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【発明の名称】 胡麻入り豆腐及びその製造方法
【発明者】 【氏名】小池 要一

【要約】 【課題】胡麻成分を多く含み、風味が良く、かつ滑らかな食感を有し、外観も良好な胡麻入り豆腐、並びにその製造方法を開発すること。

【解決手段】5〜20重量%の胡麻ペースト及び0.5〜2重量%の胡麻油を含有する豆乳を、高圧ホモジナイザー処理した後、凝固させることを特徴とする胡麻入り豆腐の製造方法、並びにかかる方法で得られる胡麻風味が強く、絹ごし豆腐様の滑らかな食感を有する胡麻入り豆腐。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 5〜20重量%の胡麻ペースト及び0.5〜2重量%の胡麻油を含有する豆乳を、高圧ホモジナイザー処理した後、凝固させることを特徴とする胡麻入り豆腐の製造方法。
【請求項2】 高圧ホモジナイザーの圧力が、100〜400Kg/cm2であることを特徴とする請求項1記載の胡麻入り豆腐の製造方法。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法で製造された胡麻入り豆腐。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、胡麻入り豆腐及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、胡麻ペースト、胡麻油及び豆乳から成り、豆腐用凝固剤を使用して凝固させた、絹ごし豆腐様の滑らかな食感と強い胡麻風味を有する胡麻入り豆腐及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、胡麻豆腐は精進料理などとして食されている。胡麻豆腐の製法の概要は、煎り胡麻をすりつぶして水に溶解させ、これに葛澱粉などの澱粉を加えて濾過した後、加熱混合して粘着性の高いゾルを作り、これを容器に流し込んで冷却することによりゲルを形成させるものである。なお、最近ではカラギーナンなどのゲル化剤を使用しているものもある。胡麻豆腐は、弾力性が強くもちもちした食感であるなどの特徴を有しており、大豆を原料とする一般の豆腐とは異なって、食場面の応用が広がらない欠点がある。また、その保存性、安定性も悪く、工業的な大量生産が難しい手作り食品であるため、高価格なものにならざるを得ないものである。
【0003】これに対して、豆腐のバラエティ化の一つとして、大豆を原料とする豆乳に胡麻成分を添加した胡麻入り豆腐が製造されている。この胡麻入り豆腐は、豆乳に胡麻成分を添加し、豆腐用の凝固剤を用いて凝固させたものである。胡麻入り豆腐に求められる特性としては、胡麻の風味が胡麻豆腐並みに強く、かつ絹ごし豆腐のような滑らかな食感を有することである。
【0004】しかしながら、胡麻豆腐の胡麻含有量が5〜20%と高濃度であるのに対し、上市されている通常の胡麻入り豆腐は、胡麻含有量が2%程度と少ない。そのため、より強い胡麻風味を有する製品が求められていた。そこで、胡麻風味を向上させるために、胡麻フレーバーを添加して香りを強化させた製品も提案されているが、これは胡麻本来の自然な風味を十分有しているとは言えないものであった。
【0005】豆乳への胡麻成分の添加量を増加させれば、自然な胡麻風味は強化されるが、胡麻成分の添加量を増加させ過ぎると、胡麻入り豆腐はザラつき感が強くなり、食感に悪影響を及ぼす。そのため、胡麻豆腐と同程度の胡麻成分を添加した胡麻入り豆腐を製造することは不可能であると考えられていた。例えば、特開昭58−20177号公報には、黒胡麻を擂ったものと胡麻油をほぼ等量ずつ予め混合し、これを凝固剤を添加する直前に豆乳に混入させ、胡麻風味を向上させて滑らかな食感を得ようとする胡麻入り豆腐の製造方法が開示されている。しかし、単に摺った程度の胡麻では粒子が粗いため、その添加量は1%程度までと少なくせざるをえず、その結果、得られる製品の胡麻風味は弱く、かつ十分な滑らかさが得られないものであった。
【0006】また、特開昭49−124251号公報には、胡麻を油が溶出する程度までに十分磨り潰して得た胡麻ペーストか、胡麻を搾油して得た胡麻油を、豆乳に添加して、胡麻入り豆腐の品質の安定性向上を図る方法が記載されている。しかし、この方法によっても、胡麻ペーストや胡麻油は油性であるのに対して、豆乳は水性であるため、両者を均一に混和することが難しく、不均一な胡麻入り豆腐しか得られないという欠点があった。なお、胡麻油を用いて十分な胡麻風味を得るためには、胡麻油の添加量を多くする必要があるが、このようにして得られる製品は、上記した理由から、一層不均一な胡麻入り豆腐となる傾向が認められた。
【0007】
【発明が解決するための課題】以上の如く、胡麻風味を十分に有し、かつ絹ごし豆腐様の滑らかさを持つ胡麻入り豆腐の開発が望まれていたにもかかわちず、十分に満足し得る品質を有する製品は得られていなかった。胡麻入り豆腐の製造において、胡麻豆腐と同様の胡麻風味を得るためには、豆乳に対して胡麻豆腐の場合と同量の胡麻成分を添加する必要がある。しかし、胡麻成分が添加された豆乳は、前記したように、不均一な状態となり、絹ごし豆腐と同様の滑らかさを得ることは極めて困難である。
【0008】このような中でも、優れた品質の胡麻入り豆腐を得るためには、胡麻を油が溶出するくらいまで十分摺り潰して得た胡麻ペーストを使用するのが良いと考えられたことから、胡麻豆腐と同程度の量の胡麻ペーストを豆乳に添加して胡麻入り豆腐を製造するための条件について検討した。しかしながら、胡麻ペーストの添加量を増加させるに伴い、種々の問題が生じることが判明した。すなわち、胡麻ペーストが豆乳中に溶解しにくくなることにより、胡麻成分の沈殿が生成し、胡麻入り豆腐の外観が悪くなる上に、ザラツキが増して食感にも悪影響を及ぼすことが判明した。
【0009】また、胡麻ペーストの添加量を増加させると、豆乳の粘度が著しく上昇し、その結果、豆乳中に混入した空気が抜けにくくなる。そのため、この状態で豆乳を凝固させて胡麻入り豆腐を製造すると、内部に気泡が生じてしまい、外観と食感にも悪影響を与えるという問題も発生した。このように、胡麻成分の割合を増やして、かつ絹ごし豆腐様の滑らかな食感を備えた胡麻入り豆腐を得ることは非常に難しい。したがって、本発明の目的は、胡麻成分を多く含み、風味が良く、かつ滑らかな食感を有し、外観も良好な胡麻入り豆腐、並びにその製造方法を開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、豆乳に胡麻ペーストと胡麻油とを組み合わせて添加し、混合した後、特定の高圧ホモジナイザー処理を加えることにより、本課題を解決することができることを知見した。すなわち、胡麻成分が豆乳中に完全に溶解しないという問題を解決するため、胡麻成分として胡麻ペーストを用いることとした。摺り胡麻を用いると、添加量を増加させた場合に、豆乳中に完全に溶解できず沈殿してしまう。そこで、この摺り胡麻をさらに粉砕してペースト状とした胡麻成分を使用することにより、豆乳中にかなり均一に分散させることが可能となった。
【0011】しかし、このようにしても、依然としてザラツキが生じて絹ごし豆腐様の滑らかな食感は得られないという問題が解消されないことが分かったので、この問題の解決策として、本発明者らは高圧ホモジナイザーを用いることとした。その結果、十分量の胡麻ペーストを添加した豆乳を高圧ホモジナイザーで処理すると、胡麻ペーストがさらに微粉砕化され、胡麻の固形分によるざらつきが解消された。高圧ホモジナイザー処理することにより、より均質化された低粘度な豆乳を得ることが可能となり、滑らかな食感を維持したままで胡麻ペーストの添加量を増加させることが可能になった。
【0012】しかし、きめは細かくなったけれども、粉っぽさが残り、滑らかさの点では依然として不十分であった。そこで、この問題を解決するために、胡麻ペーストとともに胡麻油を添加し、高圧ホモジナイザー処理を行った結果、胡麻油に含まれる脂質の影響で、食感が改善されて滑らかになることが判明した。その結果、胡麻入り豆腐の粉っぽさを目立たなくさせることが可能となった。なお、豆乳に適量の胡麻油のみを添加することによって、滑らかな食感を有する製品が得られるが、この方法で、目的とする良好な胡麻風味を有する製品を得ようとすると、多量の胡麻油を添加せざるを得ない。その結果、胡麻油と豆乳が均一にならず、食感に悪影響を及ぼすことや、油臭が強くなること等の別の課題が生じ、目的とする良好な品質を有する製品を得ることができない。
【0013】なお、滑らかな食感を作り出すためには、胡麻ペーストのみを高圧ホモジナイザー処理し、これを豆乳に添加使用することも考えられるが、かかる胡麻ペーストの粘度が非常に高いため、工業的に実施することは困難である。しかも、豆乳に添加した後の均質化には効果がないことから、この方法は好ましくない。
【0014】したがって、本発明は、豆乳に胡麻ペースト及び胡麻油を加え、その後高圧ホモジナイザー処理をすることを特徴とするものである。すなわち、本発明は、5〜20重量%の胡麻ペースト及び0.5〜2重量%の胡麻油を含有する豆乳を、高圧ホモジナイザー処理した後、凝固させることを特徴とする胡麻入り豆腐の製造方法に関する。さらに本発明は、高圧ホモジナイザーの圧力が、100〜400Kg/cm2であることを特徴とする上記の胡麻入り豆腐の製造方法に関する。また、本発明は、上記の方法で製造された胡麻入り豆腐に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に使用する豆乳は、豆腐の製造に普通に用いられるものであれば良い。例えば、大豆を水と共に磨砕して得られる呉を加熱し、これを濾過して得られる豆乳等が挙げられる。豆乳は、Brixが11.0〜14.0(豆乳濃度計)程度の範囲のものが適当である。胡麻ペーストは、培煎した胡麻種子をミル等で流動性が認められる程度まですり潰したペースト状のものを意味し、培煎度や粒度、胡麻の種類等は特に限定されない。ただし、粒度の粗いすり胡麻では十分な効果は得られないので、必ず流動性の認められる程度まですり潰したペースト状のものを用いる必要がある。なお、胡麻ペーストの安定化のために、多糖類や乳化剤を添加したものも使用可能である。胡麻油としては、胡麻を焙煎後、搾油して得られる通常の胡麻油であれば良いが、好ましくは胡麻ペーストに近い胡麻風味の強い胡麻油を使用することが望ましい。なお、胡麻油は抗酸化作用があり、胡麻入り豆腐の品質を長期間安定化させる効果もあるので、好ましいものである。
【0016】さらに、本発明で用いる高圧ホモジナイザーとは、高い圧力をかけた後、細孔から試料を噴出させつつ乳化させる機能を有する装置を意味し、圧力を500Kg/cm2程度まで上げられるものであればよく、特に限定はない。高圧ホモジナイザーの具体例としては、GAULIN社製LAB40−10RBFTなどが挙げられる。
【0017】以下、本発明をさらに具体的に説明する。豆乳は、前記したように、豆腐の製造に普通に用いられるものであれば良く、その1例を示すと、常法通り加水し、一晩程度浸漬した大豆を水と共に摩砕し、得られる呉を加熱した後、これを濾過してオカラを分離して得られたBrix11.0〜14.0の豆乳が適当である。この豆乳に、胡麻ペーストを5〜20重量%及び胡麻油を0.5〜2重量%添加し、攪拌機(ピッチパドル型)で攪拌して胡麻入り豆乳を得る。なお、攪拌機による攪拌は必須であるが、攪拌の程度は粘性の強い胡麻ペーストがほぼ均一に分散される程度でよく、具体的には50〜100回転/分程度で5〜10分間程度実施すればよい。得られる豆乳は、胡麻ペーストの添加による粘度上昇を抑えるため、豆乳温度を15℃以下にしておくことが好ましい。また、最終製品である豆腐の味を調整するために、砂糖、食塩等を加えても良い。
【0018】次いで、胡麻ペーストと胡麻油を添加した上記胡麻入り豆乳を、高圧ホモジナイザーを用いて均質化処理を行う。このときのホモジナイザー圧力は、100〜400Kg/cm2が好ましい。高圧ホモジナイザー処理を行うと、少なからず熱が発生し、豆乳の温度が上昇する。温度上昇は、豆乳粘度の上昇、凝固剤を添加した時の反応速度の上昇につながるため、高圧ホモジナイザー処理後に、好ましくは15℃以下、より好ましくは5〜10℃まで豆乳を冷却する。
【0019】こうして得られた冷却胡麻入り豆乳に、適量の豆腐用凝固剤(例えば、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコノデルタラクトン等があり、これらを単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用する。)を、通常は胡麻入り豆乳に対し0.2〜0.5重量%添加した後、豆腐容器に充填、密封したのち、80℃前後で約40分加熱して凝固させ、胡麻入り豆腐を製造することができる。
【0020】
【実施例】本発明の詳細を、試験例及び実施例により説明する。はじめに、本発明の胡麻入り豆腐に製造に有効な胡麻ペースト、胡麻油の添加量などを決定すべく各種の試験を実施した。
【0021】試験例1 胡麻ペースト添加量の検討常法で作成された豆乳(Brix12.0)に、胡麻ペースト(2〜25重量%)を添加した後、高圧ホモジナイザーで圧力100kg/cm2の条件で処理した。得られた胡麻入り豆乳に、塩化マグネシウム0.15重量%と硫酸カルシウム0.15重量%を加えてから豆腐容器に充填、密封し、85℃で60分間加熱して凝固させた後、冷却して胡麻入り豆腐を製造した。その後、この製品について、25名の官能検査員によって胡麻風味と食感について官能評価した。評価は、胡麻風味については◎:強い、○:やや強い、△:やや弱い、×:弱いの4段階で行い、また食感についても◎:滑らか、○:やや滑らか、△:やや粗い、×:粗いの4段階で実施し、平均値を求めた。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】表1 胡麻風味と食感の評価
強すぎる【0023】表1から明らかなように、胡麻ペーストの添加量が2重量%では、胡麻入り豆腐は十分な胡麻風味が得られないが、食感は良好であった。これに対し、胡麻ペーストを5重量%以上添加すれば、十分な胡麻風味が得られるが、添加量を増やすに伴い粉っぽさが生じ、滑らかさが減少し、食感が劣ってくる。そのため、胡麻ペースト単独添加では満足できる製品は得られないとの結論に達した。なお、胡麻ペーストの添加量が25重量%になると、豆乳粘度が急上昇し、凝固に不均一さが生じ、絹ごし豆腐とは程遠い食感であった。その上、25重量%添加では、胡麻風味が強すぎるという評価であった。結局、胡麻ペーストは胡麻風味の付与に効果があり、その最適添加量は5〜20重量%であるとの結果が得られたが、この範囲の胡麻ペーストの添加量では食感が満足する製品は製造できなかった。
【0024】試験例2 胡麻油添加による食感への影響常法で作成された豆乳(Brix12.0)に胡麻ペーストを10重量%添加し、さらに胡麻油を0.2〜2.5重量%の範囲で段階的に添加した後、高圧ホモジナイザー処理を圧力100Kg/cm2の条件で行った。こうして得られた胡麻入り豆乳に塩化マグネシウム0.15重量%と硫酸カルシウム0.15重量%を加えて豆腐容器に充填、密封し、85℃で60分間加熱して凝固させた後、冷却して胡麻入り豆腐を製造した。その後、試験例1と同様にして胡麻入り豆腐の風味と食感について官能評価を行った。官能評価は、風味と食感について◎:非常に良い、○:良い、△:やや悪い、×:悪いの4段階で行い、平均値を求めた。その結果を表2に示した。
【0025】
【表2】表2 胡麻風味と食感の評価
【0026】表2から、胡麻油の添加により、胡麻入り豆腐の滑らかさが生じ、食感が改善される傾向が認められた。また、胡麻油の添加量が0.5重量%以上になると、豆腐の食感に改善が見られた。しかし、2.5重量%を超える量を添加すると、胡麻油臭が強くなり、かえって好まれない傾向が認められた。その結果、好適な胡麻油の添加量は、0.5〜2重量%であることが判明した。
【0027】試験例3 高圧ホモジナイザー処理の効果の検討常法で作成された豆乳(Brix12.0)に胡麻ペースト15重量%及び胡麻油1重量%を添加した後、高圧ホモジナイザー処理をしないものを対照とし、圧力50〜500Kg/cm2の条件で高圧ホモジナイザー処理を行った試験区を設定した。高圧ホモジナイザー処理により豆乳の粘度が低下することが予測されたので、処理前後での豆乳の粘度を測定した。また、こうして得られた胡麻入り豆乳に塩化マグネシウム0.15重量%と硫酸カルシウム0.15重量%を加えた後、豆腐容器に充填、密封し、85℃で60分間加熱して凝固させた。次いで、冷却して胡麻入り豆腐を製造した。得られた製品の食感について、試験例1と同様にして評価した。その結果を表3に示した。
【0028】
【表3】表3 豆乳粘度の変化及び食感の評価
【0029】表3から明らかなように、高圧ホモジナイザー処理の圧力は高い方がより微粒子化され粘度が低下し、また滑らかさも増すが、それに伴い処理熱が発生する。その熱により胡麻入り豆乳の粘度が上昇し、食感に悪影響を与える。特に、圧力が500Kg/cm2では、粘度の急上昇が見られ、胡麻入り豆腐の食感が著しく低下した。以上より、高圧ホモジナイザー処理の際の好適な圧力は、100〜400Kg/cm2であることが分かった。また、胡麻ペーストの添加割合が20重量%でも、高圧ホモジナイザーの圧力を上げることにより、製品の食感は改善され、十分な滑らかさを有することが可能となった。
【0030】実施例1常法通り、加水して一晩程度浸漬した大豆を水と共に摩砕し、得られた呉を加熱した後、これを濾過によりオカラを分離してBrix13.0(豆乳濃度計SM−20:アタゴ社製で測定)、粘度12.0cp(B型粘度計で測定)の豆乳を得た。この豆乳42.0Kgを10℃まで冷却した後、胡麻ペースト7.5Kgと胡麻油0.5Kgを、少量ずつ攪拌しながら冷却した豆乳に添加した。胡麻ペーストと胡麻油を豆乳中に均一に分散させた後、高圧ホモジナイザー処理を圧力200Kg/cm2の条件下で行い、均質化を行った。こうして得られた胡麻入り豆乳(Brix17.0、粘度30cp)を8℃まで冷却した。この冷却胡麻入り豆乳に、塩化マグネシウム0.15重量%と硫酸カルシウム0.15重量%を添加後、豆腐容器に充填し、85℃で60分間加熱した。加熱終了後、10℃まで冷却して、充填胡麻入り豆腐を製造した(本発明品)。
【0031】このようにして調製した本発明品と、市販されている胡麻を含む製品を参考にしてサンプル(比較品)を試作し、それぞれについて官能評価を行った。なお、比較品の調製方法は以下の通りであった。すなわち、上記本発明品と同様の豆乳49.0Kgに対し、胡麻ペーストを1.0Kg添加し、攪拌により十分胡麻ペーストが豆乳中に溶けたことを確認した後、塩化マグネシウム0.15重量%と硫酸カルシウム0.15重量%を添加し、豆腐容器に充填した後、85℃で60分間加熱した。加熱終了後、10℃まで冷却して、比較品の充填胡麻豆腐を製造した。官能検査は25人の官能検査員に本発明品と比較品を試食させ、非常に良いを5点、やや良いを4点、良いを3点、やや悪いを2点、悪いを1点とする5段階評価で点数を付けて、平均値を求めて評価した。結果を表4に示した。
【0032】
【表4】表4 本発明品と比較品の比較
【0033】以上の結果、本発明品は胡麻ペーストの添加量を15重量%まで増加させたにもかかわらず、胡麻ペーストを2重量%添加した比較品と同程度の滑らかさを有している。また、本発明品は胡麻ペーストが増量されており、胡麻の風味が強化されて、味もより好まれるものであった。
【0034】実施例2常法によって調製したBrix13.0で粘度12.0cpの豆乳42.0Kgを10℃まで冷却し、この豆乳に胡麻ペースト7.5Kgと胡麻油0.5Kgを、少量ずつ攪拌しながら添加した。さらに、製品である胡麻入り豆腐の味を調整するために、砂糖100gと食塩20gを豆乳に加えた。その後、高圧ホモジナイザーで圧力200Kg/cm2の条件下で均質化処理を行った。こうして得られた胡麻入り豆乳(Brix17.0、粘度30cp)を8℃まで冷却したのち、この冷却した胡麻入り豆乳に、塩化マグネシウム0.15重量%と硫酸カルシウム0.15重量%を添加し、容器に充填して、85℃で60分間加熱した。加熱終了後、10℃まで冷却して充填胡麻入り豆腐を製造した。得られた胡麻入り豆腐は、胡麻風味が強く、滑らかである上に、味も良いものであった。
【0035】
【発明の効果】本発明により、胡麻入り豆腐の製造に際して、豆乳中に添加できる胡麻ペーストの量を豆腐の物性に悪影響を及ぼすことなく増加させることが可能となった。しかも、胡麻ペーストと胡麻油を組み合わせて豆乳に添加し、これを高圧ホモジナイザー処理した後、豆腐を製造するため、胡麻本来の風味を十分に有し、かつ絹ごし豆腐様の食感を持つ胡麻入り豆腐を製造することができる。
【出願人】 【識別番号】398065531
【氏名又は名称】株式会社ミツカングループ本社
【出願日】 平成14年1月28日(2002.1.28)
【代理人】 【識別番号】100074077
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 藤郎 (外1名)
【公開番号】 特開2003−219830(P2003−219830A)
【公開日】 平成15年8月5日(2003.8.5)
【出願番号】 特願2002−18363(P2002−18363)