| 【発明の名称】 |
保湿保温靴下 |
| 【発明者】 |
【氏名】中井 秀典
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| 【要約】 |
【課題】違和感なく履くことができて破れ難く、しかも簡単かつ安価に製造でき、足裏の角質層の荒れを確実に防止できる保湿保温靴下を提供する。
【解決手段】ニット編み靴下(10)の裏面の踵部分(13)及び触球(14)から横足弓(15)に至る部分の各々にはポリウレタンフィルム(21)の表面に編成芯地(22)を接着してなる接着芯地(20)をその編成芯地を表側にして重ね、接着芯地の裏面には接着剤(30)を接着芯地の外形状とほぼ同一形状のリング状部分(31)とリング状部分の対向する部位を結ぶ橋絡部分(32)とを含む形状に設け、接着芯地の周縁全周と中央部位とを靴下裏面に接着する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ニット編み靴下の裏面の踵部分及び触球から横足弓に至る部分の各々にはポリウレタンフィルムの表面に編成芯地を接着してなる接着芯地がその編成芯地を表側にして重ねられ、上記接着芯地の裏面には接着剤が上記接着芯地の外形状とほぼ同一形状のリング状部分と該リング状部分の対向する部位を結ぶ橋絡部分とを含む形状に設けられており、該接着剤によって上記接着芯地の周縁全周と中央部位とが上記靴下裏面に接着されていることを特徴とする保湿保温靴下。 【請求項2】 上記接着剤が、上記接着芯地の外形状とほぼ同一形状なす所定幅のリング状部分と、該リング状部分のほぼ中央を縦方向及び/又は横方向に延びてその両端が上記リング状部分と一体となった帯状の橋絡部分とからなる形状に設けられている請求項2記載の保湿保温靴下。 【請求項3】 上記接着剤がフィルム状をなすホットメルト型の接着剤である請求項1又は2記載の保湿保温靴下。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は違和感なく履くことができ、しかも簡単かつ安価に製造できるようにした保湿保温靴下に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、肘や脛の角質層の荒れについては保湿クリーム等の塗って対応できるが、踵は絶えず地面を踏む関係上、保湿クリーム等では対応し難く、角質層が荒れてひび割れができることが多い。 【0003】そこで、(1)平編みニット靴下の踵部分に合成樹脂フィルムを接着剤で接着し、踵の保湿を行うようにした保湿靴下、(2)二重靴下の間の踵部分から足先に向けてV字状をなす合成樹脂フィルムを介在させるようにした保湿保温靴下(実開平2ー46803号公報参照)、(3)靴下の踵部分に合成樹脂フィルムの周縁を被着するようにしたもの(特開平4ー57903号公報参照)、等が提案されている。 【0004】しかし、人間の足裏の感覚は少しの異物をも感知しうるほど非常に敏感であり、従来の保湿靴下(1)(3)では合成樹脂フィルムの肌触りが靴下の生地と異なり、違和感があって履き難いという問題があった。 【0005】他方、従来の保湿保温靴下(2)は足裏に靴下の生地が当たるので、上記保湿靴下■に比して違和感が少ないものの、靴下を二重にしている関係上、製造が複雑であるばかりでなく、コスト高になるという問題があった。 【0006】さらに、従来の保温保湿靴下(3)では合成樹脂フィルムの周縁のみを被着しているので、靴下着時に踵部分から合成樹脂フィルムに荷重が作用して合成樹脂フィルムの被着していない部分が前後左右にずれて靴下と擦れあい、すぐに破れてしまうという問題があり、合成樹脂フィルムを踵部分の全体を覆うような大きさにはできず、保温保湿効果が十分に確保できていなのが実情である。 【0007】これに対し、本件発明者は、ポリウレタンフィルムの表面に編成芯地を接着してなる接着芯地の裏面に接着剤を接着芯地の外形状とほぼ同一形状の所定幅のリング状部分と該リング状部分内を通る橋絡部分とを含む形状に設け、ニット編み靴下の裏面の踵部分に接着芯地の全周縁と中央とを接着し、簡単かつ安価に製造できて違和感なく履くことができ、しかも簡単に破れないようにした保湿保温靴下を開発し、出願するに至った(特開平10−72703号公報、参照)。 【0008】ところで、人間の足について検討すると、立ち姿勢においては足指の力の入れ具合を加減して立ち姿勢のバランスを保っており、足裏の触球や横足弓にも相当な力が作用している。 【0009】また、人間の歩行中の動作について検討すると、足を地面におろすときは踵が先に着地し、次に触球及び横足弓が着地する一方、足を地面から離すときは踵が先に離れ、最後に触球及び横足弓が地面を離れるという動きとなっている。 【0010】以上のように、足裏の触球及び横足弓の部分も絶えず力が作用し、踵部分と同様に角質層が荒れていることか多い。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかるに、本件発明者らの開発に係る保湿保温靴下は足裏の触球及び横足弓の部位の角質層の荒れについてほとんど考慮されておらず、この点が改良の余地があった。 【0012】本発明は、かかる点に鑑み、簡単かつ安価に製造できて違和感なく履くことができ、しかも簡単に破れず、足裏の角質層が荒れるのを確実に防止できるようにした保湿保温靴下を提供することを課題とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明に保湿保温靴下は、ニット編み靴下の裏面の踵部分及び触球から横足弓に至る部分の各々にはポリウレタンフィルムの表面に編成芯地を接着してなる接着芯地がその編成芯地を表側にして重ねられ、上記接着芯地の裏面には接着剤が上記接着芯地の外形状とほぼ同一形状のリング状部分と該リング状部分の対向する部位を結ぶ橋絡部分とを含む形状に設けられており、該接着剤によって上記接着芯地の周縁全周と中央部位とが上記靴下裏面に接着されていることを特徴とする。 【0014】本発明の特徴の1つ靴下の踵部分だけでなく、触球から横足弓に至る部分にも接着芯地を接着するようにした点にある。これにより、足裏の角質層の荒れが懸念される部位を保湿し保温することができるので、裏の荒れやひび割れを確実に防止できる。 【0015】また、編成芯地が足裏に接触するので、ポリウレタンフィルムが足裏に直接接触する場合に比して違和感がなく、履き心地を保証することができる。 【0016】また、接着剤をリング状部分と中央橋絡部分とを含む形状としているので、接着芯地の周縁に加えて中央部位も靴下に接着でき、靴下着用時に接着芯地の中央部位に踵や触球から荷重が作用しても接着芯地の前後左右へのずれが少なく、接着芯地が靴下と擦れて破れることもない。 【0017】靴下は平編み靴下やパイル編み靴下等、通常のニット編み靴下であればよく、特に限定されない。接着芯地とはポリウレタンフィルムの表面に編成芯地を接着したものをいうが、編成芯地にはポリエステル糸又はナイロン糸を平編みとしたものを用いることができる。 【0018】接着剤はどのようなタイプでもよいが、靴下の製造工程を考慮すると、ホットメルト型の接着剤が好ましい。また、接着剤は接着芯地の裏面に塗布しておいてもよく、接着剤フィルムを接着芯地の裏面に重ね、例えば加熱によって接着させることもできる。製造工程を考慮すると、接着剤フィルムを用いるのがよい。 【0019】ここで、足裏の全体に接着芯地を設けなかったのは、足裏の部位によって動きが異なり、例えば土踏まずの部分は大きな動きをするのに対し、踵や触球の部分は動きが少ない。従って、一枚の接着芯地の周縁を靴下の足裏全体に接着すると、部分的に大きな負荷が作用して接着が剥がれるおそれがあるからである。 【0020】また、接着芯地の周縁と中央部位とを接着するようにしたのは下記の理由による。即ち、接着芯地の全面を接着すると、接着芯地と靴下の生地の伸びが異なり、接着した時に接着芯地又は靴下の生地に皺ができやすく、履いた時の違和感となる。他方、接着芯地の周縁のみを接着すると、接着芯地の周縁のみが靴下の生地に拘束されて上述の皺ができ難いが、靴下の着用時に接着芯地の中央の非接着部分が踵や触球によって前後左右に動かされ、接着芯地の中央部分が靴下に擦れてすぐに破れてしまう。そこで、周縁を接着することによって皺ができるのを防止する一方、中央部位を接着することによって接着芯地中央部分が全体として前後左右に動くのを阻止し、破れを防止するようにしたものである。 【0021】従って、接着剤は接着芯地の外形状とほぼ同一形状でかつ所定幅のリング状部分と、リング状部分の中央に配置される円形状、多角形状又はその他の形状の組合せとしてもよいが、接着剤フィルムを用いる場合にはリング状フィルムと中央のフィルムとの2枚のフィルムを取り扱う必要があるので、接着芯地の靴下への接着作業が煩雑となる。そこで、接着剤はリング状部分とリング状部分のほぼ中央を通って縦方向又は横方向、縦横の両方向に帯状に延びかつ両端がリング状部分と一体となった帯状の橋絡部分とからなる形状とするのがよい。 【0022】接着芯地と靴下との間の接着剤で区画される空間には必要に応じてクッション材を挿入することもできる。 【0023】ところで、接着芯地を靴下裏面に接着する場合、接着芯地のポリウレタンフィルムを直接靴下の生地に熱圧着する方法が考えられるが、接着芯地を皺なく靴下の生地に接着する場合、靴下を履いた状態に伸長させて接着芯地を重ね、接着芯地の所定部位を覆う形状の加熱面を用いて加熱する必要があり、作業が非常に煩雑となる。これに対し、接着芯地の接着すべき部位に対応する形状の接着剤を使用すると、平坦な形状の加熱面でもって接着芯地の周縁のみを接着できる。 【0024】また、靴下を履いた状態に伸長させる場合、人間の足と同じ形状の立体型を用いる方法が考えられるが、この方法では加熱面も立体型に対応して立体構造としなければならず、加熱面の立体型に対する位置決め等を必要として装置が複雑化し、立体型及び加熱面のコスト高と相まって装置のコスト高を招来するばかりでなく、立体型を用いると接着芯地の大きさが制限されやすく、踵の一部のみを覆う大きさとなって十分な保温保湿効果が得られない。これに対し、立体型に代え、靴下を履板いた状態の伸びに平面的に伸長できる型板を使用すると、立体的な加熱面を必要とせず、しかもホットメルト型の接着剤を採用し、加熱面の温度を接着芯地は接着させないが接着剤を接着させる温度とすると、全面を加熱した平坦な広い加熱面で接着芯地の周縁と中央部位のみを接着できる。 【0025】即ち、型板は円弧状先端縁に連続する部分が踵部分を除いて靴下を履いた状態の伸びの平板状にほぼ伸長させる寸法の一定幅であり、膨出部分が靴下の踵部分を履いた状態の伸びの平板状に伸長させる長さ及び幅のほぼ弧状であるのが肝要である。 【0026】具体的には標準的な大きさの足の輪郭を平板状にした寸法及び形状、即ち型板の円弧状先端縁に連続する部分が幅12.0cm〜13cmであり、膨出部が先端より19cm〜20cmの位置で膨出を開始し、長さ12cm〜14cmで最大膨出部位の間が15cm〜17cmの弧状とする。 【0027】型板の材質は特に限定されないが、熱効率を考えると、金属材料、例えばステンレス鋼が好ましい。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図5は本発明に係る保湿保温靴下の好ましい実施形態を示す。図において、ニット靴下10の裏面の踵部分13及び触球14から横足弓15に至る部分の各々には接着芯地20がホットメルト型の接着剤フィルム30を介して接着されている。このニット編み靴下10は毛混糸又は綿混糸を用い、その本体部分11が平編みにて編まれ、その上方に連続して足首部分12が編まれている。 【0029】接着芯地20は例えば厚さ40μm〜100μmのポリウレタンフィルム21の表面に編成芯地22を全面接着して製作され、編成芯地22は平編みにて例えば70デニール〜110デニールのポリエステル糸又はナイロン糸を用いて例えば0.1mm〜0.3mmの厚みに編成されている。この編成芯地20は全体として四隅がアールとされたほぼ長方形状に形成されている。 【0030】接着剤フィルム30は例えば60μmの厚みを有し、寸法的には図4に示されるように、編成芯地20の外形とほぼ同一の外形を有する幅1.3cm〜1.5cmのリング状部分31と、該リング状部分31のほぼ中央を横方向に延びかつその両端がリング状部分31と一体となった幅1.3cm〜1.5cmの帯状の橋絡部分32とを有する形状をなしている。 【0031】次に、製造方法について説明する。本例の保湿保温靴下を製造する場合、まず図5に示す型板40を準備する。この型板40はステンレス鋼板を用いて製作され、先端縁が円弧状に形成され、該円弧状先端縁に連続する部分が12.5cmの一定の幅W1 を有し、その両側の踵に相当する部分、即ち先端よりL1 =18cmの位置から膨出部41が形成され、該膨出部41は長さL2 =12cm、左右の最大膨出部位の間がW2 =16cmの円弧状をなしている。 【0032】この型板40に裏返しにした靴下10を外挿すると、靴下10はその全体が普通に足に履いた状態の伸びの平板状に伸長するので、靴下10の踵部分13及び触球14から横足弓15に至る部分の各々に接着剤フィルム30を載せ、その上に接着芯地20を編成芯地22を上方に向けて載置し、アイロンの平坦な加熱面で150℃〜200℃、即ち接着芯地20のポリウレタンフィルム21を接着させないが接着剤フィルム30を接着させる温度でもって加熱すると、接着芯地20の必要な部分のみ、即ち周縁帯状部分31と中央帯状部分32とを接着することができる。 【0033】以上のように、ニット靴下10の裏面の踵部分13及び触球14から横足弓15に至る部分を覆って接着芯地20を接着するようにしたので、接着芯地20の編成芯地22が足裏に接触し、合成樹脂フィルム21が足裏に直接接触する場合に比して違和感がなく、履き心地を向上できる。 【0034】また、接着剤フィルム30を介在させて接着芯地20を靴下10に接着するようにしたので、従来の靴下を二重構造にする場合に比して簡単かつ安価に製造できる。特に、型板40を用いて靴下10を履いた状態の伸びに伸長させるようにすると、立体型や立体加熱装置を用いることなく、平坦な加熱面で接着芯地20を靴下10に皺なく接着でき、これによっても製造の簡単化およひ低コスト化を実現できる。 【0035】さらに、接着剤フィルム30をリング状部分31と中央橋絡部分32とを含む形状としているので、接着芯地20の周縁に加えて中央部位も靴下10に接着でき、靴下着用時に接着芯地20の中央部位に踵や触球から荷重が作用しても接着芯地20の前後左右へのずれが少なく、接着芯地20が靴下10と擦れて破れることもない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】593106228 【氏名又は名称】ナカイニット株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年3月11日(2002.3.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071434 【弁理士】 【氏名又は名称】手島 孝美
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| 【公開番号】 |
特開2003−268604(P2003−268604A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−64664(P2002−64664) |
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