トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 耐熱性ゲル化食品の製造方法
【発明者】 【氏名】志賀 顯太郎

【氏名】岡田 麻里

【要約】 【課題】従来から知られているゲル化剤を使用し、それでいて、従来よりも耐熱性のすぐれたゲル化食品を容易に製造する方法を提供する。

【解決手段】陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤(LMペクチン、ジェランガム、アルギン酸塩等)と冷却ゲル化性のゲル化剤(寒天、ゼラチン等)とを、陽イオンと反応させることなく加熱して溶解させ、冷却してゲル化させるか、又は、陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤を添加したたんぱく粉(小麦粉等)の水混練物を、陽イオンと反応させることなく加熱してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、陽イオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤と冷却ゲル化性のゲル化剤とを、陽イオンと反応させることなく加熱して溶解させ、次いで冷却してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、陽イオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法。
【請求項2】陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤を添加したたんぱく粉の水混練物を、陽イオンと反応させることなく加熱してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、陽イオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法。
【請求項3】カルシウムイオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤と冷却ゲル化性のゲル化剤とを、カルシウムイオンと反応させることなく加熱して溶解させ、次いで冷却してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、カルシウムイオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法。
【請求項4】カルシウムイオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤を添加した小麦粉を主材とする水混練物を、カルシウムイオンと反応させることなく加熱してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、カルシウムイオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法。
【請求項5】LMペクチン、ジェランガム、アルギン酸塩から選ばれた1種以上のゲル化剤とゼラチン、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアガムから選ばれた1種以上のゲル化剤とを、カルシウムイオンと反応させることなく加熱して溶解させ、次いで冷却してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、カルシウムイオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法。
【請求項6】LMペクチン、ジェランガム、アルギン酸塩から選ばれた1種以上のゲル化剤を添加した小麦粉を主材とする水混練物を、カルシウムイオンと反応させることなく加熱してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、カルシウムイオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法。
【請求項7】得られる耐熱性ゲル化食品が、ゼリー類である請求項1から6のいずれかに記載の耐熱性ゲル化食品の製造方法。
【請求項8】得られる耐熱性ゲル化食品が、ようかん、かまぼこ等の練りものである請求項1から6のいずれかに記載の耐熱性ゲル状食品の製造方法。
【請求項9】得られる耐熱性ゲル化食品が、マカロニ、うどん等の麺類である請求項1から6のいずれかに記載の耐熱性ゲル状食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性ゲル化食品の製造方法に関する。詳しくは、ゼリー類や練りものや麺類のようなゲル化食品の製造方法であって、従来の製造方法に比べて、耐熱性を増強させたゲル化食品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐熱性を有するゼリー類の製造方法については、既にいくつかの先例がある。例えば、特開平6−335370号公報には「成形ゼリー入り液状食品およびその製造方法」と題して、好ましくはカードランからなる熱凝固性ゲル化剤を所定温度に温めた成形ゼリー溶液に添加し、強制分散させた状態で、熱凝固温度以上に加熱することによって成形ゼリー溶液全体を凝固させ、乳蛋白含有液に添加して、レトルト殺菌しても乳蛋白の凝集を起こさず、また、溶けだすことがない耐熱性成形ゼリーを得る方法が開示されている。また、特開平8−70796号公報には「耐熱ゼリー食品及びその製造法」と題して、グルコマンナンを主原料とする水和ゲルを加圧下に加熱することによって耐熱性ゼリー食品を得る方法が開示されている。
【0003】しかしながら、カードランの耐熱性は、かならずしも十分ではなく、その上、カードランは加熱凝固性であるため、製造工程中で他の原料と共に60℃以上に加熱すると、著しく増粘し、ゲル化してしまうので、使用しにくい面がある。また、グルコマンナンは、独特の風味を有するため、使用できる範囲が限定されてしまう。
【0004】また、従来から、LMペクチン(ローメトキシルペクチン)、ジェランガム、アルギン酸塩等をゲル化剤として用いて耐熱性のゲル化食品を作る方法が試みられている。これらのゲル化剤は、カルシウムイオンと反応して不可逆性のゲルを作ることで知られているが、完全な反応をおこなうには十分な反応時間とカルシウム量を必要とする。このため、ゲル化剤の使用方法によっては、反応速度が速すぎて、反応時間が不足するために完全なゲルを形成できないことがある。
【0005】ペクチンやジェランガムやアルギン酸塩がカルシウムイオンと反応して形成するゲルは、耐熱性がすぐれていることで知られている。しかし、例えば、ダイス状にカットしたジェランガムゼリーやペクチンゼリーをミルク飲料に入れてレトルト殺菌をした場合には、いずれも耐熱性が低下し、ゼリーの保形性を維持できないことが多い。
【0006】このように、従来の製造法による耐熱性ゲル化食品(耐熱性ゼリーを含む。)は、耐熱性が十分とは言えない上、風味・食感の点でも劣るものが多かった。また、その製造方法も、コストが高くなったり、工程が煩雑になってしまう等ライン適性上のデメリットを有するものが多かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況に鑑み、本発明は、従来から知られているゲル化剤を使用し、それでいて、従来よりも耐熱性のすぐれたゲル化食品を容易に製造する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載する発明は、陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤と冷却ゲル化性のゲル化剤とを、陽イオンと反応させることなく加熱して溶解させ、次いで冷却してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、陽イオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法である。
【0009】また、本発明のうち請求項2に記載する発明は、陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤を添加したたんぱく粉の水混練物を、陽イオンと反応させることなく加熱してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、陽イオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法である。
【0010】上記請求項1に記載する発明について、反応させる陽イオンを「カルシウムイオン」に限定したものが、請求項3に記載する発明である。すなわち、本発明のうち請求項3に記載する発明は、カルシウムイオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤と冷却ゲル化性のゲル化剤とを、カルシウムイオンと反応させることなく加熱して溶解させ、次いで冷却してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、カルシウムイオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法である。
【0011】上記請求項2に記載する発明について、反応させる陽イオンを「カルシウムイオン」に限定したものが、請求項4に記載する発明である。すなわち、本発明のうち請求項4に記載する発明は、カルシウムイオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤を添加した小麦粉を主材とする水混練物を、カルシウムイオンと反応させることなく加熱してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、カルシウムイオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法である。
【0012】また、上記請求項3に記載する発明について、用いるゲル化剤を具体的に特定したものが、請求項5に記載する発明である。すなわち、本発明のうち請求項5に記載する発明は、LMペクチン、ジェランガム、アルギン酸塩から選ばれた1種以上のゲル化剤とゼラチン、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアガムから選ばれた1種以上のゲル化剤とを、カルシウムイオンと反応させることなく加熱して溶解させ、このゲル化剤溶液を冷却してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、カルシウムイオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法である。
【0013】また、上記請求項4に記載する発明について、用いるゲル化剤を具体的に特定したものが、請求項6に記載する発明である。すなわち、本発明のうち請求項6に記載する発明は、LMペクチン、ジェランガム、アルギン酸塩から選ばれた1種以上のゲル化剤を添加した小麦粉を主材とする水混練物を、カルシウムイオンと反応させることなく加熱してゲル化させ、得られたゲル化物を必要に応じて適宜の大きさに成形し、カルシウムイオンを含む溶液に浸漬してさらにゲル化を進行させることを特徴とする耐熱性ゲル化食品の製造方法である。
【0014】さらに、本発明のうち請求項7に記載する発明は、請求項1から6のいずれかに記載の耐熱性ゲル化食品の製造方法において、耐熱性ゲル化食品としてゼリー類を製造する方法である。
【0015】さらに、本発明のうち請求項8に記載する発明は、請求項1から6のいずれかに記載の耐熱性ゲル化食品の製造方法において、耐熱性ゲル化食品として、ようかん、かまぼこ等の練りものを製造する方法である。
【0016】さらに、本発明のうち請求項9に記載する発明は、請求項1から6のいずれかに記載の耐熱性ゲル化食品の製造方法において、耐熱性ゲル化食品として、マカロニ、うどん等の麺類を製造する方法である。
【0017】以下、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明の全ての説明において、「%」の表示は、特に断らない限り、重量割合を表す。
【0018】本発明において使用する「陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤」としては、LMペクチン、ジェランガム、アルギン酸塩をその代表例に挙げることができる。これらのゲル化剤は、その1種又は2種以上を混じて適宜に使用すればよい。これらのゲル化剤は、単独で加熱するか又は冷却ゲル化性のゲル化剤、例えば、ゼラチン、寒天、各種のガム類等と共に加熱し、溶解させて使用する。なお、本発明では、これらのゲル化剤と共に、ゲル化食品を製するのに必要な他の原料、例えば、砂糖や食塩等の調味料、各種の増粘材、ビタミン剤等を併用して差し支えない。
【0019】また、本発明において使用する「冷却ゲル化性のゲル化剤」とは、冷却によってゲル化する性質を有するゲル化剤を意味し、具体的には、ゼラチン、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガムをその代表例に挙げることができる。これらのゲル化剤は、その1種又は2種以上を混じて適宜に使用すればよい。本発明では、これら冷却ゲル化性のゲル化剤は、上記の陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤と共に加熱して溶解させてから使用する。
【0020】なお、LMペクチン、ジェランガム、アルギン酸塩は、「陽イオンと反応してゲル化する性質を有しかつ冷却ゲル化性のゲル化剤」であるが、その他の「冷却ゲル化性のゲル化剤」(ゼラチン、寒天、各種のガム類等)を併用する方が、冷却によるゲル化が迅速かつ確実に進行するので、好ましい結果が得られる。
【0021】また、本発明においては、陽イオンとして、「カルシウムイオン」を用いるのが好ましい。カルシウムイオンは、塩化カルシウム溶液、乳酸カルシウム溶液、クエン酸カルシウム溶液等の溶液状のものを使用するのが好ましい。
【0022】本発明において、陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤を添加して水混練物として使用するたんぱく粉としては、小麦粉、大豆粉、そば粉、でんぷん粉、肉粉等の、加熱ゲル化性を有する任意の粉末原料を使用して差し支えないが、やはり、小麦粉を主材とする水混練物が使用しやすいので、好ましい。
【0023】本発明では、陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤と冷却ゲル化性のゲル化剤とを加熱して溶解させる工程又は陽イオンと反応してゲル化する性質を有するゲル化剤を添加したたんぱく粉の水混練物を加熱して凝固させる工程においては、陽イオンないし陽イオンを含む溶液と接触させないように十分に注意しなければならない。これらの工程において、ゲル化剤が陽イオンと接触すると、その工程でゲル形成反応が開始され、十分な反応時間を取ることなく希弱なゲルが形成されるからである。
【0024】上記の工程において形成されたゲル化物は、必要に応じて適宜の大きさに成形する。例えば、ゲル化物をミルク飲料等に添加するときには、ダイス状にカットするのが好ましいし、麺類の場合は、麺様に細くカットするのが好ましい。
【0025】したがって、本発明においては、ゲル化剤を冷却してゲル化させた後又はたんぱく粉の水混練物を加熱してゲル化させた後で、陽イオンを含む溶液に浸漬してゲル化反応を進行させる。浸漬する時間は、ゲル化物の種類や溶液中の陽イオン濃度によっても異なるが、ゲル化反応を十分におこなうわせるのに必要にして十分な時間だけ浸漬すればよく、概ね1〜20時間、好ましくは12時間程度浸漬する方がよい。
【0026】本発明に係る耐熱性ゲル化食品の製造方法のメカニズムについて説明すると、ペクチン、ジェランガム、アルギン酸塩等の陽イオンと反応するゲル化剤は、もともと耐熱性にすぐれているが、通常の使用方法では十分な耐熱性を発揮できない。すなわち、従来のこれらゲル化剤の使用法では、溶液又はゾルの状態で陽イオンとの反応を起こさせるので、物理的な刺激や反応速度の関係でゲル生成中のネットワークを壊しているものと考えられる。これに対して、本発明では、これらゲル化剤を陽イオンと反応させるときには、ゼラチンや寒天等の冷却ゲル化性のゲル化剤や小麦粉等のたんぱく粉によってゲル組織を形成されていて、これらのゲル化剤は、この組織を介して陽イオンと緩慢に反応するので、ゲル化剤のネットワーク形成が非常に均一にかつ安定的におこなわれ、したがって、ゲル化剤が有する耐熱性を十分に引き出すことができるものと考えられる。
【0027】うどんやマカロニのような麺類の場合は、ゼリー類における冷却ゲル化性のゲル化剤の役割を果たすのが、小麦粉、大豆粉、そば粉等のたんぱく粉である。すなわち、麺を捏ねたち、打つたりするときは、たんぱく粉中のグルテンが麺を保形したり、繋いだりするが、これらのたんぱく粉のゲル化物が加熱の際にペクチンやジェランガム等のゲル化剤が変形ににくいように組織を保つ役割をする。
【0028】本発明によって得られるゲル化食品の代表例としては、各種のゼリー類、ようかんやかまぼこ等の練りもの、マカロニやうどんやそばやスパゲッティ等の麺類を挙げることができる。これらのゲル化食品は、耐熱性を増強することによってレトルト殺菌が可能となるため、その使用範囲を著しく拡げることができる。例えば、ゼリー類は、ダイス状、粒状、果実状等に成形したものをミルク飲料に添加して風味を増すことができるし、シラップ液と共に容器に充填・密封して加熱殺菌することができる。また、麺類は、だし汁や調味液と共に缶詰にして「麺の缶詰」を製することができる。
【0029】
【実施例1】<耐熱性ゼリーの製法−その1>清水にLMペクチン0.9%と寒天0.6%を加えて加熱溶解させ、ゲル化剤溶液を作る。このとき、カルシウムイオン含有溶液と接触しないように注意する必要がある。次いで、このゲル化剤溶液を冷却して、ダイスカットするために必要な固さまでゲル化(ゼリー化)させる。適当な大きさにダイスカットしたゼリーを0.4%乳酸カルシウム溶液に1時間〜12時間程度浸漬する。このようにして製したダイス状のゼリーは、耐熱性が増強されているので、例えば、適宜のシラップ液を添加した耐熱性容器に充填して密封し、容器のままレトルト殺菌をおこない、保存性を有する「容器詰ゼリー」に仕上げることができる。
【0030】
【実施例2】<耐熱性ゼリーの製法−その2>清水にLMペクチン0.9%、ローカストビーンガム0.3%、キサンタンガム0.3%及び砂糖15%を添加して加熱溶解させ、ゲル化剤溶液を作る。このとき、カルシウムイオン含有溶液と接触しないように注意する必要がある。次いで、このゲル化剤溶液を冷却して、ダイスカットするために必要な固さまでゲル化(ゼリー化)させる。適当な大きさにダイスカットしたゼリーを0.4%乳酸カルシウム溶液に1時間〜12時間程度浸漬する。このようにして製したダイス状のゼリーは、耐熱性が増強されているので、例えば、このダイス状ゼリーを適宜のミルク飲料に添加して耐熱性容器に充填し、密封して、容器のままレトルト殺菌をおこない、保存性のある「容器詰ゼリー入りミルク飲料」に仕上げることができる。
【0031】
【実施例3】<伸びないうどんの製法>LMペクチンの10%溶液を小麦粉に対して10%添加し、十分に混練し圧延して麺塊を製する。このとき、カルシウムイオン含有溶液と接触しないように注意する必要がある。この麺塊を、うどん作りの常法にしたがい、適宜の麺状にカットし、乳酸カルシウムを0.5%添加した90〜100℃の熱湯中に投入して5分間茹でる。このようにして製したうどん麺は、耐熱性が増強されている上、時間が経過しても伸びにくい。よって、例えば、このうどん麺を適宜の調味液を添加した耐熱性容器に充填し、密封して、容器のままレトルト殺菌をおこない、保存性のある「容器詰うどん」に仕上げることができる。
【0032】
【発明の効果】以上、詳細に説明するとおり、本発明は、ゲル状物としての組織が形成されるまでは陽イオンとゲル化剤との接触を絶ち、ゲル組織が形成された後でその組織を介して陽イオンとゲル化剤とを反応させることにしたので、ゲル化反応を緩慢に進めることができ、従来の製法に比べて、十分にゲル化をおこなうことができる。したがって、本発明では、ゲル化剤のネットワークを均一にかつ安定的に形成することができ、従来法に比べて、はるかに耐熱性のすぐれたゲル化食品を製造することができる。本発明によって得られるゲル化食品は、耐熱性がすぐれているので、耐熱性ゲル化食品の用途を拡大することができる。
【出願人】 【識別番号】502157084
【氏名又は名称】ユニテックフーズ株式会社
【出願日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【代理人】 【識別番号】100090941
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 清也 (外2名)
【公開番号】 特開2003−180265(P2003−180265A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−388669(P2001−388669)