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【発明の名称】 ブラジャー類の留め具、その製造方法及びそれを用いたブラジャー類
【発明者】 【氏名】横関 加代子
【住所又は居所】大阪市北区中崎西2丁目4番12号、梅田センタービル、グンゼ株式会社アパレル事業本部内

【氏名】米田 恭二
【住所又は居所】大阪市中央区南本町4丁目2番4号、モリト株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】ブラジャー類のストラップ左右末端(1,3)に取り付けられる左右留め具(5,7)であって、雄側留め具(7)は、少なくとも1列あり、1列あたり少なくとも1個の合成樹脂製の雄側スナップボタン(6)を雄側生地テープ(18)に成形固定した雄側テープ断片(18a)と、雌側留め具(5)は、少なくとも1列あり、1列あたり少なくとも1個の合成樹脂製の雌側スナップボタン(4)を雌側生地テープ(30)に成形固定した雌側テープ断片(30a)とからなるものであって、前記雄側スナップボタン(6)は、係合突起(20)を、ベースを介することなく、生地テープ(30)から直接起立させたものであることを特徴とするブラジャー類の留め具。
【請求項2】 雄側テープ断片(18a)及び雌側テープ断片(30a)の上下端部(テープ切断部)(13,15,27,29)が超音波溶接され、遊端部(17,31)及びスナップボタン近辺(19,33)が縫合接着されている請求項1記載の留め具。
【請求項3】 雄側テープ断片(18a)及び雌側テープ断片(30a)の下側に補強基布(9,25)が設けられている請求項1又は2記載の留め具。
【請求項4】 前記雄側スナップボタン(6)及び雌側スナップボタン(4)の外観が表から見ても裏から見てもリング状である請求項1ないし3のいずれかに記載の留め具。
【請求項5】 ブラジャー類のストラップ左右末端(1,3)に取り付けられる左右留め具(5,7)の製造方法であって、複数列あり、1列あたり少なくとも1個の合成樹脂製の雄側スナップボタン(6)を成形固定した雄側生地テープ(18)から少なくとも1列の雄側断片(18a)を切り出して、雄側留め具(7)とし、複数列あり、1列あたり少なくとも1個の合成樹脂製の雌側スナップボタン(4)を成形固定した雌側生地テープ(30)から少なくとも2列の雌側テープ断片(30a)を切り出して、雌側留め具(5)とし、ここで、前記雄側スナップボタン(6)は、係合突起(20)を、ベースを介することなく、生地テープ(30)から直接起立させたものであり、前記雌雄留め具(5,7)をブラジャー類のストラップ左右末端(1,3)に取り付けたことを特徴とするブラジャー類の留め具の製造方法。
【請求項6】 雄側スナップボタン(6)を成形する際に、ファスナ成形用空間を形成した上下金型間に、溶融樹脂が成形圧力によって通過浸透する粗さの無孔の生地テープ(18)を配設し、雄側スナップボタン(6)の係合突起(20)内側に位置するくぼみ部分の生地テープを前記上下金型で挟み込み固定し、その後、合成樹脂を前記成形空間内に射出し、生地テープ両面に形成される雄側スナップボタンの表面部側と裏面部側とを生地テープ(18)を透過する合成樹脂によって一体化させた請求項5記載の方法。
【請求項7】 雌側スナップボタン(4)を成形する際に、ファスナ成形用空間を形成した上下金型間に、溶融樹脂が成形圧力によって通過浸透する粗さの無孔の生地テープ(30)を配設し、雌側スナップボタン(4)の係合くぼみ(32)部分の生地テープを前記上下金型で挟み込み固定し、その後、合成樹脂を前記成形空間内に射出し、生地テープ両面に形成される雄側スナップボタンの表面部側と裏面部側とを生地テープ(30)を透過する合成樹脂によって一体化させた請求項5記載の方法。
【請求項8】 請求項1ないし4のいずれかに記載のブラジャー類の留め具(5,7)を有するブラジャー類。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラジャー類の留め具、その製造方法及びそれを用いたブラジャーに関する。ここで、「ブラジャー類」とは、少なくともカップとストラップ左右末端を有する女性用衣類で、ブラジャー、水着、ランジェリー、コルセットを含む。以下の説明では、ブラジャーを例にとって説明する。
【0002】
【従来の技術】ブラジャーの留め具は、着用者の背中側又は前側の左右ストラップ端部に設けられ、両者を互いに係合させることにより、着用者に固定される。ストラップ端部は、着用者の体格に合わせて数段階に長さの調節が可能なようになっているのが普通である。
【0003】この留め具として最も一般的なのは、ホック・アンド・アイレット方式のものである。この従来の留め具は、金属で製造されることが多いため、(1)他の衣服にかぎ裂きを作りやすい、(2)洗濯時に損傷しやすい、(3)他の部分と同じ色に着色するのが難しい、というような欠点がある。
【0004】そこで、特開2001−178507では、この留め具をプラスチック製のスナップボタンとすること、これをテープ付きスナップファスナから作成することを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開2001−178507の発明で使用するスナップボタンは雌雄ボタンともベース部を有するので、両者を係合させたときに厚みが分厚くなってしまうという欠点がある。
【0006】本発明も、基本的には特開2001−178507の考えを承継するものであるが、次の特徴を有するブラジャー留め具を提供することを目的としている。
(1)使用するスナップボタンの改良することにより、雌雄ボタンを係合させたときにも厚みが従来のものよりも薄いものとする。
(2)全般的に強度を高めて、耐久性のあるものとする。
【0007】本発明はまたそのようなブラジャー類の留め具の製造方法及びそれを用いたブラジャー類も提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願第1発明は、ブラジャー類のストラップ左右末端に取り付けられる左右留め具であって、雄側留め具は、少なくとも1列で、1列あたり少なくとも1個の合成樹脂製の雄側スナップボタンを雄側生地テープに成形固定した雄側テープ断片と、雌側留め具は、少なくとも1列で、1列あたり少なくとも1個の合成樹脂製の雌側スナップボタンを雌側生地テープに成形固定した雌側テープ断片とからなるものであって、前記雄側スナップボタンは、係合突起を、ベースを介することなく、生地テープから直接起立させたものであることを特徴とする。
【0009】本願第2発明は、ブラジャー類のストラップ左右末端に取り付けられる左右留め具の製造方法であって、複数列あり、1列あたり少なくとも1個の合成樹脂製の雄側スナップボタンを成形固定した雄側生地テープから少なくとも1列の断片を切り出して雄側留め具とし、複数列あり、1列あたり少なくとも1個の合成樹脂製の雌側スナップボタンを成形固定した雌側生地テープから少なくとも2列の雌側テープ断片を切り出して雌側留め具とし、ここで、前記雄側スナップボタンは、係合突起を、ベースを介することなく、生地テープから直接起立させたものであり、前記雌雄留め具をブラジャーストラップ左右末端に取り付けたことを特徴とする。
【0010】本願第3発明は、上記のブラジャー類の留め具を有することを特徴とするブラジャー類である。
【0011】
【発明の実施の態様】雄側テープ断片及び雌側テープ断片の上下端部(テープ切断部)が超音波溶接で十分であるが、遊端部及びスナップボタン近辺は強度を高めるために縫合接着することが好ましい。
【0012】また、同じ目的で雄側テープ断片及び雌側テープ断片の下側に補強基布を設けるのが好ましい。
【0013】前記雄側スナップボタン及び雌側スナップボタンの外観は表から見ても裏から見てもリング状であるのが、美観上好ましい。孔のあけられていないテープを使用するので、リングの中央にはテープが露出する。
【0014】雄側スナップボタンを成形する際には、ファスナ成形用空間を形成した上下金型間に、溶融樹脂が成形圧力によって通過浸透する粗さの無孔の生地テープを配設し、雄側スナップボタンの係合突起内側に位置するくぼみ部分の生地テープを前記上下金型で挟み込み固定し、その後、合成樹脂を前記成形空間内に射出し、生地テープ両面に形成される雄側スナップボタンの表面部側と裏面部側とを生地テープを透過する合成樹脂によって一体化させるのが好ましい。
【0015】雌側スナップボタンを成形する際には、ファスナ成形用空間を形成した上下金型間に、溶融樹脂が成形圧力によって通過浸透する粗さの無孔の生地テープを配設し、雌側スナップボタンの係合くぼみ部分の生地テープを前記上下金型で挟み込み固定し、その後、合成樹脂を前記成形空間内に射出し、生地テープ両面に形成される雄側スナップボタンの表面部側と裏面部側とを生地テープを透過する合成樹脂によって一体化させるのが好ましい。
【0016】
【実施例】以下、添付の図面に基づき本発明の実施例を説明する。
【0017】図1は、本発明実施例に係るブラジャーの留め具を設けたブラジャーストラップの両端部の平面図である。(a)は左端部1、(b)は右端部3である。図2(a)は図1における2(a)−2(a)線断面図、図2(b)は図1における2(b)−2(b)線断面図である。
【0018】図1(a)の左側端部1には左側留め具5が設けられ、2列にわたって2個ずつ雌側スナップボタン4が設けられている。図1(b)の右側端部3には右側留め具7が設けられ、2個の雄側スナップボタン6が設けられている。左右留め具の雌雄スナップボタン4,6を係合させることにより、左右のブラジャーストラップ端部1,3同士が結合される。この結合部は背中側の場合が多いが、前側でもよい。
【0019】図3−8に基づいて、本発明で使用するスナップボタン4,6及びその製造方法を説明する。図3は、スナップボタンの原料となるテープ付きファスナ2を接合面側から見た平面図であり、(a)は雌側スナップボタン4側のテープ30、(b)は雄側スナップボタン6側のテープ18である。各スナップボタン4、6はほぼリング状の外観を有する。各スナップボタンの反対側は図示していないが、やはりそれぞれリング状の外観を有する。ただし、反対側のリングの幅は、後記する成形上の理由により、やや太くなる。
【0020】雌側テープ30は両端を折り返してスナップボタン位置では二重にして使用している。雄側テープ18も両側を折り返しており、スナップボタン位置では二重にして使用している。両方のテープともスナップボタン取付け用の孔はあけられていない。後記するようにその必要がないからである。
【0021】図4は雄側スナップボタン6の平面図、図5は断面図である。このスナップボタン6は、従来の雄側スナップボタンと異なり、図5に示すように、生地テープ付近のベースが実質的に存在しない。図面では、生地テープ18との接合面がやや膨らんでいるが、この程度の膨らみはベースと見なさないし、設計次第でほぼ完全にこれをなくすこともできる。
【0022】雄側スナップボタンの係合用突起20は、先端部周囲に係合用膨出縁22と樹脂弾性による拡縮変形のための凹部24を有する。
【0023】この雄側スナップボタン6を成形するには、ファスナ成形用空間を形成した上下金型(図示せず)間に、溶融樹脂が成形圧力によって通過浸透する粗さの、孔のあけられていない生地テープ18を配設し、係合突起20内側に位置するくぼみ部分28の生地テープを前記上下金型で挟み込み固定し、その後、合成樹脂を前記成形空間内に射出する。図5の符号26の小さなくぼみが金型の射出口に相当する。この射出口設定のために裏面側から見たリング幅が係合突起20の幅(即ち、表側から見たリング幅)よりもやや幅広となる。
【0024】このようにして、生地テープ18両面に形成される雄側スナップボタンの表面側と裏面側とが生地テープ18を透過する合成樹脂によって一体化される。このファスナ側スナップボタンは、上記したように係合突起20内側に位置するくぼみ部分28に位置する生地テープが上下金型で挟まれて固定されているので、高い射出圧にむき出しでさらされる生地テープの面積が従来技術に比べて小さくなった。そのため、テープが成形時に射出圧により歪んだり、波打つようなことがないほとんどなくなる。その結果、テープが合成樹脂表面から露出して、ファスナの強度を落とし、美観を損なうような事態を避けることができる。
【0025】テープ生地18としては、溶融されることなく溶融樹脂が透過する生地であることが必要で、織物でも編物でもよく、例えば木綿生地、混紡生地等を採用することができる。合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、例えばポリアセタール溶融樹脂を使用することができる。
【0026】図6は雌側スナップボタン4の平面図であり,図7は断面図である。生地テープ30を鋏んで合成樹脂により係合用くぼみ32を形成している。雌側スナップボタンの係合用くぼみ32は、その開口部内側に型抜きを許容する範囲の係合用縁34を形成している。
【0027】この雌側スナップボタンの成型方法は雄側スナップボタン6のそれとほぼ同様であるので、詳細な説明を省略する。図7の符号36の小さなくぼみが樹脂注入口である。
【0028】本発明の雄側スナップボタン6と雌側スナップボタン4を係合させた状態の断面を図8に示す。ブラジャー留め具における雌雄スナップボタンの係合状態の拡大図とみなすことができる。
【0029】本発明では、これらの雌側テープ30及び雄側テープ18を図3のテープ付きスナップファスナ2から一点鎖線で切断し、ブラジャー留め具として使用する。ただし、これを単にブラジャーストラップに縫いつけるだけでは強度的に弱いので、次のようにして強度を上げている。
【0030】雌側スナップボタン4を有する左側留め具5では、図2(a)に示すように、下部(着用者側)に不織布からなる基布9を設けている。その基布の両端は折り返して二重9a,9bとなっている。その基布9の上に上記した雌側スナップボタン4を有する雌側テープ断片30aが乗せられている。基布9は、雌側テープ断片30aよりも若干長く形成されていて、長さを揃えるために、中間布11が縫合により雌側テープ断片30aに接続されている。
【0031】上記の状態で、上下端部13,15(図1(a)参照)が超音波溶接されている。遊端部17も超音波溶接してもよいが、この部分は特に強度が必要であるので、縫合が好ましい。さらに強度を上げるため、2列のスナップボタンの中間部19においても縫合されている。
【0032】この左側留め具5と左側ブラジャーストラップ左端部1を接合するには、左側ブラジャーストラップ左端部1を留め具の基布9と中間布11の間に挟み、中間布11の両端21,23を縫合により固定する。
【0033】雄側スナップボタン6を有する右側留め具7では、図2(b)に示すように、下部(着用者側)に三重の基布25を設けている。基布の両端は折り返して二重25a,25bとなっており、間に芯材25cが挿入されているからである。その基布25の上に上記した雄側スナップボタン6を有する雄側テープ断片18aが乗せられている。
【0034】上記の状態で、上下端部27,29(図1(b)参照)が超音波溶接されている。遊端部31も超音波溶接してもよいが、この部分は特に強度が必要であるので、縫合が好ましい。さらに強度を上げるため、スナップボタンの近辺33においても縫合している。
【0035】この右側留め具7と右側ブラジャーストラップ右端部3を接合するには、右側ブラジャーストラップ右端部3を留め具の基布25と雄側テープ断片18aの間に挟み、その位置35を縫合により固定する。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、留め具において使用する雄側スナップボタン6は、係合突起20を、ベースを介することなく、生地テープ30から直接起立させたものであるので、雌雄スナップボタン4と係合させたときにもそのベース分だけ厚みを減らすことができる。本願発明における係合状態を示す図8では上下生地の間はt1であるのに対して、従来技術における係合状態を示す図9では上下生地の間はt2であることにより明らかである。
【0037】また、本発明の留め具は、補強基布9,25を設けるとともに縫合部17,19,21,23,31,35を多用しているので強度的に強化されている。
【出願人】 【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
【住所又は居所】京都府綾部市青野町膳所1番地
【識別番号】000114606
【氏名又は名称】モリト株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区南本町4丁目2番4号
【出願日】 平成13年11月19日(2001.11.19)
【代理人】 【識別番号】100062498
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 卓 (外1名)
【公開番号】 特開2003−155606(P2003−155606A)
【公開日】 平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願番号】 特願2001−353250(P2001−353250)