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【発明の名称】 失禁用下着
【発明者】 【氏名】基 利枝子
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区谷町1丁目7−4 株式会社アドヴァンシング内

【要約】 【課題】失禁による尿を吸水した吸水性パッド部材から尿が滲み出すこと及び漏れ出すことを確実に防止でき、且つ構造が簡略で製造が簡易な失禁用下着を提供する。

【解決手段】吸収性生地12及び保護生地13の外周縁全周に亘って帯状にウレタン樹脂14aを含浸させ、このウレタン樹脂14aを加熱状態で加圧することにより止水部14として非透水性シート11と一体固化して吸水パッド1を形成し、この吸水パッド1をパンツ2の股部23内側に配設するようにしているので、吸水パッド1の端面から吸水した尿が漏れ出ることを確実に防止できると共に、吸水パッド1を簡易に製造できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも吸収性生地及び非透水性シートを積層してなる吸水パッド部が、前記非透水性シートを下着の股部内側に対向させた状態で配設される失禁用下着において、前記吸水パッド部の外周縁近傍における全周に亘って線状又は帯状に樹脂材を含浸させ、当該含浸させた線状又は帯状の樹脂材を前記非透水性シートと水密状態に一体固化させることを特徴とする失禁用下着。
【請求項2】 前記請求項1に記載の失禁用下着において、前記吸水パッド部が、固化された線状又は帯状の樹脂材と吸収性生地の外側端との間を前記下着の股部内側に縫着されることを特徴とする失禁用下着。
【請求項3】 前記請求項1又は2に記載の失禁用下着において、前記吸水パッド部が、前記下着の股部内側に面ファスナで着脱自在に配設されることを特徴とする失禁用下着。
【請求項4】 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の失禁用下着において、前記樹脂材が、熱硬化性樹脂であり、加熱状態で加圧して前記非透水性シートと一体化させることを特徴とする失禁用下着。
【請求項5】 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の失禁用下着において、前記樹脂材が、水性ウレタン樹脂を少なくとも含み、乾燥凝固後耐水性となる水性ウレタン樹脂系接着剤であることを特徴とする失禁用下着。
【請求項6】 前記請求項5に記載の失禁用下着において、前記樹脂材が、水性ウレタン樹脂を少なくとも重量比で30%以上70%以下含むと共に、イソプレンゴムラテックスを28.8ないし68.8%、加硫分散体液を0.2ないし1.0%、水溶性顔料を1.0ないし2.0%、及び水を0ないし10%それぞれ含んでなることを特徴とする失禁用下着。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下着の股部内側に配設されるパッド部で尿失禁時に尿を吸収する失禁用下着に関し、特に尿を吸収したパッド部から下着表面への滲み出しを防止した失禁用下着に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の失禁用下着として特開平8−280726号公報及び特開平10−60703号公報等に開示されるものがあり、これらを図7及び図8に示す。図7に示す従来の失禁用下着は、パンツ130の内部に吊り下げ用生地120を介して設けてあり、着用者の肌に直接接する側から順にネット状生地103、吸収性生地104、消臭吸水性部材105、ラミネート生地106を適宜形状に裁断し、その周縁をネット状生地103の一側縁を除いて撥水性テープ生地107で巻回し、この撥水性テープ生地107の上を縫着部125により縫着一体化して形成してある。このネット状生地103の一側縁(上端部)には、開口部108を設けて袋状部を形成してあり、この開口部108を介して着用者の排尿が通常多量の場合は、市販の吸水性パッド部材或いは紙、不織布、布地等の追加吸収性部材110を挿入して使用することができる。
【0003】このように、失禁用パンツを着用中に排尿し、尿が吸収性部材等に吸収された際、撥水性テープ生地107によい、その周縁から外部に水分が滲み出すのが防止され、且つ吊り下げ用生地120を介して失禁用部材が宙吊り状に保持されているので、パンツ自体の身生地を濡らすことがなく、着用感の良好な失禁用パンツが得られるのである。また、ネット状生地103の一側縁の開口部108を設けて袋状部を形成してあるので、同袋状部内に市販の吸水性パッド部材或いは紙、不織布、布地等の追加吸収性部材110を挿入して使用することができ、更に吊り下げ用生地120をパンツ側に着脱自在に設けることにより、失禁用部材を容易に新しいものと取り替えることができ、洗濯等も容易に行うことができる。
【0004】一方、前記図8に示す従来の他の失禁用下着は、ネット状生地225、吸収性生地226、消臭吸水性部材227及びラミネート生地228を順次積層し、これらの積層された生地や部材の周縁を撥水処理加工されたラッパ状の撥水性テープ生地221、224で巻回し、包囲して失禁用部材220を形成し、且つ前記ラミネート生地228を身生地側に配置すると共に、失禁用部材220前身側及び後身側に周縁を身生地207と共に縫着部230、231により一体的に縫着して構成したことにより、失禁時の尿を完全に吸収すると共に、尿の滲み出しを防止し、良好な着用感が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の失禁用下着は以上のように各々構成されていたことから、従来前者の場合、失禁用部材が吸収性生地104を縫着部125により吊り下げ用生地120を介して、又は直接にパンツ130自体に滲み出すという課題を有する。また、従来後者の場合、吸収性生地226の周縁を撥水性テープ生地221、224で巻回して縫着部230、231で縫着する構成としていることから、この吸収性生地226と撥水性テープ生地221、224との隙間から尿が漏れ出るという課題を有する。
【0006】本発明は、前記課題を解消するためになされたもので、失禁による尿を吸水した吸水性パッド部材から尿が滲み出すこと及び漏れ出すことを確実に防止でき、且つ構造が簡略で製造が簡易な失禁用下着を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る失禁用下着は、少なくとも吸収性生地及び非透水性シートを積層してなる吸水パッド部が、前記非透水性シートを下着の股部内側に対向させた状態で配設される失禁用下着において、前記吸水パッド部の外周縁近傍における全周に亘って線状又は帯状に樹脂材を含浸させ、当該含浸させた線状又は帯状の樹脂材を前記非透水性シートと水密状態に一体固化されるものである。このように本発明においては、吸水パッド部の外周における吸収性生地に含浸させた樹脂材をこの吸収性生地に積層された非透水性シートと水密状態で一体固化し、この吸水パッド部を下着の股部内側に配設するようにしているので、吸水パッド部の端面から吸水した尿が漏れ出ることを確実に防止できると共に、吸水パッド部を簡易に製造できる。
【0008】また、本発明に係る失禁用下着は必要に応じて、吸水パッド部が、固化された線状又は帯状の樹脂材と吸収性生地の外側端との間を前記下着の股部内側に縫着されるものである。このように本発明においては、一体固化された樹脂材の外側における吸水パッド部の端部を下着股部内側に縫着するようにしているので、吸水パッド部の吸収性生地のうち尿を吸水する領域と尿を吸収しない領域とを一体固化した樹脂材で区画し、この尿を吸収しない領域を下着に縫着できることとなり、尿を吸水した吸収性生地から縫着の孔及び糸を介して尿が滲み出ることを確実に防止できる。
【0009】また、本発明に係る失禁用下着は必要に応じて、吸水パッド部が、前記下着の股部内側に面ファスナで着脱自在に配設されるものである。このように本発明においては、吸水パッド部を下着股部内側に面ファスナで着脱自在に配設しているので、失禁による尿を吸収した吸水パッド部のみを洗濯できることとなり、スペアの吸水パッド部の利用により利便性を向上させることができる。
【0010】また、本発明に係る失禁用下着は必要に応じて、樹脂材が、熱硬化性樹脂であり、加熱状態で加圧して前記非透水性シートと一体化させるものである。このように本発明においては、熱硬化性樹脂を吸収性生地に含浸させ非透水性シートに加熱状態で加圧して一体化させるようにしているので、含浸のための塗布工程及び一体固化のための加熱加圧工程のみで製作できることとなり、簡易且つ迅速に製造できる。
【0011】また、本発明に係る失禁用下着は必要に応じて、前記樹脂材が、水性ウレタン樹脂を少なくとも含み、乾燥凝固後耐水性となる水性ウレタン樹脂系接着剤であるものである。このように本発明においては、樹脂材として水性ウレタン樹脂系接着剤を用い、樹脂材を含浸させた後そのまま乾燥、凝固させると止水部が形成されることにより、止水部が加熱状態で加圧して形成されない分、止水部と吸水パッドの他部分との間に段差ができない上、硬くなり過ぎず、着用時に違和感がないことに加え、樹脂材の塗布、含浸後、加熱しつつ加圧を行う手間が省け、作業工程を簡略化できる。さらに、止水部を形成する水性ウレタン樹脂を中心とする樹脂材は有機溶媒等の有害化学物質を含まず、製造過程や製造後において有害化学物質の揮発など周囲環境に対する悪影響が少なく、且つ着用者の皮膚への刺激も少なく、安全である。
【0012】また、本発明に係る失禁用下着は必要に応じて、前記樹脂材が、水性ウレタン樹脂を少なくとも重量比で30%以上70%以下含むと共に、イソプレンゴムラテックスを28.8ないし68.8%、加硫分散体液を0.2ないし1.0%、水溶性顔料を1.0ないし2.0%、及び水を0ないし10%それぞれ含んでなるものである。このように本発明においては、樹脂材として水性ウレタン樹脂と共にイソプレンゴムラテックスや加硫分散体液等をそれぞれ所定割合で含んだものを用い、水性ウレタン樹脂と共にイソプレンゴムが止水部の主要材質をなすことにより、イソプレンゴムは天然ゴムとほぼ同じ分子構造を有して優れた機械的強度と弾性を備え、着用時の様々な動きや摩擦に耐えて水密性を維持可能である一方で、天然ゴムと異なり不純物を含まず、人体に対しアトピー等の原因となる刺激を与えない。
【0013】
【発明の実施の形態】(本発明の第1の実施形態)以下、本発明の第1の実施形態に係る失禁用下着を図1ないし図4に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る失禁用下着の全体構成図、図2は本実施形態に係る失禁用下着の要部拡大図、図3は図2のA−A断面図、図4は本実施形態に係る失禁用下着の製造過程説明図である。
【0014】前記各図において本実施形態に係る失禁用下着は、ウレタン素材からなる非透水性シート11、吸収性生地12及び保護生地13を積層し、この吸収性生地12及び保護生地13の外周縁全周に亘って帯状にウレタン樹脂14aを含浸させ、このウレタン樹脂14aを加熱状態で加圧することにより止水部14として非透水性シート11と一体固化して吸水パッド1を形成し、この吸水パッド1をパンツ2における股部23の内側に前記非透水性シート11を対向させて縫着部3により縫着される構成である。
【0015】前記非透水性シート11は、ウレタン素材以外に、非透水性で且つ柔軟性を有するフィルム素材、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等で形成することもできる。前記吸収性生地12は、天然繊維又は合成繊維等による不織布、メリヤス生地等の吸水性且つ保水性を有する素材で形成される。この吸収性生地12には、吸水性且つ保水性の素材に加え、消臭性素材、抗菌性素材を含有させることもできる。この消臭性素材としては、活性炭、消臭成分(ノネナール)等があり、また抗菌性素材としては、亜鉛イオン、銅イオン、銀イオン等を含有する亜鉛化合物、銅化合物、銀化合物がある。
【0016】前記保護生地13は、天然繊維又は合成繊維により編織成されたネット状生地又はエンボス生地で形成される。また、この保護生地13は、生地表面側から下層の吸収性生地12側への透水性を大とし、吸収性生地12側から保護生地13側への透水性を小とする機能素材により形成することもできる。前記止水部14は、ウレタン樹脂14a以外に、熱硬化性樹脂としてメラミン系樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン等で形成することもできる。また、この止水部14は、熱硬化性樹脂以外に、前記吸収性生地12及び保護生地13に任意の第1の樹脂材を含浸させた後に他の溶液を前記第1の樹脂材に加えることにより固化する形成とすることもできる。
【0017】次に前記構成に基づく本実施形態に係る失禁用下着の製造工程及び吸収状態について説明する。まず、パンツ2の股部23に適合する形状に非透水性シート11、吸収性生地12及び保護生地13を裁断し(図4(A)を参照)、この裁断された吸収性生地12及び保護生地13の外周近傍の全周に亘ってウレタン樹脂14aを塗布して帯状に含浸させる(図4(B)を参照)。このウレタン樹脂14aを含浸させた帯状の部分を加熱状態で所定の押圧力Pにより非透水性シート11、吸収性生地12及び保護生地13を押圧して(図4(C)を参照)、このウレタン樹脂14aを固化させて止水部14を形成し、この止水部14により吸収性生地12及び保護生地13が非透水性シート11と水密状態に一体化して吸水パッド1を形成する。この吸水パッド1をパンツ2の股部23上に載置し、吸水パッド1の端部と止水部14との間を縫い合わせて縫着部3により吸水パッド1をパンツ2に取付ける(図4(D)を参照)。
【0018】このように製作された本実施形態に係る失禁用下着は、失禁の際に尿が保護生地13を介して吸収性生地12に急速に吸収されて保水されると共に、この保水された尿が外周縁部分の全周に亘って形成される止水部14により側方外部へ漏れ出及び滲み出ることが防止される。特に、裏面側の吸水パッド1へは非透水性シート11により完全に防水状態で遮蔽され、この止水部14の外側で縫着部3により吸水パッド1がパンツ2に固着されていることから縫着部3から吸水パッド1へ尿が滲み出すこともない。
【0019】(本発明の第2の実施形態)本発明の第2の実施形態に係る失禁用下着を図5に基づいて説明する。図5は本実施形態に係る失禁用下着の製造過程説明図である。前記図5において本実施形態に係る失禁用下着は、前記第1の実施形態同様、吸水パッド1をパンツ2の股部23内側に縫着して形成される構成であり、異なる点として、吸水パッド1をなす、積層された非透水性シート11、吸収性生地12、及び保護生地13のうち、吸収性生地12及び保護生地13の外周縁全周に亘って帯状に含浸される樹脂材として、水性ウレタン樹脂を主成分とする接着剤を用い、この接着剤を加熱状態での加圧を経ずに止水部14として非透水性シート11と一体固化させる構成を有するものである。
【0020】前記樹脂材は、主成分の水性ウレタン樹脂を少なくとも重量比で30%以上70%以下含む一方、残り成分のほとんどを占める割合でイソプレンゴムラテックスを含み、その他、イソプレンゴムラテックスを架橋させるための加硫分散体液や、着色用の水溶性顔料をわずかに含み、また、必要に応じて水を少量添加される液状の接着剤となっており、吸水パッド1への塗布、含浸後、乾燥させて水分を揮発させ、凝固させると、非透水性シート11と一体化した耐水性の止水部14となる。この樹脂材をなす水性ウレタン樹脂以外の上記各成分の配合割合は、重量比でイソプレンゴムラテックスが約30ないし約70%、加硫分散体液が0.2ないし1.0%、水溶性顔料が1.0ないし2.0%、及び水が0ないし10%とされるのが望ましい。
【0021】次に、前記構成に基づく本実施形態に係る失禁用下着の製造過程及び尿漏れ防止状態について説明する。まず、前記第1の実施形態同様、パンツ2の股部23に適合する形状に裁断した非透水性シート11、吸収性生地12及び保護生地13を積層し、この積層状態の吸収性生地12及び保護生地13の外周全周について、外周端部から所定寸法内方の位置に前記配合の樹脂材を所定幅の帯状に塗布し、含浸させる(図5(B)参照)。
【0022】樹脂材を含浸させた後、積層状態の各生地を所定温度で一定時間放置して樹脂材を乾燥、凝固させ、耐水性の止水部14を形成する。樹脂材の主成分をなす水性ウレタン樹脂はイソプレンゴムラテックスに対し約20分程度で強い膜を形成して接着力を発揮することができ、吸水パッド1製作の作業工程を簡略化できる。止水部14の形成により、吸収性生地12及び保護生地13が非透水性シート11と水密に一体化して吸水パッド1を構成することとなる。この吸水パッド1端部をパンツ2に縫着して吸水パッド1をパンツ2と一体化すれば(図5(C)参照)、失禁用下着として完成する。
【0023】こうして得られた失禁用下着においては、一旦吸収された尿は吸水パッド1外周縁部分の全周に亘って形成される止水部14により側方への漏れ出し及び滲み出しを防止されると共に、外方へも非透水性シート11により完全に遮断される。吸水パッド1は止水部14より外周端側でパンツ2に縫着されており、この縫着した縫着部3からパンツ2側へ尿が滲み出すこともない。また、止水部14は、加熱状態で加圧していないために吸水パッド1の他部分との間に段差ができない上、硬くなり過ぎず、着用時に違和感がない。
【0024】止水部14を形成する水性ウレタン樹脂を中心とする樹脂材は有害化学物質を含まず、製造過程や製造後において有害化学物質の揮発など周囲環境に対する悪影響が少なく、且つ着用者の皮膚への刺激も少なく、安全である。さらに、水性ウレタン樹脂と共に止水部14を構成するイソプレンゴムは天然ゴムとほぼ同じ分子構造を有して優れた機械的強度(耐引裂き性、耐屈曲性)と弾性を備える一方で、天然ゴムと異なりタンパク質等の不純物を含まず、人体に対しアトピー等の原因となる刺激を与えない。
【0025】このように、本実施形態に係る失禁用下着は、樹脂材として水性ウレタン樹脂系接着剤を用い、樹脂材を含浸させた後そのまま乾燥、凝固させると止水部14が形成されることから、止水部14が加熱状態で加圧して形成されない分、止水部14と吸水パッド1の他部分との間に段差ができない上、硬くなり過ぎず、着用時に違和感がなく着用感に優れることに加え、樹脂材の塗布、含浸後、加熱しつつ加圧を行う手間が省け、作業工程を簡略化できる。
【0026】(本発明の他の実施形態)本実施形態に係る失禁用下着は、吸水パッド1をパンツ2に縫着する構成としたが、吸水パッド1のパンツ2内側への取付けを面ファスナ、ボタン等を用いた着脱自在の構造とすることもできる。前記実施形態に係る失禁用下着は、吸水パッド1の非透水性シート11に止水部14を加熱加圧により一体化する構成としたが、非透水性シート11と吸収性生地12との間に接着材を塗布することなく、所定の温度に加熱して非透水性シート11を融着により吸収性生地12と一体化することもできる。
【0027】なお、前記第1の実施形態に係る吸水パッド1を止水部14の外側と外周端縁の間を縫着部3でパンツ2に縫着係止する構成としたが、前記吸水パッド1の止水部14上を縫着部3で縫着係止する構成とすることもできる。また、この止水部14は吸水パッド1の所定内側領域から外周端縁までウレタン樹脂等を含浸させて形成することもできる。
【0028】また、前記第1の実施形態に係る失禁用下着において、吸水パッド1の樹脂材含浸部分を幅方向については一様に押圧して平らな止水部14を得る構成としているが、これに限らず、図6に示すように、樹脂材含浸部分の幅方向で複数押圧状態を異ならせつつプレスし、横断面が凹凸状となる止水部14を得る構成とすることもできる。
【0029】さらに、前記第1及び第2の各実施形態に係る失禁用下着においては、吸水パッド1の吸収性生地12と保護生地13をそれぞれ別の生地として非透水性シート11と共に積層、一体化する構成としているが、これに限らず、吸収性生地12及び保護生地13として、各層ごとに性状の異なる複数層構造の編組織を有する一枚の生地を用いる構成とすることもでき、吸収性生地12や保護生地13の機能を一枚の生地で実現して吸水パッド1の構造を簡略化でき、製造も容易となる。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、吸水パッド部の外周における吸収性生地に含浸させた樹脂材をこの吸収性生地に積層された非透水性シートと水密状態で一体固化し、この吸水パッド部を下着の股部内側に配設するようにしているので、吸水パッド部の端面から吸水した尿が漏れ出ることを確実に防止できると共に、吸水パッド部を簡易に製造できるという効果を奏する。
【0031】また、本発明によれば、一体固化された樹脂材の外側における吸水パッド部の端部を下着股部内側に縫着するようにしているので、吸水パッド部の吸収性生地のうち尿を吸水する領域と尿を吸収しない領域とを一体固化した樹脂材で区画し、この尿を吸収しない領域を下着に縫着できることとなり、尿を吸水した吸収性生地から縫着の孔及び糸を介して尿が滲み出ることを確実に防止できるという効果を有する。
【0032】また、本発明によれば、吸水パッド部を下着股部内側に面ファスナで着脱自在に配設しているので、失禁による尿を吸収した吸水パッド部のみを洗濯できることとなり、スペアの吸水パッド部の利用により利便性を向上させることができるという効果を有する。
【0033】また、本発明によれば、熱硬化性樹脂を吸収性生地に含浸させ非透水性シートに加熱状態で加圧して一体化させるようにしているので、含浸のための塗布工程及び一体固化のための加熱加圧工程のみで製作できることとなり、簡易且つ迅速に製造できるという効果を有する。
【0034】また、本発明によれば、樹脂材として水性ウレタン樹脂系接着剤を用い、樹脂材を含浸させた後そのまま乾燥、凝固させると止水部が形成されることにより、止水部が加熱状態で加圧して形成されない分、止水部と吸水パッドの他部分との間に段差ができない上、硬くなり過ぎず、着用時に違和感がないことに加え、樹脂材の塗布、含浸後、加熱しつつ加圧を行う手間が省け、作業工程を簡略化できるという効果を有する。さらに、止水部を形成する水性ウレタン樹脂を中心とする樹脂材は有機溶媒等の有害化学物質を含まず、製造過程や製造後において有害化学物質の揮発など周囲環境に対する悪影響が少なく、且つ着用者の皮膚への刺激も少なく、安全であるという効果を有する。
【0035】さらに、本発明によれば、樹脂材として水性ウレタン樹脂と共にイソプレンゴムラテックスや加硫分散体液等をそれぞれ所定割合で含んだものを用い、水性ウレタン樹脂と共にイソプレンゴムが止水部の主要材質をなすことにより、イソプレンゴムは天然ゴムとほぼ同じ分子構造を有して優れた機械的強度と弾性を備え、着用時の様々な動きや摩擦に耐えて水密性を維持可能である一方で、天然ゴムと異なり不純物を含まず、人体に対しアトピー等の原因となる刺激を与えないという効果を有する。
【出願人】 【識別番号】500294888
【氏名又は名称】株式会社 アドヴァンシング
【住所又は居所】大阪市中央区谷町1丁目7番4号 MF天満橋ビル8F
【出願日】 平成14年5月23日(2002.5.23)
【代理人】 【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
【公開番号】 特開2003−227004(P2003−227004A)
【公開日】 平成15年8月15日(2003.8.15)
【出願番号】 特願2002−148943(P2002−148943)