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【発明の名称】 バストカップ用芯材
【発明者】 【氏名】美淋 広司
【住所又は居所】大阪府大阪市東成区小橋1丁目17番21号 株式会社オーゼットケー内

【氏名】三橋 克伯
【住所又は居所】大阪府大阪市東成区小橋1丁目17番21号 株式会社オーゼットケー内

【要約】 【課題】

【解決手段】バストカップの下側周辺部に袋状に形成された通し孔に挿入される芯材であって、該芯材の脇側に位置する端部は、その端縁部から奥にくい込む窪み部分とその両側の凸部分を有し、窪み部分とその両側に位置する凸部分が同程度の大きさとすることを特徴とする芯材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】バストカップの下側周辺部に袋状に形成された通し孔に挿入される芯材であって、該芯材の端部は、その端縁部から奥にくい込む窪み部分を有することを特徴とする芯材。
【請求項2】窪み部分は芯材の両端部のうち脇側に位置する端部のみに形成されていることを特徴とする請求項1記載の芯材。
【請求項3】芯材の端部にある窪み部分が半円形であり、その両側に位置する凸部分が半円形の形状をもち、窪み部分とその両側に位置する凸部分の半径を同程度としたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の芯材。
【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の芯材を用いたバストカップを有することを特徴とする衣類。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラジャーなどのバストカップを有する衣類において、バストカップの形状を保持するために、バストカップの下側周辺部に取り付けられる芯材についての発明である。
【0002】
【従来の技術】従来の芯材においてはU字型の芯材の端部を丸くしたうえ、合成樹脂コーティングをしたものや合成樹脂製のキャップをかぶせる等、先端処理をほどこすものが多かった。これはバストカップの下側周辺の袋状となっている通し孔に芯材を挿入して取り付けることから、芯材が袋状の通し孔を突き破ってしまう、いわゆる「突き抜け」があるため、芯材の端部が通し孔の表面を突き破らないようにするためである。
【0003】また、芯材は脇側と胸側とで湾曲の度合い(曲率半径)が異なるところ、芯材の形状で脇側と胸側を一見して判断することは難しいために、従来の芯材では端部をコーティングしたり、端部にキャップを被せるなどの先端処理をしたうえに色分けして脇側と胸側を一見して判別できるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の芯材では、端部にコーティングしたり、キャップを被せるなどの先端処理をする必要があるなどわざわざ製造工程が多くなるために、生産コストが高いものとなっていた。また、芯材の端部にコーティングやキャップを被せてあるために、この芯材を取り付けたブラジャーなどを装着した場合に、装着者が違和感を覚えることがある。そこで、本発明の目的は芯材の脇側と胸側を一見して判断でき、また、芯材が通し孔から突き抜けることを防止し、なおかつ製造が簡単な芯材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明は、バストカップの下側周辺部に袋状に形成された通し孔に挿入される芯材であって、該芯材の端部は、その端縁部から奥にくい込む窪み部分を有することを特徴とするものである。
【0006】これにより、芯材の端縁部には窪み部分が形成されているから、通し孔に装着された芯材が通し孔の生地を突き抜けようとしても、前記窪み部分に通し孔の生地の繊維が引っ掛かり、それにより通し孔内で芯材が係止され、通し孔から芯材の端部が突き抜けるのを防止することができる。従って、通し孔から芯材が突き出てくる「突き抜け」を防止することができる。
【0007】また、窪み部分は芯材の両端部のうち脇側に位置する端部のみに形成されていることが好ましい。
【0008】これにより、脇側に位置する端部と胸側に位置する端部の形状が異なっているために、色の異なるコーティングを施したり、キャップを被せるなど先端処理を行なわずにどちらが脇側かどちらが胸側を一見して判別することができる。特に、この窪み部分が脇側に位置するため、腕を動かすなど胸側に比べて動きの多い脇側で生じやすい「芯材の突き抜け」を効果的に防止できる。また、従来行なっていたような先端処理は芯材を作った上でキャップをはめなければならない等の手数がかかるが、凸部分と窪み部分を有する端部処理は芯材を形成する過程で同時に行なうことができるから、簡単かつ安価に芯材を作製することができる。
【0009】また、芯材の端部にある窪み部分が半円形であり、その両側に位置する凸部分が半円形の形状をもち、窪み部分とその両側に位置する凸部分の半径を同程度としたことが好ましい。なお、ここで同程度とはほぼ同じ大きさの場合を言い、窪み部分の両側に位置する凸部分が極端に小さい場合を除く趣旨である。
【0010】窪み部分に対してその両側に位置する凸部分が極端に小さくなると、その部分が槍の先のように作用し、通し孔の内部から外へ突き抜けやすくなる。一方、窪み部分が極端に小さくなると、窪み部分に応力集中が生じるために芯材の加工が難しくなる。そこで、本発明のように窪み部分とその両側に位置する凸部分を半円形として両半円形の半径が互いに同程度の大きさとしておけば、窪み部分の加工が容易なものとなり、しかも、通し孔に装着された芯材が通し孔の生地を突き抜けようとしても、前記窪み部分に通し孔の生地の繊維が引っ掛かって、芯材の突き抜け防止という究極の目的を達成することができる。
【0011】また、バストカップを有する衣服においては、請求項1ないし3のいずれかに記載の芯材を用いたバストカップを有するものとすることが好ましい。
【0012】これにより、ブラジャー、ボディースーツ、水着などのバストカップを用いた衣類において、バストカップ下部周辺の通し孔に本発明の芯材を用いることで、芯材の突き抜けが防止された衣類とすることができる。また、このようなバストカップを有する衣類において、バストカップの周辺に芯材を挿入する場合にどちらが脇側部分であるかを簡単に判別することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図面にそって示す。本発明の芯材1は、例えば、図1に示すように、ブラジャーや水着などのバストカップ2を有する衣類において、バストカップ2の下部周辺に袋状の通し孔3を形成し、その通し孔3に通されるものである。なお、図1はブラジャーについて例示してあるが、本発明の芯材1はブラジャーのみに限られるものではなく、水着やボディスーツなどバストカップ2を持つ衣類に適用することができる。
【0014】芯材1はバストカップ2の下部周辺にある袋状の通し孔3に装着される。通し孔3は図2に示すように布地を折り畳んで縫着して、芯材1を差し込み得る袋部分を形成した上で袋部分の端縁部を折り畳み、折り重なった部分を縫い合わせることによって袋状の通し孔3が形成される。通し孔3のうち、胸側に位置する端部はあらかじめ縫着して閉じられており、脇側の端部は開放してあって、この部分から芯材1を挿入する。芯材1を挿入した後、脇側に位置する端部の開放部分を縫着して閉じることで通し孔3の内部に芯材1を包容できる。なお、通し孔3と芯材1の装着方法は上記のものに限るものではなく、芯材1が通し孔3に対して着脱自在になっている場合や通し孔3の端縁部の生地を裏面に折り返した場合などを含むものである。
【0015】芯材1は、図3に示すようにU字型に湾曲されている。また、このU字型の形状は左右対称なU字ではなく、また、湾曲の度合い(曲率半径)は左右両側で異なっている。すなわち、一方(図3の左側)では急激な角度で立ち上がっているのに対し、もう一方(図3の右側)では、それに比べて緩やかな角度で立ち上がっている。この急激な角度で立ち上がる側がバストカップ2の胸側に位置する端部4であり、それに比べて緩やかな角度で立ち上がる側がバストカップ2の脇側に位置する端部5である。この湾曲の度合いの違いは、バストカップ2を有する衣類を装着した場合において、乳房を美しく見せるための保形成を高めるためである。
【0016】図3に示す芯材1の幅は約3ミリメートルであるが、これのみに限るものではなく、1〜4ミリメートル程度のものであってもよい。また、図3に示す芯材1の厚みは約1.4ミリメートルであるが、これのみに限られるものではなく、0.5〜2ミリメートル程度のものであってもよい。図3に示す芯材1は合成樹脂製の芯材であるが、合成樹脂製以外の、例えば、金属ワイヤーなど金属製のものや他の材質のものであってもよい。
【0017】このように、本発明の芯材1は端部に特徴を有するものである。従来の場合には、芯材の端部が袋状の通し孔から突き抜けるいわゆる「突き抜け」という事態が生じる率が高く、また、左右両側で湾曲の度合い(曲率半径)が異なるとは言うものの、一見して判別がつきにくい胸側端部4と脇側端部5とを判別するために、コーティングや被せたキャップの一方に着色する必要があった。さらに、芯材の端部に樹脂製のキャップを被せたり、合成樹脂によるコーティング加工を施すなどの先端加工は、芯材1の作製後に行なう必要があったので、コスト高となるなどの不都合があった。
【0018】これに対して本発明の芯材1は脇側端部5の形状に特徴を有するものである。図4〜図6に示すように芯材1の脇側に位置する端部5にはその端縁部7から奥にくい込むように窪み部分6が形成されている。端縁部7とは芯材1の端部において芯材1の幅方向の縁である。図4から図6では、芯材1の端縁部7の中央付近に窪み部分6が1つ形成されている。したがって、この窪み部分6の両側方(図の左右両側)部分が窪み部分6に対して突き出たように凸部分9が形成されている。芯材1の端縁部7に窪み部分6が形成されていることにより、通し孔3に装着された芯材1が通し孔3の生地を突き抜けようとしても、通し孔3の生地の繊維が窪み部分6に引っ掛かり、それにより通し孔3内で芯材1が係止され、通し孔3から芯材1の端部が突き抜ける「突き抜け」を防止することができる。
【0019】芯材1の端縁部7における窪み部分6とその両側に位置する凸部分9の大きさは様々に設定できる。例えば、図6に示すように、窪み部分6の大きさに比べてその両側の凸部分9が極端に大きい場合、図5に示すように、窪み部分6の大きさに比べてその両側の凸部分9が極端に小さい場合、さらに、図4に示すように、窪み部分6の大きさとその両側の凸部分9が同程度の大きさとした場合が考えられる。また、図7に示すように、窪み部分6が2つ形成され、その両側にいずれも凸部分9が形成された場合も考えられる。ここに、図4〜図7は端縁部7の窪み部分6を拡大した斜視図であるが、図示している窪み部分6とその両側にある凸部分9の形状は半円形である。図4に示す端縁部7では窪み部分6とその両側にある凸部分9の半円形の半径の比率は約1対1の大きさである。また、図5に示す端縁部7では、窪み部分6とその両側にある凸部分9の半円形の半径の比率は約2対1の大きさである。また、図6に示す端縁部7では、窪み部分6とその両側にある凸部分9の半円形の半径の比率は約1対3の大きさである。さらに、図7に示す端縁部7では、窪み部分6とその両側にある凸部分9の半円形の半径の比率は約1対1である。
【0020】図5に示すように、窪み部分6がその両側の凸部分9より極端に大きいと、その両側部分は槍の先のような作用をもつためにかえって袋状の通し孔3を突き抜けることになる。一方、図6に示すように、窪み部分6がその両側の凸部分9より極端に小さいと、窪み部分6が通し孔3の生地の繊維に引っ掛かった時に、そこに応力集中が生じてしまうために芯材1の加工工程が難しいものとなってしまう。したがって、窪み部分6とその両側の凸部分9の大きさがほぼ同程度であることが好ましい。このように、窪み部分6とその両側にある凸部分9を同程度の大きさとすると、繊維から突き抜けることがなく、また、芯材1の加工も容易なものとなる。
【0021】端縁部の窪み部分6とその両側の凸部分9の形状は丸みを帯びた形状であることが望ましい。角張った形状であると角張った部分が通し孔3の表面を傷付けてその部分を突き破ることになり、通し孔3から芯材1が突き出る恐れがあるからである。また、窪み部分6とその両側の凸部分9の形状を半円形とし、それらの半径をほぼ同じとすることが最も理想的な形態である。図4〜図6では、窪み部分6が一つ形成されている場合が図示されているが、端縁部7の形状はこれのみに限られるものではなく、窪み部分が2つ以上形成されていてもよい。なお、窪み部分6が2つ形成されている場合を図7に示す。
【0022】図4〜図7に示す芯材1は端縁部7は半円形の形状をもつものであるが、表面若しくは裏面と端縁部との辺などは角張っている。これが不都合な場合やバリなどが発生する場合に研磨処理などにより、この端縁部7の凸部分9、窪み部分6を球型の形状としてもよい。このような場合の一例を図8に示している。また、窪み部分6の形状はこの部分に通し孔3内の繊維が引っ掛かればよいものであるため、円形や球状に限るものではなく、V字型や台形の形状であってもよい。
【0023】端縁部7における窪み部分6は、胸側に位置する端部4と脇側に位置する端部5のうち脇側に位置する端部5にのみ形成されていることが好ましい。これにより、着色により脇側に位置する端部5か判別していた従来の場合に比べて、窪み部分6を形成していることで一見して判断できる。特にこの窪み部分6が脇側に位置するため、腕を動かすなど胸側に比べて動きの多い脇側で生じやすい「芯材の突き抜け」を効果的に防止できる。なおかつ窪み部分6は芯材1の成型と同時に形成できるため、芯材1成型加工後に先端加工を施す従来の場合に比べて、製造工程を簡略化することができ、生産コストを低く抑えることができる。
【0024】バストカップ2の下部周辺部にある通し孔3に芯材1を装着するには、図9、図10に示すように、通し孔3の脇側端部の開口部8から芯材1を挿入する。そして全てを挿入した後、通し孔3の脇側の開口部8を逢着して、閉じることによって通し孔3内に芯材1を包容できる。なお、前述したように、開口部8があり、縫い付けて閉じる場合のみに限られず、芯材1が通し孔3に対して着脱自在になっている場合や通し孔3の端縁部の生地を裏面に折り返すようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】請求項1記載の発明により、芯材の端部にはその端縁部から奥にくい込む窪み部分が形成されているから、通し孔に装着された芯材が通し孔の生地を突き抜けようとしても、この窪み部分に通し孔の生地の繊維が引っ掛かり、それにより、通し孔内で芯材が係止され、通し孔から芯材の端部が突き出てくる「突き抜け」を防止することができる。
【0026】請求項2記載の発明により、脇側に位置する端部と胸側に位置する端部の形状が異なっているから、着色の異なるコーティングやキャップを被せるなど従来のような先端処理を行なわずにどちらが脇側かどちらが胸側かを一見して判別することができる。また、従来行なっていた先端処理は、芯材成型後キャップをはめる等の手数がかかるが、本発明における窪み部分とその両側の凸部分は芯材を成型する過程で同時に形成されるため、簡単かつ安価に芯材を生製することができる。
【0027】請求項3記載の発明により、窪み部分とその両側に位置する凸部分の半径が同程度の大きさであるから、芯材の加工を容易なものとし、しかも、通し孔に装着された芯材が通し孔の生地を突き抜けようとしても、前記窪み部分に通し孔の生地の繊維が引っ掛かって芯材の突き抜けを防止することができる。
【0028】請求項4記載の発明により、ブラジャー、ボディースーツ、水着などのバストカップを用いた衣類において、バストカップ下部周辺の通し孔に本発明の芯材を用いることで、芯材の突き抜けが防止された衣類とすることができる。また、このようなバストカップを有する衣類において、バストカップの周辺に芯材を挿入する場合にどちらが脇側部分であるかを簡単に判別することができる。
【0029】
【出願人】 【識別番号】591050729
【氏名又は名称】株式会社オーゼットケー
【住所又は居所】大阪府大阪市東成区東小橋1丁目17番21号
【出願日】 平成14年4月15日(2002.4.15)
【代理人】 【識別番号】100103654
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 邦彦 (外2名)
【公開番号】 特開2003−306806(P2003−306806A)
【公開日】 平成15年10月31日(2003.10.31)
【出願番号】 特願2002−111588(P2002−111588)