| 【発明の名称】 |
加熱加工食品の高品質化方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】福間 康文
【氏名】東 健一郎
【氏名】三島 睦夫
【氏名】山根 昭彦
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| 【要約】 |
【課題】加熱加工食品の高品質化方法及びその製品を提供する。
【解決手段】加熱加工(調理)する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理方法であって、加熱加工する際に、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を均一化することを特徴とする加熱加工する食品原料内の水分の存在状態の均一化方法、上記方法による、食品の加熱加工時間の短縮方法、加熱加工食品の品質改善方法、加熱加工食品の加熱ムラ低減方法、及び加熱加工食品の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加熱加工(調理)する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理方法であって、加熱加工する際に、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を均一化することを特徴とする加熱加工する食品原料内の水分の存在状態の均一化方法。 【請求項2】 加熱加工する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化した後、加熱加工して、食品の加熱加工時間を短縮する方法であって、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、加熱加工する、ことを特徴とする食品の加熱加工時間の短縮方法。 【請求項3】 加熱加工する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化した後、加熱加工して、加熱加工食品の品質を改善する方法であって、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、加熱加工する、ことを特徴とする加熱加工食品の品質改善方法。 【請求項4】 加熱加工する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化した後、加熱加工して、加熱加工食品の加熱ムラを低減させる方法であって、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、加熱加工する、ことを特徴とする加熱加工食品の加熱ムラ低減方法。 【請求項5】 焼成加工して、焼成加工食品の焼きムラを低減させる請求項4に記載の加熱ムラ低減方法。 【請求項6】 請求項5に記載の方法により焼成加工して製造されたことを特徴とする焼きムラの低減された焼成加工食品。 【請求項7】 加熱加工する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化した後、加熱加工することにより加熱加工食品を製造する方法であって、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、加熱加工する、ことを特徴とする加熱加工食品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、加熱加工(調理)する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、加熱加工(調理)することで、加熱加工食品を高品質化する方法に関するものであり、更に詳しくは、食品を加熱加工(調理)する際に、上記食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工(調理)原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理方法と、これを加熱加工(調理)する方法とを組み合わせることで、加熱加工時間の短縮化、加熱加工食品の品質の改善、加熱加工食品の加熱ムラの低減、それらによる加熱加工食品の製造方法の改善、得られる製品の高品質化を実現することを可能とする、新しい加熱加工食品の高品質化技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、食品中の水分は、ランダムに、しかも不均一に散在している。したがって、加熱加工(調理を含む) 食品の加熱工程においては、外部からの熱は食品内部に均等に伝導されていない。その結果、加熱加工(調理)する際に、焼きムラ、茹でムラなど加熱ムラが引き起こされ、加えて、食品内部からの部分的な旨み成分の流出、食品中の水分の部分的蒸散を招き、食品の外観、テクスチャー、味、風味等における著しい品質低下が避けられない状況にある。 【0003】一方、水は、温度によりクラスター(分子集団) の大きさが変化することが知られている。しかし、食品原料中の水分の存在状態を均一化することと、上記クラスターとの関係については、未だ不明な点が多く、しかも、これまで、食品原料内の水分の存在状態と該食品原料の加熱加工(調理)との関係について研究された例はほとんどなく、したがって、食品原料内の水分の存在状態の差異が、加熱加工(調理)にどのような影響を与えるのか、といった問題は、未だ未解決の状態にあるのが実情である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このような状況の中で、本発明者らは、物性特性、示差熱分析、電子顕微鏡観察、X線回折により、食品原料内の水分の存在状態を調べるとともに、食品原料内の水分の存在状態の均一ないし不均一性とその加熱加工に与える影響との関係を種々調べたところ、水のクラスターについては、プラスの温度領域では大小のクラスターが混在するが、低温、特に0℃以下においてはクラスターが小さくなり、食品原料中でのその移行性が高まること、その結果、食品原料中のタンパク質、多糖類などの生体高分子と水との親和性も均一に高まり、加熱加工(調理)時の加熱ムラの低減に繋がり、加熱時間の短縮化とともに加熱加工(調理) 食品の品質の向上化が可能になることがわかった。 【0005】そこで、本発明者らは、更に、食品原料内の水分の存在状態を均一化する方法及び該方法と加熱加工方法とを一体化した新しい加熱加工(調理)技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持することによって、食品原料内に存在する、移動しやすい自由水、通常の自由水、及び束縛水の存在状態を均一化できること、また、食品原料内の水分の存在状態をこの方法で均一化してから加熱加工(調理)することにより、加熱加工(調理)時間の短縮化、加熱加工食品の高品質化、加熱加工食品の加熱ムラの低減化、食品の加熱加工方法の改善の点で、顕著な効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0006】すなわち、本発明は、加熱加工(調理)する食品原料内の水分の存在状態を均一化する方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、上記方法で食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、加熱加工(調理)を施すことからなる食品の加工方法を提供することを目的とするものである。更に、本発明は、上記方法により、食品の加熱加工時間を短縮する方法、上記方法により加熱加工食品の品質を改善する方法、上記の方法により加熱加工食品の加熱ムラを低減する方法、上記方法により加工することで得られる品質改善された加熱加工食品、及び上記方法により加工することで得られる加熱ムラの低減された加熱加工食品、を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)加熱加工(調理)する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理方法であって、加熱加工する際に、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を均一化することを特徴とする加熱加工する食品原料内の水分の存在状態の均一化方法。 (2)加熱加工する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化した後、加熱加工して、食品の加熱加工時間を短縮する方法であって、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、加熱加工する、ことを特徴とする食品の加熱加工時間の短縮方法。 (3)加熱加工する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化した後、加熱加工して、加熱加工食品の品質を改善する方法であって、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、加熱加工する、ことを特徴とする加熱加工食品の品質改善方法。 (4)加熱加工する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化した後、加熱加工して、加熱加工食品の加熱ムラを低減させる方法であって、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、加熱加工する、ことを特徴とする加熱加工食品の加熱ムラ低減方法。 (5)焼成加工して、焼成加工食品の焼きムラを低減させる前記(4)に記載の加熱ムラ低減方法。 (6)前記(5)に記載の方法により焼成加工して製造されたことを特徴とする焼きムラの低減された焼成加工食品。 (7)加熱加工する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化した後、加熱加工することにより加熱加工食品を製造する方法であって、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該加熱加工原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、加熱加工する、ことを特徴とする加熱加工食品の製造方法。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に説明する。そもそも食品加工における加熱の目的は、1)安全性や貯蔵性の向上、2)除去・分離操作の補助・促進、3)消化性や嗜好性の改善、に大別することができる。これらの目的を達成するための加熱条件はさまざまであるが、加熱条件が不適当な場合には、所期の目的を達成できないだけでなく、焦げ臭、褐変、栄養価の低下などによる品質低下を招くことがある。そこで、食品の性質や加熱の目的に応じて、最適加熱条件(昇温速度、到達温度、温度保持時間、冷却速度)を設定することが大事である、とされている(「食生活と加工食品」、日本家政学会編、朝倉書店)。基本的には加熱条件を検討することが最重要課題であり、前処理、しかも0℃以下の未凍結温度領域における均一化処理を施すことが加熱食品の向上、加熱時間の短縮化などを可能にするといった発想はこれまでに報告がない。 【0009】また、加えて、加熱加工の目的の中で安全性や貯蔵性の向上があるが、濃厚ポタージュや濃縮果汁の加熱殺菌を行う場合、表面部分のみ加熱され、中心部分には熱が伝導しにくく、残菌など安全性、衛生上の問題が発生する。しかし、これら不均一的加熱処理の対処法は、被加熱食品を静置しないで、振動させたり、回転させる(回転殺菌法という)ことにより、均一に加熱殺菌する(「食品化学」、藤巻ら共著、朝倉書店)というように、加熱時の物理的条件付けの研究が圧倒的に多く、前処理としての加熱ムラの解決方法そのものが無いか、あるとしても僅かである。更に、一般に、煮熟前の穀類の吸水処理において、その吸水率は浸漬温度によって異なり、温度が高いほど速まる。したがって、常識的には如何に高温で浸漬処理を行うかという方法論に従うけれども、高温・長時間の浸漬は異臭を生じ、まめ類などの場合、種皮の破裂を著しくする傾向があるため、留意する必要があるとされている(「植物性食品II」、下村ら編、朝倉書店)。これらの事項からも明らかなように、0℃以下の未凍結温度領域を活用した水浸漬など予備的処理技術は、新しい技術思想によるものである。 【0010】本発明の方法は、特に、天然物由来の食品原料、例えば、農産物、畜産物、水産物などの食品原料内の水分の存在状態を均一化するのに好適に用いられる。一般に、天然物由来の食品原料には、移動しやすい自由水、通常の自由水、及び束縛水が存在しており、通常、例えば、粉体、粒状等の食品原料の調製時に、表面の乾燥化等により、食品原料中の水分の存在状態はアンバランスになっていることが多々みられ、また、通常、それを防ぐことは困難である。したがって、通常、食品原料を加熱加工する際に、例えば、精白米、豆類等の食品原料を水に浸漬処理することが行われているが、浸漬に長時間を要し、かなりの時間的、経済的ロスを避けられないのが実情である。本発明は、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持することで食品原料内の水の存在状態を均一化する方法、この方法で食品原料中の水の存在状態を均一化した後、加熱加工(調理)することで、加熱ムラを低減する方法、加熱時間を短縮する方法、加熱加工食品の品質を改善する方法、等の新しい加熱加工(調理)技術を提供するものである。 【0011】次に、本発明の均一化処理−加熱加工(調理)方法の好適な態様を幾つか例示する。 (1) 加熱加工(調理) 原料(農産物、畜産物、水産物など) を、例えば、0℃以下の未凍結温度領域、湿度30%〜100%にて1時間〜6ヶ月間保存し、均一化処理を行った後に、加熱加工(調理) する。 (2) 加熱加工(調理) 原料(農産物、畜産物、水産物など) を、例えば、0℃以下の未凍結温度領域の水(食塩水、調味液含む) に10分〜6ヶ月間浸漬し、均一化処理を行った後に、加熱加工(調理) する。 (3) 加熱加工(調理) 原料(農産物、水産物、畜産物など) に、例えば、副原料(食塩、調味液、発酵微生物など) を加え、一次加工した後、0℃以下の未凍結温度領域、湿度30%〜100%にて1時間〜6ヶ月間保存し、均一化処理を行った後に、加熱加工(調理) する。 (4) 加熱加工(調理)原料(農産物、畜産物、水産物など) を、例えば、一次加工した後、0℃以下の未凍結温度領域に保持して、該原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、加熱加工(焼成加工など)する。 (5) 上記(1) 〜(4) の均一化処理とともに、乾燥、加圧、減圧、電磁波照射などの処理を同時に行った後に、加熱加工(調理) する。 【0012】次に、温度領域については、本発明において、0℃以下の未凍結温度領域とは、0℃以下、食品の凍り始める温度(氷結点) まで、ないしは過冷却温度領域を含めた未凍結温度領域を意味する。具体的には、生鮮食品類においては概ね0℃〜−5.0℃であり、穀類、豆類、栗、ナッツ類、コーヒー豆、海藻類などにおいては概ね0℃〜−30℃である。各食品原料内の水分の均一化において、適宜緩慢冷却あるいは段階的昇温処理を付加することによって、更に均一効果を高めることができる。次に、湿度条件については、食品の種類、状態により、概ね30%〜100%であるが、食品の種類、状態、処理時間などにより適宜調節して最適化する。次に、処理期間については、浸漬、あるいは加水物における均一化は比較的短時間にての処理が可能であるが、穀類などのように乾燥状態の食品の場合、長時間を要するため、適宜調節して最適化する。次に、適応食品については、好適には、米、小麦、蕎麦、トウモロコシなど穀類、大豆、小豆など豆類、粟、コーヒー豆、カカオ、ナッツ類、海藻類、その他植物性原料及びこれらの加熱加工(調理) 食品、水産物、畜産物など動物性原料(魚の一夜干し、畜肉、鶏肉など)及びこれらの加熱加工(調理) 食品等が例示される。 【0013】本発明により得られる均一化処理−加熱加工(調理)の主な作用効果を以下に示す。 (1)加熱加工(調理) 時間の短縮化により、生産コストの削減が可能となる。 (2)加熱加工(調理) 製品の水分の保持率の向上、ないしは水分活性の低下が引き起こされ、外観(色調の保持、ツヤなど)、テクスチャー(歯ごたえ、咀嚼性など)、物性面(弾力性、伸展性など) における高品質化が可能となる。 (3)澱粉高含有食品(麺類、パン類、穀類、栗、ナッツ類など) においては、各食品中に散在する澱粉粒のアルファー化が均一に促進されるのみならず、グルテンの形成、水和をも促進し、併せて酸化、老化を抑制することが可能となる。 (4)水産物、畜産物などの動物性原料(魚の一夜干し、畜肉、鶏肉など)においては、例えば、焼成工程における焼きムラ、局所的な焼け焦げ、及び焼成時の食品の反り返りを確実に防止することが可能となる。本発明は、食品中の水の均一化処理と加熱加工(調理) を組み合わせることによって加熱食品の高品質化を可能にするものであるが、この方法の前処理でもある均一化処理は、非加熱食品において、特に、味なじみ、塩かどの低減にも効果がある他、冷凍食品製造の冷凍前処理にも有効であり、解凍時の鮮度保持、ドリップの低減などを可能にする方法として有用である。 【0014】本発明において、加熱加工(調理)とは、例えば、煮る、茹でる、焼く(焼成)、乾熱する等に代表される通常の加熱加工(調理)を意味するものであり、工業的な加熱加工プロセス、調理過程における加熱加工プロセスの全てを包含する。したがって、これらの加熱加工の手段、条件及び装置そのものは、特に制限されるものではなく、対象とされる加熱加工食品の種類、加熱加工方法に応じて通常の加熱加工(調理)技術が適宜使用される。本発明において、加熱加工する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、加熱加工することにより、食品の加熱加工時間の短縮化、加熱加工食品の品質の改善化、加熱加工食品の加熱ムラ(特に、焼きムラ、局所的な焼け焦げ、食品の反り返りなど)の低減化、これらによる加熱加工食品の高品質化を実現することが可能となる。これらの加熱加工食品の品質上の改善効果は、加熱加工食品の高付加価値化、製造経費の低コスト化、人的・資源エネルギーの有効利用、加熱加工技術の近代化及びイノベーションを実現化する重要かつ必須のものとして当該技術・産業分野において強く待望されているものである。本発明は、例えば、ベーカリー製品、豆類製品、穀類製品、ナッツ類製品、麺類、練り製品、水産物(一夜干しなど)、畜肉製品(焼き鳥など)に代表される加熱加工食品の新しい加熱加工技術として有用である。特に、水産物(アジ、イカ等の一夜干しなど)、畜肉製品(焼き肉、焼き鳥など)を焼成した場合、焼きムラ、局所的な焼け焦げ、食品の焼成時の反り返りがなく、通常の焼成方法では得られない効果が奏される。 【0015】次に、試験例に基づいて本発明を具体的に説明する。 試験例1本試験例では、加熱加工(調理)の予備的処理としての、食品原料内の水分の存在状態の均一化の基礎的実験例について説明する。したがって、ここでは、加熱加工(調理)のプロセスについての説明は省略する。 (1)加水による小麦粉の均一化処理試験について1)方法200gの小麦粉に水90mlと食塩2.5gを加え、ホームベーカリーにて12分間捏ねあげ、これを1cm厚及び3mm厚に延ばし、一定の大きさに切断したもの(縦4cm×横2cm、含水率40%;以下、ドウという)を供試材料とした。ドウを常温(+20℃、相対湿度40%)及び0℃以下(−0.5℃、相対湿度40%)に設定した貯蔵庫内にて均一化処理を施し(重量減少率15%を終点とした)、その均一化の状態の外観観察(1cm厚)及び示差熱分析(3mm厚)を行った。なお、外観観察については約3%乾燥時の切断面について調査し、示差熱分析についてはサンプルパン(示差熱分析用の容器)にてくり抜き、分析用サンプルとした。 【0016】2)結果まず、外観観察の結果を図1及び図2に示す。常温における均一化では内部より表面が特に乾燥が進み、その表面は粗く、硬化が促進している状態を呈し、不均一性を示していた。一方、0℃以下における均一化では、ドウの内側、外側の乾燥状態が均一であり、しっとり感を呈していることが明らかである。ここでは、詳細は示していないが、5℃前後にて均一化処理したものは、常温と0℃以下のものとの中間に位置していることも観察された。 【0017】次に、示差熱分析の結果を図3〜図5に示す。示差熱分析の結果、処理前では、40℃(移動しやすい自由水)、110℃(自由水)、135℃(束縛水)に吸収ピークが観察された(図3)。次に、常温で処理したものは、110℃(自由水)のピークが著明に減少し、表面の過度の乾燥などアンバランスな水分の存在状態を示していた(図4)。一方、−0.5℃で処理したものは、40℃、110℃及び135℃のピークがバランス良く観察され、表面、内側に限らず均一に水分が存在していることが確認された(図5)。 【0018】(2)水浸漬した精白米について1)方法精白米に15℃及び−0.5℃の冷水を加え、12時間浸漬した後、得られた浸漬米の切断面を走査電子顕微鏡(1000倍及び3000倍)にて観察した。 2)結果その結果を図6及び図7(顕微鏡写真)に示す。図6に示されるように、15℃の水にて浸漬した精白米の表面は粗く、水分の存在状態にムラが発生し、亀裂が多数観察された。一方、図7に示されるように、−0.5℃の水にて浸漬した精白米の表面はなめらかであり、水分子が精白米中の内胚乳(貯蔵デンプンに富む)等と高い親和性を示しながら均一に存在していることが確認された。水の存在が均一な状態を示す−0.5℃浸漬精白米を用いて炊飯したところ、15℃浸漬のものと比較して、米飯中澱粉のアルファ化がより促進され、結果として炊飯米としての水分の保持率が向上し、ツヤ、透明感を有するなどの高品質化が可能となる他、炊飯時間の短縮化が図れることがわかった。 【0019】試験例2本試験例では、加熱加工(調理)の予備的処理としての、小麦粉ドウ内の水分の存在状態の均一化処理におけるその物理的特性について説明する。したがって、ここでは、加熱加工(調理)のプロセスについての説明は省略する。 (1)試験方法供試材料として、市販の中力小麦粉より作製した小麦粉ドウを成形し、使用した。乾燥処理には、インキュベーターを用い、+20℃設定にて乾燥処理を施す冷風乾燥処理区と、−0.5℃設定にて乾燥処理を施す均一化処理区の2試験区を設けた。また、各試験区について、重量減少率が10%になるまで乾燥処理を施した小麦粉ドウを用い、以下の1)〜5)の調査を行った。 1)物性測定これは、レオメーター(レオテック社製)を用いて測定を行った。破断応力(g)、脆さ(g)の測定は、球状プランジャー(7φ使用)、突き刺し速度6cm/minの測定条件で行った。 2)示差熱分析これは、TG−DTA(MACサイエンス社製)を用いて分析を行い、室温(+23℃)から160℃までK/minで昇温した時の吸熱反応及び重量減少率を調査した。 3)水分含有率及び色調これらの測定は、常法に従って行った。 4)電子顕微鏡による組織構造の観察これは、小麦粉ドウを金でスパッタリングコートした後、走査型電子顕微鏡(日本電子社製、加速電圧10kV)で組織構造の観察を行った。 5)デンプン結晶構造の調査これは、X線回折装置(rigaku社製)を用いて行った。 【0020】(2)試験結果まず、物性測定の結果について説明する。図8に、各試験区における小麦粉ドウの乾燥曲線を示す。図8より、均一化処理区は、冷風乾燥区に比べ、乾燥速度が遅いことが観察された。本試験においては、冷風乾燥区は約17時間、均一化処理区では約27時間の乾燥処理を施し、10%乾燥した小麦粉ドウを得た。図9に、物性測定の条件及び小麦粉の波形を示す。図10に、各試験区における乾燥処理後の破断応力を示す。図11に、各試験区における乾燥処理後の脆さを示す。破断応力及び脆さについては、図10及び図11より、均一化処理区の方が数値が低く、表層部と内部の硬さの差が小さいことが確認された。このように、物性測定の結果、均一化処理区は冷風乾燥区よりも表層部の部分的な硬化が進行していないことが観察された。 【0021】次に、示差熱分析の結果について説明する。図12に、原料小麦粉には60℃付近に吸熱ピークが確認され、乾燥前の小麦粉ドウには、60℃付近と120℃付近に吸熱ピークが確認された。この60℃付近の吸熱ピークは、文献等から、デンプンの糊化反応によるものと判断できる。一方、120℃付近の吸熱ピークは加水後に現れていることから、糊化反応に使われなかった水分、つまり水和していなかった水分によるものと考えられる。図13に、小麦粉ドウ表層部のDTA曲線を示す。図13より、表層部については、原料小麦粉と同じように60℃付近の第1ピークしか観察されなかった。この図より、均一化処理区の方が、第1ピークが大きいことから、糊化反応に伴う吸熱変化が大きいことが観察された。これはデンプンンと水和している水分が多いためと考えられる。 【0022】また、160℃まで昇温した時の重量減少率が、冷風乾燥区は約19%であるのに対し、均一化処理区は約24%であることから、均一化処理区は冷風乾燥区に比べ、小麦粉ドウ表層部の水分含有率が高いものと推察された。図14に、小麦粉ドウ内部のDTA曲線を示す。図14より、内部については、乾燥前の小麦粉ドウと同じく、第1ピークと第2ピークの2つのピークが観察された。この図より、均一化処理区は冷風乾燥区に比べ、第1ピークが大きく、第2ピークが小さい傾向が観察され、表層部と同様、内部においても均一化処理区の方が水和している水分が多いと考えられる。このように、示差熱分析の結果より、均一化処理区は冷風乾燥区に比べ、高い水和状態にあると考えられる。また、160℃まで昇温した時の重量減少率を比較したところ、両試験区ともに約36%であることから、均一化処理区は冷風乾燥区に比べ、表層部と内部の重量減少率の差が小さいことが確認でき、より均一的に乾燥されているものと推察された。これは、小麦粉ドウ内部の第2ピークが小さくなっていることから、水和していない水分が表層部へ移行しているためと考えられる。 【0023】小麦粉ドウ表層部の水分含有率を常法に従って測定した結果、10%乾燥後、均一化処理区は冷風乾燥区い比べ、水分含有率が高いことが確認された(表1)。 目視による外観観察より、表面色に差が確認されたことから、小麦粉ドウ表面の色調を測定したところ、冷風乾燥区は明るさを表すハンターL値が低下していることから、暗色化が進行しているものと考えられた。一方、均一化処理区には大きな変化は確認されず、暗色化等の変化が起こっていないものと考えられた(表2)。 【0024】 【表1】
【0025】 【表2】
【0026】更に、電子顕微鏡を用い、小麦粉ドウ表面の組織構造を観察(×300)したところ、冷風乾燥区には、ところどころにひび割れが確認されたが、均一化処理区にはひび割れは確認されなかった(図15)。この冷風乾燥区に観察されたひび割れは、急速な乾燥によりケースハードニング(表面硬化)が生じたためだと考えられる。このケースハードニングの発生を防止するためには、保水性の強い物質を添加する方法があるが、均一に乾燥することが可能である均一化処理は、保水性の強い物質を添加することなく抑制できるものと考えられる。 【0027】図16に、原料小麦粉及び乾燥前の小麦粉ドウのX線回折パターンを示す。図16より、原料小麦粉には、15°、17°、18°及び23°に比較的大きいピークが観察される。しかし、乾燥前の小麦粉ドウは、加水することによってデンプンが結晶性を失うため、固有のピークが観察されなくなる。図17に、乾燥処理後の小麦粉ドウ表層部のX線回折パターンを示す。図17より、冷風乾燥区には原料小麦粉と同じく、15°、17°、18°及び23°にピークが観察された。一方、均一化処理区は、ピークが観察されず、乾燥前の小麦粉ドウと同様な回折パターンを示した。この冷風乾燥区に原料小麦粉と同様な回折パターンが現れたのは、劣化が進行しているものと考察される。一方、均一化処理区にはピークが観察されないことから、劣化の進行が抑制されているものと考えられる。 【0028】以上のとおり、均一化処理は、冷風乾燥処理に比べ、破断応力及び脆さが小さく、表層部の硬化が抑制されているのが確認された。また、示差熱分析の結果より、均一化処理は小麦粉ドウ表層部、内部ともに高い水和状態を維持し、更に、小麦粉ドウ内部から表層部への水分移行により、均一的に乾燥されるものと考えられる。また、電子顕微鏡による組織構造の観察、X線回折装置によるデンプン結晶構造の観察等の結果より、均一化処理は、乾燥による小麦粉ドウ表面の劣化を抑制するものと推察される。尚、上記試験例では、加熱加工(調理)の予備的処理としての、食品原料内の水分の存在状態の均一化処理について具体的に説明したが、上記食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、通常の方法により加熱加工(焼成など)することにより、後記する実施例に具体的に示されるように、従来の方法からは到底予期し得ない格別の作用効果が得られる。 【0029】 【作用】本発明は、加熱加工(調理)する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をすることにより、加熱後に高品質化や加熱加工(調理)時間の短縮化が可能になる、といった作用効果が得られるが、これらは、水の均一化による親和性の拡大や加熱加工時の加水分解を促進させるような準備(例えば、酵素タンパク質と水分子の水和を高めておくなど)が出来ているため、加熱加工時に均一的なる熱の伝導が可能となり、加熱時間の短縮化や加熱ムラの低減化が達成され、また、物理的品質向上に加えて酵素的加水分解がより促進され、得られた加熱加工食品の糖含量が増え、結果として加熱加工食品が高品質化することによるものと考えられる。 【0030】 【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。 実施例1(生あん原料の均一化処理−加熱加工)原料豆(アズキ) を水洗後、煮熟(2〜3時間)、裏ごし、篩別して得られたあん汁を水晒、脱水し、生あんを製造する工程において、原料アズキの保存・均一化処理を−1℃(相対湿度80%、段階的昇温処理含む) にて10日間行ったもの(均一化処理区)と、従来通り、常温にて保存されていたもの(無処理区)とから製造される生あんの品質を比較した。まず、水道水中(15℃、24時間) におけるアズキ(100粒) の吸水率をアズキ粒の横幅の膨張率にて比較した結果、表3に示したように、均一化処理区の方が無処理区より有意に高く、アズキの中に水道水が浸漬ムラなく均一に浸透していることが明らかとなった。また、煮熟時間を製品化(生あん) 可能時間として比較したところ、均一化処理区においては、20〜30分短縮されることが判明した。 【0031】 表3 アズキの吸水(横幅の膨張) 率 試験区 平均膨張率(%) 煮熟時間(分) 均一化処理区 21.1 130〜150 無処理区 17.9 150〜180【0032】次に、各試験区にて得られた生あんの品質を色調(色差計によるL値:明るさ)、及び官能試験(ツヤ、風味、甘み、なめらかさ) の結果を、5段階評価(5;非常に良い、4;良い、3;普通、2;やや悪い、1;悪い) にて比較検討した。その結果を表4に示す。更に、浸漬時の水温を0℃にて行う処理(12〜24時間)、あるいは水晒を0℃以下にて行う処理を加えることにより、更に生あんの高品質化が可能となることがわかった。 【0033】 表4 生あんの品質について 試験区 L値 ツヤ 風味 甘さ なめらかさ 均一化処理区 20.0 4 5 4 5 無処理区 18.0 3 2 3 3【0034】実施例2(甘栗原料の均一化処理−加熱加工)原料生栗を選別・洗浄後、焼成(糖分散布、ツヤ出し含む;約25分) し、蒸し焼き(約10〜15分)、放冷し、甘栗を製造する工程において、原料生栗の保存・均一化処理を−1.5℃(相対湿度90%、段階的昇温処理含む) にて3週間行ったもの(均一化処理区)と、従来通り常温にて保存されていたもの(無処理区) とから製造される甘栗の品質を比較した。まず、生栗保存中の糖度(%)、遊離全糖量(g/100g)を比較したところ、表5に示したように、均一化処理を施した栗は糖度が約2%向上し、遊離全糖量も多く含まれることが明らかとなった。 【0035】 表5 保存中の生栗の糖度、遊離全糖量について 試験区 糖度(%) 遊離全糖量(g/100g) 均一化処理区 22.2 2.68 無処理区 20.3 2.32【0036】また、焼成工程にて焼き上げるまでの時間を比較したところ、無処理区(25〜28分) と比較して、均一化処理区(20分〜23分) では約5分間短縮できることも明らかとなった。次に、各試験区にて得られた甘栗の品質について、官能試験(甘み、風味、やわらかさ、しっとり感) の結果を、5段階評価(5;非常に良い、4;良い、3;普通、2;やや悪い、1;悪い) にて、また、焼きムラについても同様に5段階評価(5;ない、4;ほとんどない、3;普通、2;やや多い、1;多い) にて、比較検討した。その結果を表6に示す。 【0037】 表6 甘栗の品質について 試験区 甘み 風味 やわらかさ しっとり感 焼きムラ 均一化処理区 5 4 4 5 4 無処理区 3 3 3 3 2【0038】以上の結果から、生栗保存中に均一化処理を施すことにより、高品質の甘栗が得られるのみならず、焼成時間の短縮、焼きムラを低減することが可能であることが判明した。更に、得られた甘栗を0℃以下の未凍結温度領域にて保存することにより、しっとり感が増し、風味を更に向上させることも可能であることがわかった。 【0039】実施例3(生そば原料の均一化処理−加熱加工)そば粉と小麦粉の混合原料に加水、ミキシング後、圧延し、製麺を得る一連の工程において、圧延時に−1℃にて均一化処理(湿度95%、48時間) を行ったものと、従来法に従った(無処理) 場合の製麺の品質の比較を行った。官能試験は、ゆで麺として比較し、色・ツヤ、コシ、弾力性、舌触りについて5段階評価(5;非常に良い、4;良い、3;普通、2;やや悪い、1;悪い)にて比較検討した結果、表7に示すように、生そばの高品質化が可能であることが明らかとなった。 【0040】 表7 生そばの品質について 試験区 色・ツヤ コシ 弾力性 舌触り 均一化処理区 5 5 5 4 無処理区 4 3 3 3【0041】また、茹で上げ後の麺の切断強度(麺線切断時の荷重) をレオメーターにて測定した結果、表8に示すように、均一化処理を施したそばは、無処理のものと比較して、切断強度の保持率が明らかに高く、茹でたての風味が持続する麺であることが判明した。 【0042】 表8 茹で上げ後のそばの切断強度の保持率(%) 試験区 1分後 3分後 10分後 均一化処理区 95.2% 80.7% 53.8% 無処理区 71.0% 52.3% 31.5%【0043】実施例4(練り製品の均一化処理−加熱加工)活マアジの頭部・内臓を除去し、水洗後に魚肉を採取した。得られた魚肉に食塩(3%)、卵白(5%)、片栗粉(6%)を添加し、練り加工を行った。続いて、坐り工程において、−2.0℃にて均一化処理(72時間) を施したものと、従来法にしたがった無処理(5℃、72時間) のものをそれぞれ90℃、30分間加熱し、レオメーターにて破断強度(g)、くぼみ度(mm)、ゼリー強度(g・cm)を求めた。その結果、表9に示すように、均一化処理を行うことにより、物性面における品質の向上効果が確認された。 【0044】 表9 練り製品の物性について 試験区 破断強度(g) くぼみ度(mm) ゼリー強度(g・cm) 均一化処理区 622.7 6.89 429.0 無処理区 523.6 6.23 326.2【0045】官能試験は、練り製品として比較し、外観、香り、味、テクスチャーについて5段階評価(5;非常に良い、4;良い、3;普通、2;やや悪い、1;悪い)にて比較検討した結果、表10に示すように、練り製品の高品質化が十分可能であることが明らかとなった。 【0046】 表10 練り製品の品質について 試験区 外観 香り 味 テクスチャー 均一化処理区 4 4 5 5 無処理区 3 3 4 3【0047】実施例5(乾燥うどん原料の均一化処理−加熱加工)小麦粉200gに水90ml、食塩2.5gを混合した後、捏ね上げ、2時間常温にてねかせたものを1cm厚に切断した。得られたうどんを常温(23℃)にて4.5%乾燥させたもの(無処理区) と、−0.5℃にて均一化処理を行いながら、同じく4.5%乾燥したもの(均一化処理区) との物性を比較検討した。物性は、破断応力(g)、脆さ(g)(表面と内部の乾燥状況が異なると高い数値となる) および変形率(%)について調査した(表11)。また、官能試験はゆで麺として比較し、色・ツヤ、コシ、弾力性、舌触りについて5段階評価(5;非常に良い、4;良い、3;普通、2;やや悪い、1;悪い) にて比較検討した(表12) 。これらの結果から、0℃以下の未凍結温度領域にて均一化処理を行いながら乾燥したうどんは、コシ、弾力性の向上など、品質の向上効果が確認された。 【0048】 表11 乾燥うどんの物性について 試験区 破断応力(g) 脆さ(g) 変形率(%) 均一化処理区 301.3 42.0 55.1 無処理区 279.3 133.3 30.0【0049】 表12 乾燥うどんの品質について(ゆで麺) 試験区 色・ツヤ コシ 弾力性 舌触り 均一化処理区 4 5 5 5 無処理区 3 3 3 3【0050】実施例6(アジ一夜干しの均一化処理−加熱加工)下処理して腹開きにした生鮮アジを4%の塩水に2時間浸漬した後、8℃にて12時間乾燥したものを冷風乾燥処理区とし、また、−1.0℃(RH70%)にて24時間均一化処理を施したものを均一化処理区として、それぞれ焼き網上で焼いた後の品質を5段階評価(5;非常に良い、4;良い、3;普通、2;やや悪い、1;悪い)にて比較検討した。その結果を表13に示す。 【0051】 表13 アジ一夜干しの品質について(焼成後) 試験区 味 香り 歯ごたえ 焼け方 (外側)(中心部) 均一化処理区 4 4 5 5 4 冷風乾燥処理区 4 3 3 3 3 (焦げ多い) (半生状態) その結果、均一化処理のものは、短時間で中まで均等に焼かれており、非常に肉汁が豊かな状態であったが、冷風乾燥処理区のものは、表面に焦げが多く発生し、パサパサ感を強く呈するのと同時に反り返ってしまうことがわかった。 【0052】実施例7(焼き鳥の均一化処理−加熱加工)鶏肉、砂肝、レバー(脂肪を除き、水につけて血抜き済みのもの)を一口大に切り、竹串に刺した後、塩少々をふったものを無処理区とした。一方、この状態で更に、−0.5℃下、24時間の均一化処理を施したものを均一化処理区とし、それぞれ焼き網上で焼いた後の焼き鳥の品質を5段階評価(5;非常に良い、4;良い、3;普通、2;やや悪い、1;悪い)にて比較検討した。その結果を表14に示す。 【0053】 表14 焼き鳥の品質について(焼成後) 試験区 味 香り 歯ごたえ 焼け方 (外側)(中心部) 均一化処理区 4 4 5 5 5 無処理区 4 4 3 2(焦げ多い) 3その結果、塩ふりした後、−0.5℃で均一化処理を行うと、表面のみならず中心部からも水分が塩の浸透圧にて移行することにより、焼け焦げることなく均一に焼けることがわかった。 【0054】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、加熱加工(調理)する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理方法、この方法により食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理をした後、続いて、加熱加工(調理)する方法に係るものであり、本発明によれば、1)加熱加工(調理)する食品原料中の水分の存在状態を簡便かつ短時間に均一化することができる、2)加熱加工食品の、加熱ムラを防止し、品質改善された高品質の加熱加工食品の作製を可能とする、3)加熱加工食品の加熱加工プロセスにおける加熱加工時間を短縮することができる、4)加熱加工食品の新しい加熱加工技術を提供することができる、という格別の作用効果が奏される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591106358 【氏名又は名称】株式会社氷温
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| 【出願日】 |
平成14年1月29日(2002.1.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102004 【弁理士】 【氏名又は名称】須藤 政彦
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| 【公開番号】 |
特開2003−219810(P2003−219810A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月5日(2003.8.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−20790(P2002−20790) |
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