| 【発明の名称】 |
ストラップレス・ブラジャー |
| 【発明者】 |
【氏名】小山 由朗 【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院中島町29番地 株式会社ワコール内
【氏名】川▲さき▼ 玲子 【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院中島町29番地 株式会社ワコール内
|
| 【要約】 |
【課題】ストラップレス・ブラジャーの支持布の脇側部を小さくして、外部にはみ出さないようにする。
【解決手段】左右カップ部に縫着されて脇側から背面側へ延在する支持布は、カップ部の脇側上端点から脇線近傍までは上端ラインを下方へ急傾斜させていると共に脇線近傍から背面へ延在する背面部は細幅とし、上記支持布の背面部の幅方向中心線がカップ部と接するA点と該支持布の背面中央に位置するB点とを結ぶ直線L1の1/2位置をC点とし、該C点とカップ部の脇側上端点Dとを結ぶ直線S1、上記C点より直線S1と同一寸法の直線S2がカップ部の脇側下部に当たる点をE点として、C−D−E点を頂点とする2等辺三角形を描き、頂点C点よりD−E間の直線S3へ下した垂線L2の延長線が上記直線L1と交差する角度θが14゜<θ<21゜の範囲となるようし、上記脇側上端ラインを上記直線S1に沿うように下方へ急傾斜させている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右カップ部に縫着されて脇側から背面側へ延在する支持布は、カップ部の脇側上端点から脇線近傍までは上端ラインを下方へ急傾斜させていると共に脇線近傍から背面へ延在する背面部は細幅とし、上記支持布の背面部の幅方向中心線がカップ部と接するA点と該支持布の背面中央に位置するB点とを結ぶ直線L1の1/2位置をC点とし、該C点とカップ部の脇側上端点Dとを結ぶ直線S1、上記C点より直線S1と同一寸法の直線S2がカップ部の脇側下部に当たる点をE点として、C点を頂点とする2等辺三角形C−E−Dを描き、頂点C点よりD−E間の直線S3へ下した垂線L2の延長線が上記直線L1と交差する角度θが14゜<θ<21゜の範囲となるように設定して、上記脇側上端ラインを上記直線S1に沿うように下方へ急傾斜させていると共に、脇側下端ラインは上記直線S2に沿うように設定していることを特徴とするストラップレス・ブラジャー。 【請求項2】 上記脇側上端ラインは上記D点からC点への1/2付近まで直線ラインS1に略一致させている請求項1に記載のストラップレス・ブラジャー。 【請求項3】 上記支持布の背面部の幅Wは10mm〜40mmの範囲に設定している請求項1または請求項2に記載のストラップレス・ブラジャー。 【請求項4】 上記ブラジャーは後中央開閉タイプで、左右のカップ部に夫れ夫れ縫着される上記支持布は背面中央で留具により係止されるものであり、上記背面中央位置B点は、上記留具が取り付けられる左右の支持布の背面側先端位置である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のストラップレス・ブラジャー。 【請求項5】 上記ブラジャーは前中央開閉タイプで、上記支持布の背面部は左右の脇側部に両端が連続するものであり、上記背面中央位置B点は、上記背面部の長さ方向の大略1/2位置である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のストラップレス・ブラジャー。 【請求項6】 上記支持布は脇側部と背面部とを1枚布で形成している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のブラジャー。 【請求項7】 上記支持布は脇側部と背面部とをそれぞれ伸縮性を有する別布で形成して、縫着して一体化している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のブラジャー。 【請求項8】 上記左右のカップ部の前面側には、カップ部の下側縁に沿った幅2cm以下の土台布を縫着し、該土台布を上記支持布と縫着し、あるいは土台布と上記支持布とを連続布で形成している請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のストラップレス・ブラジャー。 【請求項9】 上記左右のカップ部の前面側には土台布を縫着せず、左右カップ部を前中央連結布で縫着している請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のストラップレス・ブラジャー。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は肩紐を取り付けていないストラップレス・ブラジャーに関し、特に、カップ部の脇側に取り付ける支持布が外部に露出しにくいように面積を小さくしながら、カップ部を前倒れさせずに確実に支持できるようにしたものである。 【0002】 【従来の技術】肩が露出するタイプのアウターを着用した場合、ブラジャーは肩紐のないストラップレス・ブラジャーが着用される。この種のストラップレス・ブラジャーは肩紐によりカップ部を上方へ引き上げて支持する力がないため、図9に示すように、カップ部1の脇側に縫着する支持布2は、カップ部1の脇側上端点P1から下端点P2にかけて幅広とし、背面側への引っ張り力を大として、カップ部1を支持している。 【0003】また、この種のストラップレス・ブラジャーとして、本出願人は特開2001−81609号を提供している。該ブラジャーは図10に示すように、カップ部1を支持する左右のバック布2は上下2本のテープ3からなり、これらテープ3をリンク4を介してカップ部1に連結すると共に該2本のテープ3を背面側で係止用リンク5で結束し、着用者の動きに追従しやすい構成としている。 【0004】さらに、特開2001−115305号で、図11に示すように、カップ部1に縫着した脇側布に上下一対のテープ3’を連結し、これらテープ3’を背面中央で交差させた構成で、前開きタイプとされている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】近時、タンクトップ等のバストから上部が完全に露出すると共に背中上部も露出するタイプのアウターが着用される場合が増加している。さらに、アウターのトップも臍だしファッション等の流行により丈が短くなっている場合もあり、露出度が増加している場合がある。上記バスト上部、背中上部が露出するタンクトップ等のアウターを着用する場合、上記図9、図10、図11のストラップレス・ブラジャーでは、いずれもカップ部の脇側上端点P1に脇側支持布やテープが縫着されているため、この脇側の支持布やテープがアウターよりもはみ出して外部に露出しやすく、背中側でも支持布が外部に露出し易くなる。 【0006】さらに、上記外観上の問題だけでなく、図9に示すように腋下近くに幅広の支持布が存在すると窮屈感が生じる問題がある。また、図11に示すブラジャーでは、身体を動かしたりする際、特に、ひねった動作をすると支持布の上下辺がにじり寄り着崩れが生じやすい欠点がある。また、図10に示すブラジャーでは、テープ状物により身体接触部に段差が発生しやすく、アウターに響きやすいと共に、腕を挙げるとテープ状物が上方に移動してアウターの脇部や背中部からテープ状物が露出しやすい問題もある。 【0007】カップに連結する支持布の脇側部を外部に露出させないようにするには、脇側部の上端ラインを急激に下降させる必要があり、かつ、背中側で露出させないようにするには、背面部の幅を細くする必要がある。しかしながら、特に、支持布の脇側部の上端ラインを急激に下降させて支持布の面積を小さくすると、カップ部に対する側面、特に、側面上方の支持力が低減し、カップを肩紐により上方へ引っ張って支持する機能がないために、カップ部が安定保持されず、前倒しになってバストシルエットを美しく造形できない問題がある。また、背面部も外部に露出しないように幅を細くすると、背面側への引っ張り力も低減し、この点からもカップ部の支持力が低下する。さらに、丈の短いトップには、カップ部の前面下部に縫着する土台布を短くしたショートタイプのブラジャーが着用されるが、このショートタイプのブラジャーではカップ部を下方から支持する力が低下するため、カップ部がより前倒しになりやすい問題がある。 【0008】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、ストラップレス・ブラジャーにおいて、支持布の脇側上端ラインを急激に下降させて外部に露出しないようにし、さらに、背面部の幅を細くすると共にショートタイプのブラジャーとしても、カップ部が前倒れせずに安定保持できるようにすることを課題としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者は、ブラジャーにおいて、脇側から背面側へと負荷される引張力が最も有効に作用させることができる方法について鋭意研究し、かつ、実験を重ねた結果、支持布の脇側上端ラインを急激に下降させてもカップ部を前倒れさせずに安定支持できるストラップレス・ブラジャーを開発した。 【0010】即ち、本発明は、左右カップ部に縫着されて脇側から背面側へ延在する支持布は、カップ部の脇側上端点から脇線近傍までは上端ラインを下方へ急傾斜させていると共に脇線近傍から背面へ延在する背面部は細幅とし、上記支持布の背面部の幅方向中心線がカップ部と接するA点と該支持布の背面中央に位置するB点とを結ぶ直線L1の1/2位置をC点とし、該C点とカップ部の脇側上端点Dとを結ぶ直線S1、上記C点より直線S1と同一寸法の直線S2がカップ部の脇側下部に当たる点をE点として、C点を頂点とする2等辺三角形C−E−Dを描き、頂点C点よりD−E間の直線S3へ下した垂線L2の延長線が上記直線L1と交差する角度θが14゜<θ<21゜の範囲となるように設定して、上記脇側上端ラインを上記直線S1に沿うように下方へ急傾斜させていると共に、脇側下端ラインは上記直線S2に沿うように設定していることを特徴とするストラップレス・ブラジャーを提供している。 【0011】ブラジャーにおいては、支持布で背面側へ引く力は、上記支点Cとカップ部脇側上端点Dを結ぶ直線S1を一辺とする二等辺三角形を描き、該二等辺三角形の頂点となるC点から底辺への垂線L2の延長線に、支持布の背面側へ引く力の基準線とが一致した場合が最も有効となる。言い換えると、支持布の背面側へ引っ張る基準線(上記L1)を上記垂線に一致させると、カップ部を最小面積としてもバストに密着させることができる。本発明のストラップレス・ブラジャーでは、肩紐によりカップ部を上方への引き上げて密着させる力はなく、支持布でカップ部を背面側に引っ張っることのみによってバストに密着させる必要があるため、二等辺三角形の垂線L2を基準線L1よりも背面側に向けて若干下方傾斜させた方が、カップ部上端点を背面側に引く力を強くでき、カップ部をバストに密着させる安定性を高めることができる。 本発明者は、上記下方傾斜角度θ(垂線L2の延長線が直線L1と交差する角度)が好ましい範囲について実験を重ねた結果、14゜<θ<21゜であることを知見した。よって、上記二等辺三角形の直線S1にラインに脇側上端ラインに沿わせてもカップ部の脇側上端点をしっかりと背面側へ引くことができる。言い換えれば、この直線S1より上側へ脇側支持布を広げる必要はなく、直線S1のラインまで脇側上端ラインをカットしてもよい事となる。また、基点Cとカップ部の脇側下端点Eとの結ぶ直線S2は、カップ部の下辺を背面側に引く力の基準ラインとなり、このラインに脇側下端ラインを沿わせることで、カップ部の下辺をしっかりと背面側へ引くことができる。 【0012】上記脇側上端点Dはカップ部のサイズ、形状等に応じて規定されるため、脇側上端ラインS1(D−Cを結ぶライン)はC点に応じて設定される。このC点は支持布の長さL1と幅Wにより定まるが、長さL1はサイズに応じて規定される。よって、支持布の背面部の幅Wに応じて変わるC点が定められると、脇側上端ラインS1が規定されることとなる。 【0013】よって、デザイン上の観点等から設定される上記幅に応じて、上記角度θが14゜<θ<21゜の関係を満たす相互位置関係が設定されると、上記直線S1に沿わせて脇側上端ラインを急激に下降させても、カップ部に前倒れを発生させず、安定支持できることは実験より知見したことである。実験によれば、角度θが14゜より小さいと、カップ部の上辺を背面側へ引く力が弱くなり、ブラジャーをしっかりと身体に巻き付けて安定させることができないことが判明している。一方、θが21゜を越えると脇側下辺を引く力が弱くなり、カップ部がバストに安定して密着できないことが判明している。 【0014】よって、C点とD点を結ぶ直線S1が、14゜<θ<21゜の関係を満たす位置関係となるようにすれば、直線S1に沿うように脇側上端ラインを設け、急激に下降したラインとしても、ブラジャーをバストに密着させた状態で安定支持出来る。上記角度θは18゜<θ<19゜の範囲が最も好ましい。 【0015】上記脇側上端ラインは上記直線S1に完全に一致させてもよいが、上記D点からC点への1/2付近まで直線ラインS1に略一致させることにより、支持布が外部にはみ出して露出することを防止できる。 【0016】上記支持布の背面部の幅Wは、ブラジャーのサイズ、特に、カップ部のサイズに応じて変化するが、10mm〜40mm、好ましくは20mm〜37mmの範囲に設定している。 【0017】上記ストラップレス・ブラジャーは後中央開閉タイプ、前中央開閉タイプのいずれにも適用できる。後中央開閉タイプは、左右のカップ部に夫れ夫れ縫着される上記支持布は背面中央で留具により係止されるものであり、上記背面中央位置B点は、上記留具が取り付けられる左右の支持布の背面側先端位置となる。また、前中央開閉タイプは上記支持布の背面部は左右の脇側部に両端が連続するものであり、上記背面中央位置B点は、上記背面部の長さ方向の大略1/2位置となる。より詳細には、B点は背面中央位置から正面カップ側に1cm程度寄せた位置に規定される。 【0018】さらに、上記支持布は脇側部と背面部とを1枚布で形成しても良いし、上記支持布は脇側部と背面部とを別布で形成して、縫着して一体化してもよい。また、上記支持布の脇側部は伸びの無い素材で形成し、脇部を押さえる方がバストの脇流れを抑制できるために好ましい。よって、該脇側部に芯材等を挿入して補整機能を高めてもよい。 【0019】ストラップレス・ブラジャーにおいて、左右カップ部を下方より支持する土台布を長くしたロングタイプのブラジャーでは、下方からのカップ部の支持力が大きいが、土台布が無い場合あるいは土台布が小さいショートタイプのブラジャーでは下方からのカップ部の支持力が小さくなる。本発明のストラップレス・ブラジャーでは、ショートタイプで下方からのカップ部の支持力が小さくとも、カップ部の下辺を脇側から背面側へ回して引く力が最も効果的に負荷されるように設定しているため、ショートタイプであってもカップ部が前倒れしないように安定支持することができる。 【0020】具体的には、左右のカップ部の前面側には、カップ部の下側縁に沿った幅2cm以内の土台布を縫着し、該土台布を上記支持布と縫着し、あるいは土台布と上記支持布とを連続布で形成しているショートタイプのストラップレス・ブラジャーに好適に適用できる。上記のように土台布の幅を2cm以下とすると、脇側下側ラインは上記二等辺三角形の下辺S2と略平行とすることができる。さらに、左右のカップ部の前面側には土台布を縫着せず、左右カップ部を前中央連結布で縫着しているショートタイプのストラップレス・ブラジャーにも好適に適用できる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1乃至図5は第1実施形態のストラップレス・ブラジャー(以下、ブラジャーと略称する)10を示す。ブラジャー10は肩紐がなく、後中心開きで、且つ、土台部の短いショートタイプである。 【0022】上記ブラジャー10は、左右カップ部11(11A、11B)と支持布12とからなる。該支持布12は、左右カップ部11の脇線ライン(a)に縫着されるラインから略脇線ライン(b)までを脇側部13、脇線ライン(b)から背面側に延在する背面部14と、左右カップ部11の下側周縁から前側周縁に縫着される土台部15とからなる。本実施形態では脇側部13、背面部14、土台部15とからなる支持布12を1枚布より連続して形成している。 【0023】上記脇側部13の上端ライン(c)は、 カップ部の脇側上端点Dから脇線(b)の近傍までは下方へ急傾斜させている。また、脇線(b)の近傍から背面へ延在する背面部14はその幅Wを細幅とし、本実施形態では37mmとしている。 【0024】上記脇側部13の上端ライン(c)は、背面部14の長さL1と幅Wと、カップ部11の脇側上端点Dの位置との下記の相関関係に基づいて力学的観点から定めている。即ち、背面部14の幅方向中心線Pがカップ部11と接するA点と背面部14の略背面中央に位置する先端のB点とを結ぶ直線L1の1/2位置をC点とし、該C点とカップ部11の脇側上端点Dとを結ぶ直線S1とする。上記C点より直線S1と同一寸法の直線S2がカップ部11の脇側下部に当たる点をE点として、C−D−E点を頂点とする2等辺三角形を描く。上記頂点C点よりD−E間の直線S3へ垂線L2を下し、この垂線L2の延長線が上記直線L1と交差する角度θが14゜<θ<21゜の範囲となるように設定し、脇側上端ライン(c)を上記直線S1に沿うように下方へ急傾斜させている。本実施形態ではθ=18.5°としている。 【0025】詳細には、 脇側上端ライン(c)はD点からC点への1/2付近まで直線ラインS1に略一致させ、 背面部14の上端ライン14aへと滑らかに湾曲させている。 また、脇側部13の下端ライン(d)は、 上記直線S2に沿うように設定すると共に、背面部14の下端ライン14bへと滑らかに湾曲させている。 【0026】上記左右の背面部14は先端B点にフック20を取り付けた止め布21を縫着して、左右のフック20を互いに係止して開閉している。また、脇側部13に連続してカップ部11の下側周縁に縫着される土台部15のカップ下部15aは略2センチの長さとしている。左右のカップ下部15aの間に左右カップ部11A、11Bの前側周縁に両側が縫着される連結部15bを備えている。 【0027】なお、カップ部11のサイズ、素材、切り替え型等は種々に変更され、カップ部11の脇側上端点Dも変化する。また、カップ部11の周縁にそってワイヤーを装着すると否とにかかわらず適用できる。 【0028】上記構成からなるブラジャー10では、支持布12の脇側部13の上端ライン(c)は脇側上端点Dより急激に下降し、前記図9に示す従来のストラップレスブラジャーと比較して、図5中にクロス斜線で示す領域がカットされた形状となる。 また、脇側部13の下端ライン(d)も従来よりも上向きに傾斜し、 図中クロス斜線で示す領域がカットされた形状となる。また、 背面部14の幅も上下両側がカットされて細幅となる。 【0029】脇側部13の上端ライン(c)を急激に下降させると共に背面部14の幅Wを細くしてもカップ部11が前倒れせずにバストに密着した状態で安定保持されるのは下記の理由に因る。 【0030】背面部14の幅方向中心線Pがカップ部11を背面側へ引く力の基準線となり、この基準線上にカップ部11を引く力を集中させると、カップ部11に背面側への引く力を最も効果的に作用させることができる。上記基準線となるPの長さ方向の中心位置(略脇線ライン位置)のC点からカップ部11の脇側上端点Dと下端点Eにかけて脇側部13は略三角形に拡がるため、C点と脇側上端点Dを結ぶ直線S1が脇側上端点を背面側に最も強く引くラインとなる。よって、この直線S1に脇側上端ライン(c)を沿わせれば、 脇側上端点Dを前倒れさせることなくバストに密着させる力を生み出すことができる。 【0031】同様に、C点と脇側下端点Eを結ぶ直線S2が脇側下端点を背面側に最も強く引くラインとなる。よって、この直線S2に脇側下端ライン(d)を沿わせれば、脇側下端を脇線を越えて背面側に引き付ける力を生み出すことができる。 【0032】このように、従来と比較して脇線部の上部をカットしても、また、肩紐でカップ部を引き上げなくとも、さらに、カップ部の下部より丈の長い土台部で支持しなくとも、支持布12の面積を小さくしながら、カップ部を支持布で背面側へ引く力を有効に負荷することで、カップ部11に前倒れを発生させることなくバストに密着させることができる。 【0033】また、支持布12の面積を小さくし、特に、脇側上端ライン(c)を急激に下降させているため、 脇側部12がアウターよりはみ出して外部に露出することを防止できると共に、背面部13の幅も狭くできるため、背中を大きく露出したアウターよりはみ出して外部に露出することを防止できる。さらに、丈の短いトップを着用した場合にも、土台部15を短くしているため、土台部15が外部に露出することも防止できる。 【0034】かつ、腋下近傍を押さえる脇側部13が小さくなるため、窮屈感や圧迫感を生じさせず、人体の動き、特に、腕の挙動に対応させることができる。 【0035】図6は第1変形例を示し、支持布12’は土台部15’と脇側部13’を1枚の布で形成し、C点が存在する脇線ラインで別布からなる背面部14’と縫着している。また、脇側部13’には細幅の樹脂芯材30をテープ内に封入して取り付けている。他の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。このように、支持布12’を分割して縫着しても、背面側に引く力は上記実施形態と同様に作用するため、カップ部11を安定保持できる。さらに、脇側に樹脂芯材30を取り付けているため、脇側をしっかりと押さえることができ、バストの脇流れを抑制して、脇をすっきりとさせることができる。なお、脇側部と背面部との縫着ラインからカップ部との縫着ラインとの間の領域の略全体に樹脂芯材や全く伸びのない素材を重ねて縫着する等により伸び止め部としてもよい。さらに、脇側部の素材として、パワーを切り替えて編成した経編地を用い、脇側上部のパワーを下部より強くして、脇側部の素材自体でしっかりとカップ部をバストに密着させるようにしても良い。 【0036】図7は第2変形例を示し、左右の支持布12”は土台部がなく、脇側部13”と背面部14”のみからなり1枚の伸縮性布で形成している。カップ部11の下端周縁には土台布を取り付けず、左右カップ部11Aと11Bの前側周縁を中央連結布17を介して連結している。他の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。 【0037】このように、土台部を設けなくとも、脇側部13”と背面部14”によりカップ部を背面側へと引く力を効果的に作用させているため、カップ部11をバストに密着させた状態で前倒れなく安定支持できる。 【0038】図8は第2実施形態を示し、前開きタイプで、土台部がないストラップレスブラジャーからなる。上記ブラジャー20では、支持布21は両側の脇側部22と中央背面部23とを1枚の伸縮性布から形成し、脇側部22をカップ部11(11A,11B)の脇側ラインに縫着し、脇側上端点Dに脇側部22の上端ライン(c)の先端を連結し急激に下降させて背面部23の上端ライン23aに連続させている点は同様である。 【0039】脇側部22の上端ライン(c)、下端ライン(d)は第1実施形態と同様な寸法取りで設定しているため、説明を省略する。なお、其の際、背面部23は背面中央で分離していないため、背面部中央点(即ち、背面部23の1/2位置)を上記B点としている。 【0040】カップ部11の下端周縁には前記したように土台布を取り付けず、且つ、左右カップ部11の前縁部にそれぞれフック25を取り付けた中央連結布24(24A、24B)を縫着している。 【0041】この前開きタイプにおいても、カップ部11は脇側に縫着した支持布21による背面側に引く力でバストに密着した状態で安定支持される。 【0042】 【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明のストラップレスブラジャーでは、カップ部を支持する支持布の面積を最小化し、特に、脇側部の上端ラインを急激に下降させても、該上端ラインを背面側へ引く力が最も有効に作用するラインと一致させているため、カップ部をバストに密着させて前倒れなく安定保持できる。 【0043】かつ、脇側部の下端ラインも背面側へと回して引く力が最も有効に作用するラインと一致させているため、カップ部および脇側部を位置ずれなく支持でき、着崩れを発生させず、バストを美しいシルエットに保つことができる。 【0044】このように、支持布の面積を小さくしているため、アウターからはみ出して外部に露出することを防止できる。かつ、脇側部の面積が小さいため、圧迫感や窮屈感もなく、挙動追従性にも優れた利点を有するものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000139399 【氏名又は名称】株式会社ワコール 【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院中島町29番地
|
| 【出願日】 |
平成14年5月2日(2002.5.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072660 【弁理士】 【氏名又は名称】大和田 和美
|
| 【公開番号】 |
特開2003−328208(P2003−328208A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月19日(2003.11.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−130901(P2002−130901) |
|