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【発明の名称】 |
高甘味度甘味料含有飲料のあと味改善方法 |
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【氏名】藤生 訓尚 【住所又は居所】茨城県北相馬郡守谷町緑1丁目1番21号 アサヒ飲料株式会社飲料研究所内 【氏名】橋本 秀紀 【住所又は居所】茨城県北相馬郡守谷町緑1丁目1番21号 アサヒ飲料株式会社飲料研究所内 |
【課題】高甘味度甘味料を含有する飲料における甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の難点を解消し、低カロリーの高甘味度甘味料の飲料への使用が促進されることを通じて、一般消費者の健康維持をも図る。
【解決手段】高甘味度甘味料が含有されている高甘味度甘味料含有飲料に対して、当該高甘味度甘味料含有飲料に所定の「有機酸及び/又は有機酸の塩」を添加することにより、当該含有されている高甘味度甘味料による甘味の後引きの改善を行うことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高甘味度甘味料が含有されている高甘味度甘味料含有飲料に対して、当該高甘味度甘味料含有飲料に添加される複数もしくは単数の「有機酸及び/又は有機酸の塩」の種類と量の調整を行うことにより、当該含有されている高甘味度甘味料による甘味の後引きの調整を行う方法。 【請求項2】 前記高甘味度甘味料はスクラロースであることを特徴とする請求項1記載の方法。 【請求項3】 前記有機酸はグルコン酸もしくはリンゴ酸であり、前記有機酸の塩はナトリウム塩もしくはカリウム塩であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。 【請求項4】 甘味の後引きの改善を行う方法である請求項1から3いずれか記載の方法。【請求項5】 グルコン酸もしくはリンゴ酸、またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩を主成分とする、飲料に含有されたスクラロースによる甘味の後引きの改善を行う甘味後引き改善剤。 【請求項6】 スクラロース、及び、当該スクラロースによる甘味の後引きの改善を行うのに有効な量のグルコン酸もしくはリンゴ酸またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩を含有するスクラロース含有飲料。【請求項7】 機能性飲料である請求項6記載のスクラロース含有飲料。 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は高甘味度甘味料含有飲料の後味改善方法、特に、スクラロース含有飲料の後味改善方法並びに当該方法に係る改善剤及び飲料に関する。 【0002】 【従来の技術】甘味料というのは、一般に、食品に甘味を付与する目的で使用する食品及び食品添加物のことを言うが、甘味はただ単に甘味を付与するというだけでなく、酸味や苦味を抑制し、刺激を和らげる効果も持っているがゆえに、飲料に対しても種々の甘味料が添加され、その味の一翼を担っている。【0003】これに関し、甘味料の種類によって甘味質、甘味強度、溶解度、溶解熱、物性、褐変速度、細菌資化性、う蝕性、燃焼エネルギーなどの特性が異なるので、種々の商品に対してそれぞれの特性を生かした使い方がなされているというのが現状である。【0004】甘味は、基本的にはショ糖に代表される主に低分子糖類が呈する味であり、この他にもブドウ糖や果糖、乳糖などの食品中に一般的に存在する糖類を甘味料の代表として挙げることができるが、最近では糖アルコールや配糖体、アミノ酸、ペプチド、タンパク質なども甘味を有することが知られるようになってきており、中にはショ糖の数百倍もの甘味を有するものまで見出されるようになってきている。【0005】こうしたショ糖の数百倍もの甘味度を有する甘味料は「高甘味度甘味料」と呼ばれ、糖類や糖アルコール類からなる「低甘味度甘味料」に対する概念として分類されている。そして、このような高甘味度甘味料は、低カロリー甘味料もしくは低コスト甘味料となるものであるがゆえに、消費者の健康志向や企業の経営改善に応えるものということで、飲料に添加される甘味料として使用されるようになってきている。【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高甘味度甘味料というのは、飲料に添加した場合には、ショ糖の場合と比較して、甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)があるものが多く、それがあるがゆえに消費者に敬遠される場合があった。【0007】これに関し、例えばモネリンなどの配糖体系の高甘味度甘味料に比べると、スクラロース(化学物質名:トリクロロガラクトスクロース)などは甘味の残存性が殆ど無いようなものではあるが、飲料に添加した場合には、やはり、ショ糖の場合と比較すると、甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)が感じられる。 【0008】そしてそうであるがゆえに、低カロリーの高甘味度甘味料を使用し、低カロリー飲料として消費者の健康に資するものを提供しようとしても、甘味の後引きの難点があって消費者に受け入れられないという問題があることから、現実問題として、市販する飲料には砂糖(ショ糖)を甘味料として使用せざるを得なくなるような場合もあった。【0009】本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高甘味度甘味料を含有する飲料における甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の難点を解消し、低カロリーの高甘味度甘味料の飲料への使用が促進されることを通じて、一般消費者の健康維持をも図ることができるようにすることにある。【0010】 【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決するために本発明者らが鋭意研究をした結果、高甘味度甘味料を含有する飲料に対して有機酸を添加することにより、飲料中に含有されている高甘味度甘味料に起因した甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の難点が解消され、ショ糖に匹敵するあと味のさわやかさを持たせることができることを見出し、本発明を完成するに至った。【0011】より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。【0012】(A) 高甘味度甘味料が含有されている高甘味度甘味料含有飲料に対して、当該高甘味度甘味料含有飲料に添加される複数もしくは単数の「有機酸及び/又は有機酸の塩」の種類と量の調整を行うことにより、当該含有されている高甘味度甘味料による甘味の後引きの調整を行う方法。 【0013】即ち、本発明を大きな概念で捕らえると、ある高甘味度甘味料に対して、それに適切な「有機酸及び/又は有機酸の塩」の種類を適宜選択し、その量を適宜調整することにより、前記ある高甘味度甘味料に対して、当該ある高甘味度甘味料に起因した甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)を調整するというものである。この「調整」には、甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)を改善するものの他、甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)を変化させようとする意図がある限りは、試行錯誤によってそれを悪化させることをも含む。 【0014】しかしながら、本発明に係る方法は、基本的には、甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)を改善することを目的とするものであり、最も好ましい実施形態においては、本発明は、飲料に含有されている高甘味度甘味料に起因した甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)を改善する方法として把握される。【0015】(B) グルコン酸もしくはリンゴ酸、またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩を主成分とする、飲料に含有されたスクラロースによる甘味の後引きの改善を行う甘味後引き改善剤。 【0016】即ち、本発明は、グルコン酸もしくはリンゴ酸、またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩についての新たな用途を発見したものとして把握することもでき、これらを主成分とする甘味後引き改善剤もその内容とする。【0017】(C) スクラロース、及び、当該スクラロースによる甘味の後引きの改善を行うのに有効な量のグルコン酸もしくはリンゴ酸またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩を含有するスクラロース含有飲料。【0018】即ち、本発明は、スクラロース含有飲料において、スクラロースによる甘味の後引きの改善を行うのに有効な量のグルコン酸もしくはリンゴ酸またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩を含有するものもその内容とするものである。【0019】この(C)の発明は、上記(A)の「ある高甘味度甘味料に対して、それに適切な「有機酸及び/又は有機酸の塩」の種類を適宜選択」した結果として、「ある高甘味度甘味料」として「スクラロース」が選択されると共に、「それに適切な「有機酸及び/又は有機酸の塩」」として「グルコン酸もしくはリンゴ酸またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩」が選択されたものであり、「有効な量」は、人間の味覚を通じて行う試行錯誤等により適宜決定されるものである。【0020】 【発明の実施の形態】本発明は以下のようなものを提供する。【0021】(1) 高甘味度甘味料が含有されている高甘味度甘味料含有飲料に対して、当該高甘味度甘味料含有飲料に添加される複数もしくは単数の「有機酸及び/又は有機酸の塩」の種類と量の調整を行うことにより、当該含有されている高甘味度甘味料による甘味の後引きの調整を行う方法。 【0022】「高甘味度甘味料」としては、天然の植物から抽出される高甘味度甘味料である配糖体系の高甘味度甘味料(ステビア(甘味度(ショ糖を1とした場合の甘味度。以下、同じ):150〜300)、グリチリリチン(甘味度:250)、タウマチン(甘味度:3000〜5000)、モネリン(甘味度:3000))、アミノ酸を原料とする高甘味度甘味料であるアミノ酸系の高甘味度甘味料(アスパルテーム(甘味度:200)、アリテーム(甘味度:2000〜2900))、配糖体系の高甘味度甘味料にもアミノ酸系の高甘味度甘味料にも分類されないその他の高甘味度甘味料(サッカリン(甘味度:300〜500)、チクロ(甘味度:30〜40)、アセスルファムK(甘味度:200)、スクラロース(甘味度:600)、ズルチン(甘味度:200〜250))のいずれも使用することができる。【0023】「有機酸」としては、通常の飲料に対して酸味料として使用されているクエン酸、L-酒石酸、乳酸、酢酸、フマル酸、DL-リンゴ酸、リン酸、グルコン酸等を使用することができ、「有機酸の塩」としてはナトリウム塩やカリウム塩、カルシウム塩等の水溶性の塩を適宜使用することができる。【0024】(2) 前記高甘味度甘味料はスクラロースであることを特徴とする(1)記載の方法。 【0025】(3) 前記有機酸はグルコン酸もしくはリンゴ酸であり、前記有機酸の塩はナトリウム塩もしくはカリウム塩であることを特徴とする(1)または(2)記載の方法。 【0026】上記(2)及び(3)に関し、(2)は上記の(1)の「高甘味度甘味料」として「スクラロース」(化学物質名:トリクロロガラクトスクロース。ショ糖から化学的に合成される甘味料で、甘味度はショ糖の約600倍)を選択したものであり、このように飲料中の「高甘味度甘味料」として「スクラロース」を選択した場合には、(3)にて記載をしたように、(1)の「有機酸」は、グルコン酸もしくはリンゴ酸であり、前記有機酸の塩はナトリウム塩もしくはカリウム塩であるのが好適であり、グルコン酸カリウムもしくはリンゴ酸であると更に好適である。【0027】そして、後述の実施例にて示されるように、適切な量のグルコン酸カリウムもしくはリンゴ酸をスクラロース含有飲料に添加することによって、そこに含有されているスクラロースに起因した甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の改善が行われることになる((4) 甘味の後引きの改善を行う方法である(1)から(3)いずれか記載の方法。)。【0028】(5) グルコン酸もしくはリンゴ酸、またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩を主成分とする、飲料に含有されたスクラロースによる甘味の後引きの改善を行う甘味後引き改善剤。 【0029】グルコン酸もしくはリンゴ酸、またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩を、後述の実施例のように、スクラロースに含有飲料に含有されたスクラロースによる甘味の後引きの改善を行うものとして使用した場合には、本発明の範囲に含まれる。【0030】(6) スクラロース、及び、当該スクラロースによる甘味の後引きの改善を行うのに有効な量のグルコン酸もしくはリンゴ酸またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩を含有するスクラロース含有飲料。【0031】後で詳細に説明をするように、「有効な量」は、人間の味覚を通じて行う試行錯誤等により適宜決定できるものであり、かつ、人間の味覚を通じて行う試行錯誤等により適宜決定されるものである。【0032】(7) 機能性飲料である(6)記載のスクラロース含有飲料。【0033】なお、本発明に係るスクラロース含有飲料は、その甘味が人間の舌で感知できる程度にスクラロースを含有しているものであれば、特に限定されるものではないが、スクラロース自体が低カロリーのものであることから、引用者の体調を整えることを主目的とする機能性飲料であるのが好適である。そしてこれは、高甘味度甘味料を含有する飲料における甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の難点を解消するというだけではなく、低カロリーの高甘味度甘味料を含有する機能性飲料への使用が促進されることを通じて、一般消費者の健康維持をも図ることに繋がる。【0034】 【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。【0035】まず、下表に示すような成分を含むサンプルA、B、及びCを作成した。【0036】 【表1】
【0037】次に、甘味度自体が機器分析により分析をすることが不可能なものであるため、この実施例に係る上記サンプルA、B、及びCについても官能性試験を行った。対象者はランダムに選んだ30人であり、2点識別法により、異なった2種類のサンプルを試飲した後、後味の好ましいサンプルを選んでもらった。結果を以下に示す。【0038】 【表2】
【0039】[実施例の効果と発明の適用範囲]以上のように、クエン酸だけのサンプル(サンプルA)とそれに加えてリンゴ酸もしくはグルコン酸カリウムを添加したサンプル(サンプルBもしくはサンプルC)とを比較すると、後者のほうがあと味か良いという評価が得られた。よって、リンゴ酸もしくはグルコン酸カリウムにより、スクラロースに起因した甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の改善が行われることが分かる。【0040】従って、適切な量のグルコン酸カリウムもしくはリンゴ酸をスクラロース含有飲料に添加することによって、そこに含有されているスクラロースに起因した甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の改善が行われるということになる。 【0041】これは、言い換えれば、リンゴ酸もしくはグルコン酸カリウムに、スクラロースに対する甘味後引き改善作用があるということになり、リンゴ酸もしくはグルコン酸カリウムを主成分とするもの(等価のものを想定すれば、グルコン酸もしくはリンゴ酸、またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩を主成分とするもの)は、少なくとも、飲料に含有されたスクラロースによる甘味の後引きの改善を行う甘味後引き改善剤としての用途を有するということになる。 【0042】そして、本実施例のように、スクラロース、及び、当該スクラロースによる甘味の後引きの改善を行うのに有効な量のグルコン酸もしくはリンゴ酸またはこれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩を含有するスクラロース含有飲料は、そこに含有されているスクラロースに起因した甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の改善が行われているものである。 【0043】ここで、甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の改善を行うのに「有効な量」の具体的な値は、「スクラロース及びグルコン酸カリウムもしくはリンゴ酸」という組合せであれば、その一例は上記実施例にて示された値であるが、それは飲料中におけるスクラロースの含有量によっても変化をするものであり、基本的には、人間の味覚を通じて行う試行錯誤等により適宜決定することができるものであり、かつ、甘味度というもの自体が機器分析により分析をすることが不可能で官能検査により測定が行われるものであるがゆえに、人間の味覚による試行錯誤によって適宜決定されるべきものでもある。【0044】更に、本発明は、所定の有機酸により所定の高甘味度甘味料に対する甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の改善の途を開いたものでもあるとも把握することができるので、スクラロース以外の高甘味度甘味料については、人間の味覚を通じて行う試行錯誤等により、適切な有機酸の種類や量を選定することによって、高甘味度甘味料が含有されている高甘味度甘味料含有飲料に対して、当該含有されている高甘味度甘味料による甘味の後引きの調整(特に改善)を行うことが可能になる。【0045】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、高甘味度甘味料が含有されている高甘味度甘味料含有飲料に対して、所定の「有機酸及び/又は有機酸の塩」を添加することにより、当該含有されている高甘味度甘味料による甘味の後引きの改善が行われることになる。【0046】これにより、高甘味度甘味料を含有する飲料における甘味の残存性(あと味:甘味の後引き)の難点が解消され、一般消費者に受け入れられる高甘味度甘味料含有飲料を製造することができるようになるので、低カロリーの高甘味度甘味料の飲料への使用が促進されることとなり、これを通じて一般消費者の健康維持をも図ることができるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596126465 【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社 【住所又は居所】東京都墨田区吾妻橋一丁目23番1号
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| 【出願日】 |
平成14年1月17日(2002.1.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106002 【弁理士】 【氏名又は名称】正林 真之
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| 【公開番号】 |
特開2003−210147(P2003−210147A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月29日(2003.7.29) |
| 【出願番号】 |
特願2002−8798(P2002−8798) |
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