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【発明の名称】 保湿保温靴下
【発明者】 【氏名】中井 秀典

【要約】 【課題】違和感なく履くことができて足裏の荒れを確実に防止できる保湿保温靴下を提供する。

【解決手段】少なくとも底部(31)及び踵部(32)が内外二重構造をなし、該二重構造の内側部分(20)の外面又は外側部分(10)の内面の踵(40)部分及び触球(41)から横足弓(42)に至る部分の各々にはポリウレタンフィルム(50)を重ねて固着する。ポリウレタンフィルムの裏面には接着剤層を設けて踵部分及び触球から横足弓に至る部分の各々に接着するのがよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 爪先部、底部、甲部、踵部、レッグ部及び履口部を有する靴下において、少なくとも底部及び踵部が内外二重構造をなし、該二重構造の内側部分の外面又は外側部分の内面の踵部分及び触球から横足弓に至る部分の各々にはポリウレタンフィルムが重ねられて固着されていることを特徴とする保湿保温靴下。
【請求項2】 上記ポリウレタンフィルムの裏面には接着剤層が設けられて該接着剤層によって上記踵部分及び触球から横足弓に至る部分の各々に接着されている請求項1記載の保湿保温靴下。
【請求項3】 上記爪先部、底部、甲部、踵部、レッグ部及び履口部が二重構造をなしている請求項1又は2記載の保湿保温靴下。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は違和感なく履くことができて足裏の荒れを確実に防止できるようにした保湿保温靴下に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、肘や脛の角質層の荒れについては保湿クリーム等の塗って対応できるが、踵は絶えず地面を踏む関係上、保湿クリーム等では対応し難く、角質層が荒れてひび割れができることが多い。
【0003】そこで、(1)平編みニット靴下の踵部分に合成樹脂フィルムを接着剤で接着し、踵の保湿を行うようにした保湿靴下、(2)靴下の踵部分に合成樹脂フィルムの周縁を被着するようにしたもの(特開平4ー57903号公報参照)、等が提案されている。
【0004】しかし、人間の足裏の感覚は少しの異物をも感知しうるほど非常に敏感であり、従来の保湿靴下(1)(2)では合成樹脂フィルムの肌触りが靴下の生地と異なり、違和感があって履き難いという問題があった。
【0005】さらに、従来の保温保湿靴下(2)では合成樹脂フィルムの周縁のみを被着しているので、靴下着時に踵部分から合成樹脂フィルムに荷重が作用して合成樹脂フィルムの被着していない部分が前後左右にずれて靴下と擦れあい、すぐに破れてしまうという問題があり、合成樹脂フィルムを踵部分の全体を覆うような大きさにはできず、保温保湿効果が十分に確保できていなのが実情である。
【0006】これに対し、本件発明者は、二重靴下の間の踵部分から足先に向けてV字状をなすポリウレタンフィルムを介在させ、違和感なく履くことができるようにした保湿保温靴下を開発するに至った(実開平2ー46803号公報参照)。
【0007】ところで、人間の足について検討すると、立ち姿勢においては足指の力の入れ具合を加減して立ち姿勢のバランスを保っており、足裏の触球や横足弓にも相当な力が作用している。
【0008】また、人間の歩行中の動作について検討すると、足を地面におろすときは踵が先に着地し、次に触球及び横足弓が着地する一方、足を地面から離すときは踵が先に離れ、最後に触球及び横足弓が地面を離れるという動きとなっている。
【0009】以上のように、足裏の触球及び横足弓の部分も絶えず力が作用し、踵部分と同様に角質層が荒れていることか多い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本件発明者らの開発に係る上記保湿保温靴下は足裏の触球及び横足弓の部位の角質層の荒れについてほとんど考慮されておらず、この点が改良の余地があった。
【0011】本発明は、かかる点に鑑み、違和感なく履くことができ足裏の荒れを確実に防止できるようにした保湿保温靴下を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明に保湿保温靴下は、爪先部、底部、甲部、踵部、レッグ部及び履口部を有する靴下において、少なくとも底部及び踵部が内外二重構造をなし、該二重構造の内側部分の外面又は外側部分の内面の踵部分及び触球から横足弓に至る部分の各々にはポリウレタンフィルムが重ねられて固着されていることを特徴とする。
【0013】本発明の特徴の1つ靴下の踵部分だけでなく、触球から横足弓に至る部分にもポリウレタンフィルムを固着するようにした点にある。これにより、足裏の角質層の荒れが懸念される部位を保湿し保温することができるので、足裏の荒れを確実に防止できる。
【0014】靴下は平編み靴下やパイル編み靴下等、通常のニット編み靴下であればよく、特に限定されない。また、靴下は例えば底部と踵部の形状のニット編み体を例えば靴下内に挿入しあるいは靴下外部に被せて縫合する等、少なくとも底部及び踵部が二重構造となっていればよいが、製造工程を考慮すると、全体が二重構造となっているのがよい。
【0015】即ち、爪先部、底部、甲部、踵部、レッグ部及び履口部が二重構造をなしているのが好ましい。
【0016】ポリウレタンフィルムは溶着等によって靴下側に直接固着してもよいが、フィルムの一部が溶けて穴があくおそれがある。そこで、塗布又はフィルムの積層によってポリウレタンフィルムの裏面に接着剤層を設け、ポリウレタンフィルムを接着するよにするのがよい。接着剤はどのようなタイプでもよいが、製造工程を考慮すると、ホットメルト型の接着剤が好ましい。
【0017】ここで、足裏の全体にポリウレタンフィルムを設けなかったのは、足裏の部位によって動きが異なり、例えば土踏まずの部分は大きな動きをするのに対し、踵や触球の部分は動きが少ない。従って、一枚のポリウレタンフィルムを靴下の足裏全体に接着すると、部分的に大きな負荷が作用して接着が剥がれるおそれがあるからである。
【0018】また、靴下を履いた状態に伸長させる場合、人間の足と同じ形状の立体型を用いる方法が考えられるが、この方法では加熱面も立体型に対応して立体構造としなければならず、加熱面の立体型に対する位置決め等を必要として装置が複雑化し、立体型及び加熱面のコスト高と相まって装置のコスト高を招来するばかりでなく、立体型を用いるとポリウレタンフィルムの大きさが制限されやすく、踵の一部のみ、触球から横足弓に至る部分の一部のみを覆う大きさとなって十分な保温保湿効果が得られない。
【0019】これに対し、立体型に代え、靴下を履板いた状態の伸びに平面的に伸長できる型板を使用すると、立体的な加熱面を必要とせず、しかもホットメルト型の接着剤を採用し、加熱面の温度をポリウレタンフィルムは軟化溶融させないが接着剤を軟化溶融させる温度とすると、全面を加熱した平坦な広い加熱面でポリウレタンフィルムを接着できる。
【0020】即ち、型板は円弧状先端縁に連続する部分が踵部分を除いて靴下を履いた状態の伸びの平板状にほぼ伸長させる寸法の一定幅であり、膨出部分が靴下の踵部分を履いた状態の伸びの平板状に伸長させる長さ及び幅のほぼ弧状であるのが肝要である。
【0021】具体的には標準的な大きさの足の輪郭を平板状にした寸法及び形状、即ち型板の円弧状先端縁に連続する部分が幅12.0cm〜13cmであり、膨出部が先端より19cm〜20cmの位置で膨出を開始し、長さ12cm〜14cmで最大膨出部位の間が15cm〜17cmの弧状とする。
【0022】型板の材質は特に限定されないが、熱効率を考えると、金属材料、例えばステンレス鋼が好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図4は本発明に係る保湿保温靴下の好ましい実施形態を示す。図において、靴下は爪先部30、底部31、踵部32、甲部33、レッグ部34及び履口部35から構成され、外側靴下10及び内側靴下20の二重構造をなし、毛混糸又は綿混糸を用い、平編みやパイル編み等の適切な編み方にて編成されている。
【0024】この二重靴下の内側靴下20の外面のうち足の踵40に対応する部分32及び触球41から横足弓42までに対応する部分の各々にはポリウレタンフィルム50が接着されている。このポリウレタンフィルム50は厚さが例えば40μm〜100μmであり、その裏面にはホットメルト型の接着剤層が全面にわたって例えば60μmの厚みに形成されている。
【0025】次に、製造方法について説明する。本例の保湿保温靴下を製造する場合、まず図4に示す型板60を準備する。この型板60はステンレス鋼板を用いて製作され、先端縁が円弧状に形成され、該円弧状先端縁に連続する部分が12.5cmの一定の幅W1 を有し、その両側の踵に相当する部分、即ち先端よりL1 =18cmの位置から膨出部61が形成され、該膨出部61は長さL2 =12cm、左右の最大膨出部位の間がW2 =16cmの円弧状をなしている。
【0026】この型板60に内側靴下20を外挿すると、内側靴下20はその全体が普通に足に履いた状態の伸びの平板状に伸長するので、内側靴下20の足の踵40に対応する部分32及び足の触球41から横足弓42までの間に対応する部分31の各々にポリウレタンフィルム40を載せ、アイロンの平坦な加熱面で150℃〜200℃、即ちポリウレタンフィルム50を軟化溶融させないが接着剤層を軟化溶融させる温度でもって加熱すると、ポリウレタンフィルム50を内側靴下20の外面に接着することができる。
【0027】以上のように、二重構造靴下の内側靴下20の外面の踵部分40及び触球41から横足弓42に至る部分を覆ってポリウレタンフィルム50を接着するようにしたので、足裏の角質層が荒れるおそれのある部位を保湿し保温することがてき、足裏の荒れを確実に防止でき、又ポリウレタンフィルム50が足裏に直接接触する場合に比して違和感がなく、履き心地を保証できる。
【0028】また、型板60を用いて内側靴下20を履いた状態の伸びに伸長させるようにしたので、立体型や立体加熱装置を用いることなく、平坦な加熱面でポリウレタンフィルム50を内側靴下20に皺なく接着できる。
【出願人】 【識別番号】593106228
【氏名又は名称】ナカイニット株式会社
【出願日】 平成14年3月11日(2002.3.11)
【代理人】 【識別番号】100071434
【弁理士】
【氏名又は名称】手島 孝美
【公開番号】 特開2003−268602(P2003−268602A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−64665(P2002−64665)