| 【発明の名称】 |
原着ポリウレタン弾性繊維を用いた色彩に変化のあるストッキング及びタイツ |
| 【発明者】 |
【氏名】島 将人 【住所又は居所】徳島県徳島市川内町中島635 日清紡績株式会社徳島工場内
【氏名】清水 志郎 【住所又は居所】徳島県徳島市川内町中島635 日清紡績株式会社徳島工場内
【氏名】西尾 孝二 【住所又は居所】徳島県徳島市川内町中島635 日清紡績株式会社徳島工場内
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| 【要約】 |
【課題】安価に製造でき、変化に富んだ色彩を持つ、染色堅牢度の高いストッキング及びタイツを提供すること。
【解決手段】ポリウレタン弾性体原料と顔料とを含み、前記顔料の含有量が0.01重量%以上であるように混合して紡糸された原着ポリウレタン弾性繊維と、ポリアミド繊維とでストッキング又はタイツを作成した後、前記ポリアミド繊維を原着ポリウレタン弾性繊維と別な色に後染めする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリウレタン弾性体原料と顔料とを含み、前記顔料の含有量が0.01重量%以上であるように混合して紡糸された原着ポリウレタン弾性繊維と、ポリアミド繊維とで構成され、前記ポリアミド繊維が原着ポリウレタン弾性繊維と別な色に後染めされたストッキング又はタイツ。 【請求項2】 レッグ部分での繊維全体に対する原着ポリウレタン弾性繊維の含有量が10〜70重量%である請求項1に記載のストッキング又はタイツ。 【請求項3】 前記原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維が実質的に無撚の状態で複合弾性糸にされて編み込まれた請求項1又は2記載のストッキング又はタイツ。 【請求項4】 前記原着ポリウレタン弾性繊維が前記ポリアミド繊維と共に裸糸編み込みされた請求項1又は2記載のストッキング又はタイツ。 【請求項5】 レッグ部分が、前記原着ポリウレタン弾性繊維と前記ポリアミド繊維、又は前記ポリアミド繊維及び無着色ポリウレタン弾性繊維のカバリング糸とが交互に編み込まれた請求項4記載のストッキング又はタイツ。 【請求項6】 ポリウレタン弾性体原料と顔料とを含み、前記顔料の含有量が0.01重量%以上であるように混合して紡糸された原着ポリウレタン弾性繊維と、ポリアミド繊維とで構成され、前記ポリアミド繊維が原着ポリウレタン弾性繊維と別な色に後染めされた染色物。 【請求項7】 前記原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維が実質的に無撚の状態で複合弾性糸にされて編み込まれた請求項6記載の染色物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、色彩に変化のあるストッキング及びタイツに関する。より詳しくは、ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維から安価に製造でき、変化に富んだ色彩を持つ、染色堅牢度の高いストッキング及びタイツを製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、繊維製品の色彩を変化させる試みがなされている。例えば、次の手段が挙げられる。 (1)糸の段階で別々に染色された糸を交編する。 (2)片方の糸に先染め糸を使い、残りの糸を後染めする。例えば、繊維の状態で先染めされたポリエステル繊維と、ポリウレタン弾性繊維にポリアミド繊維をカバリングした糸を交編した後、酸性染料でポリアミド繊維をポリエステル繊維と別な色に染める。 (3)染色性の異なる繊維を交編し、編地の段階でそれぞれの繊維を別な色に染める。例えば、ポリエステル繊維とポリアミド繊維を使い分散染料と反応性染料とで染めて、還元洗浄を行う(特開2001−262477号公報)。タイツでは異なった染着性を持つ裏糸及び表糸を使用して、プレーティング編みを行い表糸と裏糸を別な色に染める事により、色の変化を出す方法も知られている(特開昭63−243304号公報)。 【0003】(1)の糸の段階で別な色に染色された糸(先染め糸)を用いる方法は、糸染工程と染めた糸を編機に供給できる形に巻き返す工程が必要になり、必然的にコストが高くなる。特にストッキングの編成に好適な17デシテックス以下の細い糸を染め、巻き返すのは難しく特に高価なものとなる。 【0004】ポリウレタン弾性繊維を先染めする方法として、ポリウレタン弾性繊維をチーズ状態で染める事が可能であるが、染色中の加熱により繊維間の膠着が強くなり、後工程であるカバリング、編み立てで糸切れが多発する。油剤の付着量が高く、繊維間を染液が通り難い為、染め斑になり易い。 【0005】糸の状態で連続的に染め、水洗、乾燥、給油後巻き取ることも考えられるが、生産速度が遅く、高価なものとならざるを得ない。この両方ともポリウレタン弾性繊維を濃色に染めた場合、染色堅牢度の点で満足な製品は得られない。 【0006】(2)の方法においてはポリエステル繊維を糸の状態で染色する工程が必要であり、編機の運転を良好に保つには染色後糸を巻き返す工程も必要となり煩雑である。また、ポリウレタン弾性繊維にポリアミド繊維をカバリングした糸を用いており、糸が3種必要となることからコストが高くなる。 【0007】(3)の染色性の異なる繊維(例えば、ポリエステル繊維とポリアミド繊維の組み合わせ)を用いて交編して、編地の段階で別な色に染める方法は、染色工程が複雑であり、玉虫調の異色効果が期待できる補色関係にある色に染め分けるのは難しい。特に、サポート力、フィット感に優れたポリウレタン弾性繊維をポリエステル繊維に混用したストッキング類の生産の場合、ポリエステル繊維を堅牢度良く染める為に浴温度を上げるとポリウレタン弾性繊維の劣化が起きやすい。また、ポリエステル繊維は、一般に細いフィラメントが市販されていないのでタイツのような厚い編地を作ることしかできない。 【0008】また、一般的にストッキングに良く用いられるポリウレタン弾性繊維/ポリアミド繊維混用品の染色には分散染料又は酸性染料が使用される。染色堅牢度の点から酸性染料が一般的である。ポリウレタン弾性繊維を酸性染料で染めることは可能であるが、ポリアミド繊維とポリウレタン弾性繊維を違った色に染めることは不可能に近く、2色性、玉虫調の色彩とすることは難しい。 【0009】一方、ポリウレタン弾性繊維を用いたストッキングを生産する方法として、一般的にはポリウレタン弾性繊維はカバリング糸として編み込まれる方法が知られている。カバリング糸は、ポリウレタン弾性繊維芯糸の周りに主にナイロンマルチフィラメントが巻かれる。カバリング糸を使った場合、芯糸はナイロンで被覆されているのでストッキングを着用した場合でもポリウレタン弾性繊維が直接露出する部分はやや少ない。 【0010】これに対し、ストッキング編機に直接ポリウレタン弾性繊維を編みこむ方法も一部使われている。ポリウレタンとナイロンを同じ給糸口に入れ、ナイロンが編地の表側、ポリウレタンが裏側になるように編み込まれる(プレーティング編み)。この編み方の場合、ポリウレタンが裏になるといってもストッキングではナイロンが細いので、ポリウレタンは編地の表からみても殆ど露出している。 【0011】上述のようにポリウレタン弾性繊維をプレーティング編み等の無撚で用いる方法は、コストが安い、透明感が良い等の利点がある。欠点としては、ポリウレタン弾性繊維が染まっていない場合にはポリウレタン弾性繊維のてかりが目立ち、無理に染めた場合、ストッキングやタイツの染色堅牢度が悪くなる等の問題がある。 【0012】また、特公昭60−44406号公報に、ポリウレタン弾性繊維の紡糸時に顔料を添加して着色された糸を得る方法が開示されているが、該方法は、ポリウレタン弾性繊維をストッキングの腰ゴム部分に使った場合、着用時に伸長した場合に見られる白むき現象(ポリウレタン弾性繊維の露出による編地色の変化)解消が目的であり、レッグ部分への使用は開示されていないし、上記問題点については何も触れられていない。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、安価に製造でき、変化に富んだ色彩を持つ、染色堅牢度の高いストッキング及びタイツを提供することを課題とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維とを用いてストッキング及びタイツを製造する際、予め顔料を混合して紡糸した原着ポリウレタン弾性繊維と、ポリアミド繊維とを用いてストッキング又はタイツを作成し、ポリアミド繊維を原着ポリウレタン弾性繊維とは別の色で後染めすることにより、変化に富んだ色彩を持つ、染色堅牢度の高いストッキング及びタイツを製造できることを見い出し、本発明を完成するに至った。 【0015】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1)ポリウレタン弾性体原料と顔料とを含み、前記顔料の含有量が0.01重量%以上であるように混合して紡糸された原着ポリウレタン弾性繊維と、ポリアミド繊維とで構成され、前記ポリアミド繊維が原着ポリウレタン弾性繊維と別な色に後染めされたストッキング又はタイツ。 (2)レッグ部分での繊維全体に対する原着ポリウレタン弾性繊維の含有量が10〜70重量%である(1)のストッキング又はタイツ。 (3)前記原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維が実質的に無撚の状態で複合弾性糸にされて編み込まれた(1)又は(2)のストッキング又はタイツ。 (4)前記原着ポリウレタン弾性繊維が前記ポリアミド繊維と共に裸糸編み込みされた(1)又は(2)のストッキング又はタイツ。 (5)レッグ部分が、前記原着ポリウレタン弾性繊維と前記ポリアミド繊維、又は前記ポリアミド繊維及び無着色ポリウレタン弾性繊維のカバリング糸とが交互に編み込まれた(4)のストッキング又はタイツ。 (6)ポリウレタン弾性体原料と顔料とを含み、前記顔料の含有量が0.01重量%以上であるように混合して紡糸された原着ポリウレタン弾性繊維と、ポリアミド繊維とで構成され、前記ポリアミド繊維が原着ポリウレタン弾性繊維と別な色に後染めされた染色物。 (7)前記原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維が実質的に無撚の状態で複合弾性糸にされて編み込まれた(6)の染色物。 【0016】 【発明の実施の形態】<1>本発明のストッキング及びタイツ本発明は、原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維とで構成され、ポリアミド繊維が原着ポリウレタン弾性繊維と別な色に後染めされたストッキング又はタイツである。 (1)原着ポリウレタン弾性繊維「原着ポリウレタン弾性繊維」とは、ポリウレタン弾性体原料に顔料を混合して紡糸された着色されたポリウレタン弾性繊維のことであり、本発明においては原着ポリウレタン弾性繊維中の顔料含有量は0.01重量%である。 【0017】なお、本発明で顔料とは赤、青、黄、金などの有彩色及び黒、銀などの顔料の1種又は2種以上の混合物であり、艶消しの為に酸化チタンなど白色の顔料を含む事も可能である。 【0018】原着ポリウレタン弾性繊維を得るには、一般的な方法を用いればよいが、例えば、ポリウレタン弾性繊維を製造する際に、ポリウレタン弾性体原料に顔料を混合させて溶融紡糸を行うか、ポリウレタン弾性体溶液に顔料を添加し乾式又は湿式紡糸を行う方法で製造できる(特公昭55−33771号、特公昭60−44406号参照)。 【0019】溶融紡糸法によって原着ポリウレタン弾性繊維を得る方法に用いられるポリウレタン弾性体原料としては、ポリウレタン弾性体チップのみ;ポリウレタン弾性体チップとイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物の組み合わせ;イソシアネート末端プレポリマーと、低分子量ジオールあるいは水酸基末端プレポリマーの組み合わせ;の3パターンが挙げられる。 【0020】ポリウレタン弾性体チップとしては、数平均分子量2000程度のポリブチレンアジペート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4-ブタンジオールを重合して得られる熱可塑性のポリウレタン弾性体が挙げられる。 【0021】ポリイソシアネート化合物としては、数平均分子量1000程度の2又は3官能のポリテトラメチレングリコール及びポリカプロラクトン等のグリコール類と、過剰のジフェニルメタンジイソシアネートを反応させたものが挙げられる。 【0022】イソシアネート末端プレポリマー(以下、「NCO末端プレポリマー」とする)は、ポリオールとジイソシアネートとを反応させたものであり、水酸基末端プレポリマー(以下、「OH末端プレポリマー」とする)は、低分子量ジオールとポリオールとジイソシアネートとを反応させたものである。 【0023】NCO末端プレポリマーに用いられるポリオールとしては、数平均分子量650〜6000の以下のポリオール類が好ましく用いられる。ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルグリコール類、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン等のポリエステル類、ポリヘキサメチレンカーボネート等のポリカーボネートジオール類及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、数平均分子量2000程度のポリテトラメチレンエーテルグリコール及びポリエチレンアジペートが好ましく用いられる。 【0024】NCO末端プレポリマーに用いられるジイソシアネートとしては、分子量500以下のジイソシアネート類が好ましく用いられる。例えば、P,P'-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等が挙げられる。P,P'-ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく用いられる。 【0025】OH末端プレポリマーにも用いられる低分子ジオールとしては、分子量500以下のグリコール類が挙げられる。1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、エチレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等が挙げられる。この中でも、1,4-ブタンジオールが好ましく用いられる。 【0026】OH末端プレポリマーに用いられるポリオールとジイソシアネートとしては、NCO末端プレポリマーに用いるものと同様のものが挙げられる。ポリウレタン弾性体原料として、NCO末端プレポリマーとOH末端プレポリマーを用いる場合は、NCO末端プレポリマー用ポリオール、ジイソシアネートは、OH末端プレポリマー用ポリオール、ジイソシアネートと同じであっても、異なっていてもよい。 【0027】なお、ポリウレタン弾性体原料として、NCO末端プレポリマー、OH末端プレポリマーを用いる場合は、反応機に添加する前に、ポリオール、ジイソシアネート、低分子量ジオール等を反応させて、各プレポリマーにしておく。 【0028】なお、本発明において数平均分子量は、例えば以下のようにして測定する。 (1)無水酢酸エステル化法で試料中のOH基を求める。まず、試料中のOH基を無水酢酸でエステル化し、残った無水酢酸を分解し、酢酸に変え、滴定により残った量を求め、消費された酢酸分を計算してOH基を求める。 (2)試料の酸価を滴定で求める。 (3)2官能として平均分子量を計算する。 【0029】ポリウレタン弾性繊維には、耐候性、耐黄変性、耐塩素性等改善の為の各種薬品類を添加してもよい。耐候性、耐黄変性改善の為の薬品としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤等がある。この中でベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール及び2-(2-ヒドロキシ-3,5-ビスフェニル)ベンゾトリアゾールなどがあり、ヒンダードアミン系光安定剤としてはビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート及びコハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン縮合物などがある。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニルオキシ)-1、1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5・5)ウンデカン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸及びペンタエリスリチル−テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。耐塩素性改善の為の薬品としては、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト等が挙げられる。 【0030】溶融紡糸法によりポリウレタン弾性体原料を着色する方法としては、顔料を添加、混合したポリウレタン弾性体原料を反応機に供給し加熱、溶融状態で攪拌、反応させる方法、及びポリウレタン弾性繊維用反応機に、顔料を添加していないポリウレタン弾性体原料と、顔料及び分散媒体を含むスラリーとを連続して定量的に注入し顔料を含有したポリウレタン弾性体を得、更に紡糸ヘッドへ導き原着ポリウレタン弾性繊維を得る方法を挙げることが出来る。これらのうち、ポリウレタン弾性繊維用反応機に、ポリウレタン弾性体原料と、顔料及び分散媒体を含むスラリーとを連続して定量的に注入し、紡糸ヘッドへ導き原着ポリウレタン弾性繊維を得る方法が、特に得られた顔料含有ポリウレタン弾性体を固化させることなく溶融紡糸する方法が、顔料が混合されたポリウレタン弾性繊維を小ロットで効率よく製造できるので好ましい。 【0031】顔料と分散媒体とを含むスラリーは、顔料と分散媒体を事前に温水ジャケット付きの混合機で十分混合しておく。なお、スラリーには、イソシアネート基と反応したり、反応を促進したりすることのない適当な分散剤を含有させてもよい。 【0032】分散媒体としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの一方又は両方を付加させたポリエーテル変性ポリシロキサンが、ポリウレタン弾性体溶融物中に混合しやすく、且つ巻き取り時に弾性繊維相互の膠着防止効果も期待できることから、好ましく用いられる。 【0033】ポリエーテル変性ポリシロキサンは、粘度が30℃において200〜10000センチポイズのものが混合物の注入安定性及び貯蔵時の分離に対する安定性の面から好ましい。 【0034】粘度の測定は、通常の測定法が用いられるが、例えば、東京計器(株)のB型粘度計を用いて30℃で測定する。 【0035】このスラリーは、空気中の水分と反応することはないので1度に数ロット分まとめて作り、金属缶等に保存しておくことが可能である。水分を吸収した恐れがある場合には使用前に真空乾燥を行えばよい。 【0036】ポリエーテル変性ポリシロキサン以外で好適に用いられる分散媒体は、ポリウレタン弾性体の原料に使われるポリオール類である。 【0037】より詳しくは、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオール、ポリブチレンアジペート等のポリエステル系ポリオール及びポリヘキサメチレンカーボネート等のポリカーボネート系ポリオールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせからなる数平均分子量650〜6000のポリオールである。 【0038】ポリオール1分子当たりの官能基数は1.8〜2.5が好ましい。1分子当たり1.8以下の官能基しか有しないポリオールの場合、ポリウレタンポリマー分子の伸長を阻害する為、強度を低下させる傾向がある。また、分散媒体中のポリオール含有量にもよるが、3以上の官能基を持つポリオールの含有量が多すぎて、平均2.5以上の官能基数になる場合、ポリウレタン弾性体の溶融粘度を異常に高くしたり、ポリマー中に不溶物を生成させたりするので好ましくない。ポリオール類を分散媒体に使った場合、反応紡糸機内でポリウレタン弾性体原料中のイソシアネート基と反応しポリウレタンポリマーの中に組み込まれるので、分散媒体の量が多くても紡糸工程及び糸質への悪影響はなく好適である。なお、この場合は、ポリウレタン弾性体原料中の低分子量ジオールあるいはOH末端プレポリマーの注入比率を下げることが好ましい。 【0039】ポリオールの種類は各プレポリマー反応に使用されるポリオールと同じでも違っていても良いが、取り扱いのしやすさから融点25℃以下のポリオール類が特に好適である。 【0040】ポリオールは、粘度が30℃において200〜10000センチポイズのものが好ましく、さらには300〜7000センチポイズのものがより好ましい。 【0041】分散媒体としてのポリオールは、数平均分子量がポリウレタン弾性体原料に一般的に用いられる650〜6000程度のものが好ましい。数平均分子量が650以下のポリオールは、ポリウレタン弾性体のハードセグメントの結晶性を低下させ、耐熱性低下の原因になるので好ましくない。数平均分子量6000以上のものは粘度が高く顔料の分散が不十分になりやすい。 【0042】分散媒体として、その他の液状物質、例えばシリコンオイル等でも注入は可能であるが、ポリウレタン弾性体と紡糸時に相分離を起こし、ポリウレタン弾性繊維の繊度斑の原因になるので好ましくない。また、ジオクチルブタレート等の可塑剤類も使用可能であるが、紡糸後も糸中に残留し糸の強度を低下させる傾向があることから好ましくない。 【0043】ポリウレタン弾性繊維を着色するために用いる顔料としては、各種の無機顔料及び有機顔料が使用できるが、溶融紡糸法による場合はポリウレタン弾性体合成温度である220℃以上の耐熱性を持つことが必要であり、またイソシアネート基と反応しないものが好適である。例えば、チバスペシャリティーケミカルス(株)製のIRGALITE BLUE GBP(青)、IRGALITE GREEN GFNP(緑)、CROMOPHTAL RED 2030(赤)、CROMOPHTAL ORANGE GP(橙)、CROMOPHTAL YELLOW 3G(黄)、CROMOPHTAL BROWN 5R(茶)、CROMOPHTAL PINK PT(桃)、CROMOPHTAL VIOLET GT(紫)、MERK JAPAN CO.製のIRIODIN 302(金)、IRIODIN 111(銀)、東海カーボン(株)製のカーボンブラック等が挙げられる。 【0044】また顔料の粒度は、ポリウレタン弾性繊維用反応機の紡糸ノズル直前に設置されるフィルターのろ過径より小さいことが好ましく、フィルターのろ過径にもよるが、一般的には10μm以下、さらには5μm以下の粒径を有することが好ましい。 【0045】顔料の含水量は少ない方が好ましく、必要があれば分散媒体との混合前に加熱乾燥又は真空乾燥等をして顔料の乾燥を行う。 【0046】顔料と分散媒体の比率は、流動性がある限り顔料の濃度が高い方が好ましいが、スラリー中の顔料の含有量が70重量%より多すぎると粘度が高すぎて注入不良を起こしやすい。逆に分散媒体の比率が多すぎるとスラリーの粘度が低下し、注入機のシリンダー内で顔料の分離が起きやすくなるので好ましくない。このことより、スラリー中の顔料の含有量は10〜70重量%が好ましい。なお、スラリーの粘度は、30℃で100〜10000ポイズが好ましい。 【0047】上記顔料と分散媒体を混合してスラリーを得る。該スラリーをポリウレタン弾性繊維用反応機に連続して定量的に注入する方法として、減速機付きステッピングモータで駆動するボールネジでシリンダーのピストンを押し、定量のスラリーを連続的に注入する装置が小ロット生産には好適である。シリンダーの容量は、スラリーの注入量と製品のロットの大きさによって変更する必要があるが、500〜3000mlが適当である。 【0048】また、注入装置を2基設置し切り替え運転を行うことにより、連続生産すること、あるいは途中で顔料の色を変更することも可能である。スラリーの注入量の調整は、モータ回転速度を変速することで可能となる。シリンダーに温水ジャケット等の保温装置を設置することで、一層の注入量の安定が図れることから好ましい。 【0049】ポリウレタン弾性繊維用反応機の反応機部分に二軸エクストルーダーを使い、前後攪拌の少ないピストンフローに近い状態で反応させることにより、切り替えに要する時間を短縮できる。 【0050】ポリウレタン弾性繊維用反応機に、ポリウレタン弾性体原料及びスラリーを連続して一定の比率で注入しながら、ポリウレタン弾性体原料とスラリーを均一に攪拌し顔料含有ポリウレタン弾性体を得る。 【0051】なお、本発明において溶融紡糸法で用いられるポリウレタン弾性繊維用反応機としては、通常のポリウレタン弾性繊維の溶融紡糸法に用いられているものでよく、ポリウレタン弾性体原料を溶融する反応容器と、該ポリウレタン弾性体原料を固化することなく紡糸するノズル等を有するものが用いられる。 【0052】反応機内での平均滞留時間は反応機の種類によって異なる。平均滞留時間は、下記式(1)により決定される。 【0053】 【数1】 反応機容積/ポリウレタン弾性体吐出量×ポリウレタン弾性体の比重 (1) 一般的には、円筒形反応機を用いる場合約1時間であり、2軸押出し機を用いる場合約5分である。 【0054】得られた顔料含有ポリウレタン弾性体を固化させることなく溶融紡糸して、着色されたポリウレタン弾性繊維を得る。溶融紡糸方法としては、通常の溶融紡糸方法を用いればよく、特に制限はない。 【0055】上記の原着ポリウレタン弾性繊維の製造方法を用いれば、添加剤として顔料が混合されたポリウレタン弾性繊維を、小ロット生産においても効率よく製造することができる。 【0056】また、乾式及び湿式紡糸法にて原着ポリウレタン弾性繊維を得る方法として、例えば、特開平02−069511号に開示されているような方法が挙げられる。具体的には、ポリウレタン弾性体溶液を製造する際、あらかじめポリウレタン弾性体原料に顔料を分散させておくか、ポリウレタン弾性体溶液を製造中に顔料を添加するか、又は該溶液を製造したあとで顔料をポリウレタン弾性体溶液に分散させるか何れかの方法で顔料を含むポリウレタン弾性体溶液を製造し、乾式又は湿式紡糸することが挙げられる。乾式及び湿式紡糸の方法は公知の一般的な方法でよい。 【0057】なお、乾式及び湿式紡糸法により原着ポリウレタン弾性繊維を得る場合に用いられる顔料、その他必要により添加される耐候性、耐黄変性、耐塩素性等改善の為の各種薬品等は、溶融紡糸法に用いられるものと同様のものを用いればよい。 【0058】本発明において、原着ポリウレタン弾性繊維に含まれる顔料の含有量は、ポリウレタン弾性繊維中0.01重量%以上が好ましい。より好ましくは、0.05〜3重量%である。原着ポリウレタン弾性繊維中の顔料含有量が0.01重量%よりも少なすぎると、色彩変化の効果が不十分となる。また、顔料を多く入れると製造コストが高くなり、紡糸時の糸切れ、糸物性などに悪影響を与える傾向がある。 【0059】原着ポリウレタン弾性繊維中の含有量の調整は、溶融紡糸法で原着ポリウレタン弾性繊維を製造する場合、例えば以下の方法で行う。ポリウレタン弾性体原料及び必要により用いる各種薬品に対するスラリーの注入比率を調整することにより行う。具体的には、反応機に供給するポリウレタン弾性体原料及び各種薬品の供給量から、顔料がポリウレタン弾性体原料とスラリーの合計量に対して0.01重量%以上となるように、反応機に注入するスラリーの量を決定する。 【0060】上記のようにして得られる着色ポリウレタン弾性繊維の繊度は、ストッキング、タイツのレッグ部用としては15〜78デシテックス(以下、「dT」とする)が好ましい。繊度の測定方法は下記による。測定条件は20℃、65%である。 (1)チーズから糸を解除し24時間放置、収縮させる。 (2)ほぼ張力なしの状態で糸を繊度測定板に引いた直線に沿って置き100cmの長さに切る(合計20本)。 (3)まとめて重量を測定する。 【0061】繊度は、上記より下記式(2)により得られる。 【0062】 【数2】 デシテックス=測定重量mg/20×10 (2) (2)ポリアミド繊維本発明に用いるポリアミド繊維は、アミド結合を主鎖中に有する繊維であれば特に限定されず、例えば4−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン、9−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、6,12−ナイロンおよびこれらをベースにした改質ポリアミド等が挙げられる。 【0063】なお、ポリアミド繊維には、耐候性、耐黄変性、耐塩素性等改善の為の各種薬品類を添加してもよい。ストッキング及びタイツのレッグ部には一般的に6〜78dTの糸が使われ、紡糸、延伸しただけのフラットヤーン及びさらに仮撚加工を行った糸の両方が使われる。 (3)ストッキング及びタイツの作成上記原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維を用いて編地とし、該編地を縫製して、ストッキング又はタイツを作成する。 【0064】本発明のストッキング及びタイツは、レッグ部分編地中の原着ポリウレタン弾性繊維の含有量が10〜70重量%であることが好ましく、さらには20〜70重量%であることがより好ましい。 【0065】レッグ部分編地中の原着ポリウレタン弾性繊維の含有量が10重量%より少なすぎると、色の変化が目立ち難くなり、70重量%より多すぎると、ポリウレタン弾性繊維の編地表面への露出が多くなるので肌との滑りが悪く、べたつく感じとなる傾向がある。 【0066】なお、レッグ部分編地中の原着ポリウレタン弾性繊維の含有量を調整するには、ポリウレタン弾性繊維の繊度、カバリング又は編み込む場合の伸長率、ポリアミド繊維の繊度を変更する。 【0067】本発明において、原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維とを用いてストッキング又はタイツとするために編み込んで編地とする方法として、一般的に行われている種々の方法が利用できる。例えば、次の方法がある。 (a)1.5〜4倍、好ましくは1.8〜3.7倍に伸長した原着ポリウレタン弾性繊維の周りに、鞘糸としてポリアミド繊維を用い通常のカバリング機を使って、シングル若しくはダブルカバリング糸とした後、編み込む方法。 (b)1.5〜4倍、好ましくは1.8〜3.7倍に伸長した原着ポリウレタン弾性繊維の周りに、鞘糸としてポリアミド繊維を用い、エアノズルを通し巻き取り、エアカバリング糸として編み込む方法。なお、エア交絡糸は、撚がS方向、Z方向にランダムに巻き付けられるため、トータルの実撚は0である。エアカバリング糸1本をPS編機の給糸口に給糸して編み込む。 (c)ポリアミド繊維の仮撚加工時に1.5〜4倍、好ましくは1.8〜3.7倍に伸長した原着ポリウレタン弾性繊維を同時に給糸して仮撚複合弾性糸とした後、編み込む方法。なお、仮撚複合弾性糸も、撚がS方向、Z方向にランダムに巻き付けられるため、トータルの実撚は0である。 (d)原着ポリウレタン弾性繊維をそのまま適当な伸長率及び張力で、ポリアミド繊維と共に直接編機に給糸する方法(裸糸編み込み)。例えば、4つの給糸口を有するPS編機を用いて、各給糸口に原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維を給糸し、編地の裏側に原着ポリウレタン弾性繊維、表側にポリアミド繊維となるように編み込む。 (e)原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維、又はポリアミド繊維及び無着色ポリウレタン弾性繊維のカバリング糸とで交編する。4つの給糸口を有する編機で1口に原着ポリウレタン弾性繊維、2口にポリアミド繊維又はカバリング糸、3口に原着ポリウレタン弾性繊維そして4口にポリアミド繊維又はカバリング糸を給糸し、交編編地を作成する。 【0068】この5つの製造方法で作った編地で、使用した糸の繊度、原着ポリウレタン弾性繊維の含有率を同等にするとポリウレタン弾性繊維の露出度は、「露出小(a)<(b)=(c)<(d)<(e)露出大」である。 【0069】そして(b)、(c)、(d)及び(e)の方法で得られるストッキング又はタイツ中で、原着ポリウレタン弾性繊維は実質的に無撚の状態で編まれている。 【0070】原着ポリウレタン弾性繊維を用いることを特徴とする本発明のストッキング及びタイツは、ポリウレタン弾性繊維を染める必要がないことから、堅牢度が悪くなる等の従来の欠点を解消できるとともに、ポリアミド繊維をポリウレタン弾性繊維の色の補色及び補色に近い色に染色した場合、編地の見る方向による色変化がより大きくなる。これにより使用者がストッキング及びタイツの色彩変化を楽しむ事ができる。そして色彩の変化はポリウレタン弾性繊維の露出度合いが大きいほど強い。 【0071】なお、本発明においては、原着ポリウレタン弾性繊維がストッキング又はタイツの編地中で実質的に無撚であることが好ましい。 【0072】本発明において「編地中で実質的に無撚」とは、ストッキング又はタイツの編地から糸を取り出して撚数を測定したときに平均で0となる糸を用いて作成された編地の状態をいう。例えば、(b)のエア交絡糸として編み込む方法、(c)の仮撚複合弾性糸として編み込む方法、(d)、(e)の直接編機に給糸して編み込む方法によりレッグ部が作成されたストッキング及びタイツが好ましい。 【0073】パンツ部は原着ポリウレタン弾性繊維を使って、この5つの方法で作成してもよく、又着色していないポリウレタン弾性繊維を使い、後述の実施例1のような通常用いられている方法で編み立ても良い。 (4)ストッキング又はタイツの染色及び加工上記のようにして得られたストッキング又はタイツを染料を用いて染色する。本発明に用いられる染料としては、酸性染料がポリアミド繊維に対して染着性がよく、好ましい。分散染料もポリアミド繊維には染着性が良いがポリウレタン弾性繊維にも染着性があり、洗濯に対する染色堅牢度を低下させるので好ましくない。 【0074】具体的には、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製のLanaset Black B(黒)、サンド社製のNylosan Orange F-4RL 200%(橙)、Nylosan Blue-N-GFL(青)等が挙げられる。 【0075】染色、加工の方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。 (1)プリセット スチーム加熱80℃×30分(2)縫製(3)精錬、染色、柔軟処理(4)ファイナルセット スチーム加熱 110℃×10秒なお、ストッキング又はタイツを染色するために用いる染料は、編地に対して、0.05〜4重量%程度が好ましい。 【0076】上記のように得られたストッキング及びタイツは、例えば、赤味の黒と青味の黒のように同じ色であっても色調の違う、変わった製品を容易に作る事ができる。また、原着ポリウレタン弾性繊維の色と補色の関係にある色にポリアミド繊維を染めると、その使用状況によっては見る方向によって色調の変わるいわゆる、玉虫調の製品を得ることができる。また、ポリウレタン弾性繊維を染める必要が無いため、堅牢度も良好である。 【0077】 【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、以下の配合における部数は全て重量部である。 【0078】 【実施例1】・原着ポリウレタン弾性繊維のカバリング糸を使ったストッキング<原着ポリウレタン弾性繊維の製造>ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(松本油脂製薬製 MST−29)65部を攪拌機及び温水ジャケットの付いた60℃のタンクに仕込み、攪拌しながら青顔料のIRGALITE BLUE GBP35部を徐々に添加した。1時間攪拌を継続した所、均一なスラリーとなった。スラリーの粘度は30℃で3500ポイズであった。ポリウレタン弾性体原料として、エチレングリコールとプロピレングリコール及びアジピン酸から合成された数平均分子量2000のポリエステルジオール、ジフェニルメタンジイソシアネート(以後MDIとする)及び1,4-ブタンジオールを使用した。 【0079】窒素ガスでシールした80℃の反応釜にMDI44.6部を仕込み攪拌しながら、紫外線吸収剤(2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール:20%)、酸化防止剤(3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニルオキシ)-1、1-ジメチルエチル)-2、4、8、10-テトラオキサスピロ(5・5)ウンデカン:50%)、光安定剤(ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート:30%)の混合物2.2部、続いてポリエステルジオール100部を注入し1時間攪拌、反応させ、NCO末端プレポリマーを得た。 【0080】別の窒素ガスでシールした80℃の反応釜にMDI25部を仕込み攪拌しながらポリエステルジオール100部を注入し1時間攪拌、反応させ、更に1,4-ブタンジオール28部を注入反応させOH末端プレポリマーを合成した。 【0081】このNCO末端プレポリマー1に対してOH末端プレポリマー0.42の比率で攪拌翼を有する内容積2000mlので円筒形反応機に連続的に供給した。顔料とMST-29のスラリーを内容積1000mlのシリンダーに入れピストンにより0.24g/分の速度で同時に注入した。反応機内での平均滞留時間は約1時間、反応温度は190℃である。 【0082】得られたポリウレタン弾性体を固化させること無く、186℃に保たれた紡糸ヘッドに導入した。ポリウレタン弾性体はヘッドに設置したギアポンプにより計量、加圧され、フィルターでろ過後、径0.5mm、1ホールのノズルから毎分2.67gの速度で長さ6mの紡糸筒内に吐出させた。油剤を付与しながら600m/分の速度で、44dTの青色原着ポリウレタン弾性繊維を巻き取った。原着ポリウレタン弾性繊維中の顔料含有量は、計算上0.2重量%である。 【0083】吐出直後の原着ポリウレタン弾性繊維のイソシアネート基含有率は、試料をジブチルアミン/ジメチルフォルムアミド溶液に溶解した後、塩酸溶液で残りのジブチルアミン量を滴定して求めた結果、0.52重量%であった。 <ストッキングの製造方法>(1)使用した糸上記で得られた44dT原着ポリウレタン弾性繊維を芯糸として、13dT5フィラメントのポリアミド繊維を鞘糸として用いて、ストッキングのレッグ部編み立て用のカバリング糸を作成した。ポリウレタン弾性繊維の倍率3.0倍撚数は1400回/mで、S撚及びZ撚のSカバリング糸、Zカバリング糸をそれぞれ作成した。編機への給糸順はSカバリング糸、Zカバリング糸、Sカバリング糸、Zカバリング糸の交互とした。 【0084】ストッキングのパンツ部用の糸は、無着色のポリウレタン弾性繊維44dTにポリアミド仮撚加工糸(Z撚)33dT10フィラメントをカバリングした糸(倍率3.5倍、撚:Z方向、650回/m)2本と、ポリアミド仮撚加工糸(Z撚)33dT10フィラメント、ポリアミド仮撚加工糸(S撚)33dT10フィラメントを使用した。編機への給糸順はカバリング糸、Z撚ポリアミド仮撚加工糸、カバリング糸、S撚ポリアミド仮撚加工糸とした。 【0085】使用したポリアミド繊維13dT糸及び33dT仮撚加工糸は東レ(株)製の6ナイロン糸である。パンツ部に用いる着色していないポリウレタン弾性繊維の44dT糸は本実施例と同様な方法で顔料を添加せずに紡糸して得た。 (2)編み立て大竹製作所製、積極糸送り装置が設置されている針数360本、4口のストッキング編機(永田精機製KT4−4型)を使用した。 (3)染色、柔軟処理80℃、30分スチーム加熱でプリセットした後、編地を縫製し、染色はポット型染色試験機を使用し浴比は1:20、染色温度・時間は95℃×60分とした。使用した薬品は次ぎの表に記載する。 【0086】 【表1】
浴比とは被染色物に対する水の量、OWFとは被染色物に対する薬品の重量比率である。 【0087】柔軟処理はポット型染色試験機を使用し、浴比は1:20、温度・時間は40℃×15分とした。柔軟剤は三洋化成(株)製サファノールN750 3%OWF、日華化学(株)ニッカシリコンAM−202 1%OWFを使用した。 (4)セット型板に入れ110℃×10秒スチームセットを行った。 (5)染色堅牢度の測定得られたストッキングの染色堅牢度を測定するために、JIS L0844の洗濯に対する染色堅牢度試験法C−2法に従った。温度40℃で45分間行い、添付白布はポリアミド33dT−10フィラメント仮撚加工糸編地を使用した。できた編地の評価結果は表2にまとめて記載する。 【0088】 【実施例2】レッグ部のカバリング糸に用いるポリウレタン弾性繊維に添加する顔料としてIRGALITE BLUE GBPの替りに、チバスペシャリティーケミカルス(株)製のCROMOPHTAL RED 2030を使い、染料としてNylosan Orange F-4RL 200%の替りにサンド社製のNylosan Blue N-GFLを使う他は実施例1と同様にストッキングを作成した。編地の評価結果を表2に記載する。 【0089】 【実施例3】レッグ部のカバリング糸に用いるポリウレタン弾性繊維に添加する顔料としてIRGALITE BLUE GBPの替りにチバスペシャリティーケミカルス(株)製のIRGALITE GREEN GFNPを使う他は実施例1と同様にストッキングを作成した。編地の評価結果を表2に記載する。 【0090】 【実施例4】レッグ部のカバリング糸に用いる原着ポリウレタン弾性繊維の製造に使用する円筒形反応機の容量を200mlから1000mlに替え、ポリウレタン弾性体のノズルからの吐出量を毎分1.33gに替え、原着ポリウレタン弾性繊維の繊度を22dTにする他は実施例1と同じ方法でストッキングを作成した。編地の評価結果を表2に記載する。 【0091】 【実施例5】レッグ部のカバリング糸に用いる原着ポリウレタン弾性繊維の製造に使用する円筒形反応機の容量を200mlから1000mlに替え、ポリウレタン弾性体のノズルからの吐出量を毎分1.33gに替え、原着ポリウレタン弾性繊維の繊度を22dTにする他は実施例2と同じ方法でストッキングを作成した。編地の評価結果を表2に記載する。 【0092】 【表2】
【0093】 【実施例6】・原着ポリウレタン弾性繊維のカバリング糸を使ったタイツ<タイツの製造方法>(1)使用した糸実施例1で得られた青色原着ポリウレタン弾性繊維44dTを芯糸として、ポリアミド仮撚加工糸44dT24フィラメント(帝人(株)製6.6ナイロン糸)を鞘糸として用いて、タイツ用のカバリング糸を作成した。ポリアミド仮撚加工糸はS、Z撚糸を使い、倍率3.0、撚数650回/mでそれぞれS撚のSカバリング糸及びZ撚のZカバリング糸を作成した。編機への給糸順はSカバリング糸、Zカバリング糸、Sカバリング糸、Zカバリング糸の交互とした。パンツ部も同じ糸を使用した。 (2)編み立て積極糸送り装置が設置されている針数320本、4口の編機(永田精機製KT4−4型)を使用した。 (3)染色、柔軟処理、セット、染色堅牢度の測定染料としてNylosan Orange F-4RL 200%の替りに、チバスペシャリティーケミカルス(株)製のLanaset Black Bを3.0%OWF使用した以外は実施例1と同様に染色、柔軟処理、セット、及び染色堅牢度の測定を行った。できた編地の評価結果を表3にまとめて記載する。 【0094】 【実施例7】実施例2で得られた赤色原着ポリウレタン弾性繊維44dTを芯糸とした以外は実施例6と同じ方法でタイツを製造した。できた編地の評価結果を表3に記載する。 【0095】 【表3】
【0096】 【実施例8】・原着ポリウレタン弾性繊維を直接編みこんだストッキング<ストッキングの製造方法>(1)使用した糸、編み立て実施例4で得られた、22dTの青色原着ポリウレタン弾性繊維を裏糸とし、ポリアミド繊維17dT5フィラメント(東レ(株)製6ナイロン)を表糸として用い、ロナティL416/R編機を使い4口プレーティング編を行った。 【0097】ポリウレタン弾性繊維の給糸にはメミンガー社製表面駆動式積極送り出し装置(ELAN21型)を使用し、原着ポリウレタン弾性繊維の倍率は2.7倍とした。パンツ部分は、実施例1と同じである。 (2)染色、柔軟処理、セット、染色堅牢度の測定80℃で30分スチーム加熱でプリセットした後、編地を縫製し、実施例1と同じ方法で染色、柔軟処理、セット、及び染色堅牢度の測定を行った。できた編地の評価結果を表4に記載する。 【0098】 【実施例9】・原着ポリウレタン弾性繊維のカバリング糸と無着色ポリウレタン弾性繊維のカバリング糸の交編ストッキング<ストッキングの製造方法>(1)使用した糸、編み立てポリウレタン弾性体原料に顔料を添加しない事以外は実施例4と同様の方法で、着色していないポリウレタン弾性繊維22dT糸を得た。このポリウレタン弾性繊維に実施例8で使用した17dT−5フィラメントのポリアミド繊維を実施例1と同じ方法でカバリングして、S撚のSカバリング糸及びZ撚のZカバリング糸を得た。 【0099】実施例1で得られた44dTの青色原着ポリウレタン弾性繊維と、上記のSカバリング糸とZカバリング糸を用い、1:1交編を行った。糸の編立て順番は、「青色原着ポリウレタン弾性繊維/Sカバリング糸/青色原着ポリウレタン弾性繊維/Zカバリング糸」である。 【0100】青色原着ポリウレタン弾性繊維は、実施例8と同様にメミンガー社製積極送り出し装置を使用し、倍率は3.1倍とした。パンツ部分は、実施例1と同じである。 (2)染色、柔軟処理、セット、染色堅牢度の測定80℃、30分スチーム加熱でプリセットした後、編地を縫製し、実施例1と同じ方法で染色、柔軟処理、セット、及び染色堅牢度の測定を行った。できた編地の評価結果を表4に記載する。 【0101】 【実施例10】・原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維の交編ストッキング(1)使用した糸、編み立て実施例8で使用した17dT−5フィラメントのポリアミド繊維を使用した。 【0102】実施例1で得られた44dTの青色原着ポリウレタン弾性繊維と、上記ポリアミド繊維を用い、1:1交編を行った。糸の編立て順番は、「青色原着ポリウレタン弾性繊維/ポリアミド繊維/青色原着ポリウレタン弾性繊維/ポリアミド繊維」である。青色原着ポリウレタン弾性繊維は実施例8と同様にメミンガー社製積極送り出し装置を使用し、倍率は3.1倍とした。 【0103】パンツ部分は、実施例1と同じである。 (2)染色、柔軟処理、セット、染色堅牢度の測定80℃、30分スチーム加熱でプリセットした後、編地を縫製し、実施例1と同じ方法で染色、柔軟処理、セット、及び染色堅牢度の測定を行った。できた編地の評価結果を表4に記載する。 【0104】 【表4】
【0105】 【比較例1】原着ポリウレタン弾性繊維として顔料濃度を0.008重量%にした以外は、実施例1と同様にしてストッキングを製造した。得られたストッキングは、十分色の変化がある製品ではなかった。酸性染料によるポリウレタン弾性繊維の汚染があり、ポリアミド繊維との色差が少なくなるのが原因と推定される。 【0106】 【発明の効果】本発明によれば、原着ポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維とを用いた、安価に製造でき、変化に富んだ色彩を持つ、染色堅牢度の高いストッキング及びタイツを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004374 【氏名又は名称】日清紡績株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋人形町2丁目31番11号
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| 【出願日】 |
平成14年3月12日(2002.3.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089244 【弁理士】 【氏名又は名称】遠山 勉 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−268603(P2003−268603A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−66785(P2002−66785) |
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