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【発明の名称】 ショーツ又はガードル
【発明者】 【氏名】杉野 菜穂子
【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院中島町29番地 株式会社ワコール内

【要約】 【課題】緊迫力の大小の境界領域に、緊迫力の急激な変化を緩和する緩衝領域として機能できる意匠柄模様が編み込まれたジャカードシングルラッセル編地からなるショーツ又はガードルを提供する。

【解決手段】非弾性糸の地編組織に弾性糸が挿入されてたシングルラッセルジャカード編地からなり、地編組織を切り替えて、臀部の膨らみをカバーする部分(a)23を、緊迫力の弱い地編組織で構成し、臀部の膨らみの下方部分から臀部の膨らみの脇側部分(b)24を、緊迫力の強い地編組織で構成し、前記(a)と(b)の間の境界領域として、前記(a)と(b)の部分にまたがって凹凸状に出入りする部分を有するバラの花と葉並びに蔓からなる略帯状の意匠柄模様25で、その緊迫力が前記(a)と(b)の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域が非弾性糸による編み分けにより設けられているショーツ又はガードル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 非弾性糸からなる地編組織に弾性糸が挿入されているシングルラッセルジャカード編地からなるショーツ又はガードルであって、前記ショーツ又はガードルを構成する編地のうち、少なくとも後ろ側に充当されるシングルラッセルジャカード編地は、その編方向がショーツ又はガードルのほぼ横方向になるように用いられ、緊迫力の強弱の要求に応じて非弾性糸の地編組織を切り替えて、編組織の変化により1つの編地中に非弾性糸に基づく比較的緊迫力の強い編組織からなる部分から比較的緊迫力の弱い編組織からなる部分までを編み分け、臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)を、前記比較的緊迫力の弱い地編組織で構成し、その他の部分である臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)を、比較的緊迫力の強い地編組織で構成し、前記(a)と(b)の間のほぼ全域を埋める境界領域として、前記(a)と(b)の部分にまたがって凹凸状に出入りする部分を有する全体として略帯状の意匠柄模様からなり、その緊迫力が前記(a)と(b)の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域が非弾性糸による編み分けにより設けられ、前記略帯状の意匠柄模様は、臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側を通りウェスト部に至る全体的にカーブし、ほぼ連続した意匠柄模様からなるショーツ又はガードル。
【請求項2】 意匠柄模様部分が、意匠柄模様部分中に用いられている非弾性糸に基づく地編組織が、強緊迫力の地編組織、中緊迫力の地編組織、弱緊迫力の地編組織、及び、穴地編組織、から選ばれた1種又は2種以上の組み合わせの地編組織(但し、強緊迫力の地編組織のみからなる場合、弱緊迫力の地編組織のみからなる場合、及び、穴地編組織のみからなる場合を除く)からなる、意匠柄模様である請求項1に記載のショーツ又はガードル。
【請求項3】 意匠柄模様の周縁部が穴地編組織で縁取られている請求項1又は2のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【請求項4】 意匠柄模様の幅が、ほぼ全域にわたって2cm以上である請求項1〜3のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【請求項5】 ショーツ又はガードルの左右方向の中央部近傍をカバーする腹部充当部片において、ウェスト部に沿った縁部が、縁始末不要な縁からなり、挿入されている弾性糸のうち、ウェスト部に沿ってその近傍に横方向に略帯状に挿入されている弾性糸が、それより下側に挿入されている弾性糸より伸縮パワーの強めの弾性糸(d3)であって、前記伸縮パワーの強めの弾性糸(d3)の挿入されている領域の幅が、2〜5cmの幅である請求項1〜4のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【請求項6】 裾部が、山部と谷部が交互に形成されている波形状のスカラップが形成されている縁始末不要な裾からなる請求項1〜5のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【請求項7】 裾部が、抜き糸手法により形成された、直線状の縁始末不要な裾からなる請求項1〜6のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【請求項8】 比較的緊迫力の強い部分が、サテン調ネット組織からなる請求項1〜7のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【請求項9】 比較的緊迫力の弱い部分が、メッシュ調ネット組織からなる請求項1〜8のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【請求項10】 意匠柄模様が、花柄、植物の葉模様の柄、および花柄と植物の葉模様の柄の組み合わせ柄から選ばれた意匠柄模様である請求項1〜9のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【請求項11】 挿入されている弾性糸の太さが、110〜396dtexの範囲から選ばれた太さの弾性糸である請求項1〜10のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【請求項12】 腹部充当部片(kc)が、その下側に連続して更にクロッチ部が一体に形成されている腹部充当部片である請求項5に記載のショーツ又はガードル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分的に緊迫力の強い部分と弱い部分を有するシングルラッセルジャカード編地からなる伸縮性を有するショーツ又はガードルに関するものであり、特に比較的緊迫力の弱い地編組織で構成した臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)と、比較的緊迫力の強い地編組織で構成したその他の部分である臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)の間の境界領域を、花柄及び/又は植物の葉模様の柄などの意匠柄模様からる緊迫力緩衝領域を編み分けにより設けたショーツ又はガードルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガードルとショーツは、比較的明確に区別されており、一般的にショーツは体型補正機能が付与されておらず、また直接肌に着用するのに対し、ガードルは、しっかりした体型補正機能が付与されていて、またショーツなどを着用した上から重ねて着用するものであった。しかし、近年、若い人の体型がスリムになってくると共に、あまり強い体型補正機能を有するものとは別に、全体として自然で柔らかく、あまり強く締め付けずに、ソフトな緊迫力が付与され、適宜の体型補正機能を具備したガードルやショーツが要求されるようになり、ショーツの側から見れば、ソフトな緊迫力の適宜の体型補正機能が付与されたショーツが要求されるようになり、ガードルの側から見れば、体型補正機能を付与するための緊迫力をソフトな緊迫力とし、ソフトな体型補正機能を発揮し、しかも、ショーツを着用せずに、直接、肌側に着用するガードルが要求されるようになってきており、その意味で、ガードルとショーツの機能的境界は、曖昧になってきている。
【0003】本発明も、このような、比較的ソフトな緊迫力が発揮されて体型補正機能を有するガード又はショーツに関する。
【0004】すなわち従来の典型的なガードルなどは、体型補整機能を付与するため、緊迫力を大きくしたい部分には、適宜の当て布を衣類本体生地の裏側または表側から当てがうことが最も一般的に行われている。
【0005】しかし、当て布によって緊迫力の大きい部分を形成した衣料は、当て布の存在する部分と当て布の存在しない部分との境界に厚みの相違による段差があるため、その段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまい、着用者の外観を著しく低下させると言う問題がある。
【0006】これらの問題を解決するために、丸編機を用い、当て布を使用せずに、これらの当て布を当てがうべき部分の編み密度が大きくなる様に、丸編組織を変化させて、同様に体型補整機能を持たせる試みも提案されている。しかし、このような丸編みでは、緊迫力を大きくする部分(編み密度が大きくなる厚地部)と緊迫力を小さくする部分(編み密度が小さくなる薄地部)の編み分けが、要求される自由なパターンに編み分けることができず、厚地部と薄地部の境界線は直線状になるパターンのものしか得られない。
【0007】また、丸編組織を変化させて、体型補整機能を持たせた衣類は、この様な緊迫力の変化を持たせると、丸編組織の安定性が悪いため、同じ丸編機を使用し、同じ繊維素材を用いて、同じ寸法に設計しても、仕上がり寸法のバラツキがかなり大きくなると言う問題がある。更に丸編品はいわゆる“伝染”が生じやすく、耐久性に問題があるとともに、大量に生産する場合に、生産性が悪いと言う問題がある。
【0008】そこで、近年、ジャカード制御機構を有するラッセル編み機を用いて、ジャカードシングルラッセル編みなどの経編で、緊迫力の強弱の要求に応じて非弾性糸からなる地編の表側にあらわれる編組織を切り替えて、組織の変化により、所定部分に所定の比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分をパターン状に設け、更に、緊迫力の強弱の要求に応じて、挿入する弾性糸の本数及び/または太さを変化させたいわゆる「ジャカード−シングルラッセル編み」の経編地を用いた体型補整機能を付与した衣類が提案され[EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)]、ヒット商品となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)で提案された衣料は、非弾性糸に基づく比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分を編み分けパターンが、例えば、幾何学的な人工的な感じのカーブした帯状模様である。また、緊迫力の強い部分と弱い部分との緊迫力の差異による急激な緊迫力の変化による凹凸の発生を防止するために、緊迫力の強い部分と弱い部分の間に、緩衝領域として、その中間の緊迫力を有する部位を設けることが好ましいが、かかる緩衝領域のパターンも幾何学的な人工的な感じのパターンになっている。
【0010】本発明は、かかる問題点を解決し、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界に実質上段差がなく、したがって段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまうと言う問題がなく、着用者の外観を美しく保って、かつ必要な体型補整機能を付与し、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界領域に、緊迫力の急激な変化を緩和する緩衝領域として機能でき、しかも緩衝領域自体が美的な意匠柄模様として編み込まれたジャカードシングルラッセル編地からなるショーツ又はガードルを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明は、次の様な伸縮性を有する経編地であるシングルラッセルジャカード編地を用いたショーツ又はガードルを提供するものである。
【0012】(1)非弾性糸からなる地編組織に弾性糸が挿入されているシングルラッセルジャカード編地からなるショーツ又はガードルであって、前記ショーツ又はガードルを構成する編地のうち、少なくとも後ろ側に充当されるシングルラッセルジャカード編地は、その編方向がショーツ又はガードルのほぼ横方向になるように用いられ、緊迫力の強弱の要求に応じて非弾性糸の地編組織を切り替えて、編組織の変化により1つの編地中に非弾性糸に基づく比較的緊迫力の強い編組織からなる部分から比較的緊迫力の弱い編組織からなる部分までを編み分け、臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)を、前記比較的緊迫力の弱い地編組織で構成し、その他の部分である臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)を、比較的緊迫力の強い地編組織で構成し、前記(a)と(b)の間のほぼ全域を埋める境界領域として、前記(a)と(b)の部分にまたがって凹凸状に出入りする部分を有する全体として略帯状の意匠柄模様からなり、その緊迫力が前記(a)と(b)の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域が非弾性糸による編み分けにより設けられ、前記略帯状の意匠柄模様は、臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側を通りウェスト部に至る全体的にカーブし、ほぼ連続した意匠柄模様からなるショーツ又はガードル。
【0013】(2)意匠柄模様部分が、意匠柄模様部分中に用いられている非弾性糸に基づく地編組織が、強緊迫力の地編組織、中緊迫力の地編組織、弱緊迫力の地編組織、及び、穴地編組織、から選ばれた1種又は2種以上の組み合わせの地編組織(但し、強緊迫力の地編組織のみからなる場合、弱緊迫力の地編組織のみからなる場合、及び、穴地編組織のみからなる場合を除く)からなる、意匠柄模様である前記(1)項に記載のショーツ又はガードル。
【0014】(3)意匠柄模様の周縁部が穴地編組織で縁取られている前記(1)〜(2)項のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【0015】(4)意匠柄模様の幅が、ほぼ全域にわたって2cm以上である前記(1)〜(3)項のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【0016】(5)ショーツ又はガードルの左右方向の中央部近傍をカバーする腹部充当部片において、ウェスト部に沿った縁部が、縁始末不要な縁からなり、挿入されている弾性糸のうち、ウェスト部に沿ってその近傍に横方向に略帯状に挿入されている弾性糸が、それより下側に挿入されている弾性糸より伸縮パワーの強めの弾性糸(d3)であって、前記伸縮パワーの強めの弾性糸(d3)の挿入されている領域の幅が、2〜5cmの幅である前記(1)〜(4)項のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【0017】(6)裾部が、山部と谷部が交互に形成されている波形状のスカラップが形成されている縁始末不要な裾からなる前記(1)〜(5)項のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【0018】(7)裾部が、抜き糸手法により形成された、直線状の縁始末不要な裾からなる前記(1)〜(6)項のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【0019】(8)比較的緊迫力の強い部分が、サテン調ネット組織からなる前記(1)〜(7)項のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【0020】(9)比較的緊迫力の弱い部分が、メッシュ調ネット組織からなる前記(1)〜(8)項いずれかに記載のショーツ又はガードル。
【0021】(10)意匠柄模様が、花柄、植物の葉模様の柄、および花柄と植物の葉模様の柄の組み合わせ柄から選ばれた意匠柄模様である前記(1)〜(9)項のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【0022】(11)挿入されている弾性糸の太さが、110〜396dtexの範囲から選ばれた太さの弾性糸である前記(1)〜(10)項のいずれかに記載のショーツ又はガードル。
【0023】(12)腹部充当部片(kc)が、その下側に連続して更にクロッチ部が一体に形成されている腹部充当部片である前記(5)に記載のショーツ又はガードル。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明のショーツ又はガードル(以下、この両者をボトム衣料と略称することがある)に用いる編地は、経編地に分類されるシングルラッセルジャカード編地からなる伸縮性を有する編地が用いられる。
【0025】伸縮性を付与するため、本発明で用いられるシングルラッセルジャカード編地は主として非弾性糸からなる地編組織に弾性糸が挿入されているシングルラッセルジャカード編地が用いられる。弾性糸の挿入は、ほぼ編地の全ウェールに挿入されている。編地全体に、同一の弾性糸が均一に挿入されていてもよいが、好ましくは、部分的な緊迫力の強弱の要求に応じて、挿入する弾性糸の本数及び/または太さを変えて挿入することが好ましい。
【0026】すなわち、強い緊迫力が要求される領域には、単位ウェール毎に挿入される弾性糸の本数を多くしたり、あるいは、挿入される弾性糸の太さの太い弾性糸を用いたり、又は、この両者の手段を併用することにより緊迫力の強い領域を形成し、これより弱い緊迫力が要求される領域には、単位ウェール毎に挿入される弾性糸の本数を前者より少なくしたり、あるいは、挿入される弾性糸の太さの細い弾性糸を用いたり、又は、この両者の手段を併用することにより緊迫力が前者より弱い領域を形成できる。
【0027】かかる弾性糸の挿入による緊迫力の強弱は、強と弱だけの2段階の緊迫力を意味するものではなく、挿入する弾性糸の本数及び/または太さを種々変えることにより、強、中、弱等の3段階、更には4段階以上の緊迫力の強弱を有する領域を形成できる。ただ、通常、弾性糸の挿入は、主としてウェール方向に挿入されるので、各領域のパターンは、その境界ラインが編地のウェール方向、言い換えれば編み方向(本発明のボトム衣料ではほぼ衣料の横方向に相当する方向)に沿った、編み方向に平行なほぼ直線的な帯状の領域となる。但し、本発明の弾性糸の挿入領域のパターンが、かかるパターンのみに限定されるものではない。
【0028】尚、本発明で言う「伸縮パワーの強めの弾性糸」とは、前述した「単位ウェール毎に挿入される弾性糸の本数を多くしたり、あるいは、挿入される弾性糸の太さの太い弾性糸を用いたり、又は、この両者の手段を併用することにより緊迫力を強めにした」場合の弾性糸の使用を総称した意味であり、「伸縮パワーの弱めの弾性糸」とは、前述した「単位ウェール毎に挿入される弾性糸の本数を前者より少なくしたり、あるいは、挿入される弾性糸の太さの細い弾性糸を用いたり、又は、この両者の手段を併用することにより緊迫力を前者より弱めにした」場合の弾性糸の使用を総称した意味である。
【0029】そして更に本発明で用いる上記シングルラッセルジャカード編地を構成する、非弾性糸からなる地編組織は、緊迫力の強弱の要求に応じてジャカード制御機構により地編組織を切り替えて編組織の変化により1つの編地中に非弾性糸に基づく比較的緊迫力の強い編組織からなる部分から比較的緊迫力の弱い編組織からなる部分までをパターン状に編み分けている。
【0030】地編組織の緊迫力の強弱のパターンは、弾性糸の挿入領域のパターンと異なり、要求に応じて、任意の部分に任意の形状のパターンとすることができる。従って、緊迫力の強弱のパターンの境界ラインが直線状ではなく、任意の曲線状や屈曲線状、複雑な花柄、植物の葉模様の柄、および花柄と植物の葉模様の柄の組み合わせ柄の様なパターンに編み分けることができる。その具体的手法は、例えば、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)等に示されている方法を用いることができる。
【0031】この地編組織においてもその地編組織の変化に基づく緊迫力の強弱は、強と弱だけの2段階の緊迫力を意味するものではなく、地編み組織を構成する非弾性糸による編組織を種々変えることにより、強、中、弱等の3段階、更には4段階以上の緊迫力の強弱を有する領域を形成できる。特に限定するものではないが、通常、その表側に現れる地編組織を切り替えて、組織の変化により、所定部分に所定の比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分を任意のパターン状に設ける。
【0032】かかる編地は、特に限定するものではないが、例えばジャカード装置により運動が制御される少なくとも1枚のジャカードガイド筬を備えるシングルラッセル編機(例えば米国特許第5,390,512号、対応日本特開平6−166934号参照、具体的には、例えば、糸ガイドバーに曲げ変換器が取り付けられているカールマイヤーテキスタイルマシーンファブリックGmbh社製[日本マイヤー株式会社発売]の高速ジャカードラッシェル機“RSJ 4/1”)等を用いて作成することができる。すなわち、かかる編み機のジャカード制御装置により、コンピューターに予めインプットされている指令に基づき、例えば、表側に現れる地編組織を切り替えて、編組織を変化させることにより、所定部分に所定の比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分を任意のパターン状に編み分けることができる。
【0033】従って、本発明のボトム衣料においては、緊迫力の強弱の要求に応じて非弾性糸の地編組織を切り替えて、編組織の変化により1つの編地中に非弾性糸に基づく比較的緊迫力の強い編組織からなる部分と比較的緊迫力の弱い編組織からなる部分をカーブを有するパターン状に編み分けることにより、必要な部分に緊迫力の強弱を持たせることができるとともに、編地全体に、同一の弾性糸が均一に挿入されている場合は除いて、もし、前記地編に挿入されている弾性糸が、前述したように部分的な緊迫力の強弱の要求に応じて、挿入する弾性糸の本数及び/または太さを変えて挿入されることにより、非弾性糸による地編組織の変化のカーブを有するパターンに基づく緊迫力の強弱のパターンと、挿入された弾性糸に基づいて発現される緊迫力に強弱差がつけられた境界が直線状の領域との組み合わせにより、種々のグレードの緊迫力を有する部分を1つの経編生地の上に形成することもできる。
【0034】前述したように、通常、非弾性糸による地編組織の変化のパターンに基づく緊迫力の強弱のパターンの形状と、挿入された弾性糸に基づいて発現される緊迫力の強弱の領域のパターンの形状は異なるので、その区別をするために、本発明においては、例えば、前者を「非弾性糸に基づく比較的緊迫力の強い編組織からなる部分」とかあるいは「非弾性糸に基づく比較的緊迫力の弱い編組織からなる部分」と表現しているが、これは本発明の編地が非弾性糸のみから形成されていることを意味するものではない。本発明の編地は、特許請求の範囲にも明記されているように主として非弾性糸からなる地編組織に弾性糸が挿入されたシングルラッセルジャカード編地からなる。
【0035】そして本発明のボトム衣料においては、ボトム衣料を構成する編地のうち、少なくとも後ろ側に充当されるシングルラッセルジャカード編地においては、臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)を、前記比較的緊迫力の弱い地編組織で構成し、その他の部分である臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)を、比較的緊迫力の強い地編組織で構成する。
【0036】例えば、臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)の比較的緊迫力の弱い地編組織は、メッシュ調ネット組織とすることが好ましく、その他の部分である臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)の比較的緊迫力の強い地編組織は、緊迫力の強いサテン調ネット組織とすることが好ましい。
【0037】臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)の比較的緊迫力の弱い地編組織とすることにより、臀部の膨らみをつぶさずに、きれいな自然な丸みのヒップ形状を保つとともに、比較的緊迫力の弱い地編組織は、容易に伸縮しやすいので、ボトム衣料の着用者が、しゃがんだり、立ったりした場合に、臀部の皮膚も大きく伸び縮みするが、その皮膚の伸縮に追従しやすく、裾のずり上がりや、ウェスト部のずり下がりを防止することができる。そして臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)を比較的緊迫力の強い地編組織とすることにより、臀部の膨らみを下方から脇にかけて取り巻くように比較的緊迫力の強い部分が存在するので、ヒップアップ機能が発揮されるとともに、着用者が、しゃがんだり、立ったりした場合に、緊迫力の強い部分が肌に密着して裾のずり上がり等を防止することができる。
【0038】しかし、比較的緊迫力の強い地編組織と比較的緊迫力の弱い地編組織の緊迫力の差が大きすぎると、緊迫力の大きい部分が、着用者の肉を押圧して緊迫力の弱い部分との境界に段差が生じたり、緊迫力の強い部分と弱い部分との緊迫力の差異による急激な緊迫力の変化による編地の凹凸の発生が生じたりすることを防止するために、緊迫力の強い部分と弱い部分の間に、緩衝領域として、その中間の緊迫力を有する部位を設けることが好ましい。
【0039】本発明は、前記(a)と(b)の間のほぼ全域を埋める境界領域として、例えば花柄及び/又は植物の葉模様の柄などの様に、前記(a)と(b)の部分にまたがって、凹凸状に出入りする部分を有する全体として略帯状の意匠柄模様からなり、その緊迫力が前記(a)と(b)の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域が非弾性糸による編み分けにより設けられている。
【0040】前記緊迫力緩衝領域を形成する略帯状の意匠柄模様は、臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側を通りウェスト部に至る全体的にカーブし、連続した意匠柄模様からなる。
【0041】緊迫力緩衝領域が、例えば、花柄及び/又は植物の葉模様の柄などの様な意匠柄模様からなっているので、緩衝領域のパターンも幾何学的な人工的な感じのパターンではなく、緊迫力緩衝作用とともに、美的な装飾効果も発揮され好ましい。
【0042】そして、緊迫力緩衝領域が、例えば、花柄及び/又は植物の葉模様の柄などの様に、前記(a)と(b)の部分にまたがって、凹凸状に出入りする部分を有する意匠柄模様からなっているので、前記(a)の緊迫力の弱い部分に前記柄模様が凹凸状に出入りし、また、前記(b)の緊迫力の強い部分にも前記柄模様が凹凸状に出入りして、例えば、前記(a)の緊迫力の弱い部分の一部の隣りに意匠柄模様の一部が存在し、その隣りに前記(a)部分が存在する様に、凹凸状に柄模様部分が出入りする領域全体で、(a)の緊迫力の弱い部分と意匠柄模様部分との緊迫力が平均化されることによる緊迫力の緩衝作用も発揮されるのである。前記(b)の緊迫力の強い部分に前記柄模様が凹凸状に出入りしている部分も同様である。
【0043】そして本発明においては、編地の編方向、即ち、編地を編む際に糸が供給される方向が、完成したボトム衣料のほぼ横方向になる様に設計される。ほぼ横方向とは、衣料の部位によっては、編方向、即ち、糸が供給される方向が、斜めになる部位も生ずるのでほぼ横方向と表現したものである。例えば、ショートガードルなどで前裾を別布で接ぎ合わせて取り付ける場合などは、編方向が、完成したボトム衣料基準で水平線に対し斜めになる態様もよく見受けられる。従って、本発明において、上記の「ほぼ横方向」とは、完成したボトム衣料基準で水平線に対し±45度より小さい角度、より好ましくは±30度以下の傾斜の場合も含む意味である。
【0044】一般に、弾性糸の挿入された本発明で用いる様なシングルラッシェル経編地においては、弾性糸は編方向に挿入されるため、編方向(一般に編みたて方向とも言われている)(すなわち、糸が供給される方向)に伸びやすく、縮み易いので、この編み方向を、ボトム衣料のほぼ横方向となるように設計する。このようにしてボトム衣料を形成することにより、ボトム衣料を着脱するときに、ほぼ横方向などに広げて着脱できるので、好ましいとともに、例えばヒップの周りを締め付ける緊迫力が作用してヒップアップ機能を発揮したり、大腿部のまわりに裾部分が密着しやすくなるなど、体型補整機能の発揮や、ずれ上がりの防止、ボトム衣料の着脱の容易さ等の観点からも重要な意味を持つ。
【0045】尚、本発明で用いるシングルラッセルジャカード編地の様な経編地は、その名称の通り、経編生地を形成するための糸の供給方向は、ジャカード制御装置を有するシングルラッセル編機によって編まれて編機から排出される編地の排出方向、すなわち原反編地の長手方向となる。これを編地の編み方向ないしは編地の縦方向とも言う。そして本発明においては、前述したように、編地の編方向、即ち、編地を編む際に糸が供給される方向が、完成したボトム衣料のほぼ横方向になる様に編地を使用する。
【0046】尚、ボトム衣料の全部位をすべてこの方向で用いなければならないと言う意味ではなく、ボトム衣料の主要部分が、編地の編方向が、完成したボトム衣料のほぼ横方向になる様に用いられていればよく、本発明の目的が達成される限り、マイナーな部分は、上記の通りでなくてもよいことはもちろんである。
【0047】緊迫力緩衝領域としての意匠柄模様部分は、意匠柄模様部分中に用いられている非弾性糸に基づく地編組織が、強緊迫力の地編組織、中緊迫力の地編組織、弱緊迫力の地編組織、及び、穴地編組織、から選ばれた1種又は2種以上の組み合わせの地編組織(但し、強緊迫力の地編組織のみからなる場合、弱緊迫力の地編組織のみからなる場合、及び、穴地編組織のみからなる場合を除く)からなる意匠柄模様であることが好ましい。この意味は、具体的には、意匠柄模様部分中に用いられている非弾性糸に基づく地編組織による緊迫力が、中のみ、強−弱の組み合せ、強−中の組み合せ、強−中−弱の組み合せ、又は、中−弱の組み合せ、更には地編組織による緊迫力が中と穴地編組織の組み合せ、地編組織による緊迫力が強−弱と穴地編組織の組み合せ、地編組織による緊迫力が強−中と穴地編組織の組み合せ、地編組織による緊迫力が強−中−弱と穴地編組織の組み合せ、又は、地編組織による緊迫力が中−弱と穴地編組織の組み合せの地編組織、から選ばれた少なくとも1つからなる意匠柄模様からなることを意味している。すなわち意匠柄模様部分中に用いられている非弾性糸に基づく地編組織は、強緊迫力の地編組織のみからなる場合、弱緊迫力の地編組織のみからなる場合、及び、穴地編組織のみからなる場合を除いて、他のいかなる組み合わせ組織でもよい。例えば、意匠柄模様の花柄の花びら模様の中心部が弱緊迫力の地編組織でその外側の花びらの部分が強緊迫力の地編組織からなる様な場合に、この部分の柄模様は、地編組織による緊迫力が強−弱の組み合せと称する。1つのボトム衣料に施されている緊迫力緩衝領域としての意匠柄模様は、ある部分が、例えば緊迫力が強−弱の組み合せからなり、他の部分がこれ以外の組み合わせからなる意匠柄模様としてもよいことはもちろんである。
【0048】そして、意匠柄模様における地編組織による緊迫力が弱い部分の編み組織は、例えば、前記の臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)と全く同じ比較的緊迫力の弱い地編組織で構成し、一方、意匠柄模様における地編組織による緊迫力が強い部分の編み組織は、例えば、前記の臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)と全く同じ比較的緊迫力の強い地編組織を採用してもよい。この場合、前述したように、意匠柄模様全部の地編組織がこのいずれかの組織のみからなるのではなく、意匠柄模様中に、強緊迫力部と弱緊迫力部を適宜混在させて意匠柄模様を形成することにより、意匠柄模様全体としては、その緊迫力が平均的に前記(a)と(b)の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域とすることができる。尚、後述するように、強緊迫力部と弱緊迫力部の間に、1つ又はそれ以上の緊迫力のグレードを有する中緊迫力部を示す地編組織を採用して、多段階の緊迫力のグレードを有する地編組織を混在させて、意匠柄模様を形成することにより、意匠柄模様全体として平均的に、その緊迫力が前記(a)と(b)の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域とすることは好ましい。
【0049】そして意匠柄模様の周縁部は穴地編組織で縁取られていることが好ましい。これにより、柄模様が明確になるとともに、穴地編組織で縁取られることにより、緊迫力緩衝作用の発揮にも寄与できる。
【0050】以上の如く、複数の編み組織を、意匠柄模様に応じて組み合わせれば、様々な緊迫力部分を形成することができる。
【0051】意匠柄模様は前記(a)と(b)の境界領域として用いられるので、全体として略帯状で、臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側を通りウェスト部に至る全体的にカーブし、連続した意匠柄模様となる。意匠柄模様の幅が、ほぼ全域にわたって2cm以上であることが好ましく、ほぼ全域にわたって2cm以上とは、少々の部分でそれ以下の幅の部分があってもかまわないことを意味している。尚、あまり幅が狭すぎると、緊迫力の緩衝作用が十分発揮できなくなる。平均幅で3〜7cmの幅のものがより好ましい。例えば、植物の花と葉の柄模様などの場合、茎部分だけのところは幅が1cm程度になることもあり、大きな花柄や、花が多数集まった花柄の集合体模様の場合には、例えば、12〜13cmの幅になるところも存在する場合があるが、部分的であれば何ら差し支えない。
【0052】意匠柄模様とは、例えば、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図1や図2などに示されたような、円弧状、楕円の円弧状、放物線状、直線状、規則的なジグザグ折れ線状、その他の、いわゆる幾何学的な感じのパターンではなく、例えば、女性用の衣類などに用いられている花柄、植物の葉模様の柄、および花柄と植物の葉模様の柄の組み合わせ柄などのような、非幾何学的な柄模様を意味している。一般には、天然に存在するものの形をそのまま模倣するか、その形を図案化したものが用いられ、特に、花柄、植物の葉模様の柄、および花柄と植物の葉模様の柄の組み合わせ柄から選ばれた柄模様が好ましい。
【0053】前述したように緊迫力緩衝領域としての意匠柄模様は、全体としてほぼ連続しており、臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)とその他の部分である臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)の間のほぼ全域を埋める境界領域に存在する。意匠柄模様が、前記(a)と(b)の間の境界のほぼ全域に存在するとは、ボトム衣料完成品の状態での状況を言っているものであり、ボトム衣料のための編地の状態での状況は、何らこれに限定されるものではない。各パーツを裁断する前の編地の状態では、前記(a)と(b)が直接接触する部分があっても差し支えない。
【0054】なお、非弾性糸に基づく地編組織が、強緊迫力の地編組織、中緊迫力の地編組織、弱緊迫力の地編組織などの緊迫力の強弱の地編み組織としては、通常、緊迫力の弱い地編組織としては、例えば、メッシュ調のネット組織などが好ましく採用される。また、比較的緊迫力の強い地編組織としては、例えば、サテン調のネット組織などが好ましく採用され、比較的緊迫力の強い地編組織においても、更にその緊迫力の強さのグレードを強、中、弱など複数のグレードに編み分けることができる。その様な編み組織としては、例えばEP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)に示されているように、左ないし右のウェールにまたがって糸を振って編み込む場合に、糸の編みパターンにおける1繰り返し単位中の振りの入っている割合が多いほど、緊迫力の強い地編組織とすることができるので、1繰り返し単位中の、振りの入っている割合の多少によって、種々のグレードの緊迫力を有する地編組織を実現できる。かかる地編組織における糸の振りは、ジャカード制御装置によりなされるので、通常、表側に現れる地編組織を上記の様に編み分けることにより達成される。
【0055】比較的緊迫力の強い地編組織の代表的な編み組織としては、前述したようにサテン調ネット組織などが挙げられる。そしてこれらの比較的緊迫力の強い地編組織においても、緊迫力のグレードを、強、中、弱などの複数のグレードに編み分けることができる。
【0056】その一例としては、例えばEP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図3〜図5を用いて説明されているようなサテン調ネット組織が挙げられる。
【0057】要は、緊迫力のグレードは、糸が隣りのウェールに振られる横振りの割合の大小で各種の緊迫力のグレードの経編地を作ることができる。
【0058】次に比較的緊迫力の弱い地編組織としては、メッシュ調ネット組織が挙げられる。メッシュ調ネット組織の表側の代表的な組織図の一例もEP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図6などに説明されている。
【0059】また、穴地編組織は、経編レース地などで周知であるので説明を省略する。
【0060】以上の様な地編を構成する非弾性糸としては、ナイロン糸、ポリエステル糸などの合成繊維糸、レーヨン糸、アセテート糸、キュプラ糸などの再生繊維糸、木綿糸、絹糸、麻糸、ウール糸などの天然繊維などを用いることができるが、ナイロン糸が特に好ましく、太さとしてはナイロン糸で20〜80デニールに相当する太さの糸が好ましく用いられる。
【0061】また、弾性糸の挿入に関して、「1本づつの挿入糸が挿入されている」とはEP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図11を用いて説明されている通りであり、「2本づつの挿入糸が挿入されている」状態も、前記EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図12を用いて説明されている通りであり、「2本づつの挿入糸と1本づづの挿入糸が交互に挿入されている」状態も、これらの意味は、よく知られているようにEP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図13を用いて説明されている通りであって、周知の手法であるので説明を省略した。
【0062】EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)で説明されているこれらの編組織は、本発明に適用できる。
【0063】以上、例えば、仮に、比較的緊迫力の強いサテン調ネット組織において、強、中、弱の緊迫力のサテン調ネット組織を採用し、更にそれに加えてメッシュ調ネット組織、穴地編み組織の5種類を採用したとすると、5段階の緊迫力を有する部分を編み分けることができる。必要なら更に多段階の緊迫力を有する部分を編み分けることも可能である。
【0064】次に、挿入される弾性糸については、前述したように、前記(a)と(b)の領域、緊迫力緩衝領域としての意匠柄模様の領域なども含めて、編地の全範囲に弾性糸が挿入されている。編地全体に、同一の弾性糸が均一に挿入されていてもよいが、好ましくは、部分的な緊迫力の強弱の要求に応じて、挿入する弾性糸の本数及び/または太さを変えて挿入し、緊迫力に強弱差が付けられた所要幅の直線状領域を設けることが好ましい。
【0065】そして、挿入されている弾性糸が、臀部の膨らみにおける下方部分から脚の付け根箇所に至る領域に挿入されている弾性糸は、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)であり、それより上側の領域に挿入されている弾性糸は、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)であることが好ましい。この場合、前記伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)の挿入されている領域の幅は、ボトム衣料の種類や、形状により、特に裾の長さによって異なるが、3cm以上で裾縁までの幅、より好ましくは3〜12cmの幅、更に好ましくは5〜11cmの幅の範囲から適宜選定されることが好ましい。そして、主として臀部の下部に前記伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)の挿入されている領域を当接させる場合には、その幅は4〜9cmが好ましく、より好ましくは5〜7cmである。
【0066】かかる好ましい態様とすることにより、ほぼ臀部の膨らみ部分をカバーする部分には、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されているので、臀部の膨らみをつぶさずに、きれいな自然な丸みのヒップ形状を保つとともに、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている領域は、容易に伸縮しやすいので、ボトム衣料の着用者が、しゃがんだり、立ったりした場合に、臀部の皮膚も大きく伸び縮みするが、その皮膚の伸縮に追従しやすく、裾のずり上がりや、ウェスト部のずり下がりを防止することができる。そしてそれより下方の、臀部の膨らみにおける下方部分から脚の付け根箇所に至る領域には、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)が挿入されているので着用者が、しゃがんだり、立ったりした場合に、緊迫力の強い部分が肌に密着して裾のずり上がり等を防止することができる。
【0067】そして特に、本発明のボトム衣料であるショーツ又はガードルが、太ももの一部ないし大部分をカバーする脚部を有するロングタイプのショーツ又はガードルの場合においては、前記挿入されている弾性糸のうち、前記脚部の裾近傍に、裾に沿って横方向に略帯状に挿入されている弾性糸が、前記伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)より更に伸縮パワーが強められた弾性糸(d2)であることが好ましい。かかる好ましい態様とすることにより、裾部が着用者の太腿に密着して、しゃがんだり立ったりした場合の裾のずり上がりを防止する作用が更に増強される。
【0068】前記伸縮パワーの強めの弾性糸(d2)の挿入されている領域の幅も、ボトム衣料の種類や、形状、裾の長さによって異なるが、1〜8cmの幅が好ましく、特に2〜5cm好ましい。あまり幅が大きすぎると、締め付け部分が大きくなり、着用感が低下する傾向になる。あまり幅が小さすぎると、裾のずり上がり防止を一層強化する目的が十分発揮されにくくなる傾向になる。
【0069】また、ショーツ又はガードルの腹部をカバーする腹部充当部片において、ウェスト部に沿った縁部が、縁始末不要な縁からなり、挿入されている弾性糸のうち、ウェスト部に沿ってその近傍に横方向に略帯状に挿入されている弾性糸が、それより下側に挿入されている弾性糸より伸縮パワーの強めの弾性糸(d3)であることが好ましい。
【0070】本発明におけるボトム衣料の腹部をカバーする腹部充当部片のウェスト部の縁部分は、編地の縁のほつれを防止するため、折り返して縫製することにより縁始末処理を施す態様としてもよいが、縁部分を折り返して縫製すると、その部分の厚みが厚くなり、厚みの相違による段差があるため、その段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまい、着用者の外観を低下させると言う問題がある。また、折り返された部分は、生地が2重になっており、厚みが厚く、縫合糸が存在するので、着用感が低下することになる。伸縮性テープなどが更に取り付けられている場合には、肌への食い込みなど、着用感が一層低下し、着用者の肌に伸縮性テープなどの押圧の跡がついてしまうなどの問題がある。
【0071】このような問題を解消した腹部充当部片とするには、ウェスト部の縁部分を折り返して縫製するなどの縁始末処理を必要としない、すなわちウェスト部に折り返しのない一重の縁部を有する腹部充当部片を用いることが好ましい。
【0072】この様な縁始末を必要としない編物の製造方法は知られており、後述する縁始末不要な裾部と同様の方法で、形成することができる。
【0073】腹部をカバーする腹部充当部片において、ウェスト部に沿った縁部が、縁始末不要な縁としたので、最も目立つ、人体前側のほぼ中央部において、段差が生じない態様とすることができる。
【0074】そしてこのようなウェスト部に沿った縁部が、縁始末不要な縁からなる腹部充当部片において、挿入されている弾性糸のうち、ウェスト部に沿ってその近傍に横方向に略帯状に挿入されている弾性糸が、それより下側に挿入されている弾性糸より伸縮パワーの強めの弾性糸とすることにより、ゴムテープなどの段差を生じる部材を装着する必要がなく、ウェスト部のすっきりした外観を保って、この部分のフィット性、密着性が高められるので、しゃがんだり立ったりした場合のウェスト部のずり下がりを防止する作用が発揮され好ましい。
【0075】かかる態様の場合に、ウェスト部に沿って前記伸縮パワーが強めの弾性糸(d3)が挿入されている領域の幅としては、2〜5cmの幅であることが好ましい。
【0076】あまり幅が大きすぎると、締め付け部分が大きくなり、着用感が低下する傾向になる。あまり幅が小さすぎると、ウェスト部のずり下がり防止を一層強化する目的が効果的に発揮されにくくなる傾向になる。
【0077】また、腹部充当部片において、ウェスト部に沿った縁部は、ほぼ直線状でもよいが、山部と谷部が交互に形成されている波形状のスカラップが形成されている縁始末不要な縁形状を有する腹部充当部片とすることにより、美的感覚に優れた縁形状を有する腹部充当部片とすることができ好ましい。
【0078】上記の各態様で用いられる弾性糸の太さとしては、110〜396dtexの範囲のものから、適宜、要求される伸縮パワーに応じて選定することが好ましく、また、仮に同じ太さの弾性糸を用いたとしても、伸縮パワーの強弱を、単位ウェール当たりに挿入される弾性糸の本数割合を変えることによってコントロールしてもよいし、弾性糸の太さと挿入本数割合の両者を変えて伸縮パワーの強弱をコントロールしてもよい。この範囲の太さの弾性糸を用いることにより、あまり締め付け感が強くなりすぎずに適宜のフィット性と体型補整機能、裾部のずり上がり防止機能の強化が達成され好ましい。
【0079】また、上記のような弾性糸の挿入態様に加えて、更に編地全体に、前記伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)より更に伸縮パワーの弱い弾性糸(f)がショーツ又はガードルのほぼ横方向に挿入されており、前記伸縮パワーの弱い弾性糸(f)は、当該編地の縦方向(ショーツ又はガードル基準ではそのほぼ横方向)に対し他のウェールにまたがるように左右方向(ショーツ又はガードル基準ではそのほぼ上下方向)に振りを入れて挿入されていることが好ましく、かかる振りを入れた弾性糸の挿入により、ボトム衣料の縦方向への伸縮性も付与でき好ましい。
【0080】この伸縮パワーの弱い弾性糸(f)の太さとしては、33〜88dtexの範囲から適宜選択されることが好ましい。この範囲の太さの弾性糸を用いることにより、あまり締め付け感が強くなりすぎずに適宜のボトム衣料の縦方向への伸縮性も付与でき好ましい。
【0081】本発明におけるボトム衣料の裾部分の裾縁部分は、裾縁のほつれを防止するため、折り返して縫製することにより裾縁始末処理を施す態様としてもよいが、裾端部分を折り返して縫製すると、その部分の厚みが厚くなり、厚みの相違による段差があるため、その段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまい、着用者の外観を低下させると言う問題がある。また、折り返された部分は、生地が2重になっており、厚みが厚く、縫合糸が存在するので、着用感が低下することになる。伸縮性テープなどが更に取り付けられている場合には、肌への食い込みなど、着用感が一層低下し、着用者の肌に伸縮性テープなどの押圧の跡がついてしまうなどの問題がある。
【0082】このような問題を解消した裾とするには、裾の縁始末として裾部分を折り返して縫製するなどのような裾の縁始末を必要としない裾部を有するボトム衣料とすることが好ましい。
【0083】この様な裾の縁始末を必要としない編物の製造方法は知られているが、例えば、日本実公昭47−9946号などや、日本特開2000−303331号の図2に説明されている、いわゆる経編地の端部を糸抜きの手法を応用して作ることができる。
【0084】このような糸抜きの手法によって得られた裾縁部は、裾ラインがほぼ直線状のものとなる。
【0085】また、裾部が、山部と谷部が交互に形成されている波形状のスカラップが形成されている縁始末不要な裾とすることも好ましい。かかるスカラップが形成されている縁始末不要な裾とする方法も知られていおり、例えば、日本特許第3099085号公報に開示されている。かかるスカラップが形成されている縁始末不要な裾は、上記の利点とともに、より美的感覚に優れた裾とすることができ好ましい。尚、前述した、腹部充当部片において、ウェスト部に沿った縁部が、縁始末不要な縁とする場合も、上記いずれの方法も採用できる。
【0086】以下、図面を参照しながら、本発明のショーツ又はガードルの具体的な実施形態例について説明するが、前述したように、本発明のショーツ又はガードルは、どちらか一方のみに分類しがたく、従って、以下の具体的ボトム衣料については、すべて、「ショーツ又はガードル」と呼んで説明する。尚、図示した本発明は、これらの図示した実施形態例のみに限定されるものではない。
【0087】図1は本発明のロングタイプのショーツ又はガードルの一実施の形態例の正面図、図2は図1に示したロングタイプのショーツ又はガードルの背面図、図3は図1、図2に示したロングタイプのショーツ又はガードルに用いられる、裁断前のシングルラッセルジャカード編地に、ショーツ又はガードルを形成する各部片の配置を記載した平面図である。尚、図3における各部片の外周ラインは、本来であれば、縫い代を含めて記載すべきものであるが、図が複雑になるので、縫い代は省略して示している。
【0088】図において図3の矢印Zで示した方向が、編地の編方向(糸が供給される方向、形成された編地が編み機から排出される方向)である。
【0089】20が本発明のショーツ又はガードルに用いるシングルラッセルジャカード編地であり、図3中に、1点鎖線で記入したラインが、本発明のショーツ又はガードルを構成する各部片の裁断される外周ライン(前述したように縫い代は省略した)であり、G−H−O−P−I−J−K−L−Gで囲まれた21aが左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)であり、A−B−M−N−C−D−E−F−Aで囲まれた21bが右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)であり、Q−R−S−T−U−Qで囲まれた22が本発明のショーツ又はガードルの前側の左右方向の中央部近傍をカバーする腹部充当部片(kc)であり、この腹部充当部片は、下部がクロッチ部片22’を兼ねていて、クロッチ部片が連続して形成されている腹部充当部片である。
【0090】図3に示した左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21a、右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bおよび腹部充当部片(kc)22が相互に縫合されて図1、図2に示したような本発明のロングタイプのショーツ又はガードルが形成される。図1、図2に、図3におけるアルファベット大文字符号を付したので、どの部分とどの部分が縫合されるかは容易に理解される。尚、図1、図2においてハイフンで結んだ符号は図3における対応するアルファベット大文字符号の部分が重なって縫合される位置にあることを示している。
【0091】尚、左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21aのG−J間の点線ライン、右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bのA−D間の点線ラインは、それぞれそれより上側の部分(G−J−K−L−Gのラインで囲まれる部分とA−D−E−F−Aのラインで囲まれる部分)がショーツ又はガードルの内側に折り返されて、L−Kのラインが左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21aに縫合され、またE−Fのラインが、右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bに縫合される。これらの縫合ラインは図1、図2において28で示した。従って、図1、図2のショーツ又はガードルにおいて左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21aと右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bのウェストラインは、G−Jライン、および、A−Dラインである。
【0092】編地20の一方の縁26と反対側の縁27は、前述した山部と谷部が交互に形成されている波形状のスカラップが形成されている縁始末不要な縁となっており、図1、図2において縁26からなる裾縁は折り返しなどのない縁始末不要な裾になっており、また腹部充当部片22のウェスト部の縁部分は縁27からなるので折り返しなどのない縁始末不要な縁部分を形成している。従って、いずれの縁も段差が生じることなく、アウターウェアーに段差が反映してアウターウェアーの外からも段差が見えるような外観の低下がない。
【0093】領域33は、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)が挿入されている領域であり、この実施形態例の場合、154dtexのポリウレタン弾性糸が、各ウェール間毎に2本ずつと1本ずつ交互に挿入されている。領域33の幅は10.5cmとした。
【0094】領域34は、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)より更に伸縮パワーが強められた弾性糸(d2)が挿入されている領域であり、脚部の裾近傍に、裾に沿って衣料横方向に略帯状に挿入されている弾性糸であり、この実施形態例の場合、154dtexのポリウレタン弾性糸が、各ウェール間毎に2本ずつ挿入されている。領域34の幅は5cmとした。領域33と34を設けることにより、裾部が着用者の太腿に密着して、しゃがんだり立ったりした場合の裾のずり上がりを防止する作用が更に増強される。
【0095】領域31は、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)と同様の伸縮パワーの強められた弾性糸(d3)が挿入されている領域であり、腹部充当部片22のウェスト部に沿ってその近傍に衣料横方向に略帯状に挿入されてることになる弾性糸であり、この実施形態例の場合、154dtexのポリウレタン弾性糸が、各ウェール間毎に2本ずつと1本ずつ交互に挿入されている。領域31の幅は5cmとした。
【0096】領域31に伸縮パワーの強めの弾性糸(d3)が挿入されていることにより、腹部充当部片22のウェスト部にゴムテープなどの段差を生じる部材を装着する必要がなく、ウェスト部のすっきりした外観を保って、この部分のフィット性、密着性が高められるので、しゃがんだり立ったりした場合のウェスト部のずり下がりを防止する作用が発揮され好ましい。
【0097】そして領域32は伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている領域であり、左半身および右半身の前脇部−脇部−後部充当部片21a、21bのほぼ臀部の膨らみ部分をカバーする部分や前脇部に挿入されている弾性糸であり、この実施形態例の場合、154dtexのポリウレタン弾性糸が、各ウェール間毎に1本ずつ挿入されている。領域32には、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されているので、臀部の膨らみをつぶさずに、きれいな自然な丸みのヒップ形状を保つとともに、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている領域は、容易に伸縮しやすいので、ボトム衣料の着用者が、しゃがんだり、立ったりした場合に、臀部の皮膚も大きく伸び縮みするが、その皮膚の伸縮に追従しやすく、裾のずり上がりや、ウェスト部のずり下がりを防止することができる。また、この実施の形態例では、腹部充当部片22の領域31の下側部分領域32にも上記と同様の伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている。従って、ショーツ又はガードルの横方向への伸縮性を付与し、ショーツ又はガードルを横方向に広げて着脱する事が容易になる。
【0098】そして上記弾性糸の挿入領域のパターンに比べて本発明でより一層重要なのは、用いる上記シングルラッセルジャカード編地を構成する、非弾性糸からなる地編組織として、緊迫力の強弱の要求に応じて地編組織を切り替えて編組織の変化により1つの編地中に非弾性糸に基づく比較的緊迫力の強い編組織からなる部分から比較的緊迫力の弱い編組織からなる部分までをパターン状に編み分けている地編組織を用いている点であり、左半身および右半身の前脇部−脇部−後部充当部片21a、21bのうち意匠柄模様部分25で囲まれた臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23を、比較的緊迫力の弱い地編組織で構成し、その他の部分である意匠柄模様部分25の外側の部分、すなわち臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)24を、比較的緊迫力の強い地編組織で構成し、前記(a)23と(b)24の間のほぼ全域を埋める境界領域として、前記(a)23と(b)24の部分にまたがって凹凸状に出入りする部分を有する全体として略帯状の意匠柄模様25からなり、その緊迫力が前記(a)23と(b)24の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域が非弾性糸による編み分けにより設けられ、前記略帯状の意匠柄模様25は、臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側を通りウェスト部に至る全体的にカーブし、連続した意匠柄模様からなっている。
【0099】ここで、臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23を構成する比較的緊迫力の弱い地編組織としては、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図6を用いて説明されているような緊迫力の弱いメッシュ調ネット組織を採用し、臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)24を構成する比較的緊迫力の強い地編組織としては、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図3を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織を採用した。
【0100】尚、図3の生地の状態での、意匠柄模様25の存在しない部分の臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23を構成する比較的緊迫力の弱い地編組織と臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)24を構成する比較的緊迫力の強い地編組織の編分けの境界ラインは、図中点線25’で示した。図3の生地の状態での前述した比較的緊迫力の弱い地編組織からなる部分は意匠柄模様25と点線25’で囲まれた部分となる。図3の生地の状態でのこれ以外の部分は、意匠柄模様25の部分を除いて、前述した比較的緊迫力の強い地編組織からなる。従って、腹部充当部片の非弾性糸からなる地編組織は、前述したような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織を採用している。これにより、腹部の贅肉の膨出を押さえ、腹部形状を整える機能を発揮する。
【0101】また、この実施の形態例では、緊迫力緩衝領域である意匠柄模様25として、バラの花とその葉、蔓をアレンジした意匠柄模様を採用した。
【0102】図1〜図3における左半身の前脇部−脇部−後部充当部片21aの意匠柄模様25とその近傍の一部分の拡大説明図を、図4に示した。
【0103】図4に示されるように、このバラの花とその葉、蔓をアレンジした意匠柄模様25は、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図3を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織からなる部分41、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図4を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合が中位の中サテン調ネット組織からなる部分42、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図6を用いて説明されているような緊迫力の弱いメッシュ調ネット組織からなる部分43などが図示したように混在して存在しており、その周囲は、穴地編組織44で取り囲まれている。尚、23の部分は、前述した臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23であり、前述したような緊迫力の弱いメッシュ調ネット組織からなり、24の部分は、前述した臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)24であり、前述したような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織からなっている部分である。
【0104】このように、意匠柄模様部分25は、多段階の緊迫力のグレードを有する地編組織を混在させて、意匠柄模様を形成することにより、意匠柄模様全体としては、その緊迫力が前記(a)23と(b)24の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域とすることが出来ると共に、前記(a)23の緊迫力の弱い部分や前記(b)24の緊迫力の強い部分に凹凸状に意匠柄模様25が出入りするのでそれら出入りする領域全体で緊迫力が平均化されることによる緊迫力の緩衝作用も発揮されるのである。
【0105】かくして得られた本発明のロングタイプのショーツ又はガードルは、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界に実質上段差がなく、したがって段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまうと言う問題がなく、着用者の外観を美しく保って、かつ必要な体型補整機能を付与し、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界領域に、緊迫力の急激な変化を緩和する緩衝領域として機能でき、しかも緩衝領域自体が美的な意匠柄模様として編み込まれたジャカードシングルラッセル編地からなるロングタイプのショーツ又はガードルを提供することができる。
【0106】次に、図5、図6、図7、図8を用いて、本発明のロングタイプのショーツ又はガードルの別の一実施の形態例を説明する。
【0107】図5は本発明のロングタイプのショーツ又はガードルの正面図、図6は図5に示したロングタイプのショーツ又はガードルの背面図、図7は図5、図6に示したロングタイプのショーツ又はガードルに用いられる、裁断前のシングルラッセルジャカード編地に、ショーツ又はガードルを形成する各部片の配置を記載した平面図である。尚、図7における各部片の外周ラインは、本来であれば、縫い代を含めて記載すべきものであるが、図が複雑になるので、縫い代は省略して示している。
【0108】また図8は、図5〜図7における左半身の前脇部−脇部−後部充当部片21aの意匠柄模様25とその近傍の一部分の拡大説明図である。
【0109】この実施の形態例では、図1〜図4を用いて説明した実施の形態例の緊迫力緩衝領域である意匠柄模様25のバラの花とその葉、蔓をアレンジした意匠柄模様を、チューリップの花とその葉、茎をアレンジした意匠柄模様に変えた以外は、図1〜図4で説明した実施の形態例と全く同様であり、従って、同じ部分には同じ符号を付して説明を省略した。
【0110】尚、図8におけるチューリップ柄模様の、非弾性糸に基づく比較的緊迫力の強い編組織からなる部分と比較的緊迫力の弱い編組織からなる部分の編み分けも、そのパターンが異なるのみで、強サテン調ネット組織からなる部分41、中緊迫力のサテン調ネット組織からなる部分42、緊迫力の弱いメッシュ調ネット組織からなる部分43などが図示したように混在して存在しており、チューリップ柄は、穴地編組織44で縁取られていて、その柄模様が明確に浮き出るようになっている。
【0111】図5〜図8に示された本発明のロングタイプのショーツ又はガードルは、図1〜図4で説明した本発明のロングタイプのショーツ又はガードルと、意匠柄模様が異なるのみで、その他は同一の態様であるので、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界に実質上段差がなく、したがって段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまうと言う問題がなく、着用者の外観を美しく保って、かつ必要な体型補整機能を付与し、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界領域に、緊迫力の急激な変化を緩和する緩衝領域として機能でき、しかも緩衝領域自体が美的な意匠柄模様として編み込まれたジャカードシングルラッセル編地からなるロングタイプのショーツ又はガードルを提供することができる。
【0112】次に、図9、図10、図11を用いて、本発明のショートタイプのショーツ又はガードルの一実施の形態例を説明する。
【0113】図9は本発明のショートタイプのショーツ又はガードルの正面図、図10は図9に示したショートタイプのショーツ又はガードルの背面図、図11は図9、図10に示したショートタイプのショーツ又はガードルに用いられる、裁断前のシングルラッセルジャカード編地に、ショーツ又はガードルを形成する各部片の配置を記載した平面図である。尚、図11における各部片の外周ラインは、本来であれば、縫い代を含めて記載すべきものであるが、図が複雑になるので、縫い代は省略して示している。
【0114】図において図11の矢印Zで示した方向が、編地の編方向(糸が供給される方向、形成された編地が編み機から排出される方向)である。
【0115】20が本発明のショーツ又はガードルに用いるシングルラッセルジャカード編地であり、図11中に、1点鎖線で記入したラインが、本発明のショーツ又はガードルを構成する各部片の裁断される外周ライン(前述したように縫い代は省略した)であり、G−H−O−P−I−J−K−L−Gで囲まれた21aが左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)であり、A−B−M−N−C−D−E−F−Aで囲まれた21bが右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)であり、Q−R−S−T−U−Qで囲まれた22が本発明のショーツ又はガードルの前側の左右方向の中央部近傍をカバーする腹部充当部片(kc)であり、この腹部充当部片は、下部がクロッチ部片22’を兼ねていて、クロッチ部片が連続して形成されている腹部充当部片である。
【0116】図11に示した左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21a、右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bおよび腹部充当部片(kc)22が相互に縫合されて図9、図10に示したような本発明のショートタイプのショーツ又はガードルが形成される。図9、図10に、図11におけるアルファベット大文字符号を付したので、どの部分とどの部分が縫合されるかは容易に理解される。尚、図9、図10においてハイフンで結んだ符号は図11における対応するアルファベット大文字符号の部分が重なって縫合される位置にあることを示している。
【0117】尚、左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21aのG−J間の点線ライン、右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bのA−D間の点線ラインは、それぞれそれより上側の部分(G−J−K−L−Gのラインで囲まれる部分とA−D−E−F−Aのラインで囲まれる部分)がショーツ又はガードルの内側に折り返されて、L−Kのラインが左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21aに縫合され、またE−Fのラインが、右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bに縫合される。これらの縫合ラインは図9、図10において28で示した。従って、図9、図10のショーツ又はガードルにおいて左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21aと右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bのウェストラインは、G−Jライン、および、A−Dラインである。
【0118】編地20の一方の縁26と反対側の縁27は、前述した山部と谷部が交互に形成されている波形状のスカラップが形成されている縁始末不要な縁となっており、図9、図10において縁26からなる裾縁は折り返しなどのない縁始末不要な裾になっており、また腹部充当部片22のウェスト部の縁部分は縁27からなるので折り返しなどのない縁始末不要な縁部分を形成している。従って、いずれの縁も段差が生じることなく、アウターウェアーに段差が反映してアウターウェアーの外からも段差が見えるような外観の低下がない。
【0119】領域33は、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)が挿入されている領域であり、この実施形態例の場合、154dtexのポリウレタン弾性糸が、各ウェール間毎に2本ずつと1本ずつ交互に挿入されている。領域33の幅は8cmとした。
【0120】領域33を設けることにより、裾部が着用者の太腿に密着して、しゃがんだり立ったりした場合の裾のずり上がりを防止する作用が増強される。
【0121】領域31は、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)と同様の伸縮パワーの強められた弾性糸(d3)が挿入されている領域であり、腹部充当部片22のウェスト部も含めてウェスト部に沿ってその近傍に衣料横方向に略帯状に挿入されている弾性糸であり、この実施形態例の場合、154dtexのポリウレタン弾性糸が、各ウェール間毎に2本ずつと1本ずつ交互に挿入されている。領域31の幅は4cmとした。
【0122】領域31に伸縮パワーの強めの弾性糸(d3)が挿入されていることにより、ゴムテープなどの段差を生じる部材を装着する必要がなく、ウェスト部のすっきりした外観を保って、この部分のフィット性、密着性が高められるので、しゃがんだり立ったりした場合のウェスト部のずり下がりを防止する作用が発揮され好ましい。
【0123】そして領域32は伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている領域であり、左半身および右半身の前脇部−脇部−後部充当部片21a、21bのほぼ臀部の膨らみ部分をカバーする部分や前脇部に挿入されている弾性糸であり、この実施形態例の場合、154dtexのポリウレタン弾性糸が、各ウェール間毎に1本ずつ挿入されている。領域32には、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されているので、臀部の膨らみをつぶさずに、きれいな自然な丸みのヒップ形状を保つとともに、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている領域は、容易に伸縮しやすいので、ボトム衣料の着用者が、しゃがんだり、立ったりした場合に、臀部の皮膚も大きく伸び縮みするが、その皮膚の伸縮に追従しやすく、裾のずり上がりや、ウェスト部のずり下がりを防止することができる。また、この実施の形態例では、腹部充当部片22の領域31の下側部分領域32にも上記と同様の伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている。従って、生地の編み方向、つまりショーツ又はガードルの横方向への伸縮性を付与し、ショーツ又はガードルを横方向に広げて着脱する事が容易になる。
【0124】そして上記弾性糸の挿入領域のパターンに比べて本発明でより一層重要なのは、用いる上記シングルラッセルジャカード編地を構成する、非弾性糸からなる地編組織として、緊迫力の強弱の要求に応じて地編組織を切り替えて編組織の変化により1つの編地中に非弾性糸に基づく比較的緊迫力の強い編組織からなる部分から比較的緊迫力の弱い編組織からなる部分までをパターン状に編み分けている地編組織を用いている点であり、左半身および右半身の前脇部−脇部−後部充当部片21a、21bのうち意匠柄模様部分25で囲まれた臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23を、比較的緊迫力の弱い地編組織で構成し、その他の部分である意匠柄模様部分25の外側の部分、すなわち臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)24を、比較的緊迫力の強い地編組織で構成し、前記(a)23と(b)24の間のほぼ全域を埋める境界領域として、前記(a)23と(b)24の部分にまたがって凹凸状に出入りする部分を有する全体として略帯状の意匠柄模様25からなり、その緊迫力が前記(a)23と(b)24の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域が非弾性糸による編み分けにより設けられ、前記略帯状の意匠柄模様25は、臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側を通りウェスト部に至る全体的にカーブし、連続した意匠柄模様からなっている。
【0125】ここで、臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23を構成する比較的緊迫力の弱い地編組織としては、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図6を用いて説明されているような緊迫力の弱いメッシュ調ネット組織を採用し、臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)24を構成する比較的緊迫力の強い地編組織としては、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図3を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織を採用した。
【0126】図11の生地の状態で、意匠柄模様25で囲まれた臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23の部分は前述した比較的緊迫力の弱い地編組織からなり、意匠柄模様25の部分を除いて、これ以外の部分は、前述した比較的緊迫力の強い地編組織からなる。従って、腹部充当部片の非弾性糸からなる地編組織は、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図3を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織を採用している。これにより、腹部の贅肉の膨出を押さえ、腹部形状を整える機能を発揮する。
【0127】また、この実施の形態例では、緊迫力緩衝領域である意匠柄模様25として、バラの花とその葉、蔓をアレンジした意匠柄模様を採用した。
【0128】図9〜図11における左半身の前脇部−脇部−後部充当部片21aの意匠柄模様25とその近傍の一部分の拡大説明図は、図4とほぼ同様なので、図4を引用して説明する図4に示されるように、このバラの花とその葉、蔓をアレンジした意匠柄模様25は、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図3を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織からなる部分41、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図4を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合が中位の中サテン調ネット組織からなる部分42、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図6を用いて説明されているような緊迫力の弱いメッシュ調ネット組織からなる部分43などが図示したように混在して存在しており、更にこれらの柄は、穴地編組織44で縁取られていて、その柄模様が明確に浮き出るようになっている。尚、23の部分は、前述した臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23であり、前述したような緊迫力の弱いメッシュ調ネット組織からなり、24の部分は、前述した臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)24であり、前述したような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織からなっている部分である。
【0129】このように、意匠柄模様部分25は、多段階の緊迫力のグレードを有する地編組織を混在させて、意匠柄模様を形成することにより、意匠柄模様全体としては、その緊迫力が前記(a)23と(b)24の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域とすることが出来ると共に、前記(a)23の緊迫力の弱い部分や前記(b)24の緊迫力の強い部分に凹凸状に意匠柄模様25が出入りするのでそれら出入りする領域全体で緊迫力が平均化されることによる緊迫力の緩衝作用も発揮されるのである。
【0130】かくして得られた本発明のショートタイプのショーツ又はガードルは、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界に実質上段差がなく、したがって段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまうと言う問題がなく、着用者の外観を美しく保って、かつ必要な体型補整機能を付与し、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界領域に、緊迫力の急激な変化を緩和する緩衝領域として機能でき、しかも緩衝領域自体が美的な意匠柄模様として編み込まれたジャカードシングルラッセル編地からなるショートタイプのショーツ又はガードルを提供することができる。
【0131】尚、意匠柄模様部分25は、この意匠柄模様に限定されるものではなく、例えば、図5〜図8で用いたチューリップの花とその葉、茎をアレンジした意匠柄模様に変えてもよいことはもちろんである。
【0132】次に、図12、図13、図14を用いて、本発明のショートタイプのショーツ又はガードルの別の一実施の形態例を説明する。この実施の形態例に示したショートタイプのショーツ又はガードルは、図9〜図11を用いて説明したショートタイプのショーツ又はガードルよりも若干丈が短く設計されている。
【0133】図12は本発明のショートタイプのショーツ又はガードルの別の一実施の形態例の正面図、図13は図12に示したショートタイプのショーツ又はガードルの背面図、図14は図12、図13に示したショートタイプのショーツ又はガードルに用いられる、裁断前のシングルラッセルジャカード編地に、ショーツ又はガードルを形成する各部片の配置を記載した平面図である。尚、図14における各部片の外周ラインは、本来であれば、縫い代を含めて記載すべきものであるが、図が複雑になるので、縫い代は省略して示している。
【0134】図において図14の矢印Zで示した方向が、編地の編方向(糸が供給される方向、形成された編地が編み機から排出される方向)である。
【0135】20が本発明のショーツ又はガードルに用いるシングルラッセルジャカード編地であり、図14中に、1点鎖線で記入したラインが、本発明のショーツ又はガードルを構成する各部片の裁断される外周ライン(前述したように縫い代は省略した)であり、G−H−I−J−K−L−Gで囲まれた21aが左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)であり、A−B−C−D−E−F−Aで囲まれた21bが右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)であり、M−N−O−P−Q−R−S−Mで囲まれた22が本発明のショーツ又はガードルの前側の左右方向の中央部近傍をカバーする腹部充当部片(kc)であり、この腹部充当部片は、下部がクロッチ部片22’を兼ねていて、クロッチ部片が連続して形成されている腹部充当部片である。
【0136】図14に示した左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21a、右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bおよび腹部充当部片(kc)22が相互に縫合されて図12、図13に示したような本発明のショートタイプのショーツ又はガードルが形成される。図12、図13に、図14におけるアルファベット大文字符号を付したので、どの部分とどの部分が縫合されるかは容易に理解される。尚、図12、図13においてハイフンで結んだ符号は図14における対応するアルファベット大文字符号の部分が重なって縫合される位置にあることを示している。
【0137】尚、左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21aのG−J間の点線ライン、右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bのA−D間の点線ラインは、それぞれそれより上側の部分(G−J−K−L−Gのラインで囲まれる部分とA−D−E−F−Aのラインで囲まれる部分)がショーツ又はガードルの内側に折り返されて、L−Kのラインが左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21aに縫合され、またE−Fのラインが、右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bに縫合される。これらの縫合ラインは図12、図13において28で示した。従って、図12、図13のショーツ又はガードルにおいて左半身の前脇部−脇部−後部充当部片(ka)21aと右半身の前脇部−脇部−後部充当部片(kb)21bのウェストラインは、G−Jライン、および、A−Dラインである。
【0138】編地20の一方の縁26と反対側の縁27は、前述した山部と谷部が交互に形成されている波形状のスカラップが形成されている縁始末不要な縁となっており、図12、図13において縁26からなる裾縁は折り返しなどのない縁始末不要な裾になっており、また腹部充当部片22のウェスト部の縁部分は縁27からなるので折り返しなどのない縁始末不要な縁部分を形成している。従って、いずれの縁も段差が生じることなく、アウターウェアーに段差が反映してアウターウェアーの外からも段差が見えるような外観の低下がない。
【0139】領域33は、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)が挿入されている領域であり、この実施形態例の場合、154dtexのポリウレタン弾性糸が、各ウェール間毎に2本ずつと1本ずつ交互に挿入されている。領域33の幅は8cmとした。
【0140】領域33を設けることにより、裾部が着用者の太腿に密着して、しゃがんだり立ったりした場合の裾のずり上がりを防止する作用が増強される。
【0141】領域31は、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)と同様の伸縮パワーの強められた弾性糸(d3)が挿入されている領域であり、腹部充当部片22のウェスト部も含めてウェスト部に沿ってその近傍に衣料横方向に略帯状に挿入されている弾性糸であり、この実施形態例の場合、154dtexのポリウレタン弾性糸が、各ウェール間毎に2本ずつと1本ずつ交互に挿入されている。領域31の幅は4cmとした。
【0142】領域31に伸縮パワーの強めの弾性糸(d3)が挿入されていることにより、腹部充当部片22のウェスト部にゴムテープなどの段差を生じる部材を装着する必要がなく、ウェスト部のすっきりした外観を保って、この部分のフィット性、密着性が高められるので、しゃがんだり立ったりした場合のウェスト部のずり下がりを防止する作用が発揮され好ましい。
【0143】そして領域32は伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている領域であり、左半身および右半身の前脇部−脇部−後部充当部片21a、21bのほぼ臀部の膨らみ部分をカバーする部分や前脇部に挿入されている弾性糸であり、この実施形態例の場合、154dtexのポリウレタン弾性糸が、各ウェール間毎に1本ずつ挿入されている。領域32には、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されているので、臀部の膨らみをつぶさずに、きれいな自然な丸みのヒップ形状を保つとともに、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている領域は、容易に伸縮しやすいので、ボトム衣料の着用者が、しゃがんだり、立ったりした場合に、臀部の皮膚も大きく伸び縮みするが、その皮膚の伸縮に追従しやすく、裾のずり上がりや、ウェスト部のずり下がりを防止することができる。また、この実施の形態例では、腹部充当部片22の領域31の下側部分領域32にも上記と同様の伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている。従って、ショーツ又はガードルの横方向への伸縮性を付与し、ショーツ又はガードルを横方向に広げて着脱する事が容易になる。
【0144】そして上記弾性糸の挿入領域のパターンに比べて本発明でより一層重要なのは、用いる上記シングルラッセルジャカード編地を構成する、非弾性糸からなる地編組織として、緊迫力の強弱の要求に応じて地編組織を切り替えて編組織の変化により1つの編地中に非弾性糸に基づく比較的緊迫力の強い編組織からなる部分から比較的緊迫力の弱い編組織からなる部分までをパターン状に編み分けている地編組織を用いている点であり、左半身および右半身の前脇部−脇部−後部充当部片21a、21bのうち意匠柄模様部分25で囲まれた臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23を、比較的緊迫力の弱い地編組織で構成し、その他の部分である意匠柄模様部分25の外側の部分、すなわち臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)24を、比較的緊迫力の強い地編組織で構成し、前記(a)23と(b)24の間のほぼ全域を埋める境界領域として、前記(a)23と(b)24の部分にまたがって凹凸状に出入りする部分を有する全体として略帯状の意匠柄模様25からなり、その緊迫力が前記(a)23と(b)24の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域が非弾性糸による編み分けにより設けられ、前記略帯状の意匠柄模様25は、臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側を通りウェスト部に至る全体的にカーブし、連続した意匠柄模様からなっている。
【0145】ここで、臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23を構成する比較的緊迫力の弱い地編組織としては、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図6を用いて説明されているような緊迫力の弱いメッシュ調ネット組織を採用し、臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)24を構成する比較的緊迫力の強い地編組織としては、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図3を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織を採用した。
【0146】図14の生地の状態で、意匠柄模様25で囲まれた臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23の部分は前述した比較的緊迫力の弱い地編組織からなり、意匠柄模様25の部分を除いて、これ以外の部分は、前述した比較的緊迫力の強い地編組織からなる。従って、腹部充当部片の非弾性糸からなる地編組織は、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図3を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織を採用している。これにより、腹部の贅肉の膨出を押さえ、腹部形状を整える機能を発揮する。
【0147】また、この実施の形態例では、緊迫力緩衝領域である意匠柄模様25として、バラの花とその葉、蔓をアレンジした意匠柄模様を採用した。
【0148】図12〜図14における左半身の前脇部−脇部−後部充当部片21aの意匠柄模様25とその近傍の一部分の拡大説明図は、図4とほぼ同様なので、図4を引用して説明する図4に示されるように、このバラの花とその葉、蔓をアレンジした意匠柄模様25は、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図3を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織からなる部分41、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図4を用いて説明されているような1繰り返し単位中に振りの入った割合が中位の中サテン調ネット組織からなる部分42、EP1136001A1(対応日本特開2000−8203号)の図6を用いて説明されているような緊迫力の弱いメッシュ調ネット組織からなる部分43などが図示したように混在して存在しており、柄は、穴地編組織44で縁取られていて、その柄模様が明確に浮き出るようになっている。尚、23の部分は、前述した臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)23であり、前述したような緊迫力の弱いメッシュ調ネット組織からなり、24の部分は、前述した臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)24であり、前述したような1繰り返し単位中に振りの入った割合がもっとも大きい強サテン調ネット組織からなっている部分である。
【0149】このように、意匠柄模様部分25は、多段階の緊迫力のグレードを有する地編組織を混在させて、意匠柄模様を形成することにより、意匠柄模様全体としては、その緊迫力が前記(a)23と(b)24の緊迫力の中間になる緊迫力緩衝領域とすることが出来ると共に、前記(a)23の緊迫力の弱い部分や前記(b)24の緊迫力の強い部分に凹凸状に意匠柄模様25が出入りするのでそれら出入りする領域全体で緊迫力が平均化されることによる緊迫力の緩衝作用も発揮されるのである。
【0150】かくして得られた本発明のショートタイプのショーツ又はガードルは、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界に実質上段差がなく、したがって段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまうと言う問題がなく、着用者の外観を美しく保って、かつ必要な体型補整機能を付与し、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界領域に、緊迫力の急激な変化を緩和する緩衝領域として機能でき、しかも緩衝領域自体が美的な意匠柄模様として編み込まれたジャカードシングルラッセル編地からなるショートタイプのショーツ又はガードルを提供することができる。
【0151】尚、意匠柄模様部分25は、この意匠柄模様に限定されるものではなく、例えば、図5〜図8で用いたチューリップの花とその葉、茎をアレンジした意匠柄模様に変えてもよいことはもちろんである。
【0152】以上に説明した、すべての実施の形態例においては、地編みを構成する非弾性糸としては、すべて44dtexのナイロン糸を用いたが、何らこれに限定されるものではない。
【0153】尚、各部位の緊迫力を測定して、比較的緊迫力の強い部分とか、比較的緊迫力の弱い部分の緊迫力を比較する場合などにおいては、次の引張り試験を行って測定すればよい。
【0154】素材経方向(ウェール方向)が試験片の長さ方向になるように幅2.5cm×長さ16.0cmの試験片を作成し、その長さ方向を上下方向に向けてその両端をクリップでつかむ。上部つかみ長さを2.5cm、下部つかみ長さを3.5cmとし、従ってつかみ間隔は10.0cmとして定速伸長形引張試験機(島津製作所製“オートグラフ”AG−500D)に取り付け、30±2cm/分の速度で試験片を伸度80%まで伸ばす。この際、伸度30%時点で試験片に掛かっている応力を記録しこれを伸長力(単位ニュートン:N)とし、次に伸度80%まで伸ばした試験片に掛かる応力を取り去ると、試験片が元の長さに戻ろうとして収縮するが、伸度30%まで回復した時の試験片に掛かる応力を緊迫力(単位ニュートン:N)とする。これらの値は、上記引張試験機により自動的に記録される様に設定しておく。尚、伸長力、緊迫力とも、これらのデータは試験片2つの平均値を求めてそれぞれ伸長力、緊迫力とすることが好ましい。
【0155】ここで、伸度(%)とは、伸ばした状態で伸び方向の生地の長さをd、伸ばす前の試料の元の長さ(すなわちつかみ間隔)をeとすると、[(d−e)/e]×100の値である。
【0156】尚、伸長力や緊迫力の測定の際に試験片の大きさとしては、前述のような大きさのものを用いることが好ましいが、かかる大きさの試料が測定対象の衣類から切り出せない場合にはそれより小さくても差し支えない。ただ、試料の大きさが小さくなるほど、測定誤差が大きくなるので、切り出せる範囲でできるだけ大きな試料を採取して測定することが好ましい。
【0157】
【発明の効果】以上説明した本発明のショーツ又はガードルは、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界に実質上段差がなく、したがって段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまうと言う問題がなく、着用者の外観を美しく保って、かつ必要な体型補整機能を付与し、また、緊迫力の大きな部分と小さな部分との境界領域として、これらの部分にまたがって凹凸状に出入りする部分を有する全体として略帯状の意匠柄模様からなり、その緊迫力が全体として中間になる緊迫力緩衝領域が非弾性糸による編み分けにより設けられていることにより、意匠柄模様部分が緊迫力の急激な変化を緩和する緩衝領域として機能でき、しかも意匠柄模様がショーツ又はガードルの美観を向上する機能を兼ね備えたジャカードシングルラッセル編地からなるショーツ又はガードルを提供することができる。
【0158】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、意匠柄模様部分が、意匠柄模様部分中に用いられている非弾性糸に基づく地編組織が、強緊迫力の地編組織、中緊迫力の地編組織、弱緊迫力の地編組織、及び、穴地編組織、から選ばれた1種又は2種以上の組み合わせの地編組織(但し、強緊迫力の地編組織のみからなる場合、弱緊迫力の地編組織のみからなる場合、及び、穴地編組織のみからなる場合を除く)からなる、意匠柄模様である本発明の好ましい態様とすることにより、意匠柄模様に濃淡差が付与でき、従って模様の表現が容易で豊かになり、その緊迫力が全体として平均的に、臀部の膨らみ部分をカバーする部分(a)とその他の部分である臀部の膨らみにおける下方部分から臀部の膨らみの脇側をカバーする部分(b)の中間になる緊迫力を有する意匠柄模様を容易に実現でき好ましい。
【0159】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、意匠柄模様の周縁部が穴地編組織で縁取られている本発明の好ましい態様とすることにより、柄模様が明確になるとともに、穴地編組織で縁取られることにより、緊迫力緩衝作用の発揮にも寄与できる。
【0160】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、意匠柄模様の幅が、ほぼ全域にわたって2cm以上である本発明の好ましい態様とすることにより、前記(a)と(b)の部分の緊迫力差を緩和する緊迫力緩衝領域としての機能が十分に発揮され好ましい。
【0161】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、挿入されている弾性糸が、臀部の膨らみにおける下方部分から脚の付け根箇所に至る領域に挿入されている弾性糸は、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)であり、それより上側の領域に挿入されている弾性糸は、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)であって、前記伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)の挿入されている領域の幅が、3〜12cmの幅である好ましい態様を採用した場合には、ほぼ臀部の膨らみ部分をカバーする部分には、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されているので、臀部の膨らみをつぶさずに、きれいな自然な丸みのヒップ形状を保つとともに、伸縮パワーの弱めの弾性糸(e)が挿入されている領域は、容易に伸縮しやすいので、ボトム衣料の着用者が、しゃがんだり、立ったりした場合に、臀部の皮膚も大きく伸び縮みするが、その皮膚の伸縮に追従しやすく、裾のずり上がりや、ウェスト部のずり下がりを防止することができる。そしてそれより下方の、臀部の膨らみにおける下方部分から脚の付け根箇所に至る領域には、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)が挿入されているので着用者が、しゃがんだり、立ったりした場合に、緊迫力の強い部分が肌に密着して裾のずり上がり等を防止することができ好ましい。
【0162】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、ショーツ又はガードルが、太ももの一部ないし大部分をカバーする脚部を有するロングタイプのショーツ又はガードルであって、前記挿入されている弾性糸のうち、前記脚部の裾近傍に、裾に沿って横方向に略帯状に挿入されている弾性糸が、伸縮パワーの強めの弾性糸(d1)より更に伸縮パワーが強められた弾性糸(d2)であって、前記伸縮パワーの強めの弾性糸(d2)の挿入されている領域の幅が、1〜8cmの幅である好ましい態様を採用した場合には、裾部が着用者の太腿に密着して、しゃがんだり立ったりした場合の裾のずり上がりを防止する作用が更に増強され好ましい。
【0163】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、ショーツ又はガードルの左右方向の中央部近傍をカバーする腹部充当部片において、ウェスト部に沿った縁部が、縁始末不要な縁からなり、挿入されている弾性糸のうち、ウェスト部に沿ってその近傍に横方向に略帯状に挿入されている弾性糸が、それより下側に挿入されている弾性糸より伸縮パワーの強めの弾性糸(d3)であって、前記伸縮パワーの強めの弾性糸(d3)の挿入されている領域の幅が、2〜5cmの幅である本発明の好ましい態様とすることにより、ゴムテープなどの段差を生じる部材を装着する必要がなく、ウェスト部のすっきりした外観を保って、この部分のフィット性、密着性が高められるので、しゃがんだり立ったりした場合のウェスト部のずり下がりを防止する作用が発揮され好ましい。
【0164】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、裾部が、山部と谷部が交互に形成されている波形状のスカラップ状の縁部が形成されている縁始末不要な裾からなる本発明の好ましい態様とすることにより、裾端部分を折り返して縫製した場合に比べて、その部分の厚みが薄くでき、厚みの相違による段差が生じることがなく、その段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまい、着用者の外観を低下させると言う問題が防止できる。そしてスカラップ状の縁部が形成されているので、より美的感覚に優れた裾とすることができ好ましい。
【0165】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、裾部が、抜き糸手法により形成された、直線状の縁始末不要な裾からなる本発明の好ましい態様とすることにより、より、容易に従ってコスト的に安く縁始末不要な裾を形成することができ、裾端部分を折り返して縫製した場合に比べて、その部分の厚みが薄くでき、厚みの相違による段差が生じることがなく、その段差がアウターウェアーに反映し、アウターウェアーの外側からも段差が見えてしまい、着用者の外観を低下させると言う問題が防止できる。
【0166】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、比較的緊迫力の強い部分が、サテン調ネット組織からなる本発明の好ましい態様とすることにより、体型補整機能に必要な緊迫力を容易に発揮しうる組織で比較的仕上がり寸法もバラツキが少なく、しっかりした地編みが形成でき好ましい。
【0167】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、比較的緊迫力の弱い部分が、メッシュ調ネット組織からなる本発明の好ましい態様とすることにより、例えば臀部の膨らみなど、人体の膨らみのある部分に適用された場合に、人体の膨らみ部分を潰さずにきれいな膨らみの丸みを維持し、しかも比較的緊迫力の弱い編み組織でありながら比較的仕上がり寸法もバラツキが少なく、安定した地編みが形成でき好ましい。
【0168】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、意匠柄模様が、花柄、植物の葉模様の柄、および花柄と植物の葉模様の柄の組み合わせ柄から選ばれた意匠柄模様である本発明の好ましい態様とすることにより、女性に好まれる花柄などの意匠柄模様部分が緊迫力の急激な変化を緩和する緩衝領域として機能でき、しかも花柄などの意匠柄模様がショーツ又はガードルの美観を向上する機能を兼ね備えたショーツ又はガードルを提供することができ好ましい。
【0169】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、挿入されている弾性糸の太さが、110〜396dtexの範囲から選ばれた太さの弾性糸である本発明の好ましい態様とすることにより、あまりに締め付け力が強すぎて着用感が低下するなどの問題がなく、前述した挿入によるそれぞれの弾性糸の機能が良好に発揮され好ましい。
【0170】また、本発明のショーツ又はガードルにおいて、腹部充当部片(kc)が、その下側に連続して更にクロッチ部が一体に形成されている腹部充当部片である本発明の好ましい態様とすることにより、クロッチ部片を別途裁断し、縫合する工程が省略できコスト低減に寄与でき、縫合により段差が生じる箇所も少なくでき、着用感もよく好ましい。
【出願人】 【識別番号】000139399
【氏名又は名称】株式会社ワコール
【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院中島町29番地
【出願日】 平成13年10月31日(2001.10.31)
【代理人】 【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
【公開番号】 特開2003−138403(P2003−138403A)
【公開日】 平成15年5月14日(2003.5.14)
【出願番号】 特願2001−334221(P2001−334221)