が好適である。このようにゴム紐20が伸張状態で取り付けられると、取り付け後の通常状態においては、その弾性復元力により裏地10を伸張の程度に応じて縮ませる。 【0015】かかるゴム紐20は、裏地10の筒状部分の周方向に沿って取り付けられている。詳細には、袖部3(袖裏部11)においては、袖部3の軸線A方向に略一定の間隔をおいて合計三筋並設されており、互いに略平行に、且つ、袖口6に対して略平行に設けられている。また、胴部5においては、胴部5の軸線B方向(上下方向)に略一定の間隔をおいて合計四筋並設されており、互いに略平行に、且つ、首部7及び裾部8に対して略平行に設けられている。即ち、胴部5のゴム紐20は略水平に設けられている。更に、胴部5における裾部8側の二筋のゴム紐20は、一方の前身ごろ1から後ろ身ごろ2を経て他方の前身ごろ1まで連続的に取り付けられていて胴部5の略全周に亘って設けられている。これに対して、胴部5における首部7側の二筋のゴム紐20は、肩口14において分断されている。即ち、胴部5における首部7側の二筋のゴム紐20については、それぞれ、両前方裏部13に取り付けられた一対のゴム紐片20aと、後方裏部12に取り付けられた一本のゴム紐片20bとから一筋のゴム紐20が構成されている。以上のようにゴム紐20を筒状部分の周方向に沿って設けると、上述したように、裏地10におけるゴム紐20を設けた箇所がゴム紐20の弾性復元力によって周方向に縮むこととなる。 【0016】例えば、袖部3における状態を図3を用いて説明する。袖部3に通した着用者の腕R(若しくは内側に着用している他の衣服)との間には所定の空気層Vが形成されるが、ゴム紐20が裏地10に略全周に亘って取り付けられて裏地10をその部分で周方向に縮めているので、ゴム紐20の取付部分が他の部分に比して縮径している。従って、着用者の腕R等との間の隙間がそのゴム紐20の部分において狭められ、従って着用者の腕R等との間の空気の、軸線方向に沿った移動がこのゴム紐20の取付部分によって抑制される。特に、ゴム紐20を軸線方向に所定の間隔をおいて複数並設したことにより、空気層Vが軸線方向に細かく輪切り状に区画されると共に、空気の軸線方向の移動もより一層抑制される。このように、着用時に裏地10の内側に形成される空気層Vにおける空気の軸線方向の移動がゴム紐20の取付部分によって抑制されるので、空気の移動に伴う放熱ロスが軽減され、従って、保温性を従来に比して向上させることができる。 【0017】更に、袖部3は、激しく動かされる部分であるため本来空気層Vの空気が移動しやすい部分であるため、シャーリングしたゴム紐20による空気の移動抑制効果が大きいのである。 【0018】また、袖部3においては、表地9と裏地10(袖裏部11)とは袖口6のみで互いに連結されており、他の箇所では互いに離反している。従って、表地9と裏地10との間にも空気層V2が形成されるが、裏地10にゴム紐20を設けているため、その部分においては裏地10と表地9とが大きく離反して空気層V2も厚くなり、従って断熱効果がより一層高まるという利点がある。 【0019】以上袖部3について説明したが、胴部5についても同様の効果がある。胴部5は袖部3に比して動きは激しくはないものの、面積が大きく保温特性の優劣が体感的に把握されやすい部分である。従って、胴部5においてもゴム紐20により空気層の軸線方向の移動を抑制することの効果が大きいのである。 【0020】尚、裏地10の外面を物理蒸着処理と熱加工とにより目詰まり状としているため、最小限の通気性を確保しつつ保温効果をより一層高めることができる。 【0021】また、本実施形態では上衣を例にして説明したが、ズボンについても同様に効果が得られる。例えば、図4のように、表地9と裏地10とからなる防寒用のズボンの裏地10に、同様にシャーリングにより周方向に沿ってゴム紐20を取り付けることができる。この場合、腰部30と両脚部31とからズボンが構成されるが、この腰部30と両脚部31が筒状部分であり、上方に開口するウエスト部32と下方に開口する両裾部33とが開口部分である。そして、ゴム紐20は腰部30と脚部31にそれぞれ略全周に亘って開口部分と略平行に取り付けられ、且つ、軸線方向に所定の間隔をおいて複数並設されている。脚部31も上述した袖部3と同様に相対的に動きが激しいため、ゴム紐20によって空気の軸線方向に沿った移動を抑制することの効果が大きいのである。 【0022】これらの上衣とズボンの保温特性を、サーマルマネキンに上下合わせて着衣させてクロー値を測定することにより評価した。従来のゴム紐20のシャーリングを設けない場合と比較すると略0.2クロー値向上し、従来の構成に比して保温特性が向上したことを確認した。 【0023】尚、ゴム紐20の本数やその取り付け箇所は適宜設計変更可能である。また、例えば、表地9に直接ゴム紐20を縫着することも可能であるが、その場合には縫着部分から水が滲入するおそれがある。従って、裏地10の外側に別途の表地9を設けることが好ましく、これにより裏地10にゴム紐20を縫着によって簡単に取り付けることができると共に、表地9に防水性を持たせることができる。 【0024】更に、上記実施形態では、表地9と裏地10との二層構造のものを例示したが、3層以上の多層構造のものや、逆に単層のものとすることもできる。 【0025】また、いわゆるワンピース構造の衣服にも無論適用可能であり、その他種々の衣服に適応可能である。 【0026】 【発明の効果】以上のように、紐状体によって衣服が周方向に縮むことにより、衣服の内側に形成される空気層において空気の軸線方向の移動が抑制され、空気の移動に伴う放熱ロスが低減される結果、従来に比して保温性を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002439 【氏名又は名称】株式会社シマノ
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| 【出願日】 |
平成13年7月18日(2001.7.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074332 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 昇 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−27302(P2003−27302A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月29日(2003.1.29) |
| 【出願番号】 |
特願2001−217534(P2001−217534) |
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