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【発明の名称】 呈味改善剤
【発明者】 【氏名】山本 太一
【住所又は居所】神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高砂香料工業株式会社総合研究所内

【氏名】平本 忠浩
【住所又は居所】神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高砂香料工業株式会社総合研究所内

【氏名】済間 俊昇
【住所又は居所】神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高砂香料工業株式会社総合研究所内

【要約】 【課題】食品自体が本来有する味をよりいっそう高めることを可能にする優れた効果を示し、しかも環境やヒトに優しい呈味改善剤を提供すること。

【解決手段】下記式1で表される骨格を有するステロール類を呈味改善剤の有効成分とし、このステロール類を食品中に添加・配合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ステロール類を有効成分として含有することを特徴とする呈味改善剤。
【請求項2】ステロール類がシトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、スピナステロール、コレステロール、エルゴステロールあるいはそれら配糖体から選ばれた少なくとも一つの化合物である請求項1記載の呈味改善剤。
【請求項3】請求項1記載の呈味改善剤を含有することを特徴とする食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、呈味改善剤に関する。すなわち、本発明はステロール類を有効成分として含有することを特徴とする呈味改善剤に関する。
【0002】
【従来技術】よりおいしいものを食べたいという願いを満足するためにいろいろな工夫がなされているが、その一つとして、各種化合物を予め食品中に配合させる方法が知られている。例えば特許第3133182号には飲料の渋味や苦味を除去あるいは低減するためにプロタミン及び/またはその塩を添加する技術が開示され、特開平9-94080号公報には有機酸を含む飲食品の酸味を和らげるためにコーヒー豆加水分解抽出物を添加することが示されている。また、特開2001-133号公報には酸味料特有の味を改善するために水溶性食物繊維を酸味料に添加配合することが報告されている。これらの方法は渋みや苦味を低減させたり酸味を和らげる点で一定の効果がある。しかし、これらの技術は食品が本来有する味を向上させる点ではあまり有効ではない。
【0003】その点を解決する工夫として、特開平8-154619号公報にはバニラの生のさやを極性溶媒で抽出して得られる抽出物を各種飲食品に添加することを開示しているが、その技術をもってしても未だ十分ということができない。さらに環境やヒトに優しく、しかも食品自体が本来有する味をよりいっそう高める呈味改善剤が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食品自体が本来有する味をよりいっそう高めることを可能にする優れた効果を示す呈味改善剤を提供することにある。また、環境やヒトに優しい呈味改善剤を提供することでもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を開発すべく鋭意研究した結果、ステロール類が優れた呈味改善剤効果を示すという知見を得、さらに検討を加え、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、1)ステロール類を有効成分として含有することを特徴とする呈味改善剤、2)ステロール類がシトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、スピナステロール、コレステロール、エルゴステロールあるいはそれら配糖体から選ばれた少なくとも一つの化合物である呈味改善剤、3)上記呈味改善剤を含有する食品、である。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。
【発明の実施の形態】本発明でいう呈味改善剤は、ステロール類を有効成分とするものである。該ステロール類は下記式1で表される骨格を有する化合物のすべてをいう。即ち、式1で表される化合物、その誘導体、それらの配糖体あるいはそれらの混合物をいう。ここで、その誘導体とは式1で表される化合物の水素原子がアルキル基などの有機基で置換された化合物を意味する。
【0008】式1
【0009】それら化合物の中でも、上記骨格を有し、炭素数が27〜30の化合物が好ましい。さらにシトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、スピナステロール、コレステロール、エルゴステロールあるいはそれら配糖体が好ましく、より好ましいものとしてシトステロール、コレステロール、エルゴステロールあるいはそれら配糖体が挙げられる。
【0010】本発明でいうステロール類は、広く植物、動物、微生物内に存在する。以下、具体的な化合物について説明する。植物内に存在するステロール類としては、スチグマステロール、シトステロール、カンペステロール、スピナステロール、ブラシカステロールなどが知られている。微生物内に存在するステロール類としては、エルゴステロールなどが広く知られている。動物内に存在するステロール類としては、コレステロールなどが知られている。これらの中では、食品劣化防止能や調製方法の容易さなどからみて植物に由来するステロール類あるいは微生物に由来するステロール類が好ましい。その中でも、とくに植物ステロール類が好ましく、具体的にはシトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、スピナステロール、ブラシカステロールといった植物ステロールあるいはそれらの配糖体が好ましいステロール類として挙げられる。
【0011】ステロール類を含む植物の代表的なものとしては、大根の葉、サラダ菜、アスパラガス、キュウリ、ジュンサイ、シロウリ、ニンニク、ツクシ、ミョウガなどの野菜類、玄米、米糠、ソバの実、ゴマの実、ヒマワリの種、胡桃、落花生、菜種などの穀類あるいは植物種子類、大豆類あるいはオカラなどの大豆類由来品、米油、ゴマ油、菜種油、綿実油、オリーブ油、大豆油、パーム油、ココナッツ油などの植物油などが挙げられる。ステロール類を含む微生物としては、酵母などが挙げられる。 ステロール類を含む動物としては、魚油、鯨などの動物油、獣脂などが挙げられる。
【0012】本発明でいうステロール類は、市販されているが、上記ステロール類を含む動物組織、植物、微生物を原料として、分子蒸留法、抽出法などの常法により調製することもできる。また、動植物油脂の不ケン化物の主要成分をなしており、これらから常法により調製してもよい。以下、具体的に説明する。植物などの葉や茎、植物種子などを原料としてステロール類を調製するときには通常上記原料に前処理を施す。即ち、原料を乾燥し、次いで細かく破砕する方法が代表的なものである。ついで、この処理した原料に溶媒を接触させ、ステロール類を溶媒層に移す。溶媒としては例えばトルエン、ヘキサン、ベンゼン、石油エーテル、クロロホルム、酢酸エチル、エタノール、クロロホルム/メタノール混合溶媒が好ましい。その中でもとくにエタノールが好ましい。また、大豆油や綿実油などの植物油の精製時に生じるスカム(脱臭濃縮物)やトール油精製の際の副産物から、常法によってステロール類を調製することもできる。例えば、特公昭40-17599号公報には、溶媒抽出法によって得られた粗植物油の脱臭処理法を開示しているが、その方法を実施すると、つまり上記粗植物油に高温・高圧下、水蒸気を吹き込むと、スカムが副生するが、そのスカムをヘキサンやメタノール等を用いてステロール類を析出分離させることができる。
【0013】魚油の不ケン化物などを原料としてステロール類を調製するときには、通常、ケン化処理などの前処理を行って反応物を除去した後に、溶媒を接触させ、ステロール類を溶媒層に移す。これ以後の操作は上記ステロール類を含む植物を原料として溶媒抽出する操作と基本的には同じである。
【0014】別な方法として、例えば羊毛ロウ(ラノリン)などを原料としてステロール類を調製する操作は、上記ステロール類を含む植物を原料として溶媒抽出する操作と基本的には同じである。
【0015】かくして得られたステロール類を含む溶媒をそのまま呈味改善剤として使用することもできるが、通常この溶媒を加熱揮散させて濃縮物を得、さらに常法の精製方法を適用して本発明でいう呈味改善剤を調製する。
【0016】精製方法の代表的なものとしてシリカゲルカラムクロマト法などがある。この方法は、例えば、予めシリカゲルを充填したカラムに上記濃縮物を注ぎ込み、シリカゲルに担持させ、ついで、溶媒から構成される溶出液を注ぎ込んでカラム内に保持されたものを溶媒とともに流しさり、流出する溶媒を公知の手段で幾つかに分ける方法を採用すればよい。溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、分岐ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、エチルエーテルなどのエーテル類や酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類が使用可能である。通常のシリカゲルクロマトグラフィーを用いた場合、ヘキサン、酢酸エチルあるいはそれらの混合溶媒にて流出することが好ましい。混合溶媒を用いた場合、それら各溶媒の割合はとくに限定されるものではない。溶出温度は通常室温で行うが、とくに限定されるものではなく、低温下あるいは高温下で行ってもよい。
【0017】上記呈味改善剤を食品内に添加・配合し、食品が本来有する味を向上させることができる。味を向上させることができる食品としては、例えば無果汁飲料、果汁入り飲料、乳酸菌飲料、粉末飲料、茶飲料、コーヒー飲料などの飲料類、アイスクリーム、シャーベッド、氷菓などの冷菓類、プリン、ゼリー、ババロアなどのデザート類、ハードヨーグルト、ソフトヨーグルト、ドリンクヨーグルト、フローズンヨーグルトなどのはっ酵乳食品、バター、マーガリン、チーズなどの乳製品、ガム、パイ、チューインガム、キャンディなどの菓子類、水産練り製品、ラーメンスープ、カレーやクリームシチュー等のルー、コンソメやポタージュなどを挙げることができる。
【0018】それら食品中に配合される呈味改善剤の量は、食品などにより異なるものであるが、通常、製品中1 ppb〜100ppmとすることが好ましい。より好ましくは5 ppb〜50ppmである。さらに好ましくは10 ppb〜30ppmである。
【0019】上記呈味改善剤を上記対象物内に直接添加・配合してもよいが、通常予め呈味改善剤溶液あるいは分散液を調製し、ついでこの溶液あるいは分散液を食品に添加・配合する方法を用いる。この溶液あるいは分散液には、増粘剤、抗酸化剤などの各種添加剤をあらかじめ共存させておいてもよい。上記溶液あるいは分散液を得るために用いられる媒体としては、エタノール、グリセリンなどの中鎖脂肪酸エステル、ヤシ油やコーンサラダ油などの精製植物油、食用油を例示できる。この溶媒に添加する呈味改善剤の量は添加配合する対象物などにより、大幅に変わるものであるが、例えば10ppmないし50重量%である。
【0020】
【発明の効果】本発明の呈味改善剤を食品中に配合することにより、食品の本来の味に対して、ボリューム感、ジューシー感、こく味感、まろやかさを顕著に高める効果、いわゆる呈味改善効果を高めることを可能にする。即ち、各種のフルーツフレーバー、セイボリーフレーバー、緑茶、種々の合成甘味料に対して、本発明で規定するステロール類を添加すると、本来の味に対して、ボリューム感、ジューシー感、こく味感、まろやかさを顕著に高める効果が認められ、天然のフレーバーに近い調合香料が実現できた。しかも、呈味改善剤の配合量は少なくて済むので経済的に有利である。さらに、本発明の呈味改善剤を含有する調合香料を食品、とくに飲料に添加・配合することにより、果実やコーヒー等、天然の味や香りを再現でき、ボリューム感やこく味感、まろやかさを可能にした。
【0021】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお.実施例中とくに断らない限り数値は重量(%)を意味する。
【実施例1】米糠からの呈味改善剤含有溶液の調製米糠1kgを酢酸エチル5L中に50度で3時間浸漬または穏やかに撹拌する。ろ過後、濾液をエバポレーターを用いて濃縮する。濃縮物をシリカゲルカラム(2kgのシリカゲルを充填)にチャージした後、10%酢酸エチル/ノルマルヘキサン溶液(容量比)10Lで流去する。次いで、25%酢酸エチル/ノルマルヘキサン溶液(容量比)10Lで流出させ、流出物をエバポレーターを用いて濃縮乾固する。濃縮物をエタノールに溶解して終濃度10%の溶液に調製し、呈味改善剤を得た。収率は8.9%(固形物換算、米糠に対して)ステロール類含量9.3%であった。
【0022】
【実施例2】オカラを50℃で一昼夜かけて乾燥する。乾燥物1Kgを実施例1と同様の方法で処理することにより終濃度10%の呈味改善剤を得た。収率は2.4%(固形物換算、乾燥物に対して)ステロール類含量7.9%であった。
【実施例3】市販植物ステロール(ナカライテスク社、大豆由来品)をエタノールに溶解して終濃度1%溶液に調製し、呈味改善剤aを得た。
【0023】
【実施例4】市販植物ステロール(ナカライテスク社、大豆由来品)を中鎖脂肪酸エステルに溶解して終濃度1%溶液に調製し、呈味改善剤bを得た。
【実施例5】市販植物ステロール(ナカライテスク社、大豆由来品)をベンジルアルコールに溶解して終濃度5%溶液に調製し、呈味改善剤cを得た。
【0024】
【試験例1】アップルフレーバー含有チューインガムへの応用実施例3の呈味改善剤aの呈味改善能を下記の条件で評価した。得られた結果をグラフ1に示す。
評価試料の調製下記処方に記載されたガムベース、キシリトール、水飴をニーダにて十分に混練する。リンゴ酸を添加し、混練を続け、さらに、フレーバー、呈味改善剤aを添加し、混練を続け十分に混ぜ合わせる(50℃、30分間)。この混練物を押し出し処理して、幅、長さ、厚さがそれぞれ20mm、70mm、2mmのチューインガムを得た。
【0025】
[チューインガム処方]
ガムベース 24.000 %水飴 5.000リンゴ酸 0.800アップルフレーバー 1.000呈味改善剤a 0.010キシリトール 適量 計 100.000ガムベース 【0026】b) 評価方法下記■〜■項目の評価基準に対して下記4段階の点数評価を行った。

4段階点数: 1点)全く感じられない2点)やや感じられる3点)感じられる4点)強く感じられる【0027】[結果]パネル6名の評価平均値グラフ1
対照区として、呈味改善剤aの代わりに、エタノールを最終濃度で0.01%添加した。
【0028】総合的な呈味改善効果に対する評価上記試料の総合的な呈味改善効果を下記の基準に基づき評価した。
1点)対照区と同等であり、呈味改善効果なし2点)やや呈味改善効果を認める3点)はっきりと呈味改善効果を認める4点)強く呈味改善効果を認める評価結果パネル6名の評価平均値は3.9点であった。
【0029】
【試験例2】メロンフレーバー含有チューインガムへの応用実施例5の呈味改善剤cの呈味改善能を下記の条件で評価した。得られた結果をグラフ2に示す。
評価試料の調製下記処方に記載されたガムベース、キシリトール、水飴をニーダにて十分に混練する。クエン酸を添加し、混練を続け、さらに、フレーバー、呈味改善剤cを添加し、混練を続け十分に混ぜ合わせる(50℃、30分間)。この混練物を押し出し処理して、幅、長さ、厚さがそれぞれ20mm、70mm、2mmのチューインガムを得た。
【0030】
[チューインガム処方]
ガムベース 24.000 %水飴 5.000クエン酸 0.800メロンフレーバー 1.000呈味改善剤c 0.002キシリトール 適量 計 100.000b) 評価方法試験例1と同様な方法にて上記試料を6名のパネルにより官能評価した。
【0031】[結果]パネル6名の評価平均値グラフ2
対照区として、呈味改善剤cの代わりに、ベンジルアルコールを最終濃度で0.002%添加した。
【0032】総合的な呈味改善効果に対する評価上記試料の総合的な呈味改善効果を試験例1と同様な基準に基づき評価した。パネル6名の評価平均値は3.8点であった。
【0033】
【試験例3】ナシフレーバー含有チューインガムへの応用実施例5の呈味改善剤cの呈味改善能を下記の条件で評価した。得られた結果をグラフ3に示す。
評価試料の調製呈味改善剤cの量を0.03%とする以外は試験例2と同様な方法にて評価試料を得た。
b) 評価方法試験例2と同様な方法で評価試料を評価した。
【0034】[結果]パネル6名の評価平均値グラフ3
対照区として、呈味改善剤cの代わりに、ベンジルアルコールを最終濃度で0.03%添加した。
【0035】総合的な呈味改善効果に対する評価上記試料の総合的な呈味改善効果を試験例1と同様な基準に基づき評価した。パネル6名の評価平均値は3.8点であった。
【0036】
【試験例4】 ニボシフレーバーを附香したラーメンスープへの応用実施例4の呈味改善剤bの呈味改善能を下記の条件で評価した。
[フレーバーの調製]醤油味のラーメンスープとマッチする油溶性のニボシフレーバーとして下記の3点を調製した。
ニボシフレーバーニボシフレーバーに中鎖脂肪酸エステルを1%添加したものニボシフレーバーに呈味改善剤bを1%添加したもの【0037】評価試料の調製カップラーメン(スープ、かやく、麺などの合計80g)および上記フレーバー■ 0.3gが入った容器内に沸騰水をカップ内側の線まで注いだ(428g)。同様にして、上記フレーバー■ 0.3gが入った容器および上記フレーバー■0.3gが入った容器内に沸騰水をカップ内側の線まで注いだ(428g)
【0038】b) 評価方法上記フレーバー賦香カップラーメンのラーメンスープの味をパネル8名で比較評価した。
c) 評価結果ニボシフレーバーへの植物ステロールの添加効果については、塩角がとれマイルドな味になる、後味に呈味感残る、まるみ、まとまり、ふくらみがあり、きれが良いとの共通コメントを得た。また、ニボシフレーバーに中鎖脂肪酸エステルを加えたものと加えないものとの間では官能的に有意な差は認められなかった。
【0039】
【試験例5〜7】 カレー、シチュー、コンソメスープへの応用実施例4の呈味改善剤bの呈味改善能を下記の条件で評価した。
[評価試料の調製] カレー中辛タイプのカレールー44gに対して水300mLを加え、湯中で溶解する。そこへ呈味改善剤bを最終濃度0.01%、あるいは0.1%あるいは1%となるよう添加し、十分に攪拌する。
[評価試料の調製] シチュークリームシチューのルー34.5gに対して水300mLを加え、湯中で溶解する。そこへ呈味改善剤bを最終濃度0.01%、あるいは0.1%あるいは1%となるよう添加し、十分に攪拌する。
[評価試料の調製] コンソメスープコンソメスープの素5.3gに対して水300mLを加え、湯中で溶解する。そこへ呈味改善剤bを最終濃度0.01%、あるいは0.1%あるいは1%添加し、十分に攪拌する。なお、対照区として、呈味改善剤bを添加する代わりに、中鎖脂肪酸エステルを呈味改善剤bと同量添加したもの、及び無添加区を設けた。
【0040】[評価方法]評価試料は全て、60℃の湯中に置くことにより温度を一定にして、パネル3名によって官能評価した。
[結果]カレールー、クリームシチューのルー、コンソメスープの素のいずれの場合においても、呈味改善剤bを添加したものでは、対照区に比べて、顕著な呈味改善効果を認めた。即ち、呈味改善剤bを添加した区では、対照区に比べて、本来の味に対して、こく味、深味、ボリューム感、まろやかさが確認された。その効果は、呈味改善剤bの添加量が0.1%および1%でより顕著であった。また、中鎖脂肪酸エステルの添加量が少なくとも1%以下の濃度では、無添加区のものに比べて、味に何ら差は認められなかった。
【0041】
【試験例8】緑茶への応用実施例4の呈味改善剤bの呈味改善能を下記の条件で評価した。
[評価試料の調整]静岡産やぶきた茶40gに水1Lを加えて、60℃、3分間攪拌・抽出した。ろ過して茶葉を除いたろ過液に、ビタミンCを0.01%、呈味改善剤aを0.01%添加した後、水を加えてBrix.0.2に調整し、炭酸水素ナトリウム溶液でpH6.2に調整して、評価試料を調整した。なお、対照区は呈味改善剤aのかわりにエタノールを0.01%添加した。
【0042】[評価方法]
専門パネル8名による官能評価[評価結果]呈味改善剤aを添加した緑茶では、対照区に比べて、顕著な呈味改善効果を認めた。即ち、呈味改善剤aを添加した緑茶では、対照区に比べて、緑茶本来の味に対して、ボリューム感、まろやかさが確認された。
【0043】
【試験例9】 甘味料への応用実施例4の呈味改善剤bの呈味改善能を下記の条件で評価した。
[実験方法]キシリトール5%水溶液あるいはアスパルテーム0.0125%水溶液に対して、呈味改善剤aを0.1%加えて十分に混合する。対照区は呈味改善剤aの代わりにエタノールを0.1%加えた。
【0044】評価方法上記試料を5℃あるいは25℃あるいは50℃に温度コントロールして、パネル5名による呈味改善剤a添加区と対照区との官能評価比較を行った。
[評価結果]無添加区に対する呈味改善剤a添加区の効果
砂糖の主な代替甘味料としてキシリトール、アスパルテームが広く用いられている。しかしこれら甘味料は独特のエグ味、雑味を有しており、砂糖の「おいしさ」までは代替しきれていない。しかし、本発明の呈味改善剤を添加すると上記不都合さが改善された。
【出願人】 【識別番号】000169466
【氏名又は名称】高砂香料工業株式会社
【住所又は居所】東京都大田区蒲田五丁目37番1号
【出願日】 平成14年1月31日(2002.1.31)
【代理人】 【識別番号】100100734
【弁理士】
【氏名又は名称】江幡 敏夫
【公開番号】 特開2003−219832(P2003−219832A)
【公開日】 平成15年8月5日(2003.8.5)
【出願番号】 特願2002−23122(P2002−23122)