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【発明の名称】 シャツ等の肌着
【発明者】 【氏名】村田 泰子

【氏名】藤井 敬子

【要約】 【課題】着心地がよく、汗の吸着性がよくて、吸着した湿分の放散性のよいシャツ等の肌着を得ることにある。

【解決手段】シャツ等の肌着1の腋下のマチ部6の身頃側部を袖側部に対してこれらの中心線に対して2〜3倍の幅広状としてマチ部6の縫合部を身頃側に深く入り込んだ膨出状態の湾曲状とし、マチ部6を二重に生地を重ね合わせて縫製するとともに二重状とした肌側の生地を吸水性に優れた布地材として、その外側の生地を吸水性または水分発散性に優れた布地材として形成している。また、マチ部6にマチの幅方向に伸縮性の高い生地をその伸縮性の高い生地方向に裁断し、袖付け縫製時に袖下のマチ部5の二重の生地を伸ばして身頃側に縫着するようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シャツ等の身頃側と袖側とを縫合したシャツ等の肌着であって、上記肌着の腋下のマチ部分の身頃側部を袖側部に対してこれらの中心線に対して2〜3倍の幅広状としてマチ部分の縫合部を身頃側に深く入り込んだ膨出状態の湾曲状とし、上記マチ部を二重に生地を重ね合わせて縫製するとともに二重状とした肌側の生地を吸水性に優れた布地材とし、その外側の生地を吸水性または水分発散性に優れた布地材として形成したことを特徴とするシャツ等の肌着。
【請求項2】 マチ部材として伸縮性の高い生地をその伸縮性の高い生地方向がマチの幅方向となるように裁断し、袖付け縫製時にマチ部材の二重の生地を伸ばして身頃側にそうように縫着した請求項1に記載のシャツ等の肌着。
【請求項3】 マチ部の身頃側の前部上端部分を身頃側から袖側に対して近づく弧状のインカーブ線で、マチ部の袖側の前部上端部分を袖側から身頃側に対して遠ざかる弧状のアウトカーブ線として縫合した請求項1または2に記載のシャツ等の肌着。
【請求項4】 マチ部の前身頃側の上端部を後身頃側の上端部よりも高い位置となるようにした請求項1ないし3のいずれかに記載のシャツ等の肌着。
【請求項5】 半袖シャツ等の袖を袖上部と袖下部とに分割し、袖下部を腋下側から二重に重ね合わせて縫製した請求項1ないし4のいずれかに記載のシャツ等の肌着。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、被服分野におけるシャツ等の肌着に関するものである。
【0002】
【従来の技術】肌着は、体の保温と清浄に保つことから着用されるが、特に腋部が汗をかきやすくて肌着の腋部分が汗を吸い取って湿った状態となるので、不快となりやすいものである。
【0003】そのため、肌着の袖下の腋部に汗取りパッドを装着したり、吸湿性や熱放散性に優れる布地を使用して対処することも考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、汗取りパッドは、汗の吸着性が良いものの着心地がよくなく、また一枚の布地であるとその機能がどうしても不足となるもので、汗の吸着性がよくて、吸着した湿分の放散性のよい、着心地のいいシャツ等の肌着を開発することが課題であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、シャツ等の身頃側と袖側とを縫合したシャツ等の肌着であって、上記肌着の腋下のマチ部分の身頃側部を袖側部に対してこれらの中心線に対して2〜3倍の幅広状としてマチ部分の縫合部を身頃側に深く入り込んだ膨出状態の湾曲状とし、上記マチ部を二重に生地を重ね合わせて縫製するとともに二重状とした肌側の生地を吸水性に優れた布地材とし、その外側の生地を吸水性または水分発散性に優れた布地材として形成したことを特徴とするシャツ等の肌着を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のシャツ等の肌着は、シャツ等の身頃側と袖側とを縫合したシャツ等の肌着であって、上記肌着の腋下のマチ部分の身頃側部を袖側部に対してこれらの中心線に対して2〜3倍の幅広状としてマチ部分の縫合部を身頃側に深く入り込んだ膨出状態の湾曲状とし、上記マチ部を二重に生地を重ね合わせて縫製するとともに二重状とした肌側の生地を吸水性に優れた布地材とし、その外側の生地を吸水性または水分発散性に優れた布地材として形成したことを特徴としている。
【0007】肌着1は、長袖のシャツ、半袖のシャツ、T−シャツ、袖付きのスリップ等の袖付きの下着が適用できるもので、図1のように前身頃2と後身頃3で形成される肌着本体4に長袖や半袖等の袖5を縫着して構成される。
【0008】この肌着1の袖5は、図1〜図3のように腋下のマチ部6に図4のようなやや変形した舟形状のマチ部材7を二重に生地8、9を重ね合わせて前身頃2と後身頃3に縫合したり、図5のように袖5を上下に2分割して縫合することができる。
【0009】肌着本体4は、トルファン綿、インド綿等の綿や、綿とナイロン等合成繊維との混紡、綿と毛、毛、合成繊維等の生地で形成できるもので、上記マチ部材7の肌側の生地8を吸水性に優れるトルファン綿、インド綿等の天然繊維や、吸水性および水分移送性に優れた異形断面等の合成繊維、これらの複合糸や交編した生地を使用し、外側の生地9を吸水性に優れた天然繊維や、より好ましくは水分発散性に優れたレーヨン等の再生繊維、プロミックス等の半合成繊維、ポリエステル等の合成繊維、これらの複合糸や交編した生地を使用するものとし、腋部の汗の発生に対してもベタつきの少なく、着心地のよい肌着となるようにしている。
【0010】マチ部6は、図4のように身頃側部分を袖側部分に対してこれらの仮想中心線A−Aに対して2〜3倍の幅広状としているとともに、伸縮性の高い生地をその伸縮性の高い生地方向がマチの幅方向となるように裁断して、図3、図4のようにマチ部の身頃側部分の前部上端部分を身頃側から袖側に対して近づく弧状のインカーブ線で、マチ部6の袖側部分の前部上端部分を袖側から身頃側に対して遠ざかる弧状のアウトカーブ線として腋下部分に身頃側に深く入り込んだ膨出状態の湾曲状として縫合している。
【0011】そしてまた、図4のように仮想脇線B−Bを中心として前部側を後部側よりも10〜30%程長く形成し、袖付け縫製時に袖下のマチ部材7の二重の生地8、9を伸ばして身頃2、3、袖5側に縫着するのが好ましいとともに、図1(a)、(b)のように身頃側と袖側との腋下部のマチ部6の縫合部の前身頃2側の上端部10を後身頃3側の上端部11よりも高い位置として、汗をかきやすくて汗が溜まりやすい腋下前方部の最適な位置に対応して、マチ部材7がもたつかずに自然に腋にフィットし、効果的に汗を吸収し、汗の漏れを防止できるようにしている。
【0012】また、図4のようにマチ部材7の前端部10、後端部(後身頃3側の上端部)11は、仮想脇線B−Bに対しての垂直線上に位置せずに前端側を身頃よりに、後端側を袖側に位置するようにして、腋の前進運動、特に身体の前中心側へ向けての活発な腋の動きに対応しやすく、長袖等の袖や身頃がずれ上りにくいようにしている。
【0013】さらに、図1(b)のように肌着本体4の背中部12の斜線で示した上部側を二重に重ね合わせていて、肌側に吸水性および水分移送性に優れた異形断面等の合成繊維、これらの複合糸や交編した生地を使用している。
【0014】上記した技術の解決原理は、図5(a)、(b)のように半袖シャツの肌着1にも対応できるもので、半袖シャツの袖5を袖下部13と袖上部14とに分割し、袖下部13を腋下側から二重に重ね合わせて縫製していて、前記と同じように肌側を吸水性に優れた布地材で、外側を吸水性またはより好ましい水分発散性に優れた布地材で形成するものである。
【0015】そして、図6(a)のように袖下部13の前身頃2、後身頃3側は、上記したマチ部材7の端部と同様の形状としていて、前身頃2、後身頃3、袖5部に上記したようにして縫合するもので、マチ部6の身頃側部分の前部上端部分を身頃側から袖側に対して近づく弧状のインカーブ線で、マチ部の袖側部分の前部上端部分を袖側から身頃側に対して遠ざかる弧状のアウトカーブ線として腋部分の身頃側に深く入り込んだ膨出状態の湾曲状として縫合している。一点鎖線は、上記の変形した舟形状のマチ部材7の形状を参考に示したものである。
【0016】また、図6(a)のように仮想脇線C−Cを中心として前部側を後部側よりも10〜30%程長く形成し、必要により袖付け縫製時に袖下のマチ部材7の二重の生地8、9を伸ばして身頃2、3、袖5に縫着するとともに、図5(a)、(b)のように身頃側と袖側との腋下部のマチ部6の縫合部の前身頃2側の上端部10を後身頃3側の上端部11よりも高い位置として、汗をかきやすくて汗が溜まりやすい腋下前方部の最適な位置に対応してフィットし、効果的に汗を吸収して漏れるのを防止するようにしている。
【0017】そしてまた、図6(b)のように上記袖下部13に対応して袖上部14を身頃側の端部にそうようにし、袖下部13と袖上部14とを縫合して前身頃2、後身頃3に縫着するようにしている。
【0018】さらに、前記のものと同じく図5(b)のように肌着本体4の背中部12の斜線で示した上部側を二重に重ね合わせていて、肌側に吸水性および水分移送性に優れた異形断面等の合成繊維、これらの複合糸や交編した生地を使用している。
【0019】
【実施例】図1〜図4は、本発明の一実施例を示すもので、女性用の長袖シャツの肌着1に実施したものである。長袖シャツの肌着1の肌着本体4、袖5は吸水性および水分移送性に優れたナイロンをカバーリングしたポリウレタン糸と綿糸を交編した生地で形成していて、その腋下のマチ部6を図4のようにマチ部6の身頃側部を袖側部に対してこれらの中心線に対して2.5倍の幅広状とし、仮想脇線B−Bを中心として前部側を後部側よりも30%程長く形成して二重に重ね合わせて、図3のように袖付け縫製時に袖下のマチ部材7の上記した吸水性および水分移送性に優れた生地8と水分発散性に優れたポリエステルをカバーリングしたポリウレタン糸と綿糸を交編した生地9の二重に重ね合わせた生地を伸ばして身頃2、3、袖5側に縫着したものである。
【0020】また、図1(b)のように肌着本体4の背中部12の斜線で示した上部側を二重に重ね合わせていて、肌側に上記した吸水性および水分移送性こ優れた交編生地を使用している。
【0021】そのため、本肌着1を試着した結果、袖や身頃がずれ上りにくく、マチ部材7が汗をかきやすくて汗が溜まりやすい腋下前方部の最適な位置に対応してフィットし、効果的に汗を吸収して漏れを防止でき、図4のようにマチ部材7の前端部10、後端部11は仮想脇線B−Bに対しての垂直線上に位置せずに前端側を身頃よりに、後端側を袖側に位置するようにしているため、腋の前進運動、特に身体の前中心側へ向けての活発な腋の動きに対応しやすかった。
【0022】また、背中部12の上部側が上記のように二重に重ね合わせなので、汗等の吸収性も良好で、腰部がゴワゴワしなくて背中が温かく、着心地のよいものであった。なお、夏期用には、背中部の重ね合わせを省略することもできる。
【0023】図5、図6は、本発明の他の実施例で、半袖シャツの肌着1に実施したものであり、本実施例でも上記と同様の生地で編成しているもので、マチ部6を上記のようにして半袖シャツの袖5を袖下部13と袖上部14とに分割し、袖下部13を腋下側から二重に重ね合わせて縫製し、肌側を吸水性に優れた上記した交編生地8で、外側を水分発散性に優れた交編生地9で形成したものである。
【0024】また、本実施例でも、図5(b)のように背中部12の上部側を二重に重ね合わせていて、肌側に吸水性および水分移送性に優れた上記した交編生地を使用している。
【0025】本実施例の肌着1を試着した結果についても、上記した長袖シャツと同様で、肌側を吸水性および水分移送性に優れた布地材で、外側を水分発散性に優れた布地材で形成しているため、汗等の水分を肌に留めておかずに外側に移送して、着心地のよいものであった。
【0026】なお、半袖シャツについても、長袖シャツのような変形した舟形状のマチ部とすることも可能であるが、本実施例のようにするのが縫製工程が少なくて好ましく、またこれらは男性用にも適用でき、特に女性用のときには首まわりや袖口にレースやフリル等の装飾を施すこともできるものである。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明にあっては、肌着の腋下のマチ部分の身頃側部を袖側部に対してこれらの中心線に対して2〜3倍の幅広状としてマチ部分の縫合部を身頃側に深く入り込んだ膨出状態の湾曲状としたので、腋の前進運動、特に身体の前中心側へ向けての活発な腋の動きに対応でき、また汗をかきやすくて汗が溜まりやすい腋下前方部の位置に対応して自然にフィットし、効果的に汗を吸収して漏れを防止することができる。
【0028】そして、マチ部を二重に生地を重ね合わせて縫製するとともに二重状とした肌側の生地を吸水性に優れた布地材とし、その外側の生地を吸水性または水分発散性に優れた布地材として形成することによって、腋部の汗の発生に対しても内側の水分を外側へ移送して肌にベタつきが少なく、着心地よく着用することができる。
【0029】また、マチ部材として伸縮性の高い生地をその伸縮性の高い生地方向がマチの幅方向となるように裁断して、袖付け縫製時に腋のマチ部材の二重の生地を伸ばして身頃側にそうようにして縫着することによって、長袖等の袖や身頃がずれ上りにくくでき、かつマチ部が腋にフィットしてスマートなシルエットにできるとともに、腕の運動に対応してマチ部の生地が柔軟に伸縮してアウターに響かずに着心地よくできる。
【0030】また、マチ部の身頃側の前部上端部分を身頃側から袖側に対して近づく弧状のインカーブ線で、マチ部の袖側の前部上端部分を袖側から身頃側に対して遠ざかる弧状のアウトカーブ線として腋下部分に縫合することによって、上記した特長をよりよく発揮することができる。
【0031】さらに、マチ部の前身頃側の上端部を後身頃側の上端部よりも高い位置となるようにしたので、マチ部を汗をかきやすくて汗が溜まりやすい腋下前方部の最適な位置にフィットし、上記のように効果的に汗を吸収して漏れを防止することができる。
【0032】さらに、半袖シャツ等の袖を袖上部と袖下部とに分割し、袖下部を腋下側から二重に重ね合わせて縫製することによっても、上記した効果を奏するとともに、半袖で二重のマチ付きであるにもかかわらず、おしゃれで、すっきりとしたシルエットの半袖シャツを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000131555
【氏名又は名称】株式会社シャルレ
【出願日】 平成14年3月18日(2002.3.18)
【代理人】 【識別番号】100082832
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 邦章
【公開番号】 特開2003−278003(P2003−278003A)
【公開日】 平成15年10月2日(2003.10.2)
【出願番号】 特願2002−73963(P2002−73963)