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【発明の名称】 ゆで卵製造方法及びその装置
【発明者】 【氏名】南部 邦男
【住所又は居所】京都府長岡京市勝竜寺八ノ坪1番地6 株式会社ナベル内

【氏名】木下 久廣
【住所又は居所】京都府長岡京市勝竜寺八ノ坪1番地6 株式会社ナベル内

【氏名】林 利男
【住所又は居所】京都府京都市伏見区淀美豆町377−1 ターゲット・エンジニアリング株式会社内

【氏名】川島 吉典
【住所又は居所】京都府京都市伏見区淀美豆町377−1 ターゲット・エンジニアリング株式会社内

【要約】 【課題】卵殻における罅の発生を可及的に少なくできて、しかも、見栄えの良いゆで卵を連続的に製造できるゆで卵製造方法及びその装置を提供すること。

【解決手段】ゆで卵製造装置1は、生卵2の搬送方向Aにおいて徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気3及び4と同方向Aにおいて徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気5とを形成すると共に、卵加熱雰囲気3から5中において生卵2に遠赤外線を含む熱エネルギを照射して当該生卵2を加熱する加熱手段6と、生卵2を回転させつつ、当該生卵2を、卵加熱雰囲気3及び4中を搬送方向Aに通過させた後に、卵加熱雰囲気5中を同方向Aに通過させるように搬送する搬送手段7とを具備している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気と同方向において徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気とを形成し、生卵を回転させつつ、当該生卵を、徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を一の方向に通過させた後に、徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気中を同方向に通過させるように搬送して、卵加熱雰囲気中において生卵に熱エネルギを照射して当該生卵を加熱してゆで卵を得るゆで卵製造方法。
【請求項2】 徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気中を通過させた後に、卵殻表面を洗浄する請求項1に記載のゆで卵製造方法。
【請求項3】 卵殻表面の洗浄を蒸気でもって行う請求項2に記載のゆで卵製造方法。
【請求項4】 徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を通過させる前に、血卵及び罅卵の少なくとも一方についての生卵の検卵を行う請求項1から3のいずれか一項に記載のゆで卵製造方法。
【請求項5】 70℃ないし80℃の温度範囲まで徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気を形成する請求項1から4のいずれか一項に記載のゆで卵製造方法。
【請求項6】 50℃ないし60℃の温度範囲まで徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気を形成する請求項1から5のいずれか一項に記載のゆで卵製造方法。
【請求項7】 一の方向において段階的に多くなる量の熱エネルギを生卵に照射した後、同方向において段階的に少なくなる量の熱エネルギを生卵に照射する請求項1から6のいずれか一項に記載のゆで卵製造方法。
【請求項8】 卵加熱雰囲気中において生卵に遠赤外線エネルギを含んだ熱エネルギを照射する請求項1から7のいずれか一項に記載のゆで卵製造方法。
【請求項9】 一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気と同方向において徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気とを形成すると共に、卵加熱雰囲気中において生卵に熱エネルギを照射して当該生卵を加熱する加熱手段と、生卵を回転させつつ、当該生卵を、加熱手段によって形成される徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を一の方向に通過させた後に、加熱手段によって形成される徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気中を同方向に通過させるように搬送する搬送手段とを具備しており、卵加熱雰囲気中において生卵に加熱手段からの熱エネルギを照射して当該生卵を加熱してゆで卵を得るようにしたゆで卵製造装置。
【請求項10】 徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気中を通過させた後に、卵殻表面を洗浄する卵殻表面洗浄手段を更に具備した請求項9に記載のゆで卵製造装置。
【請求項11】 卵殻表面洗浄手段は、卵殻表面を蒸気で洗浄するようになっている請求項10に記載のゆで卵製造装置。
【請求項12】 徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を通過させる前に、血卵及び罅卵の少なくとも一方についての生卵の検卵を行う検卵手段を更に具備している請求項9から11のいずれか一項に記載のゆで卵製造装置。
【請求項13】 加熱手段は、70℃ないし80℃の温度範囲まで徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気を形成するようになっている請求項9から12のいずれか一項に記載のゆで卵製造装置。
【請求項14】 加熱手段は、50℃ないし60℃の温度範囲まで徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気を形成するようになっている請求項9から13のいずれか一項に記載のゆで卵製造装置。
【請求項15】 加熱手段は、一の方向において段階的に多くなる量の熱エネルギを生卵に照射した後、同方向において段階的に少なくなる量の熱エネルギを生卵に照射するようになっている請求項9から14のいずれか一項に記載のゆで卵製造装置。
【請求項16】 加熱手段は、卵加熱雰囲気中において生卵に遠赤外線エネルギを含んだ熱エネルギを照射するようになっている請求項9から15のいずれか一項に記載のゆで卵製造装置。
【請求項17】 加熱手段は、一の方向において一列に配列された少なくとも第一及び第二室を具備しており、第一室では、一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気を形成するようになっており、第二室では、一の方向において徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気を形成するようになっている請求項9から16のいずれか一項に記載のゆで卵製造装置。
【請求項18】 加熱手段は、第一及び第二室の間に介在された第三室を更に具備しており、第一から第三室は、一の方向において一列に互いに隣接されて配列されており、加熱手段は、第三室では、一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気を形成するようになっている請求項17に記載のゆで卵製造装置。
【請求項19】 加熱手段は、各室の空気を加熱すると共に各室を通過する生卵に熱エネルギを照射して当該生卵を加熱する加熱機構と、各室の加熱空気を排出する空気排出機構とを具備している請求項17又は18に記載のゆで卵製造装置。
【請求項20】 加熱機構は、長尺の複数の遠赤外線ヒーターを具備しており、各遠赤外線ヒーターは、その長軸が一の方向に平行となるように配されていると共に互いに横方向において隣接して配されている請求項19に記載のゆで卵製造装置。
【請求項21】 加熱手段は、各室の空気を移動させる移動機構を更に具備している請求項18から20のいずれか一項に記載のゆで卵製造装置。
【請求項22】 搬送手段は、複数個の生卵を並列にして搬送するようになっている請求項9から21のいずれか一項に記載のゆで卵製造装置。
【請求項23】 搬送手段を洗浄する洗浄手段を更に具備している請求項9から22のいずれか一項に記載のゆで卵製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゆで卵製造方法及びその装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ゆで卵(熟成卵又は半熟卵)を製造する場合、生卵を熱湯中で加熱する方法や遠赤外線等の熱線を照射する方法が採用されるが、いずれにしても、偏りなしに卵白の中央に黄卵が位置した見栄えの良いゆで卵を得るためには生卵を回転させながら加熱するのがよい。そして、多量のゆで卵を連続的に製造する場合には、生卵を回転させながら熱湯中で加熱する方法は不向きであって、遠赤外線等の熱線を照射する方法が採用される。
【0003】ところで、生卵に次々に連続的に遠赤外線等の熱線を照射してゆで卵を製造する場合、生卵を急激に加熱するとサーマルショックによりその卵殻に罅が入って、罅入りのゆで卵が製造されることになり、斯かる罅から水、雑菌等の侵入が生じて、腐敗し易くなる虞がある。また、罅から卵白等が漏出すると、生卵を回転させるローラに斯かる漏出した卵白等が付着するので、洗浄等の煩雑な作業を行わなければならないローラの汚染を招来する上に、漏出した卵白等が次々に当該ローラを介して新たな生卵の卵殻に伝播して、卵殻に卵白等が付着した見栄えの良くないゆで卵が次々に製造される虞もある。
【0004】本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、卵殻における罅の発生を可及的に少なくできて、しかも、見栄えの良いゆで卵を連続的に製造できるゆで卵製造方法及びその装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様のゆで卵製造方法は、一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気と同方向において徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気とを形成する工程と、生卵を回転させつつ、当該生卵を、徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を一の方向に通過させた後に、徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気中を同方向に通過させるように搬送する工程とを具備しており、卵加熱雰囲気中において生卵に熱エネルギを照射して当該生卵を加熱してゆで卵を得るものである。
【0006】また、本発明の第一の態様のゆで卵製造装置は、一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気と同方向において徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気とを形成すると共に、卵加熱雰囲気中において生卵に熱エネルギを照射して当該生卵を加熱する加熱手段と、生卵を回転させつつ、当該生卵を、加熱手段によって形成される徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を一の方向に通過させた後に、加熱手段によって形成される徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気中を同方向に通過させるように搬送する搬送手段とを具備しており、卵加熱雰囲気中において生卵に加熱手段からの熱エネルギを照射して当該生卵を加熱してゆで卵を得るようにしたものである。
【0007】第一の態様のゆで卵製造方法及びその装置によれば、一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を、生卵を回転させつつ一の方向に通過させるために、生卵に対しての急激な温度変化を生じさせないで生卵を加熱できる結果、卵殻における罅の発生を可及的に少なくできて、しかも、卵白等の漏出をなくし得るので、見栄えの良いゆで卵を連続的に製造できる。
【0008】本発明の第二の態様のゆで卵製造方法は、上記のゆで卵製造方法において、徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気中を通過させた後に、卵殻表面を洗浄する工程を具備している。
【0009】本発明の第二の態様のゆで卵製造装置は、上記のゆで卵製造装置において、徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気中を通過させた後に、卵殻表面を洗浄する卵殻表面洗浄手段を更に具備している。
【0010】上記の卵殻表面の洗浄を、第三の態様のゆで卵製造方法のように、蒸気でもって行い、また卵殻表面洗浄手段が、第三の態様のゆで卵製造装置のように、卵殻表面を蒸気で洗浄するようになっていると、洗浄後の乾燥を省き得て、しかも雑菌等を死滅させて衛生的なゆで卵を得ることができるので好ましい。
【0011】本発明の第四の態様のゆで卵製造方法は、上記のいずれかの態様のゆで卵製造方法において、徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を通過させる前に、血卵及び罅卵の少なくとも一方についての生卵の検卵を行う工程を具備しており、また本発明の第四の態様のゆで卵製造装置は、上記のいずれかのゆで卵製造装置において、徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を通過させる前に、血卵及び罅卵の少なくとも一方についての生卵の検卵を行う検卵手段を更に具備している。
【0012】上記のいずれかの態様のゆで卵製造方法においては、好ましくは本発明の第五の態様のゆで卵製造方法のように、70℃ないし80℃の温度範囲まで徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気を形成する。
【0013】また上記のいずれかの態様のゆで卵製造方法においては、好ましくは本発明の第六の態様のゆで卵製造方法のように、50℃ないし60℃の温度範囲まで徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気を形成する。
【0014】更にまた上記のいずれかの態様のゆで卵製造方法においては、好ましくは本発明の第七の態様のゆで卵製造方法のように、一の方向において段階的に多くなる量の熱エネルギを生卵に照射した後、同方向において段階的に少なくなる量の熱エネルギを生卵に照射する。
【0015】第七の態様のゆで卵製造方法によれば、一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を、生卵を回転させつつ一の方向に通過させる方法と相俟って、生卵に対しての急激な温度変化を生じさせないで生卵を加熱できる結果、更に確実に卵殻における罅の発生を可及的に少なくできて、しかも、卵白等の漏出をなくし得るので、見栄えの良いゆで卵を連続的に製造できる。
【0016】卵加熱雰囲気中において生卵に照射する熱エネルギは、好ましくは本発明の第八の態様のゆで卵製造方法のように、遠赤外線エネルギを含んでいる。
【0017】本発明における加熱手段は、好ましくは本発明の第五の態様のゆで卵製造装置のように、70℃ないし80℃の温度範囲まで徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気を形成するようになっており、また好ましくは本発明の第六の態様のゆで卵製造装置のように、50℃ないし60℃の温度範囲まで徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気を形成するようになっている。
【0018】また本発明における加熱手段は、好ましくは本発明の第七の態様のゆで卵製造装置のように、一の方向において段階的に多くなる量の熱エネルギを生卵に照射した後、同方向において段階的に少なくなる量の熱エネルギを生卵に照射するようになっている。
【0019】本発明の第七の態様のゆで卵製造装置によれば、第七の態様のゆで卵製造方法と同様に、一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気中を、生卵を回転させつつ一の方向に通過させる方法と相俟って、生卵に対しての急激な温度変化を生じさせないで生卵を加熱できる結果、更に確実に卵殻における罅の発生を可及的に少なくできて、しかも、卵白等の漏出をなくし得るので、見栄えの良いゆで卵を連続的に製造できる。
【0020】更に本発明における加熱手段は、本発明の第八の態様のゆで卵製造装置のように、卵加熱雰囲気中において生卵に遠赤外線エネルギを含んだ熱エネルギを照射するようになっていても、そして、本発明の第九の態様のゆで卵製造装置のように、一の方向において一列に配列された少なくとも第一及び第二室を具備しており、第一室では、一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気を形成するようになっており、第二室では、一の方向において徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気を形成するようになっていてもよい。
【0021】第九の態様のゆで卵製造装置において、加熱手段は、本発明の第十の態様のゆで卵製造装置のように、第一及び第二室の間に介在された第三室を更に具備しており、ここで、第一から第三室は、一の方向において一列に互いに隣接されて配列されており、加熱手段は、第三室では、一の方向において徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気を形成するようになっているとよい。
【0022】また第九又は第十の態様のゆで卵製造装置において、加熱手段は、好ましくは本発明の第十一の態様のゆで卵製造装置のように、各室の空気を加熱すると共に各室を通過する生卵に熱エネルギを照射して当該生卵を加熱する加熱機構と、各室の加熱空気を排出する空気排出機構とを具備している。
【0023】第十一の態様のゆで卵製造装置における加熱機構は、本発明の第十二の態様のゆで卵製造装置のように、長尺の複数の遠赤外線ヒーターを具備しており、ここで、各遠赤外線ヒーターは、その長軸が一の方向に平行となるように配されていると共に互いに横方向において隣接して配されているとよい。
【0024】更に本発明における加熱手段は、好ましくはその第十三の態様のゆで卵製造装置のように、各室の空気を移動させる移動機構を更に具備しているとよい。移動機構としては、各室の空気を攪拌する攪拌機構であっても、これに代えて又はこれと共に、各室の空気を循環させる循環機構であってもよい。
【0025】本発明における搬送手段は、好ましくはその第十四の態様のゆで卵製造装置のように、複数個の生卵を並列にして搬送するようになっている。
【0026】本発明のゆで卵製造装置は、好ましくはその第十五の態様のゆで卵製造装置のように、搬送手段を洗浄する洗浄手段を更に具備しており、斯かる搬送手段を洗浄する洗浄手段を具備することにより、ゆで卵を衛生的に連続的に製造することができる。
【0027】なお、上記のゆで卵製造方法及びその装置のいずれにおいても、ゆで卵として熟成卵を製造するようにしても、これに代えて、ゆで卵として半熟卵を製造するようにしてもよい。熟成卵又は半熟卵の製造の選択は、生卵への熱エネルギの照射量、生卵の搬送速度等を適宜制御することにより行い得る。
【0028】次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0029】
【発明の実施の形態】図1から図4において、本例のゆで卵製造装置1は、一の方向である生卵2の搬送方向Aにおいて徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気3及び4と同方向Aにおいて徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気5とを形成すると共に、卵加熱雰囲気3から5中において生卵2に遠赤外線を含む熱エネルギを照射して当該生卵2を加熱する加熱手段6と、生卵2を回転させつつ、当該生卵2を、加熱手段6によって形成される徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気3及び4中を一の方向である搬送方向Aに通過させた後に、加熱手段6によって形成される徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気5中を同方向Aに通過させるように搬送する搬送手段7と、徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気3及び4中を通過させる前に、血卵及び罅卵の少なくとも一方についての生卵2の検卵を行う検卵手段8と、徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気5中を通過させた後に、ゆで卵13の卵殻表面9を洗浄する卵殻表面洗浄手段10と、搬送手段7を洗浄する洗浄手段11と、フレーム12とを具備しており、卵加熱雰囲気3から5中において生卵2に加熱手段6からの熱エネルギを照射して当該生卵2を加熱してゆで卵13を得るようにしている。
【0030】加熱手段6は、フレーム12の上板21、上板21上に設けられたカバー22及び23並びに隔壁24及び25によって画成されていると共に搬送方向Aにおいて一列に配列された室26及び27と、上板21、上板21上に設けられたカバー28並びに隔壁24及び25によって画成されていると共に室26及び27の間に介在された室29と、搬送方向Aにおいて一列に互いに隣接されて配列された室26、27及び29の夫々の空気を加熱して卵加熱雰囲気3から5の夫々を形成すると共に卵加熱雰囲気3から5の夫々の中において生卵2に遠赤外線エネルギを含んだ熱エネルギを照射して生卵2を加熱すべく、室26、27及び29の卵加熱雰囲気3から5の夫々を通過する生卵2に遠赤外線エネルギを含んだ熱エネルギを照射する加熱機構31、32及び33と、室26、27及び29の夫々の加熱空気を排出する空気排出機構34、35及び36と、室26、27及び29の夫々の空気を移動させる移動機構としての室26、27及び29の夫々の空気を攪拌する攪拌機構37、38、39とを具備している。
【0031】加熱機構31、32及び33の夫々は、長尺の複数、本例では加熱機構31、32及び33の夫々において24本の遠赤外線ヒーター41から46を具備しており、遠赤外線ヒーター41から46の夫々は、その長軸が搬送方向Aに平行となるように配されていると共に遠赤外線ヒーター41から46の夫々において互いに横方向において隣接して配されて、カバー22、28及び23の夫々に垂下支持されている。
【0032】搬送方向Aの最上流に配されていると共に互いに横方向において隣接して室26に配された加熱機構31の12本の遠赤外線ヒーター41は、例えば電圧180ボルトで作動されるようになっており、搬送方向Aにおいて遠赤外線ヒーター41の下流に配されていると共に互いに横方向において隣接して室26に配された加熱機構31の12本の遠赤外線ヒーター42は、例えば電圧200ボルトで作動されるようになっている。
【0033】搬送方向Aにおいて遠赤外線ヒーター42の下流に配されていると共に互いに横方向において隣接して室29に配された加熱機構32の12本の遠赤外線ヒーター43は、例えば電圧220ボルトで作動されるようになっており、搬送方向Aにおいて遠赤外線ヒーター43の下流に配されていると共に互いに横方向において隣接して室29に配された加熱機構32の12本の遠赤外線ヒーター44は、例えば電圧220ボルトで作動されるようになっている。
【0034】搬送方向Aにおいて遠赤外線ヒーター44の下流に配されていると共に互いに横方向において隣接して室27に配された加熱機構33の12本の遠赤外線ヒーター45は、例えば電圧180ボルトで作動されるようになっており、搬送方向Aにおいて遠赤外線ヒーター44の下流に配されていると共に互いに横方向において隣接して室27に配された加熱機構33の12本の遠赤外線ヒーター46は、例えば電圧180ボルトで作動されるようになっている。
【0035】斯かる加熱機構31、32及び33により、加熱手段6は、搬送方向Aにおいて段階的に多くなる量の熱エネルギを生卵2に照射した後、同方向において段階的に少なくなる量の熱エネルギを生卵2に照射するようになっている。
【0036】なお、搬送される生卵2に効率良く熱エネルギを照射するように、遠赤外線ヒーター41から46の夫々に反射板を設けるのがよい。
【0037】カバー22は、その前壁の下部に上板21と協働して外部と室26とを互いに連通させる連通孔51を形成すべく切欠き52を有しており、隔壁24は、その下部に上板21と協働して室26と室29とを互いに連通させる連通孔53を形成すべく切欠き54を有しており、隔壁25は、その下部に上板21と協働して室29と室27とを互いに連通させる連通孔55を形成すべく切欠き56を有しており、カバー23は、その後壁の下部に上板21と協働して室27と外部とを互いに連通させる連通孔57を形成すべく切欠き58を有している。
【0038】空気排出機構34は、搬送方向Aにおいてカバー22の天井部の上流側に取付けられて室26の空気を吸引して外部に排出する排気ブロア61を具備しており、排気ブロア61は、作動により室26において、連通孔51から排気ブロア61に至る空気流62と、連通孔53から排気ブロア61に至る空気流63とを形成するようになっている。
【0039】空気排出機構35は、搬送方向Aにおいてカバー28の天井部の上流側に取付けられて室29の空気を吸引して外部に排出する排気ブロア65を具備しており、排気ブロア65は、作動により室29において、連通孔53から排気ブロア65に至る空気流66と、連通孔55から排気ブロア65に至る空気流67とを形成するようになっている。
【0040】空気排出機構36は、搬送方向Aにおいてカバー23の天井部の下流側に取付けられて室27の空気を吸引して外部に排出する排気ブロア69を具備しており、排気ブロア69は、作動により室27において、連通孔55から排気ブロア69に至る空気流70と、連通孔57から排気ブロア69に至る空気流71とを形成するようになっている。
【0041】攪拌機構37、38及び39の夫々は、カバー22、28及び23の夫々の天井部に設けられたファン75、76及び77を具備しており、室26、27及び29の夫々の空気を攪拌して、室26、27及び29の一部に極端に高温な空気又は極端に低温な空気が滞留しないようにして、加熱機構31、32及び33の加熱エネルギを効率良く利用できるようにする。
【0042】加熱手段6は、加熱機構31、32及び33、空気排出機構34、35及び36並びに攪拌機構37、38及び39の作動で、室26では、搬送方向Aにおいて60℃ないし70℃の温度範囲まで徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気3を形成するようになっており、室27では、搬送方向Aにおいて50℃ないし60℃の温度範囲まで徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気5を形成するようになっており、室29では、搬送方向Aにおいて70℃ないし80℃の温度範囲まで徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気4を形成するようになっている。
【0043】なお、加熱手段6は、室26、29及び27に設けられた複数の温度センサからの検知温度に基づいて空気排出機構34、35及び36から排出する空気の量並びに必要により加熱機構31、32及び33から放射する熱エネルギの量を制御して、卵加熱雰囲気3から5が常時上記の温度となるようにしてもよい。
【0044】搬送手段7は、フレーム12に回転自在に支持された複数のスプロケットホイール81と、スプロケットホイール81に掛けまわされていると共に連通孔51、53、55及び57を通った二対の無端チェーン82及び83と、チェーン82及び83に張力を付与するスプロケットホイール84と、各対のチェーン82及び83間に配されていると共に各対のチェーン82及び83に回転自在に支持された複数個の長尺のローラ85と、各ローラ85の両端部が転がり接触して各ローラ85を回転させるように搬送方向Aに伸びてフレーム12の上板21に固着されている二対のレール86及び87と、チェーン82及び83を搬送方向Aに走行させる走行手段88とを具備している。
【0045】各ローラ85は、夫々生卵2をその長軸を横にして受容する六個の凹所91を有しており、各凹所91において受容した生卵2をその長軸を中心として自身の回転と共にその逆方向に回転させるようになっている。
【0046】走行手段88は、電動モータ95と、電動モータ95の出力回転軸に固着されたプーリ96と、搬送方向Aの最下流のスプロケットホイール81の回転軸に固着されたプーリ97と、プーリ96及び97間に掛け回された無端ベルト98とを具備しており、電動モータ95の作動でプーリ96、無端ベルト98及びプーリ97を介して搬送方向Aの最下流のスプロケットホイール81を回転させて、二対の無端チェーン82及び83を走行させるようになっている。
【0047】搬送手段7は、二対の無端チェーン82及び83の走行で、各ローラ85を介して当該各ローラ85に載置された生卵2を搬送方向Aに搬送するようになっている。本例では、搬送手段7は12列の生卵2を並列にして搬送するようになっている。
【0048】検卵手段8は、搬送方向Aの最上流端側に配されていると共にローラ85に載置された生卵2に下から光を照射する蛍光灯99と、検卵すべき生卵2の周囲を覆って当該周囲を暗くして検査をやりやすくする暗幕(図示せず)とを具備しており、血卵及び罅卵が目視により発見されると、人手によりローラ85から除去されるようになっている。
【0049】ゆで卵13を得るための生卵2は、最初、検卵手段8での検査に曝されるように、搬送方向Aの最上流端側で人手によりローラ85に次々と載置されるようになっている。
【0050】卵殻表面洗浄手段10は、室27から送出されて生卵2からゆで卵13となった当該ゆで卵13の卵殻表面9を蒸気で洗浄するノズル101と、洗浄域102を画成するカバー103とを具備している。
【0051】卵殻表面洗浄手段10によって卵殻表面9が洗浄されたゆで卵13は、搬送方向Aの最下流端で人手により取り出されるようになっている。
【0052】洗浄手段11は、次々に到来するローラ85の表面に回転しながら接触してローラ85を洗浄するブラシ111と、当該洗浄されるローラ85に蒸気を吹きつけるノズル112と、洗浄域113を画成するカバー114とを具備している。
【0053】洗浄手段11により洗浄されたローラ85は、搬送手段7により搬送方向Aの最上流端に次々ともたらされる。
【0054】以上のゆで卵製造装置1は、搬送方向Aにおいて70℃ないし80℃の温度範囲まで徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気3及び4と同方向Aにおいて50℃ないし60℃の温度範囲まで徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気5とを形成し、生卵2を回転させつつ、当該生卵2を、徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気3及び4中を搬送方向Aに通過させた後に、徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気5中を同方向Aに通過させるように搬送して、卵加熱雰囲気3から5中において生卵2に熱エネルギを照射して当該生卵2を加熱してゆで卵13を得るようになっており、また、徐々に下降する温度をもった卵加熱雰囲気5中を通過させた後に、ゆで卵13の卵殻表面9を蒸気でもって洗浄し、徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気3中を通過させる前に、血卵及び罅卵の少なくとも一方についての生卵2の検卵を行い、しかも、卵加熱雰囲気3から5中において、搬送方向Aにおいて段階的に多くなる量の熱エネルギを生卵2に照射した後、同方向Aにおいて段階的に少なくなる量の遠赤外線エネルギを含んだ熱エネルギを生卵2に照射するようになっている。
【0055】そして、ゆで卵製造装置1では、搬送方向Aにおいて徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気3中を、生卵2を回転させつつ搬送方向Aに通過させるために、生卵2に対しての急激な温度変化を生じさせないで生卵2を加熱できる結果、卵殻における罅の発生を可及的に少なくできて、しかも、卵白等の漏出をなくし得るので、見栄えの良いゆで卵13を連続的に製造できる。
【0056】加えて、ゆで卵製造装置1では、卵殻表面9を蒸気で洗浄するようになっているために、洗浄後の乾燥を省き得て、しかも雑菌を死滅させて衛生的なゆで卵13を得ることができる。
【0057】更にゆで卵製造装置1では、搬送方向Aにおいて段階的に多くなる量の熱エネルギを生卵2に照射した後、同方向Aにおいて段階的に少なくなる量の熱エネルギを生卵2に照射するようになっているために、搬送方向Aにおいて徐々に上昇する温度をもった卵加熱雰囲気3中を、生卵2を回転させつつ搬送方向Aに通過させることと相俟って、生卵2に対しての急激な温度変化を生じさせないで生卵2を加熱できる結果、更に確実に卵殻における罅の発生を可及的に少なくできて、しかも、卵白等の漏出をなくし得るので、見栄えの良いゆで卵13を連続的に製造できる。
【0058】また更にゆで卵製造装置1では、搬送手段7を洗浄する洗浄手段11を具備するために、ゆで卵13を衛生的に連続的に製造することができる上に、ローラ85を蒸気で洗浄するようになっているため、雑菌を死滅させることができて更に衛生的なゆで卵13を製造することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、卵殻における罅の発生を可及的に少なくできて、しかも、見栄えの良いゆで卵を連続的に製造できるゆで卵製造方法及びその装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
【住所又は居所】京都府長岡京市勝竜寺八ノ坪1番地6
【識別番号】501492719
【氏名又は名称】ターゲット・エンジニアリング株式会社
【住所又は居所】京都府京都市伏見区淀美豆町377−1
【出願日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【代理人】 【識別番号】100098095
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 武志
【公開番号】 特開2003−180297(P2003−180297A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−389745(P2001−389745)