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【発明の名称】 服飾装身具
【発明者】 【氏名】亀谷 龍也
【住所又は居所】大阪市阿倍野区播磨町1丁目14番31号 亀谷産業株式会社内

【要約】 【課題】破損時の周囲の汚染度合いが少なく、一定形状の図柄が表示でき、安価で、個性的な見栄えを有する服飾装身具を提供することを課題とする。

【解決手段】服飾装身具として、交換可能な下着の肩ひも10を、光の反射による視覚効果を有する帯状のフィルム16と、該フィルム16を被覆する無色又は有色の透明又は半透明の被覆材15とで構成する。肩ひも10が破れたり切れたりしても、それが原因で身体や衣服を著しく汚染することがない。光反射フィルム16を所定の文字やロゴマーク等に形成すれば、安定した一定形状の図柄が得られる。フィルム16を被覆材15で被覆した構成であるから、製造が容易で、コストが抑制できる。フィルム16がきらきらと光り輝く視覚効果を有するホログラムでなる図柄17…17を有するから、意匠性に優れ、見栄えのよい、従来にない個性的な肩ひも10を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 身体や衣服を飾る帯状の服飾装身具であって、光の反射による視覚効果を有するフィルム材と、該フィルム材を被覆する無色又は有色の透明又は半透明の被覆材とを、一部又は全部に含んでなることを特徴とする服飾装身具。
【請求項2】 フィルム材はマジカルフィルム又はホログラムフィルムでなることを特徴とする請求項1に記載の服飾装身具。
【請求項3】 帯状の服飾装身具は下着の肩ひもであり、下着本体に着脱自在に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の服飾装身具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人が身にまとう服飾品や装身具の技術分野に属する。ここでいう服飾装身具には、ブレスレットやネックレスあるいは指輪等、文字通りその目的のために直接身に付けるものを含む他、例えば装飾され交換可能な下着の肩ひも等、衣服の一部という本来の役割に加えて、衣服を飾りひいては身体を飾るという意匠的な機能が2次的に付与されたようなものも含む。
【0002】
【従来の技術】近年、隠す下着から見せる下着へと女性の意識が変化している。例えば実用新案登録第3079358号は、いきいきとまぶしい美感の視覚効果を有する女性用下着の肩ひもを教示する。それによれば、例えばポリウレタン等の透明な素材で肩ひもを作り、その中に中空の収容スペースを1重又は2重に形成する。そして、その収容スペースに、金糸や蛍光粉等を素材として月や星や花の形に形成した多数の細かな装飾物を分散した液体を充填する。こうすることで、それまでは見えると恥ずかしいという意識のあった下着の肩ひもが、見えてもかまわないもの、あるいはむしろわざと人に見せてファッションを楽しむもの、というふうに、それだけで消費者の購買意欲を高揚させ、単独で市場取引可能な1つの商品、すなわち服飾装身具に転換する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記技術に係る肩ひもの場合、多数の細かな装飾物を分散した液体を内包するから、肩ひもが破れたり切れたりしたときには、その液体が外部に漏れ、身体や上着に飛び散り、これらを汚し、後始末が大変である。また、1片の装飾物のそれぞれは、月や星や花等の意匠性のある形状をしているが、液体の中で浮かんでいるため、個々の場所が一定せず、全体で何か一定形状の図柄(例えば文字やロゴマーク等)を表示させることはできない。さらに、肩ひもの中に筒状の中空スペースを形成し、そのスペース内に液体を注入するから、製造工程が長大複雑化し、製造コストが高くなるうらみもある。
【0004】そこで、本発明は、破損時の周囲の汚染度合いが少なくて済み、一定形状の図柄が表示でき、しかも安価で、個性的な見栄えを有する服飾装身具を提供することを課題とする。以下、その他の課題を含め、本発明を詳しく説明する。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、身体や衣服を飾る帯状の服飾装身具であって、光の反射による視覚効果を有するフィルム材と、該フィルム材を被覆する無色又は有色の透明又は半透明の被覆材とを、一部又は全部に含んでなることを特徴とする。
【0006】本発明に係る服飾装身具は、その一部又は全部が、固体のフィルム材を被覆材で被覆した構成である。例えば、フィルム材を被覆材で内包したり、挟み込んだり、あるいはフィルム材と被覆材とを積層した構成である。よって、もし服飾装身具が破れたり切れたりしても、液体が外部に漏れるようなことがなく、身体や衣服を汚さない。また、フィルム材が固体であるから、例えば該フィルム材自体の形状を所定の文字やロゴマーク等に形成すれば、安定した一定形状の図柄が簡単に得られる。また、フィルム材を被覆材で被覆したシンプルな構造であるから、製造が容易で、コストの抑制が図られる。
【0007】その上で、フィルム材がきらきらと光り輝く視覚効果を有するフィルム材であり、かつ被覆材が外部から内側を透かして観察することのできる被覆材であるから、両者の外観が相俟って、意匠性に優れ、見栄えのよい、従来にない個性的な服飾装身具が提供される。
【0008】次に、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、フィルム材はマジカルフィルム又はホログラムフィルムでなることを特徴とする。
【0009】この発明によれば、光の反射による視覚効果がとりわけ特徴的な服飾装身具が提供される。すなわち、マジカルフィルムを用いると、鏡面のような滑らかな金属光沢が発現されると同時に、見る角度によって光沢の色が変わり、また裏が透き通って見え、幻影的な図柄が得られる。一方、ホログラムフィルムを用いると、これも見る角度によって虹色・玉虫色に多彩に光り輝く動的な光反射効果が得られる。いずれも本発明に係る服飾装身具の意匠性・顕著性をより一層際立たせる。なお、上記両フィルム材は、一般に、上記名称で市場において商業的に入手可能である。
【0010】次に、請求項3に記載の発明は、上記請求項1又は2に記載の発明において、帯状の服飾装身具は下着の肩ひもであり、下着本体に着脱自在に設けられることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、いままで見えると恥ずかしいと思われていた、例えばキャミソールやブラジャー等の下着の肩ひもが、TPOに応じて交換可能な商品性の高い1つのファッションアイテムに変貌し、それにより、服飾装身具市場における新たな分野の開拓及び同市場の拡大に寄与する。
【0012】なお、本発明が適用可能な服飾装身具として、他に、直線状、湾曲状、あるいは環状の、ひも状・帯状のブレスレットやネックレスあるいは指輪等が含まれるのはいうまでもない。本発明に係る服飾装身具は、例えば被覆材が樹脂である場合、プラスチックの押出成形技術、特に多層押出成形技術によって製造することが可能である。押出成形技術によれば、フィルム、シート、パイプ、異形材等の様々な断面形状をもった長尺物を連続成形することができ、その結果、直線状、湾曲状、あるいは環状の、ひも状・帯状のブレスレット、ネックレス、指輪、下着の肩ひも等を、容易かつ安価に製造することができる。以下、発明の実施の形態を通して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る服飾装身具をキャミソール1の肩ひも10,10に適用した例を示す。左右の肩ひも10,10はそれぞれキャミソール1の本体1aに対して着脱自在であり、肩ひも10,10だけを交換することができる。その結果、キャミソール本体1aはそのままで、肩ひも10だけを取り替えることにより、TPOに応じた何パターンものファッションを楽しむことができる。よって、この肩ひも10は、消費者の購買意欲を高揚させ、単独で十分な商品価値を具備する1つの服飾装身具である。
【0014】肩ひも10をキャミソール本体1aに対して着脱自在とする構成は特に限定されず、いずれの周知技術も採用可能である。本実施形態では、図2に拡大して示すように、フックとリングとを用いている。すなわち、肩ひも10の前後の端部11,11にフック11a,11aを取り付け、キャミソール本体1aの対応部位にリング1b…1bを設けて、フック11aをリング1bに通して係止している。なお、本実施形態では、肩ひも10は樹脂製であり、同じく樹脂製のフック11aを熱溶着や接着剤で肩ひも10の端部11に取り付けてある。一方、リング1bは布材を縫製したものであり、キャミソール本体1aに縫い付けてある。もちろん、上記に代えて、例えばボタンとボタン穴、ホックとホック穴等を用いて、肩ひも10を着脱自在とすることもできる。
【0015】図2に示すように、この肩ひも10は、基本的構成として、光の反射による視覚効果を有する帯状のフィルム16を無色透明の被覆材15で内包している。被覆材15の素材としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン、軟質塩化ビニル等が好ましく使用可能である。本発明者の知見によれば、肌触り、フィルム16との接着性、その余の点でウレタン樹脂が最適である。被覆材15は、内包したフィルム16が外部から観察可能であれば、透明度は問題とならず、例えば半透明であってもよい。また、同じく、内包したフィルム16が外部から観察可能であれば、無色に限定する必要はなく、例えば青や緑等に着色されていても構わない。被覆材15の素材は、またもちろん、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でいずれの素材も採用可能であり、樹脂に限定されるものではない。
【0016】一方、光反射効果を有するフィルム16としては、例えばマジカルフィルムやホログラムフィルムが好ましく使用可能である。両フィルム材とも市場で上記名称により商業的に入手可能であり、それぞれ光の反射による特徴的な視覚効果を具備する。マジカルフィルムは、例えば複数のポリエステル薄膜を延伸軸をずらす等しながら積層した構造を有し、鏡面のような滑らかな金属光沢が発現されると同時に、見る角度によって光沢の色が変わり、またある角度から観察すると裏が透き通って見える。一方、ホログラムフィルムは、例えばポリエステルフィルム上にアルミニウムを蒸着し、その表面に微細なエンボス加工を施した構造で、やはり見る角度によって虹色・玉虫色に多彩に動的に光り輝く特徴的な光反射の視覚効果が得られる。光反射フィルム16も、またもちろん、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でいずれのフィルム材も採用可能であり、上記両フィルム材に限定されるものではない。
【0017】このように、この肩ひも10においては、フィルム16自体が光の反射による特徴的な視覚効果を有すると共に、被覆材15を透かして該フィルム16を外部から観察することができるから、被覆材15の外観と光反射フィルム16の外観とが相俟って、例えば該フィルム16をそのまま観察したときよりも意匠性・顕著性に富み、見栄えに優れ、個性的な外観の肩ひも10となる。加えて、この肩ひも10においては、固体のフィルム16を固体の被覆材15で内包した構成であるから、万が一、肩ひも10が破れたり切れたりしても、内容物が細かく飛散したり液体が漏れ出すようなことがなく、よって身体やキャミソール本体1aあるいは他の衣服を著しく汚染することがない。
【0018】本実施形態で採用する光反射フィルム16は、図2に示すように、透明なポリエステルフィルム上に部分的に一定間隔でホログラム17…17を並設したものである。各ホログラム17はそれぞれ花の形を呈し、安定した一定形状の図柄を提供している。このようなフィルム16は例えば次のようにして容易に製造することができる。まず、ポリエステルフィルムの片面に印刷インキ(無色又は有色及び透明又は半透明)で花の形を一定間隔で印刷する。ホログラムを全面的にベタ形成したホログラムフィルムをその上に押し付けて剥がすと、インキの粘着力により、インキの部分にのみホログラムが花の形に転移する。これにより、ポリエステルフィルムの片面に、インキと、ホログラムとが、この順に部分的に積層した帯状の光反射フィルム16が得られる。
【0019】図3に示すように、光反射フィルム16は、肩ひも10のオモテ側に透明なポリエステルフィルムが配置され、ウラ側にインキ及びホログラム17が配置されるように内包されている。これにより、肩ひも10をオモテ側から観察したときに、被覆材15、ポリエステルフィルム、及びインキを透かして花の形のホログラム17が光り輝いて見える。このとき、被覆材15のみならず、ポリエステルフィルム及びインキの透明度や色彩をいろいろに組み合わせることにより、種々印象の異なる図柄を得ることができる。もちろん、このように図柄17…17をフィルム16上に部分的に形成しなくても、例えば全ベタのマジカルフィルムやホログラムフィルム自体の形状を所定の文字やロゴマーク等に形成してもよい。
【0020】図4は光反射フィルム16を被覆材15で被覆する他の例を示す。図4(a)はフィルム16を被覆材15で挟み込んだ例、図4(b)はフィルム16と被覆材15とを積層した例である。ただし、図4(a)では、光反射フィルム(例えば帯状のマジカルフィルム)16の上に別の透明の帯状フィルム18を積層している。この第2のフィルム18には、例えば図5(a)に示すように、所定の模様(図例ではアニマルプリント)が印刷されている。したがって、この第2フィルム18の模様と、その下の光反射フィルム16の金属光沢とが重なり合って、全体としてさらに意匠性に優れた視覚効果が得られる。
【0021】一方、図4(b)では、被覆材15のウラ面に光反射フィルム(例えば帯状のホログラムフィルム)16を全面的に貼り付けてある。したがって、図5(b)に示すように、シンプルではあるが、ホログラムの特徴(虹色・玉虫色)を最大限に活かした顕著性に優れた視覚効果が得られる。なお、これらの場合、被覆材15や第2フィルム18の色を変えて、肩ひも10全体の印象の変化をいろいろに楽しむことができるのはいうまでもない。
【0022】この肩ひも10は、樹脂を素材とする被覆材15で、帯状のフィルム16を長手方向に沿って内包し、挟み込み、あるいは積層した構成であるから、製造が容易でコストが抑制できるという利点がある。この肩ひも10の製造方法としては、予め帯状に成形した被覆材15や光反射フィルム16等の構成部材を重ね合わせて熱で溶着する方法や、接着剤で接着する方法等の他、例えばプラスチックの押出成形技術、特に、クロスヘッドダイを用いた多層押出成形技術、あるいは押出ラミネーション方式による多層押出成形技術を採用することが可能である。このような押出成形技術によれば、周知のように、フィルム、シート、パイプ、異形材等の様々な断面形状をもった長尺物を連続成形することができるから、本実施形態のような下着1の肩ひも10のみならず、ブレスレットやネックレスあるいは指輪等の、直線状、湾曲状、あるいは環状の、ひも状・帯状の服飾装身具一般を確実に容易かつ安価に製造することができる。
【0023】図6に示すように、この肩ひも10をブラジャー2の肩ひもに使用してもよい。もちろん、この場合も、肩ひも10はブラジャー本体2aに対して両端部11,11で着脱自在である。これにより、同一の下着に対して複数の肩ひも10を交換することも、同種の下着間で肩ひも10を交換することも、また異種の下着間で肩ひも10を交換することも可能となる。下着は他にもスリップ等でもよい。
【0024】図7は本発明に係る服飾装身具をブレスレット3に、図8はネックレス4に、図9は指輪5に、それぞれ適用した例を示す。図7のブレスレット3は、全体が、光反射フィルム3bを被覆材3aで被覆した構造である。一方、図8のネックレス4は、一部が、光反射フィルム4bを被覆材4aで被覆した構造であって、その他の部分として、長さ調整部4cを含む。長さ調整部4cの外観と光反射フィルム4bの外観とが異質であるから、これによってもネックレス4全体の見栄えが特徴的なものとなる。図9の指輪5は、図7のブレスレット3同様、全体が、光反射フィルム5bを被覆材5aで被覆した構造であるが、途中に隙間がなく、適宜の連結材(図示せず)により、帯状の押出成形体が環状につながっている。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、破損時の周囲への汚染度合いが少なくて済み、一定形状の図柄が表示でき、しかも安価で、個性的な見栄えの服飾品・装身具が提供される。本発明は、ブレスレットやネックレスを始め、交換可能な女性用下着の肩ひも等、帯状の服飾品・装身具一般への幅広い利用が期待される。
【出願人】 【識別番号】594147660
【氏名又は名称】亀谷産業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区播磨町1丁目14番31号
【出願日】 平成14年4月11日(2002.4.11)
【代理人】 【識別番号】100083013
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 正明
【公開番号】 特開2003−306802(P2003−306802A)
【公開日】 平成15年10月31日(2003.10.31)
【出願番号】 特願2002−108806(P2002−108806)