| 【発明の名称】 |
板海苔脱水用スポンジ板の殺菌方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】笠井 芳樹
【氏名】笠井 弘子
【氏名】笠井 久仁記
【氏名】笠井 秀城
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| 【要約】 |
【課題】板海苔製造時に成型、脱水用に使用されるスポンジ板には、海水及び水の洗浄後もスライムや海苔の微粒子が付着し各種の菌体が増殖する。
【解決手段】微酸性もしくは微アルカリ性の水又は少量の塩化ナトリウムを含む水を貯槽に入れてスポンジ板を浸漬し、この水を電解槽を通して循環させ、電解を行うことにより発生基の酸素又は遊離塩素を発生させてスポンジ板の洗浄、殺菌を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板海苔製造時に使用するスポンジ板を水洗するに際し、微酸性の水、微アルカリ性の水又は少量の塩化ナトリウムを含む水を貯槽に入れて上記スポンジ板を浸漬し、貯槽内の水を下部より取り出して上部に循環させ、循環経路内に電解槽を設けて水の電解を行うことを特徴とする板海苔脱水用スポンジ板の殺菌方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、板海苔製造時に使用される脱水用スポンジ板の殺菌方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】板海苔の生産工程は、養殖された海苔の刈り取り(摘採)を行った後、船上に刈り取った海苔を加工場まで海上輸送し、加工場よりスラリーポンプを用いて受入れタンクに移送する。受入れタンク内においては、5〜10時間かけて海水を循環させて海苔に付着している海洋生物、微細な海老、珪藻類、スライム等の除去が行われる。次に異物除去工程として、海苔網の糸屑や海洋に流れて来て海苔に付着した木屑、竹屑等の大小の混入物を除去し、次の工程である細断と洗浄工程に移行する。ここではこれまでの海水による洗浄から真水(水道水)による洗浄に移行し、ミンチャーにより海苔を細かく細断し、海苔に含まれる塩分が除去され板海苔に加工する前処理が行われる。 【0003】次に前工程において細断された海苔を板海苔に加工するために濃度調整と海苔すき工程が行われる。これは細断された海苔の濃度調整を行い簀の表面に一定量塗布するためのものである。厚みが均一でしかも安定した品質が要求されることから、この工程では海苔のスラリーをゆっくり攪拌しながら水を添加して適正な濃度のコントロールが保たれるようになされている。濃度調整されたスラリー状態の海苔は一定量簀の表面に塗布されると機械的に次の工程に移行し、ここで上下に設けたスポンジ板によって海苔の表面を均一にすると同時に海苔に含まれた水切りが行われる。これにより乾燥工程−海苔はぎ工程−選別工程を経て1,000枚単位の束にされ製品となる。 【0004】上記の簀の表面にスラリー状態の海苔を塗布する工程においては、一度に8枚塗布するものと16枚塗布するものがあり、前者を8枠、後者を16枠と一般的に呼ばれている。すなわちスポンジ板は8枠で上下16枚、16枠で上下32枚が使用されている。このスポンジ板にはスライムや海苔の微粒子が付着し、また栄養源が多く、しかもスポンジ自体が多孔質のために各種の菌体(大腸菌、一般細菌)が増殖しやすい。それ故、海苔そのものへの汚染についても大きな問題点となって来ている。海苔の生産業者もこれを避けるため、定期的に16枚、32枚のスポンジ板を予備品と取り替えて工程管理を行っているのが現状である。 【0005】取り替えたスポンジ板は再生させるために、貯槽に水を満たしてこれに次亜塩素酸ナトリウムを添加し、その遊離塩素濃度を約20〜100ppmに調整してスポンジ板を浸漬する。しかし攪拌機や循環ポンプを使用していないので濃度が一定に保たれず、しかもスポンジを傷めることも多くその改善が求められていた。また夏季は次亜塩素酸ナトリウムが分解し易く温度管理を十分に行う必要があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各種の菌体がスポンジの細孔内で増殖して板海苔の品質を低下させるのを防ぐために、発生基の酸素又は遊離塩素により効率良く殺菌する方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、すなわち板海苔製造時に使用するスポンジ板を水洗するに際し、微酸性の水、微アルカリ性の水又は少量の塩化ナトリウムを含む水を貯槽に入れて上記スポンジ板を浸漬し、貯槽内の水を下部より取り出して上部に循環させ、循環経路内に電解槽を設けて水の電解を行うことを特徴とする板海苔脱水用スポンジ板の殺菌方法である。 【0008】本発明の作用を説明すると、電解槽で水の電解により発生する発生基の酸素(O)は、スポンジ板より遊離した高分子状態と推測されるスライムを、直接破壊分解して炭酸ガス(CO2)として放出する。スライムや海苔の微粒子に付着する雑菌類も直接酸化して死滅する。水に少量の塩化ナトリウムが含まれるときは、陰極界面に生成するナトリウムイオンと水が反応して水酸化ナトリウムを生成し、塩素ガスはこれと反応して簡単に次亜塩素酸ナトリウムを生成し、その遊離塩素によって上記発生基の酸素と相まって効果的に殺菌することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】図面により本発明方法とその装置を例示し説明する。図1において貯槽1にはpH=4〜5程度の微酸性もしくはpH=8〜9程度の微アルカリ性に調整された水、又は少量の塩化ナトリウムを添加した水2が満たされている。処理されるスポンジ板3は水2内に浸漬されている。貯槽1内の水2は、管4により循環ポンプ5に吸い上げられ、電解槽6の下部に流入し電解されながら上部に流出し、管7を通り貯槽1の上部に循環される。 【0010】縦型の電解槽(無隔膜)6には陽極及び陰極(図示していない)が対向して設けられ、陽極は厚さ3〜10mmの、白金又は白金族金属酸化物で電極面が被覆された金属チタン板を使用し、陰極は厚さ5〜10mmの金属チタン板、SUS304等のステンレス鋼板又は鉄板を使用する。電流密度は0.1〜5A/dm2が好ましい。なお運転停止時にはステンレス鋼又は鉄が腐食されるおそれがあるため電流密度0.5〜1A/m2の防食電流を流す必要がある。水が少量の塩化ナトリウムを含む場合、電解後の電解電流を可変して遊離塩素濃度は1〜20ppm程度に調節する。 【0011】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例1摘採工程、海水による洗浄工程、異物除去工程、細断と真水による洗浄工程を行った養殖海苔をゆっくり攪拌しながら水を添加して8枚の簀の表面に塗布した。この際、上下に設けた各8枚のスポンジ板(30×30×3cm)を当てて板海苔の形状を調整した。この作業を10時間行って約50,000枚の板海苔を形成した。その際、海苔中には除去されていないスライムや海苔の微粒子に付着する細菌類等が残存して多孔物質であるスポンジ板中に移行する。所定の板海苔を形成後、汚染されたスポンジ板を取り外し水をかけて簡単な洗浄を行い、次に図1の装置により電解による水洗浄を行った。すなわち内容量1601の貯槽に16枚のスポンジ板を入れて電解液を貯槽に添加し全体の容量を1101とした。電解液はpH=4の微酸性の水を使用し電解槽を通してこの水を循環させた。陽極は白金族金属酸化物を含む活物質を被覆したチタン金属板を使用し、陰極はSUS304ステンレス鋼板を使用し、電流密度は2〜3A/dm2で電解を行った。5時間運転後、電解前と電解後のスポンジ板に含まれる水を絞り出して試料を採集し、水中の細菌数を調べた。結果を表1に示す。 【0012】実施例2洗浄水として希薄な食塩水を使用し、電解後の遊離塩素濃度5〜30ppmに調整し3時間運転した以外は全く実施例1と同様にしてスポンジ板の洗浄を行った。電解前と電解後の試料の細菌数を表1に示す。 【0013】比較例貯槽に遊離塩素20ppmの次亜塩素酸ナトリウムを含む洗浄水を添加して全体の容量を1101とした。これに各実施例と同様の汚染されたスポンジ板16枚を5時間浸漬させた。浸漬後の試料を実施例1に従って採集した。その結果を表1に示す。 【0014】 表1(細菌数は個/ml)実施例1 処理前 3時間後 5時間後一般細菌数 10,000以上 100 10(定量下限値10) 大腸菌群数 1,300 8 0(定量下限値0) 実施例2 処理前 3時間後一般細菌数 10,000以上 10(定量下限値10) 大腸菌群数 1,300 0(定量下限値0) 比較例 処理前 5時間後一般細菌数 10,000以上 200大腸菌群数 1,300 50【0015】 【発明の効果】本発明によれば、板海苔の製造時に簀の表面に板海苔を塗布する際、成型、水切りに使用されるスポンジ板を効率良く殺菌することができる。すなわち水の電解を行いながら、これを循環させることにより、陽極面に絶えず発生基の酸素が発生する。この循環水によってスポンジ板の表面より電解槽に移行するスライムやこれに付随する細菌類は発生基の酸素と接触し強力に酸化される。そして水の腐敗やスライムの付着、大腸菌、一般細菌等の増殖防止と各種菌体の殺菌を行うことができる。水に少量の塩化ナトリウムを含ませるときは、その電解により発生する遊離塩素の殺菌効果が加わり有利である。またこの循環水がスポンジ板の中まで浸透しスポンジ板に寄生する微細な虫の捕殺を行うことも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599048786 【氏名又は名称】光洋通商株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年11月28日(2001.11.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076657 【弁理士】 【氏名又は名称】門多 透
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| 【公開番号】 |
特開2003−159034(P2003−159034A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月3日(2003.6.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−402210(P2001−402210) |
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