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【発明の名称】 ソックス
【発明者】 【氏名】森 健次朗
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35号 美津濃株式会社内

【氏名】塚尾 昭彦
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35号 美津濃株式会社内

【要約】 【課題】シューズと足のフィット性とサポート性を高めたソックスを提供するものである。

【解決手段】本発明のソックスは、中足趾節関節と船状骨を拘束するために、中足趾節関節から船状骨にかけての足背部側にパイル組織を設けて厚みを持たせた拘束部を有することを特徴とする。この部分を厚くすることで、シューズを着用したときに特に中足趾節関節から船状骨に加わる面圧をその他の部分よりも大きくでき、激しい動きをしたときにも、足がシューズ内部で足先方向や捻れ方向にずれることを防止することが出来る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも中足趾節関節から船状骨にかけての足背部にパイル組織を設けて厚みを持たせた拘束部を有することを特徴とするソックス。
【請求項2】 前記拘束部は、中足趾節関節から踵側に向けて幅10mm以上40mm以下の帯状の部分の足背部側と、かつ/または少なくとも船状骨を含む横足根関節と足根中足関節の間を覆う幅10mm以上40mm以下の帯状の部分の足背部側であることを特徴とする請求項1のソックス。
【請求項3】 前記拘束部の表面に、意匠撚糸を使用したことを特徴とする請求項1または請求項2のソックス。
【請求項4】 中足趾節関節から船状骨にかけての全体または少なくとも一部に、156dtex以上470dtex以下の高張力ポリウレタン糸を、足足背部部側から足裏部側に連続するように編み込むことを特徴とする請求項1から請求項3のソックス。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シューズと足のフィット性とサポート性を高めたソックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】足の動きの激しいスポーツにおいては、シューズと足のずれを防止するサポート性と、疲労を軽減するためのフィット性が重要になる。フィット性を高める方法としては、例えば昭55−132701には足首部、足背部部および足先下部が厚手に、踵部、底部及び足先足背部部が薄手に形成され、厚手部がパイル編みで、薄手部が平編みで構成されたソックスが開示されている。
【0003】また、昭60−162801には、足先から底部、さらに踵部と内外両側から足背部部に延長させた部分を厚手のパイル編みにしたソックスが開示されている。さらに登録実用新案第3058783では、足の裏に靴下を密着させるために足底部分を凹凸模様からなる柄編み組織組織に形成したソックスが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、昭55−132701に開示された従来例は、そもそも合成樹脂製のスキーブーツ用を主眼に考えられたものであり、ブーツが足ときつくあたる足首部・足背部部および体重のかかる足先下部に対応する部分のソックスを厚くして、足に加わる衝撃を緩和することを目的としたものである。このためスキーブーツ用のソックスは厚くするほど衝撃を緩和する反面、ソックスが滑り材となって足とブーツのサポート性は却って低下するという問題を有していた。
【0005】また、昭60−162801に開示された従来例は、足先部と踵部で、足をシューズに押しつけてフィット性を改善するというものであり、運動時のシューズの変形や体重移動に伴う足のアーチ部の変化に伴うシューズ内での足のずれを防止することは出来ない。このため、足の足背部側がすれるという問題を有していた。
【0006】さらに登録実用新案第3058783は、ソックスのずり落ち防止を目的に考案されたものであり、このような構成では、ソックスと足裏のずれは防止できるが、運動時のシューズの変形や体重移動に伴う足のアーチ部の変化に伴うシューズ内での足のずれを防止することは出来ない。また、土踏まずの空間は人によりまちまちであるから、凹凸の大きさや厚みを着用者により変える必要がある。
【0007】このため足とシューズのフィット性を損なわずにサポート性を改善できるソックスが望まれていた。そこで、生体力学的に分析を行ない、足部の骨の動きを研究したところ、中足趾節関節付近を拘束することで足が前方にずれること防止でき、船状骨を拘束することで体重移動に伴う足のアーチ部の変化を防止することができることが解った。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の点に鑑み、本発明のソックスは、中足趾節関節と船状骨を拘束するために、次のような構成としたものである。すなわち、中足趾節関節から船状骨にかけての足背部側にパイル組織を設けて厚みを持たせた拘束部を有することを特徴とするソックスである。この部分を厚くすることで、シューズを着用したときに特に中足趾節関節から船状骨に加わる面圧をその他の部分よりも大きくでき、激しい動きをしたときにも、足がシューズ内部で足先方向や捻れ方向にずれることを防止することが出来る。
【0009】また、前記拘束部は、中足趾節関節から踵側に向けて幅10mm以上40mm以下の帯状の部分の足背部側と、かつ/または少なくとも船状骨を含む横足根関節と足根中足関節の間を覆う幅10mm以上40mm以下の帯状の部分の足背部側であるソックスである。シューズ内での足のずれを防止するためには、中足趾節関節から踵側に向けての部分と船状骨付近のみを拘束すれば十分であり、両者の中間、すなわち中足骨の中央付近から中足骨近位端にかけての部分は厚くする必要はない。
【0010】従って、中足趾節関節から踵側に向けての部分と船状骨付近のみをパイル組織を用いて厚くし、その他の部分は薄くすることで、製造時間の短縮やコストの低減ができるとともに、薄い部分を例えばメッシュで構成することで通気性を確保し、シューズ内での蒸れを防ぐことが可能になる。
【0011】さらに、前記拘束部の表面に、意匠撚糸を使用したことを特徴とするソックスである。シューズから受ける圧力が高い拘束部の表面に意匠撚糸のような表面に凹凸を有する構成にすることで、ソックスとシューズの間のずれを防止することができる。
【0012】さらに、中足趾節関節から船状骨にかけての全体または少なくとも一部に、156dtex以上470dtex以下の高張力ポリウレタン糸を、足足背部部側から足裏部側に連続するように編み込むことを特徴とするソックスである。高張力ポリウレタン糸は、着用時に足を締め付けるので、足とソックスの間のずれを防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。本発明は中足趾節関節20から船状骨23にかけての足背部側にパイル組織を設けて厚みを持たせた拘束部1を有することを特徴とするソックスである。また、前記拘束部は、中足趾節関節から踵側に向けて幅10mm以上40mm以下の帯状の部分の足背部側の中足趾節関節拘束部1aと、かつ/または少なくとも船状骨23を含む横足根関節24と足根中足関節25の間を覆う幅10mm以上40mm以下の帯状の部分の足背部側の船状骨拘束部1bであることを特徴とするソックスである。
【0014】さらに、前記拘束部1の表面に、意匠撚糸を使用したことを特徴とするソックスである。さらには、中足趾節関節20から船状骨23にかけての全体または少なくとも一部に、156dtex以上470dtex以下の高張力ポリウレタン糸を、足足背部部側から足裏部側に連続するように編み込むことを特徴とするソックスである。
【0015】
【実施例】以下に図を用いて本発明の実施例を説明する。図1は本願発明の実施例である。中足趾節関節20の位置から踵に向かう方向に幅20mmの中足趾節関節拘束部1aを設け、船状骨23を含む横足根関節24と足根中足関節25の間を覆う位置に幅20mmの船状骨拘束部1bを設けた。フィット性とサポート性を両立させるために、中足趾節関節拘束部1aは、実際の中足趾節関節20の位置に合うように、足先側に凸となるアーチ状に設けることが望ましい。
【0016】また、本実施例では、ソックスの裏面には太さ23dtexポリウレタン糸と太さ78dtexナイロン糸を撚ったFTY糸を使用した。ソックスの表面には、中足趾節関節1a、船状骨拘束部1b及び裏面3には、ナイロン糸とアクリル糸からなる複合糸で、糸の太さが毛番手30/1のものを用いており、中足趾節関節1aと船状骨拘束部1bは裏パイル編みで、裏面3はプレーン編みで構成されている。また、足背部及び足首部7は、表糸の太さが綿番手32/1で、綿とアクリルの混紡糸を用い、足背部遠位4、足背部中位5、足背部近位6にはメッシュ編みが、足首部7は、足裏3と同じプレーン編みにより形成されている。ここで用いた意匠撚糸は、二本以上の糸を撚り合わせて、糸の太さ、種類、撚り数などを変えて、特徴ある外観や感触を得られる糸を総称している。
【0017】図2は、中足趾節関節20から船状骨23にかけての足背部側にパイル組織を設けて厚みを持たせた拘束部1を有することを特徴とする請求項1の実施例である。通気性を確保するために、足背部遠位4と足背部近位6にメッシュ編みで形成されている。また、拘束部1の表面に意匠撚糸を使用し、ソックスとシューズの間のずれを防止するようにしたものが請求項3の実施例となる。
【0018】図3は、中足趾節関節20から船状骨23の全体に、200dtexの高張力ポリウレタン糸を、足背部側から足裏部側に連続するように編み込んだ高張力部2を設け、ソックスと足のフィット性を改善した請求項4の実施例の模式図である。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明のソックスは、中足趾節関節付近を拘束することにより足が前方にずれることを防止でき、船状骨を拘束することにより体重移動に伴う足のアーチ部の変化を防止することができるようにしたので、激しい動きをしたときにも、足がシューズ内部で足先方向や捻れ方向にずれることを防止し、サポート性を改善できるものである。また、パイル組織で厚みを持たせた部分の表面に意匠撚糸を使用することで、ソックスとシューズの間のずれを防ぎ、高張力ポリウレタン糸を、足背部側から足裏部側に連続するように編み込み、足とソックスのずれを防ぐようにしたので、フィット性も発揮することができるものである。
【出願人】 【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目1番23号
【出願日】 平成14年1月31日(2002.1.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−227005(P2003−227005A)
【公開日】 平成15年8月15日(2003.8.15)
【出願番号】 特願2002−24820(P2002−24820)