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【発明の名称】 ホット成形冷却装置
【発明者】 【氏名】中村 博昭
【住所又は居所】埼玉県朝霞市西原1−1−1 株式会社武蔵野内

【氏名】浦上 孝
【住所又は居所】東京都大田区南馬込2丁目29番17号 菱熱工業株式会社内

【要約】 【課題】ホット成形されて弁当箱に入れられた飯を冷却するホット成形冷却装置において、冷却時間が短くてすみ、よって装置を小型化することができるようにする。

【解決手段】エアを供給するエア供給部と、弁当箱を搬送する弁当搬送部28と、弁当搬送部28によって搬送された弁当箱内の飯の中へと差し込まれて、エア供給部から供給されたエアを飯の内部へと吹込むためのノズル26と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホット成形されて弁当箱に入れられた飯を冷却するホット成形冷却装置において、エアを供給するエア供給部(16)と、前記弁当箱を搬送する弁当搬送部(28)と、弁当搬送部(28)によって搬送された弁当箱内の飯の中へと差し込まれて、エア供給部(16)から供給されたエアを飯の内部へと吹込むためのノズル(26)と、を備えるホット成形冷却装置。
【請求項2】 搬送された弁当箱に対して、その弁当箱内の飯の表面に向けて、エア供給部から供給されたエアを吹付けるためのノズル(56)を、さらに備えるホット成形冷却装置。
【請求項3】 前記エアは、圧縮され及び/または除菌されたものである請求項1または2記載のホット成形冷却装置。
【請求項4】 弁当搬送部に対する前記ノズル(26、56)の相対位置を調整する位置調整機構(21、52)を、さらに備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載のホット成形冷却装置。
【請求項5】 前記ノズル(26)は、装置に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のホット成形冷却装置。
【請求項6】 単位時間当たりの弁当予定生産量を入力する入力手段(90)と、前記入力された弁当予定生産量に基づいてノズルの動作タイミングを算出する演算制御手段(92)と、からなる生産量制御部(18)をさらに備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載のホット成形冷却装置。
【請求項7】 ホット成形されて弁当箱に入れられた飯を冷却するホット成形冷却装置において、弁当箱内の飯の内部に圧縮エアを吹込むことにより冷却を行う、ホット成形冷却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホット成形されて弁当箱に入れられた飯を冷却するホット成形冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、弁当においては炊き上がった飯を真空冷却装置または冷却トンネル内で強制通風による冷風で冷却し、その後、それを成形して弁当箱に詰めていた。しかしながら、この方法であると、冷却してから成形しているので、成形性を良好にするために、添加剤などを飯に添加する必要があり、この添加剤混入により、風味、食感が悪くなるという問題があった。また、冷却中に水分が蒸発し、風味、食感が悪化し、飯が固くなるという問題もあった。また、水分蒸発により正味量が目減りするという問題もあった。
【0003】以上の問題を解決するために、本出願人は、特願2000−188186においてホット成形した飯の冷却装置を提案する。この装置では、冷却トンネル内に冷却装置及びホット成形した飯を入れた弁当箱を送るベルトコンベアを配置し、冷却装置により冷却した冷却風を、その弁当箱内の飯の表面に向けて送風している。これにより、ホット成形した飯を食感、風味を損なうことなく、均等に、ムラなく、衛生的で適当な固さの温度・湿度に冷却することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提案された冷却装置では、冷却時間がかかり、そのため冷却トンネルの長さを大きく必要とするために、装置が大型化するという問題がある。そこで、本発明は、かかる課題に鑑みなされたもので、冷却時間が短くてすみ、よって装置を小型化することができる冷却装置を提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、ホット成形されて弁当箱に入れられた飯を冷却するホット成形冷却装置において、エアを供給するエア供給部と、前記弁当箱を搬送する弁当搬送部と、弁当搬送部によって搬送された弁当箱内の飯の中へと差し込まれて、エア供給部から供給されたエアを飯の内部へと吹込むためのノズルと、を備える。
【0006】先願のように飯の表面に送風して、表面からの伝導による冷却を行うのではなく、本発明では飯の内部にエアを吹込むことにより、飯の内部から冷却を行う。これにより、従来の方式に比較して、格段に冷却時間を縮めることができ、よって、冷却装置自体の大きさも格段に小型化することができる。また、急速に冷却することができるので、水分の蒸発も少なく、よって水分蒸発による風味、食感の悪化も防止することができ、正味量の目減りという問題も回避でき、雑菌の繁殖を抑えることもできる。また、飯の内部にエアを吹き込むことにより、内部に滞留する湿気を内部から外部へ強制的に排気することができ、弁当箱と飯との間に結露が発生することを防ぐことができる。
【0007】前記ホット成形冷却装置は、さらに、搬送された弁当箱に対して、その弁当箱内の飯の表面に向けて、エア供給部から供給されたエアを吹付けるためのノズルを、備えることができる。この飯の表面へのエアの吹付けは、前記飯の内部へのエアの吹込みと同時に行ってもよいが、別工程として行ってもよい。こうして、内部からと表面からの両方の冷却を行うことにより、ホット成形された飯全体を効果的に冷却することができる。
【0008】また、前記エアは、圧縮され及び/または除菌されたものであるとよい。これにより、効果的に及び/または衛生的に冷却することができる。
【0009】また、弁当搬送部に対する前記ノズルの相対位置を調整する位置調整機構を、さらに備えるとよい。これにより、弁当箱に対する飯の相対位置が変わった場合等において、位置調整機構によりノズルを調整し、ノズルを常に飯の位置に対して最適な位置におくことができるようになる。
【0010】また、前記ノズルは、装置に対して着脱可能とするとよい。これにより、搬送される弁当箱内にホット成形される飯の形状または面積が変わった場合等において、ノズルを装置から取り外して、その飯の配置形状または面積に適したノズルを装置に取り付ける。これにより、常に、飯の配置形状または面積に対応したエアを飯の中に吹込むことができる。
【0011】さらに、単位時間当たりの弁当予定生産量を入力する入力手段と、前記入力された弁当予定生産量に基づいてノズルの動作タイミングを算出する演算制御手段と、からなる生産量制御部をさらに備えることができる。これにより、単位時間当たりの弁当予定生産量が変わったときに、例えば、ノズルを飯の中へ差し込むタイミング及び/又はノズルからエアを噴射するタイミングを変更することができ、弁当予定生産量の変更に自動的に対応することができる。
【0012】また、本発明は、ホット成形されて弁当箱に入れられた飯を冷却するホット成形冷却装置において、弁当箱内の飯の内部に圧縮エアを吹込むことにより冷却を行うことを特徴とする。これにより、冷却時間を縮めることができ、冷却装置自体の大きさを格段に小型化することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0014】図1ないし図7は本発明の実施形態に係る冷却装置を表した図である。図1において、冷却装置10は、差込冷却工程を行う差込冷却部12と、表面冷却工程を行う表面冷却部14と、エア供給部16と、生産量制御部18とに大別される。但し、後述のように、必ずしも差込冷却部12と表面冷却部14とに分離する必要はない。以下、各部を詳細に説明する。
【0015】図3及び図4に示したように、差込冷却部12は、フレーム20と、差込ノズル位置調整機構21と、駆動部22と、エアヘッダ23と、ノズルブロック部24と、弁当搬送部28と、を備える。
【0016】差込ノズル位置調整機構21は、前後、左右、上下の3軸調整可能なように、3軸のボルトナット機構30A、30B、30Cと、各機構を駆動するハンドル32A、32B、32Cと、台座34A、34B、34Cとを備えている。フレーム20に対して台座34Aは、ボルトナット機構30Aによって連結されて上下動可能となっており、台座34Bは、ボルトナット機構30Bによって台座34Aに対して左右方向にスライド可能に連結されており、台座34Cは、ボルトナット機構30Cによって台座34Bに対して前後方向にスライド可能に連結されている。ハンドル32A、32B、32Cをそれぞれ回転させることにより、前記ボルトナット機構30A、30B、30Cを動作させることができ、これによって、台座34Cの3次元位置を調整することができるようになっている。
【0017】駆動部22は、台座34Cとエアヘッダ23との間に設けられた複数のエアシリンダ38と、エアシリンダ38を作動させるためのポンプ、電磁切換弁等(図示は省略する)を有しており、エアシリンダ38を作動させることにより、エアヘッダ23の上下動を行わせることができるようになっている。
【0018】エアヘッダ23には、エア流入ポート42が設けられており、エア流入ポート42には、エア供給部16からの圧縮エアが供給される。エアヘッダ23には、着脱可能に複数のノズルブロック部24が取り付けられている。
【0019】各ノズルブロック部24は、複数の差込ノズル26を備えており、この差込ノズル26は、前記エアヘッダ23のエア流入ポート42に連通されている。複数の差込ノズル26の2次元の配置は、対象となる弁当箱内に詰められる飯の2次元形状・面積に依存する。よって、弁当箱に詰められる飯の2次元形状が、例えば、四角形、円形、多角形、三日月といった具合に多様に変わる可能性がある場合、または飯の面積が変わる可能性がある場合には、その変更に応じて、差込ノズル26の2次元配置が異なる複数の種類のノズルブロック部24を用意しておくとよい。そして、搬送される弁当箱内の飯の2次元形状・面積に合わせて、別の予め洗浄・殺菌を行ったエアヘッダ23に交換するとよい。一般的に、差込ノズル26は、弁当箱に詰められる飯の2次元形状に対して均一に分散して配置されると好ましい。例えば、図2に示した例は、8角形の弁当箱Bに対して、中心1個、その周囲に6個の差込ノズル26を配した例となっている。または、図8(a)に示した例は、4角形の弁当箱Bに対してマトリックス上に差込ノズル26を配する例となっている。このようにして全体に均一に冷却を行うことができる。また、差込ノズル26の表面はフッ素加工を施すと好ましく、これにより、差込ノズル26を差し込んだ飯の粘着を防ぐことができる。また、差込ノズル26の外径は、太すぎると差し込んだ飯に差込ノズルの差込跡が残り好ましくないので、約4mm以下とすると好ましい。
【0020】弁当搬送部28は、弁当箱Bを搬送するベルトコンベア44及びその駆動部で構成される。この実施形態では、図2に示すように、ベルトコンベア44に弁当箱Bが2列となって流れて、各列4個の弁当箱Bを同時に処理するようになっている。但し、弁当箱Bの2列または4個は一例であり、1を含む任意の数の弁当箱Bを同時に処理し、または1を含む任意の数の弁当箱Bの列とすることができる。また、弁当搬送部28には、図示しないストッパーが設けられており、該ストッパーは、ベルトコンベア44によって搬送された各弁当箱Bを、前記ノズルブロック部24の差込ノズル26の下方の対応する位置に停止させるものである。ベルトコンベア44上の一方の列の弁当箱Bに対して、搬入、位置決め、搬出処理が行われている間、他方の列の弁当箱Bは、ストッパーにて位置決めされて、後述のノズル差込による冷却が行われる。
【0021】次に、図5及び図6に示したように、表面冷却部14も、差込冷却部12と同様に、フレーム50と、吹付ノズル位置調整機構52と、エアヘッダ53と、複数の吹付ノズル56と、弁当搬送部58と、を備える。
【0022】吹付ノズル位置調整機構52は、前後、左右、上下の3軸調整可能なように、3軸のボルトナット機構60A、60B、60Cと、各機構を駆動するハンドル62A、62B、62Cと、台座64A、64B、64Cとを備えている。フレーム50に対して台座64Aは、ボルトナット機構60Aによって連結されて上下動可能となっており、台座64Bは、ボルトナット機構60Bによって台座64Aに対して左右方向にスライド可能に連結されており、台座64Cは、ボルトナット機構60Cによって台座64Bに対して前後方向にスライド可能に連結されている。ハンドル62A、62B、62Cをそれぞれ回転させることにより、前記ボルトナット機構60A、60B、60Cを動作させることができ、これによって、台座64Cの3次元位置を調整することができるようになっている。
【0023】台座64Cからは、支柱を介してエアヘッダ53が取り付けられている。エアヘッダ53には、エア流入ポート66が設けられており、エア流入ポート66には、エア供給部16からの圧縮エアが供給される。エアヘッダ53には、複数の吹付ノズル56が取り付けられている。この吹付ノズル56は、エアヘッダ53に対して固定となっている。しかしながらこれに限るものでなく、差込冷却部12と同様に、吹付ノズル56の配置を飯の平面形状に合わせて代えるべく吹付ノズル56を交換可能とすることもでき、その場合には、吹付ノズル56の配置が異なる複数の種類のノズルブロック部を用意し、各ノズルブロック部をエアヘッダ53に対して着脱可能とすることができる。
【0024】弁当搬送部58は、前記ベルトコンベア44の弁当箱列と整列された2列のベルトコンベア68と、該ベルトコンベア68の間にあって、弁当箱を次の工程に引き渡す移送コンベア69とで構成される。ベルトコンベア68では、図2に示すように、各列、4×2個の弁当を同時に処理するようになっており、ベルトコンベア68上での処理が終了すると、ベルトコンベア68上の下流の4個の弁当箱は、押出し機59によってベルトコンベア69へと押し出される。
【0025】図7に示すように、エア供給部16は、エアコンプレッサー70、エアタンク72、エアドライヤ74、ラインフィルタ76、ミクロミストフィルタ78、活性炭フィルタ80、除菌フィルタ82、減圧弁84及び電磁切換弁86とを有している。エアコンプレッサー70によって生成された圧縮エアは、エアタンク72によって収容される。エアタンク72からの圧縮エアは、エアドライヤ74によって冷却され除湿され、各フィルタ76、78、80、82によって濾過されて、雑菌が除去されたクリーンなエアとなる。そして、このエアは、複数のラインに分岐されて、それぞれ減圧弁84によって減圧されて、電磁切換弁86を通過して、前記エア流入ポート42、66へと供給される。エア流入ポート42に供給される圧縮エアは、エア流入ポート66に供給される圧縮エアよりも、圧力が高くなるように設定される。
【0026】生産量制御部18は、図1に示すように、入力手段90と、演算制御部92とから構成される。入力手段90は、単位時間当たりの弁当予定生産量を入力するためのものである。そして、演算制御部92は、入力手段90によって入力された弁当予定生産量に応じて、駆動部22のエアシリンダ38の作動タイミング及び差込ノズル26からのエアの噴射タイミングを演算すると共に、駆動部22に向けて、そのエアシリンダ38の作動切換のための信号を出力し、エア供給部16に向けて、噴射切換のための信号を出力するものである。
【0027】以上のように構成される冷却装置10の作用を説明する。この冷却装置10に供給される弁当箱Bには、予めホット成形した飯が詰められている。ホット成形とは、炊き上がった飯を暖かい状態で、計量した後、成形することを言う。暖かい状態で行うために、添加剤などを添加することなく、成形が容易に且つ衛生的にできる。
【0028】こうして、約75℃程度の温度の飯が弁当箱B内に入れられて冷却装置10に搬送される。
【0029】まず、差込冷却工程において、弁当箱Bは4個ずつ、ベルトコンベア44の2つの列のいずれかに割り振られて、ベルトコンベア44によって対応する差込ノズル26の下方まで移動されて、ストッパーによって停止される。次いで、エアシリンダ38が伸長してエアヘッダ23が下降して、下降したエアヘッダ23に設けられた差込ノズル26が弁当箱内の飯内へと挿入されると、対応するラインの電磁切換弁86がオンとなり、差込ノズル26から除菌された圧縮エアが噴射される。差込ノズル26は、飯の中程の位置まで挿入されて、その位置で圧縮エアが噴射されるとよい。あまり、弁当箱Bの底板に近接した位置まで挿入されると、噴射されたエアが弁当箱Bの底板と飯との間から、弁当箱Bの側板を回り込んで逃げてしまうために、冷却効果が低下するからである。
【0030】所定時間、噴射を行うと対応する電磁切換弁86がオフとなり、噴射が終了する。そして、エアシリンダ38が収縮してエアヘッダ23が上昇して、上昇したエアヘッダ23に設けられた差込ノズル26が飯から脱出する。
【0031】こうして、差込冷却工程で、飯の内部から冷却を行う。差込ノズル26からの噴射される圧縮エアの圧力は、弱すぎると冷却効果が低いが、強すぎると、飯が持ち上がる現象が生じて好ましくない。また、噴射時間についても、短い時間では冷却効果が低いが、長時間エアを飯に与え続けると、飯が固くなる傾向となり、好ましくない。よって、これらのトレードオフによって適度な圧力及び噴射時間が設定される。発明者の実験によると、圧力は、0.1〜0.6MPa、特に約0.2MPa(約2kgf/cm2)、また、噴射時間は、4〜15秒、特に6秒程度とすると好ましい事が判った。差込ノズル26は、前述のように飯の2次元形状に適した配置となったものが使用され、飯全体を均一に冷却する。
【0032】次に、表面冷却工程において、ベルトコンベア44から連続するベルトコンベア68に移送された弁当箱は4個ずつ、ベルトコンベア68によって対応する吹付ノズル56の下方まで移動され、そこでベルトコンベア68が停止する。次いで、対応するラインの電磁切換弁86がオンとなり、吹付ノズル56からの除菌された圧縮エアが飯の表面に噴射される。差込冷却工程において、内部から冷却された飯が、表面からも冷却されることにより、一層冷却が進む。このときの圧縮エアは、差込冷却工程よりは低くするとよく、0.02〜0.5MPa、特に約0.05MPa(約0.5kgf/cm2)程度、噴射時間は、差込冷却工程と同じ時間とすると好ましい。所定時間、噴射を行うと対応する電磁切換弁86がオフとなり、次いで、ベルトコンベア68が進み、4個ずつ、対応する下流にある吹付ノズル56の下方に搬送されると、先と同様に、噴射が行われる。こうして、各弁当箱Bにつき2回の表面への噴射が終了すると、移送コンベア69へと押出し機59によって横方向から押出されて(図6仮想線)、移送コンベア69によって、次の工程へと送られる。
【0033】こうして、約75℃であった飯が冷却装置10によって約20〜25℃程度となる。急速に冷却することにより、雑菌の繁殖しやすい40〜50℃の温度帯域を迅速に通過して、このような雑菌の繁殖を防ぐ。圧縮エアによる差込冷却と表面冷却とを組み合わせることにより、先願の冷却トンネルにおいて冷却風を送風する方式に比較して、冷却時間を格段に縮めることができる。本発明者の実験によると、1/25に縮小することができた。これによって、冷却装置も小型化することができ、工場内で必要なラインの長さを格段に短くすることができる。
【0034】次に、処理する弁当箱B及び/または弁当箱B内に詰められる飯の形状・面積が変わった場合には、必要に応じて、ノズルブロック部24をエアヘッダ23から取り外して、飯の形状に対して均等に差込ノズル26が配置された別のノズルブロック部24に交換する。さらに、弁当箱内における飯の相対的位置が変わった場合には、必要に応じて、差込ノズル位置調整機構21によって、3次元位置を調整する。例えば、図8に示すように、飯が弁当箱Bの全体に配置される場合(図8(a))と、飯が弁当箱Bの片側(右側または左側)に配置される場合(図8(b))には、差込ノズル26の左右位置を変える必要がある。同様に、飯が弁当箱Bの前側または後側に配置される場合(図8(c))には、差込ノズル26の前後位置を変える必要がある。さらに、弁当箱Bが比較的平坦な器である場合(図8(d))と、弁当箱Bが丼であり飯が高く盛られる場合(図8(e))には、差込ノズル26の高さ位置を変える必要がある。ハンドル32A、32B、32Cを操作することによって、差込ノズル26を適当な位置になるように調整する。同様に、吹付ノズル56についてもハンドル62A、62B、62Cを操作することによって、適当な位置になるように調整する。
【0035】次に、生産量調整について説明する。単位時間当たりの弁当予定生産量が変化する場合には、その変化に応じて全体のオペレーションも変化させる必要があり、ベルトコンベアによる弁当箱の搬送速度も変化する。また、これだけでなく、差込ノズル26の上下動のタイミング及び噴射のタイミング等の動作タイミングも変化させる必要がある。このために、入力手段90から作業者が単位時間当たりの予定生産量を入力する。演算制御部92は、入力された予定生産量に基づき、差込ノズル26を下方位置に維持する時間、即ち言い換えれば、飯の中に差し込まれた状態に維持する時間を算出する。例えば、単位時間当たりの弁当予定生産量が1800個/hであったとし、上述のように、各列交互に、且つ各列4個の弁当箱を同時に処理するものとすると、【0036】
【数1】

の間、差込ノズル26を下方位置に維持し、その差込ノズル26が下方位置に維持された間で、圧縮エアの噴射を行うとよいことになる。尚、ここでΔτは差込ノズル26を下降または上昇させるのに必要な時間であり、一定であるとする。これに対して、弁当予定生産量が1200個/hに低下すると、【0037】
【数2】

の間、差込ノズル26を下方位置に維持し、その差込ノズル26が下方位置に維持された間で、圧縮エアの噴射を行うとよいことになる。以上の演算を、演算制御部92で行い、演算されたタイミングに従って、エアシリンダ38の作動切換及び差込ノズル26の噴射切換を行う。演算制御部92からは切換信号が、駆動部22及びエア供給部16へと出力されて、該切換信号に応じて、エアシリンダ38に接続される電磁切換弁及び電磁切換弁86を切替える。こうして、予定生産量に応じて、差込ノズル26の動作を変化させる。
【0038】以上のようにして、ホット成形した飯を急速冷却するために、添加剤を必要とすることなく、風味、食感が悪化することなく、さらには、急速冷却するために、水分の蒸発も少なく、よって水分蒸発による風味、食感の悪化も防止することができ、正味量の目減りという問題も回避でき、雑菌の繁殖を抑えることができる。また、内部にエアを吹き込むことにより結露の発生も抑えることができる。さらには、ホット成形しているために、成形機自体も雑菌の繁殖を抑えて、清潔に保つことができる。
【0039】以上の実施形態では、差込冷却工程と表面冷却工程とを別々の工程として行っていたが、これに限るものではなく、差込ノズルと吹付ノズルとを同時に駆動して、同時に飯の内部と表面とを冷却することにより、冷却効果をさらに高めて工程をさらに短縮化することもできる。または、以上の実施形態では、差込冷却工程を行った後、表面冷却工程を行ったが、これに限るものではない。表面冷却工程を行った後、差込冷却工程を行ってもよいし、または、それぞれ複数の差込冷却工程及び表面冷却工程を任意の順番で任意に組み合わせることも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、飯の中にエアを吹付けて飯の内部から冷却を行うことにより、従来の方式に比較して、格段に冷却時間を縮めることができ、よって、冷却装置自体の大きさも格段に小型化することができる。また、結露の発生も抑えることができる。また、急速に冷却することができるので、水分の蒸発も少なく、よって水分蒸発による風味、食感の悪化も防止することができ、正味量の目減りという問題も回避でき、雑菌の繁殖を抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】599125962
【氏名又は名称】株式会社武蔵野
【住所又は居所】埼玉県朝霞市西原1丁目1番1号
【識別番号】593012310
【氏名又は名称】菱熱工業株式会社
【住所又は居所】東京都大田区南馬込2丁目29番17号
【出願日】 平成14年2月5日(2002.2.5)
【代理人】 【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子 (外3名)
【公開番号】 特開2003−225058(P2003−225058A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−28657(P2002−28657)