| 【発明の名称】 |
保温手袋 |
| 【発明者】 |
【氏名】春田 勝 【住所又は居所】滋賀県大津市大江1丁目1番1号東レ株式会社瀬田工場内
【氏名】丹羽 氏輝 【住所又は居所】滋賀県大津市大江1丁目1番1号東レ株式会社瀬田工場内
【氏名】佐藤 雅伸 【住所又は居所】滋賀県大津市大江1丁目1番1号東レ株式会社瀬田工場内
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| 【要約】 |
【課題】水分子吸着性能を利用した保温効果を最大限に生かし、かつ、手や身体に触れたときに冷たく感じることのない保温手袋を提供する。
【解決手段】放湿放熱コントロール性能を有する布帛層に水分子吸着発熱性能を有す布帛層が積層された積層布帛からなる手袋であって、その放湿放熱コントロール性能を有する布帛層の透湿度が3,000〜12,000g/m2・24hrの範囲にあり、その水分子吸着発熱性能を有す布帛層の発熱エネルギー指数が5以上、かつその外側面の接触温冷感(qmax)が0.1W/cm2以下であることを特徴とする保温手袋である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放湿放熱コントロール性能を有する布帛層に水分子吸着発熱性能を有する布帛層が積層された積層布帛からなる手袋であって、該放湿放熱コントロール性能を有する布帛層の透湿度が3,000〜12,000g/m2・24hrの範囲にあり、該水分子吸着発熱性能を有す布帛層の発熱エネルギー指数が5以上あり、かつその外側面の接触温冷感(qmax)が0.10W/cm2以下であることを特徴とする保温手袋。 【請求項2】 放湿放熱コントロール性能を有する布帛層を表地とし、水分子吸着発熱性能を有す布帛層を裏地としてなり、該裏地の外側面の接触温冷感(qmax)が0.10W/cm2以下であることを特徴とする請求項1記載の保温手袋。 【請求項3】 さらに中地として、発熱エネルギー指数が5以上の布帛層を用いてなることを特徴とする請求項1または2記載の保温手袋。 【請求項4】 布帛の片面に合成樹脂からなる皮膜層を積層した、放湿放熱コントロール性能を有する布帛を表地に用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保温手袋。 【請求項5】 表面を密、裏面を粗にした多重組織織編物からなることを特徴とする請求項2〜4記載のいずれかに記載の保温手袋。 【請求項6】 水分子吸着発熱性能を有する布帛が、繊維表面に吸湿性ポリマーおよび/または吸湿性微粒子を固着させてなる布帛であることを特徴とする請求項1〜5記載のいずれかに記載の保温手袋。 【請求項7】 吸湿性ポリマーが、ビニルスルホン酸を主成分としたポリマーであることを特徴とする請求項6記載の保温手袋。 【請求項8】 吸湿性微粒子がシリカ微粒子であることを特徴とする請求項6記載の保温手袋。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スポーツ用手袋及び防寒手袋等に好適に使用される快適な保温性を持つ手袋に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の保温手袋は、含気率を上げた素材を用い、不動空気層を作ることにより、断熱性を向上させ、保温性の向上が図られていた。また、同様の目的で表地と裏地の間に中入れ綿を挿入して保温性を向上させた保温手袋も知られている。 【0003】近年になり特開平8−158124号公報で提案されているように、吸放湿吸水発熱繊維を用いることにより保温性の向上が図られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の含気率を上げた素材はカサ高になり、着用時の運動性が阻害される。 【0005】この課題を解決するものとして吸放湿吸水発熱繊維を用いた手袋を提案している特開平8−158124号公報では、保温品手袋は単に吸放湿吸水発熱繊維を使用した手袋の開示があるのみである。また、ここで用いられる吸放湿吸水発熱繊維は、吸湿性が高いために、手や身体に触れたときに冷たく感じるとともに、吸放湿吸水発熱繊維からなる手袋では、着用時に吸放湿吸水して発熱すると同時に、空気中に水蒸気を放散しているため気化熱を奪われる。したがって、吸放湿吸水発熱繊維を用いた手袋において保温性に寄与するのは、吸放湿吸水発熱から気化熱を差し引いた熱量のみである。したがって、吸放湿吸水発熱が大きいものほど奪われる気化熱が大きいため、吸放湿吸水発熱をいくら大きくしても、保温性の向上効果は小さいという問題があった。 【0006】また、本公報には、具体的な吸放湿吸水発熱繊維としてアクリル酸系吸放湿吸水発熱繊維(東洋紡績株式会社製 開発番号N−38)の記載がある他は、乾燥剤の微粉末を各種繊維材料に混合したものが挙げられているのみである。本発明の目的は、かかる実状に鑑み、水分子吸着発熱による保温効果を最大限に生かし、かつ、手や身体に触れたときに冷たく感じることのない保温手袋を安価で提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究した結果、水分子吸着発熱性能を有する布帛の上に、気化熱を制御する放湿放熱コントロール性能を有する布帛を積層することにより、水分子吸着発熱性能を効率良く発揮さるのと同時に、肌面に接した場合に冷たく感じることがない手袋が得られることを見出した。 【0008】すなわち、上述の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。 (1)放湿放熱コントロール性能を有する布帛層に水分子吸着発熱性能を有する布帛層が積層された積層布帛からなる手袋であって、該放湿放熱コントロール性能を有する布帛層の透湿度が3,000〜12,000g/m2・24hrの範囲にあり、該水分子吸着発熱性能を有す布帛層の発熱エネルギー指数が5以上あり、かつその外側面の接触温冷感(qmax)が0.10w/cm2以下であることを特徴とする保温手袋。 (2)放湿放熱コントロール性能を有する布帛層を表地とし、水分子吸着発熱性能を有す布帛層を裏地としてなり、該裏地の外側面の接触温冷感(qmax)が0.10w/cm2以下であることを特徴とする前記1項記載の保温手袋。 (3)さらに中地として、発熱エネルギー指数が5以上の布帛層を用いてなることを特徴とする前記(1)または(2)記載の保温手袋。 (4)布帛の片面に合成樹脂から成る皮膜層を積層した、放湿放熱コントロール性能を有する布帛を表地に用いたことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の保温手袋。 (5)表面を密、裏面を粗にした多重組織織編物からなることを特徴とする前記(2)〜(4)のいずれかに記載の保温手袋。 (6)水分子吸着発熱性能を有する布帛が、繊維表面に吸湿性ポリマーおよび/または吸湿性微粒子を固着させてなる布帛であることを特徴とする前記(1)〜(5)記載のいずれかに記載の保温手袋。 (7)吸湿性ポリマーが、ビニルスルホン酸を主成分としたポリマーであることを特徴とした前記(6)記載の保温手袋。 (8)吸湿性微粒子がシリカ微粒子であることを特徴とした前記(6)記載の保温手袋。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の保温手袋は、放湿放熱コントロール性能を有する布帛層に水分子吸着発熱性能を有する布帛層が積層された積層布帛からなる手袋であって、該放湿放熱コントロール性能を有する布帛層の透湿度が3,000〜12,000g/m2・24hrの範囲にあり、該水分子吸着発熱性能を有す布帛層の発熱エネルギー指数が5以上であり、かつその外側面の接触温冷感(qmax)が0.10w/cm2以下であることを特徴とする保温手袋である。 【0010】本発明の放湿放熱コントロール性能を有する布帛層および水分子吸着性能を有する布帛層に有用な布帛としては、使用目的等に応じて適宜なものを用いることができるが、例えば、ポリエステル繊維やポリアミド繊維の如き合成繊維、アセテート繊維の如き半合成繊維、綿や麻や羊毛の如き天然繊維を、単独でまたは2種以上を混合してなる織物や編物、不織布等が挙げられる。 【0011】本発明において放湿放熱コントロール性能とは、気化熱を制御することを目的とする性能である。一方、水分子吸着発熱性能を有する布帛層においては、身体から不感蒸泄等により放出された水分を吸着して発熱するが、同時に布帛から系外に水分を蒸発し、気化熱を奪うため実際に着用した場合の発熱効果は小さくなる。この気化熱を制御して、小さくすることによりはじめて、着用時に実感できる発熱効果が得られる。 【0012】しかしながら、気化熱を制御して小さくしすぎると、放湿性が小さくなり、着用時の蒸れ感が大きくなり不快なものとなる。気化熱を防ぐと同時に、着用時の蒸れ感をなくすためには、放湿放熱コントロール性能を有する布帛層の、透湿度はJIS l-1099(A-1法)の測定法で3,000〜12,000g/m2・24hrの範囲にあることが必要である。透湿度がこの範囲より低いと蒸れ感が大きくなり、また、この範囲より大きいと気化熱が大きくなり発熱性能が実感できないものとなる。透湿度は、好ましくは、4,000〜11,000g/m2・24hrの範囲であり、より好ましくは、6,000〜11,000g/m2・24hrの範囲である。 【0013】透湿度を上述の範囲にコントロールする方法としては、特に制限はないが、一例として、透湿防水加工が挙げられる。透湿防水加工とは、湿式凝固法によるポリウレタン微多孔膜や、透湿性を有するポリウレタン無孔膜およびポリテトラフロロエチレン微多孔膜をコーティングまたはラミネート手法により基布に積層する加工のことであり、防水性と透湿性が同時に得られる。また、織物の密度を増減して透湿性をコントロールすることも可能である。また、本発明で用いられる水分子吸着発熱性能を有する布帛層を構成する繊維は、吸湿性を有する繊維であり、例えば、繊維便覧-原料編-(発行:丸善(株))の245ページに記載のように、吸湿性を有する繊維は、水分子を吸着して発熱することは古くから知られている。本発明で用いられる水分子吸着発熱性能を有する布帛層は、これらの吸湿性を有する繊維からなる布帛を使用しても良いが、望ましくは、合成繊維に吸湿ポリマー等を分散して練り込むことにより、吸湿性を向上させた繊維、例えば、ナイロンにポリビニルピロリドン等の吸湿ポリマーを錬り込み紡糸して得られた吸湿性向上ナイロン糸等や後加工等により吸湿性のあるポリマーおよび/または吸湿性のある微粒子を繊維表面にバインダーで固着させることにより吸湿性を増加させ水分子吸着発熱性能を向上した布帛が実用上好ましく用いられる。 【0014】さらに望ましくは、合成繊維に吸湿ポリマーを分散して練り込むことにより、吸湿性を向上させた合成繊維に、後加工等により吸湿性のあるポリマーおよび/または吸湿性のある微粒子を繊維表面にバインダーで固着させることにより水分子吸着発熱性能をさらに増加させた布帛を使用することが好ましい。 【0015】また、上述の後加工等により吸湿性のあるポリマーおよび/または吸湿性のある微粒子を繊維表面にバインダーで固着させる方法であれば、通常の染色仕上加工の中で加工でき、比較的安価に水分子吸着発熱性能を有する布帛層を得ることができる。 【0016】吸湿性を増加させると、手または身体に触れたときに冷たく感じ保温衣料には適さなくなる。本発明は、この現象を防ぐために水分子吸着発熱性能を有する布帛層の肌と接する面(接触面または外面側の面)の接触温冷感(qmax)を0.10W/cm2以下にすることが必要である。 【0017】接触温冷感(qmax)が0.10W/cm2以下の布帛は、例えば、接触面、すなわち布帛層の外面側に凹凸を付け、接触面積を小さくした布帛構造にすることにより得ることができる。また、接触面のみに吸湿性の低い繊維を用いた2重組織等の多重織編物組織によっても得ることができる。また、起毛加工や多重組織等で肌との接触面積を小さくすることにより、接触温冷感(qmax)を0.10W/cm2以下にすることもできるが、本発明はこれらに限定されず、いかなる方法でも接触温冷感(qmax)を0.10W/cm2以下にすれば良い。 【0018】接触温冷感(qmax)は、好ましくは、0.08W/cm2以下であり、より好ましくは、0.05W/cm2以下である。 【0019】この接触温冷感は、布帛表面の接触面積が小さい(凹凸がある)ほど、また素材の吸湿率が小さいほど接触温冷感は小さくなる。例えば、ポリエチレンテレフターレート繊維100%使いの起毛トリコットの起毛面の接触温冷感は0.04W/cm2であり、起毛されていない面の接触温冷感は0.10W/cm2である。同じポリエチレンテレフターレート繊維100%使いの起毛トリコットを後加工で吸湿率3%にすると、起毛面の接触温冷感は変化せず0.04W/cm2であるのに対し、起毛のない面は0.12W/cmになる。 【0020】本発明において発熱エネルギー指数とは、ポリエステル100%素材と比較した水分子吸着発熱エネルギーであり、ポリエステル100%素材を1とした場合の比較値である。具体的な測定法は実施例で詳細に示されるが、アルコール温度計に3gの試料を巻き付け、30℃、30%RHの環境で調温、調湿させた後、30℃、90%RHの環境へ移動させた場合の吸湿時の温度上昇を経時的に観察し、横軸に時間、縦軸に温度としたグラフに30℃から上昇し再び30℃に復元するまでプロットしその面積を測定する。 【0021】本発明で用いられる、水分子吸着発熱性能を有する布帛層は、上述の発熱エネルギー指数が5以上であることが好ましい。発熱エネルギー指数が5未満では発熱効果を実感することが難しい。発熱エネルギー指数は、好ましくは8以上であり、さらに好ましくは、10以上30以下である。発熱エネルギー指数が大きすぎると汗等で湿潤した場合に暑くなりすぎる傾向を示す。 【0022】発熱エネルギー指数を5以上にするためには、例えば、ナイロンにポリビニルピロリドンを5重量%練り込むことにより、発熱エネルギー指数が13程度の糸を得ることができる。また、実施例に示したとおり、ポリエチレンテレフタレート100%素材に、アクリルアミドメチルプロパンスルフォン酸とPEG#1000ジメタクリレートの共重合物を3重量%付着させることにより発熱エネルギー指数が15程度の布帛を得ることができる。 【0023】本発明の布帛の片面に合成樹脂からなる皮膜層を積層した放湿放熱コントロール性能を有する布帛としては、布帛の片面に、ポリウレタンの湿式凝固法による微多孔膜や親水性ポリウレタンの無孔膜および微多孔ポリテトラフルオロエチレン膜をコーティング法やラミネート法で布帛に積層した透湿防水加工品等を挙げることができる。 【0024】本発明の保温手袋は、これらの透湿防水加工品を表地とし、中地に発熱エネルギー指数が5以上の中入れ綿を使用し、さらに裏地にも発熱エネルギー指数が5以上で、かつ外側面の接触温冷感が0.1W/cm2以下の布帛を使用することにより好適な透湿防水保温手袋が得られる。もちろん、上述の構成から中地を省き、透湿防水加工品を表地とし、裏地に発熱エネルギー指数が5以上で、かつ外側面の接触温冷感が0.1W/cm2以下の布帛を使用した薄手な手袋にしても本発明の目的は達成できる。 【0025】表面を密、裏面を粗にした多重組織織編物とは、例えば、2枚の織物を重ね合わせて1枚の織物として織った2重織物が挙げられる。2重織物にはタテ糸を使って2重にしたもの、ヨコ糸を使って2重にしたもの、タテ糸とヨコ糸の両方で2重にしたものがあり、本発明で用いられる2重織物はどの方法でもかまわないが、表面が密であり裏面が粗であることが必要である。表面が密、裏が粗とは裏組織に比べ表組織のカバーファクターが高いことを意味し、例えば、織物の場合は、次式で求められるカバーファクターで表裏の差が、150〜1000程度必要である。 CF=(D11/2×M)+(D21/2×N) CF:カバーファクターD1:タテ糸の繊度(dtex) M :タテ糸の密度(本/in) D2:ヨコ糸の繊度(dtex) N :ヨコ糸の密度(本/in) 表面を密にすることにより透湿度を4,000〜12,000g/m2・24hrの範囲にし、放湿放熱コントロール層とすることができる。織物でも編物でも、また2重でも3重でも、上述の構成を達成できるものであればよく、何ら限定はない。 【0026】本発明においては、上述の多重組織織編物の粗な裏面が水分子吸着発熱性能を有することが重要である。粗な裏面に、水分子吸着発熱性能を付与する方法としては、裏面に使用する糸に吸湿性の高いある繊維、例えば、前記したナイロンにポリビニルピロリドンを錬り込み紡糸して得られた吸湿性向上ナイロン糸等を織り込んでも良く、また裏面のみキスロール方式や泡加工等の後加工で吸湿性ポリマーや吸湿性微粒子を固着させても良いが、表面の密な面のみに撥水剤をキスロール方式や泡加工等で固着した片面撥水加工後、パディング法で水分子吸着発熱性能剤溶液に上述の2重組織織物を浸漬して加工すると、密な表面には薬剤がほとんど付着せず、粗な裏面のみに薬剤が付着する。この製法であれば、目的とする性能が得られると同時に表面の撥水性効果も得られる。さらに、裏面を粗にすることにより接触温冷感(qmax)を0.1W/cm2以下にすることができる。 【0027】上述の多重組織織編物を用いて縫製することにより、水分子吸着発熱性能を有する保温手袋を得ることができる。 【0028】また、布帛に水分子吸着発熱性能を付与する後加工としては、ビニルスルホン酸と架橋剤をパッディング等で布帛に付着させた後、熱処理等によりポリマー化して繊維表面に固着する方法がある。ビニルスルホン酸はPHが低く、そのまま用いると綿やナイロン繊維は脆化するため、予め中和したビニルスルホン酸ナトリウムを用いる。また、ビニルスルホン酸亜鉛を用いると消臭性能も付与できる。ビニルスルホン酸としては、例えば、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸が水分子吸着発熱性能の点で望ましい。また、吸湿率の高いシリカ微粒子をバインダーで繊維表面に固着することでも得られる。 【0029】本発明の保温手袋は、スキー、ライダー、防寒用等に好適に用いられる。 【0030】 【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (測定方法) (1)透湿度透湿度の測定は、JIS規格L−1099(A−1)による。 【0031】(2)発熱エネルギー指数幅約3.5cmの試料3gを、アルコール温度計あるいは熱電対の測定部に巻き、摂氏30℃×湿度30%RHの環境下に12時間以上放置後の温度を測定する。次に摂氏30℃×湿度90%RHの環境まで湿度を約3%/分の速度で変化させ、この間1分ごとに4時間後まで温度を測定する。測定後、上昇温度を積分したものを発熱エネルギー量として求め、次の式によって表す。発熱エネルギー指数=試料の発熱エネルギー量/ポリエステルタフタ(JIS染色堅牢度試験用添付布)の発熱エネルギー量(3)接触温冷感(qmax) カトーテック(株)製のサーモラボ2型測定器を用い、室温20℃、湿度65%RHの部屋で、BT-Boxを30℃に調節し、十分調湿したサンプルの上にBT-Box(圧力10g/cm2)を乗せ、10℃の温度差での単位面積当たりの熱流束を測定する。 【0032】(4)発熱効果(保温性向上効果) 室温5℃、湿度65%RHの部屋で手袋を着用し、エルゴメーターで75Wの運動を15分実施した後、手袋をはずし、裏返し、裏側面の温度を熱赤外線画像で測定するとともに着用感覚を確認した。 【0033】[実施例1]77dtexのナイロンフィラメントヤーンで構成されたナイロンタフタに、フッ素系撥水剤にて撥水処理を行なった。すなわち、撥水剤アサヒガードAG710(明成化学(株)製)を3重量%に含有した水分散液に上記のタフタを浸漬し、絞り率40%にピックアップし、ヒートセッターにて130℃で30秒の乾燥熱処理を施した後、170℃で1分間キュアリングした。次に、下記(処方1)に示す組成のでポリウレタン溶液を、ナイフオーバーロールコーターを使用してクリアランス200μで塗工し、次いで80℃にて熱風乾燥して、透湿度が4800g/m2・24hrの無孔質膜透湿性防水加工表地を得た。 【0034】 (処方1) ・ハイムレンY−265(大日精化(株)製、ポリエーテル系ポリウレタン、 厚さ12μmの透湿度6,300g/m2・24hr) 100部・レザミンX−100架橋剤(大日精化(株)製、イソシアネート系架橋剤) 1部・MEK 25部・トルエン 25部次に、繊維構造物として、単糸繊維繊度7.2dtex、繊維長64mmである、ポリエチレンテレフタレート100%からなる目付80g/m2のウエッブに下記組成の(処方2)の処理液をスプレーで付着率100重量%になるように吹き付けた後、120℃で2分間予備乾燥した。その後、180℃で1分間熱処理し、繊維表面にシリカ粒子を固着させた発熱エネルギー指数22の中入れ綿を得た。 【0035】 (処方2) ・シリカ粒子(サイリシア550(富士シリシア化学(株)製) 60g/l・バインダー(シリコーン系樹脂) (KT7014(固形分40%)(高松油脂(株)製)) 25g/lここで使用したシリカ粒子は、平均粒子径が2.7μm、平均比表面積が500m2/gの粒子である。 【0036】さらに、ポリエチレンテレフタレート83dtex−24Fを使用したサテントリコットのカット起毛品に対して、下記組成の(処方3)の処理液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞り、乾燥機で120℃、2分乾燥させた。 【0037】 (処方3) ・AMPS(アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸) 20g/l・PEG#1000ジメタクリレート(商品名P303 共栄社) 40g/l・過硫酸アンモニウム 2g/l乾燥後直ちに、105℃の加熱スチーマーで5分間処理し、湯水洗、乾燥した。次いで、乾燥機で170℃、1分でセットして発熱エネルギー指数15の裏地を得た。上記の表地、中入れ綿、裏地を使用して手袋を縫製し評価した。結果を表1に示す。 【0038】[実施例2]実施例1の中入れ綿を使用せず、実施例1で得られた表地と裏地を使用して手袋を縫製し評価した。結果を表1に示す。 【0039】[実施例3]実施例1において、実施例1の表地を使用せず、下記に示す高密度織物を表地として使用したこと以外は、実施例1と同様に手袋を縫製し評価した。結果を表1に示す。 【0040】沸水収縮率が8%の極細ポリエチレンテレフタレート(トータル繊度70dtex、フィラメント数144本)と沸水収縮率が17%のポリエチレンテレフタレート(トータル繊度55dtex、フィラメント数24本)とを混繊した糸をタテ糸およびヨコ糸に使用し、タテ123本/in、ヨコ70本/inに製織した平織物を、通常の方法にしたがって、精練、リラックス、乾燥、プレセット、染色、乾燥を行なった。ただし、精練、リラックス工程においては、構成マルチフィラメントの収縮差が十分発現するように、出きる限り低張力で行なった。次に、撥水剤アサヒガードAG710(明成化学(株)製)を3重量%に含有した水分散液に上記高密度織物を浸漬し、絞り率40%にピックアップしヒートセッターにて130℃×30秒の乾燥熱処理を施した。その後、180℃の加熱金属ロールが一面に他面にペーパーロールが接触するようにカレンダー処理を施し、高密度織物を得た。 【0041】[実施例4]タテ糸に83dtex−72Fのポリエチレンテレフタレート仮ヨリ加工糸、ヨコ糸に表用としてポリエチレンテレフタレート83dtex−72Fと裏用として165dtex−96Fのポリエチレンテレフタレート仮ヨリ加工糸を用いウオータージェットルーム、2ピックのドビー織機を用い、図1に示したとおりの、表組織は平、裏組織は1/3ツイルのヨコ2重織物を、仕上密度でタテ密度170本/in、ヨコ密度(表)90本/in、(裏)45本/inになるように製織とし、染色加工した。次いで、キスロール方式にて、撥水剤アサヒガードAG710(明成化学(株)製)を3重量%に含有した水分散液を表組織面に付与し、130℃×30秒の乾燥熱処理を施した後、180℃で1分間キュアリングした。その後、実施例1のトリコット起毛裏地の加工と同様に処方3の処理液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞り、乾燥機で120℃、2分乾燥させた。乾燥後直ちに、105℃の加熱スチーマーで5分間処理し、湯水洗、乾燥した。次いで、乾燥機で170℃、1分でセットして表面が密、裏面が粗な2重組織織物を得た。上記の2重織物を使用して手袋を縫製し評価した。結果を表1に示す。別に、上記の表面組織のみの平織物を製織、染色加工および片面撥水加工して透湿度を確認した結果、11000g/m2・24hrであった。 【0042】[比較例1]実施例1で得られた表地と、実施例1の中入れ綿の加工に際しシリカ粒子を除いて実施例1と同様に加工した中入れ綿と、タテ糸・ヨコ糸にポリエチレンテレフタレート83dtex−24Fを使用し、タテ密度110本/in、ヨコ密度80本/inに仕上げた平織物を裏地として手袋を縫製し評価した。結果を表1に示す。 【0043】[比較例2]比較例1において、中入れ綿を使用しない他は、比較例1と同様に手袋を縫製して評価した。結果を表1に示す。 【0044】[比較例3]比較例1において、実施例1の表地を使用せずに、実施例3で得られた表地を使用した他は、比較例1と同様に手袋を縫製して評価した。結果を表1に示す。 【0045】[比較例4]実施例4の処方3の加工のないヨコ2重組織織物を用い手袋を縫製し評価した。結果を表1に示す。 【0046】 【表1】
【0047】 【発明の効果】本発明によれば、放湿放熱コントロール性能を有する布帛層に水分子吸着性能を有する布帛を積層することにより、また肌との接触面の接触温冷感を低下させた本発明の手袋により、水分子吸着性能を発揮する保温効果の高い、手や身体に触れたときに冷たく感じることのない保温手袋が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003159 【氏名又は名称】東レ株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号
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| 【出願日】 |
平成13年7月2日(2001.7.2) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−13313(P2003−13313A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月15日(2003.1.15) |
| 【出願番号】 |
特願2001−200811(P2001−200811) |
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