| 【発明の名称】 |
油脂を利用した麹飼料の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山元 正博
|
| 【要約】 |
【課題】飲食業、食品加工業、畜産業等からの有機性廃棄物と廃油を有効活用する手段を提供する。さらに、栄養価が高く、家畜の健康、肥育を促進し、糞のにおいを軽減する飼料を提供する。
【解決手段】生ゴミ、家畜屎尿、水産加工廃棄物、蒸留廃液等の有機原料を、加熱油脂に浸漬して取り出すことにより油脂処理を行ない、麹中に投入して発酵を行なわせ、麹菌の発酵により油脂を所定量にまで減量すると共に発酵熱を利用して有機原料の水分を低減して麹飼料を製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有機原料の少なくとも一部を、加熱油脂に浸漬して取り出すことにより油脂処理を行ない、麹中に投入して発酵を行なわせ、麹菌の発酵により油脂を所定量にまで減量するとともに発酵熱を利用して有機原料の水分を所定量以下に低減する麹飼料の製造方法。 【請求項2】 油脂処理した有機原料が、有機原料の乾燥に必要な麹菌発酵熱を生成するのに十分な油分を含有する、請求項1に記載の麹飼料の製造方法。 【請求項3】 油脂処理した有機原料が、有機原料全体の水分の3重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上の油分を含有する、請求項1又は2に記載の麹飼料の製造方法。 【請求項4】 麹飼料が、麹由来の脂肪分解酵素を含有していることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の麹飼料の製造方法。 【請求項5】 全ての有機原料の少なくとも表面近傍に油脂を含浸させた、請求項1ないし4に記載の麹飼料の製造方法。 【請求項6】 有機原料が、生ゴミである請求項1ないし5に記載の麹飼料の製造方法。 【請求項7】 加熱油脂が、70℃以上であることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の麹飼料の製造方法。 【請求項8】 麹菌が油脂分解能を有することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の麹飼料の製造方法。 【請求項9】 請求項1ないし8の麹飼料の製造方法により得られた麹飼料。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は飼料の製造方法に係り、更に詳しくは油脂処理した有機原料を麹飼料とする麹飼料の製造方法に関する。本発明はまたこの製造方法により製造された麹飼料をも対象とする。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、飲食業、食品加工業等による廃棄物は、そのほとんどが廃棄処分されている。本来、これらの廃棄物は多量の有機物を含有しており、リサイクルの観点からは何らかの形で再利用するのが好ましく、実際に、一部は土壌肥料として有効利用されている。しかし、これらは一般に多量の水分を含有しているため、貯蔵や運搬が困難な上に、腐敗し易いという問題があった。このため、これら廃棄物は、結局は有効活用されず、そのまま放置されたり、不法廃棄されたりして、土壌・地下水汚染や河川などの水質汚染を引き起こしていた。一方、これらの生ごみを、微生物を利用して堆肥化する方法もあるが、油分の多い生ごみではこれらの微生物が有効に働かず、処理できる生ごみの範囲に限界がある。また、微生物による廃棄物の処理では、一般に高温菌が使用されている。しかし、高温菌を用いて処理を行うと、有機物は有効利用される部分が減少し、ほとんどが二酸化炭素と水に分解されて大気中に放出されてしまう。 【0003】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、前述の廃棄物を有効利用するための新規な手段を提供することを主たる目的とする。また本発明は、前述の廃棄物を処理して麹飼料とする麹飼料の製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、かかる方法により製造された麹飼料を提供することも目的とする。 【0004】本発明に係る飼料の製造方法においては、有機原料の少なくとも一部を、加熱油脂に浸漬して取り出すことにより油脂処理を行ない、麹中に投入して発酵を行なわせ、麹菌の発酵により油脂を所定量にまで減量するとともに発酵熱を利用して有機原料の水分を所定量以下に低減させて麹飼料を製造する。本発明において、有機原料は主に有機性の廃棄物を意味する。このような方法によれば、生ゴミ、家畜屎尿等の従来廃棄処分とされていたものを有効活用できるという効果を奏する。さらに本発明の方法は麹中に投入するために、処理の時間は短く、効率的である。さらに高温菌等の処理に対して、本発明に係る方法においては、麹菌を使用するので、一部の有機物は二酸化炭素と水に分解されるが大部分は良質な菌体タンパクに合成される一方、消化吸収に有効な消化酵素が大量に分泌される。その結果、家畜等に給餌するのに適した栄養価の高い飼料が得られる。つまり、従来は微生物による有機性廃棄物の処理は廃棄物を分解するのが目的であったが、本発明に係る方法においては、麹菌により有効成分の生成を行わしめ、もって廃棄物を飼料として形を変えて有効活用せんとするものである。またさらに本発明は、悪臭の発生しない廃棄物の処理方法を提供する。また、本発明は、家畜を肥育促進させ、良好な肉質にする麹飼料を提供する。 【0005】本方法においては、有機原料を麹菌で発酵させた麹飼料を生産するに際して油脂処理を必須とする。油脂処理は有機原料の少なくとも一部を、加熱油脂に浸漬して取り出すことにより行なう。好ましくは全ての有機原料を油脂処理する。油脂処理により、有機原料は少なくとも表面近傍に油脂を含浸しうる。油脂を含有すると、麹菌が油脂を資化し、効率よく発酵熱に変換するため、麹菌の生育のための養分を特に添加する必要がない上、油脂がエネルギー源となって麹菌による有機原料の分解乾燥速度が飛躍的に向上するという効果がある。更に自然界には油脂類を資化する微生物は少ないので、比較的他の雑菌類の汚染を受けやすい麹菌を、優先的に生育させうるという効果もある。油脂浸漬による加熱処理は、上記効果に加え、例えば水分減少による軽量化、及び/又は殺菌の効果もある。さらに、この方法で処理した有機廃棄物を使用すると、従来の麹菌による有機廃棄物の処理に比べ、悪臭の発生が格段に減少し、麹の良好な香りのみとなる。殺菌を目的とする場合には、油脂の温度は約60℃以上が好適であり、もっとも好ましくは70℃以上である。これにより、廃棄物自体の温度を好ましくは約60〜100℃、より好ましくは70〜100℃に熱する。この温度範囲に処理された原料は、麹発酵に最も好適である。水分減少を目的とする場合、油脂の温度は約80℃〜130℃が好適である。この加熱処理は、上記軽量化、水分減少、殺菌の効果により、有機廃棄物の廃棄から次の麹処理の段階までの、有機廃棄物の移動・輸送を容易にし、冷蔵の必要をなくすことができる。 【0006】油脂は、好ましくは植物性油脂又は動物性油脂であり、好ましくは食用の油脂である。生ゴミ処理には悪臭が嫌悪されるが、特に天ぷら油での加熱処理は、通常の天ぷら調理の匂いであり、レストラン等においても容易に処理することができ、扱いにもなれているという利点がある。さらに油脂は廃油であることが好ましく、同時に廃油の処理も行うことができるという利点もある。また、麹菌の例としては、Asp.oryzae、Asp.awamori、Asp.sojae等が挙げられ、好ましくはAsp.oryzae.kawachii、Asp.awamori.kawachii(霧島高原ビール株式会社)である。通常、生ゴミ等の有機廃棄物は、油分を多く含むので従来の堆肥化プラントでは処理できないため、もっとも嫌悪される廃棄物である。しかしながら、この種の麹菌を使用すれば、油脂分解能が高く、上記油脂処理された廃棄物を良好に処理することができるのである。また、分解に好適な他の糸状菌と組み合わせて使用することもできる。 【0007】また更に、麹菌が育成され、発酵が始まると、その発酵熱により、廃棄物が乾燥されていき、所望の水分量以下の麹飼料が得られるが、その乾燥の速度又は度合いを必要に応じて温風を送風することにより向上させることも可能である。最終的な麹飼料の水分は、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以上である。さらに、本発明においては、上記の製造方法により得られた麹飼料が提供される。この麹飼料は、非常に栄養価の高いものとなり、牛、豚、鶏等の家畜に好適に給餌されうる。麹菌が油脂をエネルギー源として使用するために、油脂は消化されて減少し、さらに麹菌由来の脂肪分解酵素が飼料中に含有される。油脂は家畜の下痢を引き起こす原因となるが、脂肪分解酵素が含有されることによりこの問題は完全に解消され、むしろ飼料の栄養価を向上させ家畜の肥育を促進する。さらに、麹菌の作用により、アミラーゼ、プロテアーゼ、活性酸素分解酵素等の酵素もまた本飼料中に大量に蓄積されることとなり、本飼料を給餌した家畜の消化を大幅に助け、さらにストレスを軽減する。また、家畜の糞の悪臭を抑える効果もある。さらに、不飽和脂肪酸を多く含有する飼料を家畜に給餌すると黄変等の肉質の低下をもたらすが、麹菌で処理することにより不飽和脂肪酸は減少し、給餌された家畜は良好な肉質となる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施の形態を説明する。先ず、本方法において、有機原料は、有機性の廃棄物を主な原料とすることが好ましい。有機原料とできる廃棄物であるが、これは、例えば飲食業廃棄物、家庭生ゴミ、食品加工廃棄物、畜産廃棄物、屎尿、検疫所廃棄物等が挙げられる。これら廃棄物は、任意に選択でき、何れか単独でもこれらの混合物であっても良い。これら廃棄物にはアミノ酸が豊富に含まれており、それが飼料としての栄養価を高めることになる。飲食業廃棄物、家庭生ゴミとしては、例えば調理屑、残飯等が含まれる。食品加工廃棄物としては、例えば水産加工処理による魚の煮汁、魚の内臓等が含まれ、水産加工物の製造過程で従来廃棄されている魚全体から分離除去されたものであり、特にその部位を限定するものではない。水産加工物に含まれる低融点の不飽和脂肪酸は、成長促進因子として高く評価されており、これを有効に活用することができる。畜産廃棄物としては、例えば畜産動物の育成におけるあらゆる廃棄物、及び死畜等を含む。また、使用される屎尿としては、畜産業において排出される家畜、例えば牛、馬、鶏等からの排泄物、その他の動物及び人間の排泄物を使用することができる。有機原料には、廃棄物以外のオカラ、穀類等を使用することもできる。 【0009】原料が用意できれば、次に油脂処理を行う。ここで、使用する油脂は、天ぷら油、ラード、しょうゆ油、食肉工場廃油、オリーブ油等、入手可能な食用に適したものであれば如何なるものでも構わないが、飲食店等において、入手及び取り扱いに容易な天ぷら油が好ましい。麹菌は菌体外に脂肪分解酵素を分泌することで水に不溶性の油脂類も水溶性脂肪酸に分解して細胞内に取り込み利用することが可能であるために、植物性油、動物性油を問わず分解することができるからである。また、よく知られているように、廃油も産業廃棄物としてその処理が公害問題化しているが、上記油脂として廃油を使用すれば、この問題も効果的に解消させることができる。油脂処理は、有機原料の少なくとも一部を、適温にした油脂中に所定時間浸漬した後、取り出すことにより行われ、通常の揚げ物をする方法と同様で構わない。油温は、目的に応じて設定すれば良く、例えば、水分蒸発を目的とすれば、約80℃〜約130℃が好ましく、殺菌を目的とすれば、約70℃以上が好ましい。有機原料は少なくとも表面近傍に油脂を含浸した状態になり、取り出した有機原料はそのまま使用できるが、例えばざるに揚げる、圧して油切する、又は油脂を追加する等して、有機原料の油分が有機原料全体の水分の約3重量%以上、好ましくは約5重量%以上、より好ましくは約10重量%以上にすることが好ましい。雑菌の混入を防ぐため、全ての有機原料を油脂処理するのが好ましいが、油脂処理していない原料を混合してもよい。有機原料は、適温にした後、麹中に投入する。 【0010】麹菌を発酵させて飼料を得る方法は、従来知られている如何なる方法によっても良い。例えば、a)麹に原料を加えて良く混合し、b)静置式通風製麹装置を使用して約30℃〜50℃に保持して撹拌を続け、発酵させて、水分を20重量%以下に低下させ、c)次いで原料をさらに混合して、混合物の水分を20〜35重量%としてさらに発酵・乾燥を行い、b)及びc)工程を繰り返すことで水分20%以下の麹飼料を得る方法がある。この際、a)段階での水分は、好ましくは50%以下、より好ましくは25〜40%である。水分はあらゆる方法で調節可能であり、例えば本発明の上記油脂加熱段階で水分を減少することもできるし、比較的乾燥した他の廃棄物、オガクズ、カンナ屑、フスマ、米及び麦ヌカ、ビートパルプ、干草、更に上記方法により生産された乾燥麹飼料等と混合することにより、又は放置、温風、天日等で乾燥させることにより、水分減少をすることもできる。他の物質で混合調製する場合には、好ましくは、澱粉質40%以上のものであり、組み合わせて使用してもよい。逆に油脂処理等で乾燥しすぎている場合には、野菜屑及び水等を加えて水分を上昇させることもできる。従って、本発明の油脂処理した有機原料は、その水分を問わない。また、本方法で使用される麹菌は、通常使用される麹製造のものであってよく、具体的にはAspergillius属あるいはMonascus属、好ましくはAsp.oryzae、Asp.awamori、Asp.sojae等が挙げられ、さらに好ましくは油脂分解能の高い、Asp.oryzae.kawachii、Asp.awamori.kawachii(霧島高原ビール株式会社)であり、他の糸状菌等と組み合わせて使用しても良い。 【0011】麹菌投入後間もなく麹菌の生育に伴い発熱がはじまり、品温が徐々に上昇する。これ以降、恒温槽等で、好適には35℃〜50℃に保温することが好ましく、送風等による冷却が効果的である。さらに50℃〜60℃に加熱した風を送ると、乾燥にはより効果的である。麹菌が発酵を開始すると、発酵熱により水分は蒸発する。従って必要とする水分で飼料とすることができる。最終的な飼料の目標水分は30重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下である。飼料の水分が30重量%より高い場合には総量が多くなり、貯蔵、運搬が困難となってしまう。また長期保存性に劣り、腐敗しやすく好ましくない。その乾燥された有機原料は、そのまま飼料として使用することができるものとなる。また、得られた飼料の水分量を更に低減させる必要がある場合には、スチームヒーターの熱風等を用いて乾燥を行ってもよい。さらに、水分が低下した時点、好ましくは水分約20%の時点で、水分の高い原料をさらに添加撹拌し、水分を約30%前後に調整して発酵を続けることができ、これを数段階繰り返すことができる。 【0012】 【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明を詳細に説明する。 実施例1レストランからの廃棄物100Kgを約105℃の天ぷら油に120分間、浸漬して水分7%の乾燥生ごみ20Kgを得た。これに殺菌した野菜屑7Kgを加えて水分36%に調整した。次にこれを100Kgの麹に添加し、良く混合した。混合と同時に発熱が開始された。この発熱を適温(30℃〜50℃)に制御するため適宜送風を行った。麹への添加後2時間〜3時間経過した時点で麹菌の生育が最も盛んになり、混合物の温度は45℃まで上昇した。さらに、製麹を続け、製麹後半には乾燥の効率化をはかるためにスチームヒーターを通した熱風を送った。その結果、麹への添加後24時間で水分10%の発酵生成物(飼料)が得られた。処理の間、全く悪臭は無かった。 【0013】実施例2レストランからの廃棄物100Kgを約105℃の天ぷら油に10分間浸漬して殺菌した。これを水分15%のふすま麹600Kg中に投入攪拌すると水分25%となった。この30分後から麹菌の発熱が旺盛になり、品温を40度に維持するため適宜送風を行ない、製麹開始後24時間で水分15%の麹飼料615Kgを得た。この処理を1ヶ月間連続して行い1ヵ月後には水分15%の麹650Kgを得た。処理の間、全く悪臭は無く、雑菌のコンタミもなかった。 【0014】実施例3実施例2の飼料を従来の標準飼料に15%混和して黒豚に給餌し、標準飼料のみを給餌した黒豚と比較した。肥育データを図1に示す。このデータから明らかなように従来の標準飼料に比して本飼料を15%給餌した豚は20%の体重増を記録した。 【0015】実施例4また、採卵鶏に給餌した例を図2に例示した。標準飼料に本発明の飼料を混合して給餌した鶏(A)、標準飼料と油脂処理を行わずに製造した麹発酵飼料を混合して給餌した鶏(B)、及び標準飼料のみを給餌した鶏(C)の産卵率を比較したものである。このデータから明らかなように通常の採卵鶏は産卵開始から1年で産卵率が低下するのに対し本飼料を50%給餌した鶏では1年を超えて安定的に高産卵率を維持しており、またその割合は本飼料の混和率が高いほど効果が高い。 【0016】実施例5次に、麹菌の油脂分解に関する実験を行なった。フスマ麹500gに蒸気殺菌した生ごみ266gを混合し、水分35.4%とした。更に25gの食用廃油を混和した。ここで油分は7.2%であった。混和後すぐに品温が上昇したので適宜送風を行い品温を40度以下に維持したところ24時間後には水分14%、油分8.1%の麹飼料507.7gを得た。生ごみと廃油の混和直後、麹の含有する油分は7.2%であったが24時間後には8.1%に変化していた。これを絶対量で計算すると混和直後は(500+291)×7.2%=57gの油分を含んでいたことになる。これに対して24時間製麹後は507.7×8.1%=41gの油分に減少している。この間水分は766×35.4%=271mlから507.7×14%=71mlに減少している。即ち271−71=200mlの水分を蒸発させる間に57−41=16gの廃油を消費していることがわかる。つまり水分200mlを麹の発酵熱で蒸発させるには水分量の8%即ち16gの廃油を必要とすることがわかる。更に製麹前の廃油のヨウ素価は265であったが24時間の製麹後の含有油分のヨウ素価は151に減少していた。これは廃油中の不飽和脂肪酸が麹菌の作用で大幅に分解されたことを物語るものである。 【0017】実施例6本発明の効果を試験するために、麹飼料の成分分析、給餌家畜肉質検査を行った。生ごみ1Kgを103℃に品温維持した天ぷら油3リットル中に投入し24時間乾燥処理を行った。その後天ぷら油中より取り出し圧搾することにより260gの乾物を得た。この乾物中には油分が60g含まれていた。この乾物に146mlの水を加えて水分を36%に調整し、種麹0.4gを添加攪拌した。6時間後から品温の上昇が始まったので適宜攪拌送風することにより品温を36度に維持し40時間後には水分15%の麹275gが完成した。この麹に含まれる油分は17%であった。つまり60gの油分が275×17%=46.8gに減少しており含まれる油分の20%強が麹菌により分解されていた。この麹の成分分析結果は、水分15%、粗蛋白16%、粗脂肪17%、粗繊維6%、灰分4%、NFE42%であった。この麹を飼料として黒豚に生後3ヶ月より従来の配合飼料のうち20%に代替して給餌した。通常黒豚は生後8ヶ月で体重約110Kgに成長するが、本試験では6.5ヶ月で体重110Kgに到達した。更に通常成豚は1日3Kgの飼料を食し6Kgの糞を排泄するといわれるが、本試験の豚はわずか1.8Kgの糞しか排泄しなかった。つまりこの麹が飼料として非常に有効で豚の消化吸収を促進するものであることが明白となった。また従来残飯飼料のように油分の多い餌を給餌すると豚の脂肪分の色が黄変し肉質の低下をきたすとされていたが本試験においてはこの黄変は一切見出されなかった。以上の例から明らかなように、従来の生ごみからの飼料では単に通常の飼料の代替ができる程度のものであったのに対し、本発明の飼料は従来の飼料の機能をはるかに超えるすばらしい効果を持つ。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】596045926 【氏名又は名称】山元 正博 【識別番号】501188812 【氏名又は名称】山元紀子
|
| 【出願日】 |
平成14年2月21日(2002.2.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100109726 【弁理士】 【氏名又は名称】園田 吉隆 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−235465(P2003−235465A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月26日(2003.8.26) |
| 【出願番号】 |
特願2002−45464(P2002−45464) |
|