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【発明の名称】 加工食品及びその製造方法
【発明者】 【氏名】秋月 洋子
【住所又は居所】福岡県粕屋郡新宮町下府88−2 株式会社アッキーフーズ内

【要約】 【課題】精製されたアルギン酸を原料とすることにより、安価かつ簡易に、しかも海藻固有の成分を失うことなく、食味、食感、美観を満足させることができる加工食品の製造方法の提供。

【解決手段】原料となる精製アルギン酸の糊状溶液を食品添加物用の塩化カルシウムによる凝固用溶液中に浸漬して凝固させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原料となる精製アルギン酸を凝固させて得たことを特徴とする加工食品。
【請求項2】 請求項1記載の加工食品において、呈味成分又は/及び栄養成分が混合されている加工食品。
【請求項3】 請求項1又は2記載の加工食品において、麺状又はシート状又は板状又は球状又はサイコロ状等に成型されている加工食品。
【請求項4】 原料となる精製アルギン酸の糊状溶液を食品添加物用の塩化カルシウムによる凝固用溶液中に浸漬して凝固させることを特徴とした加工食品の製造方法。
【請求項5】 請求項4記載の製造方法において、凝固用溶液中に食品添加物用のミョウバンが混合されている加工食品の製造方法。
【請求項6】 請求項4又は5記載の製造方法において、精製アルギン酸の糊状溶液中に呈味成分又は/及び栄養成分が混合されている加工食品の製造方法。
【請求項7】 請求項4又は5又は6記載の製造方法において、糊状溶液を麺状又はシート状又は板状又は球状又はサイコロ状等に成型しながら凝固用溶液中に浸漬して凝固させるようにした加工食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精製アルギン酸を原料とした加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、海藻は広く食品として利用され、食されてきた。海藻は、その成分が人体の健康上、好影響を及ぼしていることはよく知られているが、その食し方に関しては、海藻の葉体をそのまま食しているのが殆どである。又、従来、海藻類を原料とした加工食品としては、褐色海藻類を煮沸、攪拌、溶解し、これに酵素や膨張剤等を添加してペースト状になし、これをカルシウム等により凝固又はゲル化したものが知られている。しかしながら、このような加工食品は、その製造過程に多くの労力を必要とし、又、使用する添加物等により、水溶性成分、可溶性蛋白質等が除去されてしまうという問題があった。又、従来では、麺状等に押し出し成型する場合、コンプレッサを用いて強制的に成型ノズルから押し出す必要があり、煩雑な手間が要るし、装置が大掛かりになるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、精製されたアルギン酸に着目し、これを原料とした加工食品を見出した。即ち、本発明者は、従来から行われている海藻加工における原始的な労費や食味、食感、美観の毀損等、多くのマイナス要因を解消させる為に鋭意研究したもので、精製されたアルギン酸を原料とすることにより、安価かつ簡易に、しかも海藻固有の成分を失うことなく、食味、食感、美観を満足させることができる加工食品を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の加工食品(請求項1)は、原料となる精製アルギン酸を凝固させて得るように構成した。
【0005】この加工食品において、呈味成分(砂糖、塩、味噌、化学調味料、香辛料等)又は/及び栄養成分(クロレラ等の藻類、各種ビタミン、ぶどう糖、その他の栄養補助剤)が混合されている態様(請求項2)がある。
【0006】又、この加工食品において、麺状又はシート状又は板状又は球状又はサイコロ状等に成型されている態様(請求項3)がある。
【0007】又、本発明の加工食品の製造方法(請求項4)は、原料となる精製アルギン酸の糊状溶液を食品添加物用の塩化カルシウムによる凝固用溶液中に浸漬して凝固させるように構成した。
【0008】この製造方法において、凝固用溶液中に食品添加物用のミョウバンが混合されている態様(請求項5)がある。
【0009】又、この製造方法において、精製アルギン酸の糊状溶液中に呈味成分(砂糖、塩、味噌、化学調味料、香辛料等)又は/及び栄養成分(クロレラ等の粉末緑藻植物、各種ビタミン、ぶどう糖、その他の栄養補助剤)が混合されている態様(請求項6)がある。
【0010】又、この製造方法において、糊状溶液を麺状又はシート状又は板状又は球状又はサイコロ状等に成型しながら凝固用溶液中に浸漬して凝固させるようにした態様(請求項7)がある。
【0011】又、本発明(加工食品及びその製造方法)において、得られた食品に色彩を付すために、着色料を添加したり、食味や風味を得るために、その他の食材(例えば、ごま粒、ごまペースト、摺りごま、柚子顆粒等)を混合することは任意である。
【0012】尚、本発明で使用する精製アルギン酸は、昆布、カジメ、アラメ、レッソニア、マクロシスティス等の褐藻類を化学的に精製したpH6.0〜8.0(6.0、7.0、8.0)のアルギン酸ナトリウム塩で、例えば、スノーアルギン(商標名:富士化学工業株式会社製)等が用いられる。
【0013】アルギン酸は、マンヌロン酸とグルロン酸の2種類のウロン酸を構成単位とする直鎖状の高分子重合体であり、この各々の構成糖が持つカルボキシル基をNaイオンで置換した製品が精製アルギン酸となる。この精製アルギン酸(アルギン酸ナトリウム塩)は、包水性が非常に大きい親水性高分子で、水溶液の粘度は重合度や濃度によって異なるものの冷水、温水にもよく溶解して粘稠均一な溶液となり、特有の柔らかさ、均一性、伸びのよさ、風味のよさ等の特性を有し、また、優れた相容性によって添加物等と凝析することなく、均一に混合できるという特性を有している。
【0014】尚、この精製アルギン酸を水に溶解する場合、水和性が非常に高いために、いわゆるママコが発生し易くなり、これを防ぐためには、できるだけ均一に分散させることが重要で、具体的方法としては、砂糖等の粉末を溶解前に混合しておくプレミックス法、又、水を高速で攪拌しながら精製アルギン酸の粉末を振り入れて分散させ、その後適度な攪拌速度に戻す高速攪拌法、又、精製アルギン酸の粉末にアルコールやグリセリンを加えて湿潤させ、その後水に分散させる湿潤法がある。
【0015】また、この精製アルギン酸(アルギン酸ナトリウム塩)の食品に関する用途としては、従来、アイスクリームや冷菓の安定剤、ジャム、ソース、ゼリー等の増量剤及び強粘剤、チーズやハム等の被覆加工剤等、食品添加剤として広く使用されているが、本発明のように、この精製アルギン酸(アルギン酸ナトリウム塩)を食品の原料として用いたものは見受けられない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。尚、本発明の具体的な構成は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0017】原料となる精製アルギン酸(アルギン酸ナトリウム塩)としては、粘度500mPa・S、pH6.5、重合度500の粉末を使用した。40℃の微温水50リットルに対して、この精製アルギン酸粉末2.3%(1150g)を高速攪拌法によって満遍なく溶解させて、pH数値を維持させながら粘稠均一な糊状溶液を作る。次に、攪拌により生じた糊状溶液中の気泡を放散させるため、15時間(12〜15時間)放置した。次に、水100リットルに対して食品添加物用の塩化カルシウム0.7%及び食品添加物用のミョウバン0.3%を溶解した凝固用溶液を用意し、この凝固用溶液中に、上記の糊状溶液を、直径2mmが50%、直径2.5mmが50%となるようにバルブにより押し出し圧力を調整して、成型ノズルから流出して麺状に成型しながら浸漬した。これにより、糊状溶液が麺状に凝固成型されていく。このとき、糊状溶液を凝固用溶液中に浸漬してから2〜3時間程度放置することで、凝固を満遍なく進行させて、凝固ムラのない均一な品質の製品を得るようにするもので、このようにして凝固させた後、これを凝固用溶液中から取り上げたところ40kgの麺状加工食品を製造することができた。尚、この時点における加工食品のpHは6.4〜6.7であった。
【0018】尚、上記のようにして用意した凝固用溶液は、非常に柔らかいため、従来と異なり、コンプレッサを用いて強制的に圧力をかけるといった手間や設備を必要とせず、大気圧による自重によって成型ノズルから流出させることができ、製造手間及び設備の面で非常に有利である。又、麺状に成型する場合、凝固用溶液を容器内で静置状態にしておくと、この中に麺状の糊状溶液を投入させれば、縮れ麺の状態に凝固させることができるし、又、凝固用溶液を容器内で一定方向に流動させておくと、この中に麺状の糊状溶液を投入させれば、その麺状の糊状溶液が流れに乗っていくため、ストレート麺の状態に凝固させることができるし、又、流れの方向を変化させたり、ランダム方向の流れを作ることにより、麺が絡みあった状態に凝固させることができる。
【0019】又、このようにして製造される加工食品において、呈味成分(砂糖、塩、味噌、化学調味料、香辛料等)又は/及び栄養成分(クロレラ等の藻類、各種ビタミン、ぶどう糖、その他の栄養補助剤)を混合させることもでき、この場合、原料となる精製アルギン酸の糊状溶液を作る際に、これらの呈味成分や栄養成分を混合する。例えば、上記の実施の形態において、クロレラ粉末を糊状溶液の0.4%(4g)混合したところ、美しい緑色の麺状加工食品を製造することができた。
【0020】尚、本発明の加工食品は、サラダ等の食材として使用するほか、煮物用(鍋物を含む)等の食材として使用できるもので、その用途に応じた弾力性や腰の強さ等を得るために、原料としての精製アルギン酸、及び凝固用溶液を作るための塩化カルシウムやミョウバンの配合割合を適宜に調整できるし、また、凝固の程度についても、硬く凝固させたり、ゲル状にしたり、或いは表層部分を凝固させて内部をゲル状にすることも適宜にできる。又、本発明において、原料としては、精製アルギン酸のみを100%原料として使用するほか、この精製アルギン酸を主成分として、その他の食材、呈味成分、栄養成分等を適宜の配合割合で混合させることができる。又、食品形状についても、実施の形態で示した麺状に限らず、シート状、板状、球状、サイコロ状等に成型できるし、そのサイズについても適宜に調整できる。凝固用溶液は、糊状溶液を投入させる際に、容器内で静置状態にしておいてもよいし、また、容器内で一定方向やランダム方向に流動させたり、流れの速さや方向を変化させるなどすることができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明にあっては、精製アルギン酸を原料として使用したため、その特性である包水性によって、煩雑な手間をかけずに簡易な手間と設備で製造できるし、しかも海藻固有の成分を失うことなく加工食品を製造することができるし、また、相容性によって添加物(呈味成分や栄養成分等)をムラなく均一に混合することができる。また、価格も安価であるし、その食味、食感(歯ごたえ、のどごし、舌ざわり、歯ざわり等)、美観についても従来にはない精製アルギン酸特有のものが得られ、新しい食材として低価格で提供することができる。
【出願人】 【識別番号】502019405
【氏名又は名称】株式会社アッキーフーズ
【住所又は居所】福岡県粕屋郡新宮町下府88−2
【出願日】 平成14年1月17日(2002.1.17)
【代理人】 【識別番号】100081592
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 義則
【公開番号】 特開2003−204762(P2003−204762A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−8436(P2002−8436)