| 【発明の名称】 |
魚肉すり身を加工した冷凍食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤田 裕二 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内
【氏名】真殿 昌美 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内
【氏名】三重 正宣 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】冷凍変性防止の目的で重合燐酸塩を使用する場合において、冷凍食品の風味を改良する。
【解決手段】重合燐酸塩及びスクラロースを含有する魚肉すり身を加工した冷凍食品であって、重合燐酸塩を冷凍食品100重量部中0.05〜0.5重量部含み、スクラロースを重合燐酸塩1重量部に対して0.005〜0.05重量部を含む。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】重合燐酸塩及びスクラロースを含有する魚肉すり身を加工した冷凍食品であって、重合燐酸塩を冷凍食品100重量部中0.05〜0.5重量部含み、スクラロースを重合燐酸塩1重量部に対して0.005〜0.05重量部を含むことを特徴とする魚肉すり身を加工した冷凍食品。 【請求項2】更に、糖類を冷凍食品100重量部中0.5〜20重量部含有する請求項1に記載の魚肉すり身を加工した冷凍食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、魚肉すり身を加工した冷凍食品に関し、冷凍による蛋白変性を充分に防止でき、加熱調理後の風味が改良された食品に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、魚肉すり身自身を冷凍保存したり、魚肉すり身を使用して冷凍食品を製造したりする場合、魚肉をそのまま加工すると、冷凍貯蔵中に魚肉由来の蛋白質が変性し、品質が劣化することが問題となっている。この蛋白質の変性を防止する手段として、種々の方法が採られており、中でも、原料の生鮮魚肉に重合燐酸塩を単独であるいは糖類と併用して添加すると、冷凍による蛋白質の変性を防止できることが知られている(かまぼこの科学、平成11年5月、成山堂書店)。 【0003】しかし、冷凍による蛋白質の変性を防止する効果を充分に得るために重合燐酸塩の添加量を増加させると、重合燐酸塩由来の独特の渋味、苦味、えぐ味が生じてしまうという更なる問題も起こり、その為、重合燐酸塩の添加量が味質の面から制限されてしまい、満足のいく蛋白質の変性防止効果が得られなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、冷凍による蛋白質の変性が防止され、なおかつ、冷凍解凍後の風味が改良された、魚肉すり身を加工した冷凍食品を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、重合燐酸塩及びスクラロースを含有する魚肉すり身を加工した冷凍食品であって、重合燐酸塩を冷凍食品100重量部中0.05〜0.5重量部含み、スクラロースを重合燐酸塩1重量部に対して0.005〜0.05重量部を含むことにより、冷凍変性が有意に防止され、重合燐酸塩由来の独特の渋味、えぐ味、苦味を有意にマスキングできることが判った。更に、糖類を併用することにより、重合燐酸塩由来の独特の風味を有意にマスキングする効果に影響を与えることなく、重合燐酸塩による冷凍による蛋白質の変性を防止する効果を補足することができた。 【0006】すなわち本発明は、かかる知見に基づいて開発されたものであり、以下の態様を有するものである;項1.重合燐酸塩及びスクラロースを含有する魚肉すり身を加工した冷凍食品であって、重合燐酸塩を冷凍食品100重量部中0.05〜0.5重量部含み、スクラロースを重合燐酸塩1重量部に対して0.005〜0.05重量部を含むことを特徴とする魚肉すり身を加工した冷凍食品。項2.更に、糖類を冷凍食品100重量部中0.5〜20重量部含有する、項1に記載の魚肉すり身を加工した冷凍食品。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の魚肉すり身を加工した冷凍食品は、まず、重合燐酸塩及びスクラロースを含有することを特徴とする。重合燐酸塩として、具体的には、ピロ燐酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸カリウム、トリポリ燐酸カリウム、メタ燐酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上をあげることができる。スクラロースは、砂糖の約600倍の甘味度を有する高甘味度甘味料として使用されている物質である。高甘味度甘味料として、他にアスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム等が知られているが、アスパルテームは耐熱性の点で問題があり、ステビアやアセスルファムカリウムは重合燐酸塩由来の渋味、苦味、えぐ味をマスキングする効果が充分でない。 【0008】本発明の魚肉すり身を加工した冷凍食品は、重合燐酸塩を冷凍食品100重量部中0.05〜0.5重量部、より好ましくは、0.1〜0.3重量部含む。冷凍食品中当該添加量を含むことにより、冷凍による蛋白質の変性を有意に防止することができるものである。これより添加量が少ないと蛋白質の変性を防止する効果が充分でなく、これ以上添加しても、添加量に見合った効果が見出せず、むしろ味質の低下によるデメリットが大きい。 【0009】次に、本発明に係るスクラロースの添加量は、重合燐酸塩1重量部に対して0.005〜0.05重量部である。重合燐酸塩に対して、スクラロースの含有量がこれよりも多くなると、スクラロース由来の甘味が最終製品の味に影響を及ぼし好ましくない。また、スクラロース含有量がこれよりも少なくなると、重合燐酸塩由来の独特の味をマスキングする効果が充分でない。当該添加量の範囲内で重合燐酸塩由来の独特の味をマスキングする効果を発揮するものである。なお、甘味の付与を兼ねてスクラロースを使用する場合は、この限りでない。 【0010】本発明に係る魚肉すり身を加工した冷凍食品とは、魚肉すり身を主材とし、必要に応じて他の添加剤を加えて加熱等の調理加工したものを冷凍した食品をいう。 【0011】魚肉すり身の原料として、スケトウダラ、グチ、ハモ、エソ、ワラズカ、キンキ、タチ、トビウオ、サバ、イワシ、サメ、ホッケ、ウナギ等や、オキアミ、カニ、エビ等の甲殻類の肉を挙げることができる。これらを原料として、魚肉すり身は、常法により製造することができ、一例として、原料となる魚肉の処理及び洗浄→採肉→水晒→夾雑物の除去→添加物の混合→成型・充填というような工程をあげることができる。 【0012】この魚肉すり身を他の原料と混合し、加熱等の加工調理を行ったあと、冷凍し、本発明の魚肉すり身を加工した冷凍食品とすることができる。本発明に係る魚肉すり身を加工した冷凍食品の具体例として、フィッシュハンバーグ、シュウマイ、フィッシュフライ、かまぼこ、つみれ等の練り製品フライ、卵製品の具材、グラタン等を挙げることができる。更に、魚肉すり身に野菜等の具を加えて、団子、つくね等としてもよく、これらの冷凍食品にも適用できる。 【0013】本発明の魚肉すり身を加工した冷凍食品には、重合燐酸塩及びスクラロースに加えて、更に、糖類を冷凍食品100重量部中0.5〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部を含有すると良い。糖類を更に一定量添加することにより、冷凍による蛋白質の変性の防止効果が更に高くなる。 【0014】糖類としては、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)等をあげることができる。 【0015】本発明に係る冷凍食品中の重合燐酸塩、糖類及びスクラロースを添加する方法は、常法により行えば良く、特に限定されないが、重合燐酸塩及び糖類は魚肉すり身を製造時に含有されるように製造する。例えば重合燐酸塩、糖類及びスクラロースを溶解した水溶液に魚肉すり身の主材を浸漬して含浸する方法や、魚肉すり身の主材に直接添加する方法等が挙げられる。前記魚肉すり身の製造工程中では、重合燐酸塩及び糖類の添加時期を、添加物の混合時に添加することにより、有意に蛋白質の変性を防止する効果を発揮する。 【0016】本発明の冷凍食品には、上記効果に悪影響を与えない限りにおいて、酸化防止剤、乳化剤、調味料、香料、色素、澱粉、澱粉加水分解物、還元澱粉加水分解物等の澱粉類、日持ち向上剤、増粘多糖類、酵母エキス、塩、その他の添加剤を添加しても構わない。本発明により、冷凍による蛋白質の変性が防止され、なおかつ、冷凍解凍後の風味が改良された、魚肉すり身を加工した冷凍食品を提供できるようになった。 【0017】 【実施例】以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「重量部」を示すものとし、文中「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を示す。 【0018】実施例1:冷凍エビシュウマイの調製豚ミンチ肉10部、むきえび(荒切り)25部、たまねぎ(みじん切り)25部及び食塩1部に、表1の配合で常法により調製したスケトウダラすり身を各30部、各々均一に混合し、市販の皮で包み、成形した。90〜95℃にて15分間蒸煮した後、冷却し、冷凍エビシュウマイを調製した。実施例及び比較例の冷凍エビシュウマイを−40℃にて1ヶ月間保存した後、電子レンジにて加熱調理し、食感と味質について評価を行った。 【0019】 【表1】
【0020】実施例1のエビシュウマイは滑らかな食感を有し、なおかつ重合燐酸塩特有の味をマスキングし、嗜好性の高いものとなった。それに対して、比較例1のエビシュウマイは、ぼそぼそとした食感があり、また比較例2のエビシュウマイは滑らかな食感となったものの、重合燐酸塩特有の苦味と渋味が感じられた。すなわち、従来、魚肉すり身加工品の冷凍耐性を上げるために、重合燐酸塩の添加量を増やすと味質の低下が起こるため添加量が限られていたが、スクラロースを併用することにより、冷凍による蛋白質変性防止に充分な重合燐酸塩を添加でき、なおかつ重合燐酸塩由来の苦味、渋味を有意に改善することができた。 【0021】実施例2:冷凍かまぼこの調製下記表2の処方に従って調製したスケトウダラすり身各100部に、食塩2部、馬鈴薯澱粉8部、水40部を混合して、常法によりかまぼこを調製した。これらかまぼこを、−40℃にて2週間保存した後、5℃の冷蔵庫に半日間おいて解凍した。得られたかまぼこを、下記の基準に従い、重合燐酸塩由来の苦味と渋味のマスキング効果をみる官能試験、及びかまぼこの冷凍耐性をみるための折り曲げ試験を実施した。結果を表2に記す。 【0022】マスキング効果の官能評価は、パネラー10名により評価を行い、それぞれの評点を加えた合計点を記した。 【0023】評点3点:スタンダードと比較して、明らかに苦味、渋味が低減されている。 2点:スタンダードと比較して、苦味、渋味が低減されている。 1点:スタンダードと比較して、若干苦味、渋味が低減されている。 0点:スタンダードと同等の苦味、渋みを感じる。 【0024】折り曲げ試験は、かまぼこを厚さ4mm±1mmにスライスし、4つ折り及び2つ折りにしたときの亀裂の度合いを下記の通り評価した。 【0025】記号 ++:4つ折で亀裂を生じない。 + :2つ折で亀裂を生じないが、4つ折では亀裂を生じる。 − :2つ折で亀裂を生じる。 【0026】 【表2】
【0027】表2より、実施例であるかまぼこ4及び5は重合燐酸塩由来の苦味や渋味が有意にマスキングされ、しかも、折り曲げ試験も良好で、冷凍耐性に悪影響を及ぼさなかった。それに対して、スクラロースの添加量が少ないかまぼこ3は、ある程度のマスキング効果は認められたが十分ではなく、逆にスクラロースの添加量が過剰なかまぼこ6はスクラロースの味が強く、魚肉すり身本来の味を損ねてしまっていた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000175283 【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1丁目1番11号
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| 【出願日】 |
平成14年1月29日(2002.1.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−219840(P2003−219840A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月5日(2003.8.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−20787(P2002−20787) |
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