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【発明の名称】 杢調を有する靴下
【発明者】 【氏名】國貞 秀明
【住所又は居所】愛知県名古屋市西区堀越1丁目1番1号 東レ株式会社愛知工場内

【氏名】高永 秀敏
【住所又は居所】愛知県名古屋市西区堀越1丁目1番1号 東レ株式会社愛知工場内

【氏名】澤井 由美子
【住所又は居所】愛知県名古屋市西区堀越1丁目1番1号 東レ株式会社愛知工場内

【要約】 【課題】ポリアミドマルチフィラメントが有する柔らかい風合いを有しながら、様々な色組み合わせによる杢調をタイムリーに染め分けして市場に投入することができる靴下を提供すること。

【解決手段】少なくとも2種以上のポリアミドマルチフィラメントのうち、少なくとも1種のポリアミドマルチフィラメントをアニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントとし、他のポリアミドマルチフィラメントのうち少なくとも1種を異染性ポリアミドマルチフィラメントとする杢調靴下であって、前記2種以上のポリアミドマルチフィラメントを引き揃えて編成した後に、アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメント、および異染性ポリアミドマルチフィラメントをそれぞれ異色に染色することにより達成できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】少なくとも2種以上のポリアミドマルチフィラメントのうち、少なくとも1種のポリアミドマルチフィラメントをアニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントとし、他のポリアミドマルチフィラメントのうち少なくとも1種を異染性ポリアミドマルチフィラメントとする杢調靴下であって、前記2種以上のポリアミドマルチフィラメントを引き揃えて編成した後に、アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメント、および異染性ポリアミドマルチフィラメントをそれぞれ異色に染色してなることを特徴とする杢調を有する靴下。
【請求項2】前記2種以上のポリアミドマルチフィラメントを引き揃えた糸条を、弾性糸の側糸としてカバリングしたカバリング糸として用いることを特徴とする請求項1に記載の杢調を有する靴下。
【請求項3】アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントと異染性ポリアミドマルチフィラメントとその他糸条を引き揃えて編成し、3色以上の異色に染色することを特徴とする請求項1または2に記載の杢調を有する靴下。
【請求項4】異染性ポリアミドマルチフィラメントがカチオン可染性ポリアミドマルチフィラメントであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の杢調を有する靴下。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、杢調を有しファッション性に優れた靴下に関するものであり、特に編成した後で杢のカラーコンビネーションを自由に選択できる靴下に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで杢調を有する靴下は、様々提案されているが、紡績糸を用いたカジュアルな靴下が中心であった。それは、杢調に染め分けるのには異なる素材から構成された紡績糸が適していたためである。ところが近年になって、プレーンでエレガントな表面感をもつ長繊維から構成された靴下が求められるようになり、杢調を有する靴下においても同様に表面感をもつ長繊維により構成されることが求められるようになってきた。
【0003】そのため、マルチフィラメントで杢調を有する靴下を得るためには先染めのナイロン糸を2本用意して、引き揃えて編成するか、もしくは先染めしたまたは染めていないポリエチレンテレフタレート(以下PETと表記)マルチフィラメントとナイロンを引き揃えて編成した後、ナイロン側を酸性染料で染めることにより靴下を構成していた。しかしながら、先染め糸を用意することはクイックレスポンス性に乏しく、売れずに大量の在庫を抱えたり、商品が足らないために売り機会を逃すというようなことが多発していた。
【0004】一方、特開平5−163626号公報に記載のごとく、見る方向により色調が変化するような視覚効果を狙って後染めで異色に染め分けられる2本のカバー糸をそれぞれ上撚、下撚として弾性糸に被覆した二重被覆弾性糸が提案されているが、見る方向が変われば異色であるが、一方向から見れば単色であり、本発明が狙いとしている杢調は得られない。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明の靴下は次のいずれかの構成を有する。
【0006】(1)少なくとも2種以上のポリアミドマルチフィラメントのうち、少なくとも1種のポリアミドマルチフィラメントをアニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントとし、他のポリアミドマルチフィラメントのうち少なくとも1種を異染性ポリアミドマルチフィラメントとする杢調靴下であって、前記2種以上のポリアミドマルチフィラメントを引き揃えて編成した後に、アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメント、および異染性ポリアミドマルチフィラメントをそれぞれ異色に染色してなることを特徴とする杢調を有する靴下。
【0007】(2)前記2種以上のポリアミドマルチフィラメントを引き揃えた糸条を、弾性糸の側糸としてカバリングしたカバリング糸として用いることを特徴とする(1)に記載の杢調を有する靴下。
【0008】(3)アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントと異染性ポリアミドマルチフィラメントとその他糸条を引き揃えて編成され、3色以上の異色に染色することを特徴とする(1)または(2)に記載の靴下。
【0009】(4)異染性ポリアミドマルチフィラメントがカチオン可染性ポリアミドマルチフィラメントであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の靴下、である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の靴下は、少なくとも2種以上のポリアミドマルチフィラメントのうち、少なくとも1種のポリアミドマルチフィラメントをアニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントとし、他のポリアミドマルチフィラメントのうち少なくとも1種を異染性ポリアミドマルチフィラメントとする杢調靴下であって、前記2種以上のポリアミドマルチフィラメントを引き揃えて編成した後に、アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメント、および異染性ポリアミドマルチフィラメントをそれぞれ異色に染色しており、いわゆる杢調を有している。また、編成後に異色に染色できるため、編成後ストックしておき、色の組み合わせは市場のニーズに合わせて染色した後、素早く商品を店頭に並べることが可能となる。
【0011】本発明の対象とする靴下とは、足部のみからなるフットカバー類、口ゴム、身部、足部の3部位からなるソックス類、身部がストッキングよりも著しく長いストッキング類、上部にパンティー部がついたタイツ、パンティーストッキング類が挙げられる。いずれにおいても杢調とすることでマルチフィラメントを用いながらもカジュアルな風合いを表現することが可能となる。
【0012】また、編機としての制限はなく、経編、緯編を問わない。また、既存の靴下編み機を用いて編成しても差し支えない。
【0013】ここで引き揃えているとは、アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントと、異染性ポリアミドマルチフィラメントが共に存在していることを指し、杢の長さやこなれをよくするためにそれぞれのマルチフィラメント間に交絡を入れたり、撚糸することは何ら制限されない。また、紡糸時に同時に紡糸したものであっても、紡糸後に引き揃えたものであってもなんら問題はない。
【0014】ここで、杢調を表現する糸としては、耐久性、堅牢性、保温性、肌触りの柔らかさ、発色性などからポリアミドマルチフィラメントであることが好ましい。また、本発明に言うポリアミドは、いわゆる炭化水素基が主鎖にアミド結合を介して連結された高分子量体であって、その種類は特に制限されないが、染色性、洗濯堅牢性、機械特性に優れる点から主としてポリカプラミドまたはポリヘキサメチレンアジパミドからなるポリアミドであることが好ましい。ここで言う主としてとは、カプラミド単位、またはヘキサメチレンアジパミド単位として80モル%以上であることを言い、さらに好ましくは90モル%以上である。その他の成分としては、特に制限はないが、例えば、ポリドデカノアミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアゼラミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカノアミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミド等を構成するモノマーである、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミンなどの単位が挙げられる。さらに必要に応じて光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、末端基調節剤、染色性向上剤等が添加されていてもよい。また、酸化チタンなどの艶消し剤添加することも好ましく行われる。
【0015】また、アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントとはアミノ末端基を有するいわゆる一般的なポリアミドからなるマルチフィラメントである。アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントは酸性染料、反応染料、含金染料等により染色が可能である。一方、異染性ポリアミドマルチフィラメントとはアニオン染料以外の染料(分散染料、スレン染料は除く)、に染まるポリアミドマルチフィラメントを指し、例えばスルホン基を導入してカチオン染料に染まるポリアミドマルチフィラメント、いわゆるカチオン可染性ポリアミドマルチフィラメントは好ましく用いられる。ここで、スルホン基を導入する方法としてはポリアミドを重合する際、5−ナトイウムスルホイソフタル酸、そのジエステル、3−カルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、またはこれらのリチウム塩などを添加して共重合することで実現できる。また、カチオン可染性ポリアミドマルチフィラメントはカチオン染料により染色可能である。
【0016】これらアニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントと異染性ポリアミドマルチフィラメントは、伸縮性を付与するために仮撚加工を施したり、さらに高い伸縮性を付与するために前記2種以上のポリアミドマルチフィラメントを引き揃えた糸条を、弾性糸の側糸としてカバリングしたカバリング糸として用いていることも好ましく行われる。これにより、ファッション性だけでなく、肌触りや伸縮性など着心地の快適性を付与することが可能となるためである。
【0017】ここで、そのカバリング弾性糸の芯糸をなす弾性糸としては、ポリウレタン系弾性糸、ポリアミド系エラストマ弾性糸、ポリエステル系エラストマ弾性糸、天然ゴム系繊維、合成ゴム系繊維、ブタジエン系繊維等が用いられるが、靴下用としてその弾性特性、熱特性、耐久性等から好ましいのは、ポリウレタン系弾性糸及びポリアミド系エラストマ弾性糸である。
【0018】その弾性糸の太さは、靴下の用途、締め付け圧の設定により異なるが、一般に9〜80デシテックス程度であればよい。好ましいのは11〜44デシテックスである。9デシテックス未満では、糸強力が不足するのでカバリング時及び編立て時に芯糸切れ等のトラブルを生じ易く、靴下としての伸縮性、耐久性が不十分となり易いので好ましくない。逆に、80デシテックスを越えると締付け力が強くなり過ぎて圧迫感が強くなり、粗硬感が増加し易く好ましくない。
【0019】耐久性や風合いからこれらアニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントや異染性ポリアミドマルチフィラメントは、糸条繊度が6〜150デシテックス、フィラメント数が1〜144のマルチフィラメントの範囲で選択することが好ましい。また、構成マルチフィラメント中のそれぞれの繊度比は狙いとする杢の調子により適宜調整すればよいが、5:1〜1:5に構成することが好ましい。
【0020】また、杢のピッチをコントロール手段としては、染色性の異なるポリアミドマルチフィラメントを引き揃えた後に交絡したり、実撚を入れることなどが挙げられる。また、弾性糸の周りに側糸としてカバリングすることによっても杢のピッチがこなれる。
【0021】染色性の異なるポリアミドマルチフィラメントを引き揃える手段としては、同時に紡糸したり、延伸時に引き揃えたり、仮撚前に引き揃えたり、仮撚後、巻き取り前に引き揃えたり、Hボビンに引き揃えたりすることで得られ、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0022】アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントと異染性ポリアミドマルチフィラメントを組み合わせる理由としては、ストッキングにとって大切な耐久性、肌触り、洗濯堅牢性を最も高いレベルで満足する素材であるためであり、例えばポリエステルを用いた場合、洗濯堅牢性の問題から先染めまたは原着糸でしか色が付けられず、カラーバリエーションが限定されることさらに耐久性や肌触りからもポリアミドマルチフィラメントに劣るためである。しかしながら、ファッション性を追求するために少なくともアニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントと異染性ポリアミドマルチフィラメントと共に他の素材を引き揃えることで3色以上の異色に染色することも好ましく行われる。そのためには、先に挙げたアニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントと異染性ポリアミドマルチフィラメントの他に後染めで染色されない他素材の先染め糸を組み合わせたり、例えばPETマルチフィラメントを染色しないで用いたり、ウールのように染色されるが、ナイロンとは色が異なることを利用することも可能である。また、アニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントでもアミノ末端基量の異なる2種以上を組み合わせることによって、濃淡差、さらに若干の色目差を付与することが可能となる。
【0023】さらに、用いるポリアミドマルチフィラメントの断面形状としては、丸に限定されず扁平断面や凸レンズ型、四角型、さらに多様断面や中空断面であっても問題なく、また、紡糸した後、仮撚加工によって断面が変形していても問題ない。
【0024】染色方法としては、一浴で一度に染色しても、二浴で染色しても、さらに例えばカチオン染料で染色した後、ソーピングし、その後アニオン染料で染色してもよい。ソーピングとしては界面活性剤による洗浄の他に、炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリを用いてもよい。もちろん色の組み合わせに制限はなく、色展開が自由である点が本特許の特徴でもある。また、洗濯堅牢性を向上させるためにFIX処理が好ましく行われる。また、染色後、静電防止剤や柔軟剤による後加工も好ましく行われる。
【0025】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
【0026】なお、実施例および比較例における各測定値は、次の方法で得たものである。
【0027】A.98%硫酸相対粘度(a)試料を秤量し、98重量%濃硫酸に試料濃度(C)が1g/100mlとなるように溶解する。
(b)(a)項の溶液をオストワルド粘度計にて25℃での落下秒数(T1)を測定する。
(c)試料を溶解していない98重量%濃硫酸の25℃での落下秒数(T2)を(2)項と同様に測定する。
(d)試料の98%硫酸相対粘度(ηr)を下式により算出する。測定温度は25℃とする。
(ηr)=(T1/T2)+{1.891×(1.000−C)}。
【0028】B.アミノ末端基定量方法ポリアミド系ポリマーを粉末化し、必要により低分子量成分および水分の除去を行った後、ポリアミド系ポリマー1gをフェノール/エタノールの混合溶媒(エタノール20ml/フェノール80gの混合割合)40〜50mlに常温で振とう溶解させて溶液とし、この溶液を0.02Nの塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸量を求める。また、上記フェノール/エタノール混合溶媒(上記と同量)のみを0.02N塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸の量を求める。そしてその差からポリアミド系ポリマー1kgあたりのアミノ末端基量を求める。
【0029】C.スルホン酸基定量方法絶乾試料0.3gを10N硫酸溶液25mlに加え、105℃で18時間、加水分解させる。これを室温まで冷却した後、10mm石英セルを用い、自記分光光度計で波長283nmの吸光度を測定する。283nmはCBS分子中に含まれるベンゼン環の吸光波長である。この吸光度を用いて、あらかじめ作成しておいた検量線からスルホン酸基量を計算する。
【0030】実施例198%硫酸相対粘度2.8で酸化チタンを含まないナイロン6(アミノ末端基5.9×10-5mol/g、スルホン酸基は含まない)チップを270℃で溶融し、丸型の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油、引取りを行い、引き続き、伸度が64%になるように延伸した後、4000m/分で巻き取り、60デシテックス40フィラメントのアニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントを得た。これを延伸仮撚機としてIVF805(石川製作所社製)を用いて、加工速度600m/min、延伸倍率1.1倍、ヒーター温度180℃、D/Y比1.8に設定して仮撚加工を行い、55デシテックス40フィラメントのS撚仮撚糸を得た。
【0031】また、98%硫酸相対粘度2.7で酸化チタンを0.3%含み、ナイロン6重合時に5−ナトリウムスルホイソフタル酸を添加して、スルホン酸基を4.6×10-5mol/g有する共重合ナイロン(アミノ末端基1.0×10-5mol/g)チップを270℃で溶融し、丸型の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油し、引取り、引き続き、伸度が62%になるように延伸した後、4000m/分で巻き取り、41デシテックス10フィラメントのカチオン可染性ポリアミドマルチフィラメントを得た。これを延伸仮撚機としてIVF805(石川製作所社製)を用いて、加工速度600m/min、延伸倍率1.24倍、ヒーター温度180℃、D/Y比1.8に設定して仮撚加工を行い、33デシテックス10フィラメントのZ撚仮撚糸を得た。
【0032】上記仮撚糸を引き揃えて交絡を付与した後、100T/mの追撚して交絡糸を巻き上げた。この交絡糸をカバリング用糸に用い、東レデュポン社製“ライクラ”((登録商標)、T−178C、糸条繊度20デシテックスを芯糸とし、カバリングドラフト2.9倍に設定し、S撚およびZ撚方向に撚数800t/mでシングルカバリングして、シングルカバリグ弾性糸(SCY)を製造した。
【0033】得られたSCYを針本数360本の4口給糸の靴下編機でタイツのレッグ部をプレーン編成する際用いた。得られた生地を定法のごとく蒸気により80℃で10分プリセット、界面活性剤での精練工程の後、以下の染料及び染色助剤を用いて染色した。■酸性染料(Kayanol Yellow N5G(日本化薬(株)製)):アニオン可染性ポリアミド重量に対して1%owf、■沈殿防止剤(ダイディスパーCD(一方社(株)製))、pH調整剤:酢酸+酢酸ナトリウムバッファーによりpH4に調整、■カチオン染料(Kayacryl RedGL(日本化薬(株)製)):カチオン可染性ポリアミド重量に対して1%owf、■FIX剤(ナイロンフィックス501(センカ(株)製)):アニオン可染性ポリアミド重量に対して2%owf、■柔軟剤(ニッカシリコンAM−202(日華化学(株)):パンティーストッキング重量に対して4%owfを準備し、ドラム染色機を用いて(浴比1:20)浴温を40℃とした後、■→■→■を順に入れていき、1.5℃/分にて90℃まで昇温していき、60分間一定温度に保った後、クーリング、水洗の後、同じく浴比1:20にて浴温30℃とし、■を入れて60℃まで昇温し、30分間一定温度に保ち、その後クーリング、水洗を行った。その後、浴温40℃にて■を用いて柔軟処理した後、靴下セッターにより110℃、30秒のファイナルセットを行った。
【0034】得られたタイツのレッグ部は黄色の中に、赤色が点在している杢柄となっていた。また、表面がポリアミドで編成されていることから肌触りがソフトで着用感が優れていた。また、発色性にも優れていた。
【0035】実施例298%硫酸相対粘度2.5で酸化チタンを0.3%含み、ナイロン6重合時にε−カプロラクタムを添加して、アミノ末端基を9.4×10-5mol/g有する(スルホン酸基はなし)チップを270℃で溶融し、丸形の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油、引取りを行い、引き続き、伸度が62%になるように1.05倍で延伸した後、4000m/分で巻き取り、41デシテックス10フィラメントのアニオン可染性ポリアミドマルチフィラメントを得た。これを実施例1のカチオン可染性ポリアミドマルチフィラメントと同様な条件で仮撚加工し、33デシテックス10フィラメントのZ撚仮撚糸を得た。
【0036】実施例1で用いたアニオン可染性の仮撚糸およびカチオン可染性の仮撚糸と共に上記アニオン可染性の仮撚糸を引き揃えて交絡を付与した後、100T/mの追撚して交絡糸を巻き上げた。この交絡糸をカバリング用糸に用い、東レデュポン社製“ライクラ”((登録商標)、T−178C、糸条繊度20デシテックスを芯糸とし、カバリングドラフト2.9倍に設定し、S撚およびZ撚方向に撚数600t/mでシングルカバリングして、シングルカバリグ弾性糸(SCY)を製造した。
【0037】得られたSCYを針本数360本の4口給糸の靴下編機でタイツのレッグ部をプレーン編成する際用いた。得られた生地を実施例1と同様の染色・仕上げ加工を行った。ただし、染色加工は、別々に染め上げるいわゆる2浴法にて行い、ドラム染色機を用いて(浴比1:20)浴温を40℃とした後、■を入れて1.5℃/分にて90℃まで昇温していき、60分間一定温度に保った後、クーリング、水洗の後、グランアップUS20(三洋化成(株)製)を0.2g/lにてソーピング、さらに水洗を行った。その後、同じく浴比1:20にて浴温40℃とし、■と■を入れて1.5℃/分にて90℃まで昇温し、60分間一定温度に保ち、その後クーリング、水洗を行った。その後のFIX処理以降は実施例1と同様に行った。
【0038】得られたタイツのレッグ部は比較的淡色黄色の中に、濃色の黄色と赤色が点在している杢柄となっていた。また、表面がポリアミドで編成されていることから肌触りがソフトで着用感が優れていた。また、発色性にも優れていた。
【0039】比較例1実施例1のカチオン可染性ポリアミド仮撚糸の代わりに柄糸として33デシテックス10フィラメントのPET仮撚糸をソフト巻きした後、赤色にチーズ染めしたPET先染糸を用いただけで、編み条件は変えずにパンティーストッキングを編成した。
【0040】上記パンティーストッキングを実施例1のカチオン染料と沈殿防止剤を用いないという他は同様な染色条件で染色・仕上げ加工を行った。得られたパンティーストッキングは、実施例と同様杢調となったが、PET仮撚糸の風合いが堅く着用したとき、肌には粗硬感が感じられ快適ではなかった。また、PETはナイロンマルチフィラメントに比べて屈折率が高く、分散染料による染色のため、実施例に比べて赤糸の鮮明性で劣っていた。
【0041】
【表1】

【0042】
【発明の効果】本発明の靴下では、様々な色の組み合わせによる杢調柄に編成後、染色することができるため、杢調柄によるカジュアルな風合いを有する靴下を市場ニーズに合わせてスピーディーに商品を供給することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号
【出願日】 平成13年12月13日(2001.12.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−183903(P2003−183903A)
【公開日】 平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願番号】 特願2001−379542(P2001−379542)