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【発明の名称】 製菓用トッピング及び和洋菓子
【発明者】 【氏名】石川 準一
【住所又は居所】埼玉県鴻巣市八幡田690番地 みたけ食品工業株式会社鴻巣工場内

【氏名】田島 孝一
【住所又は居所】埼玉県鴻巣市八幡田690番地 みたけ食品工業株式会社鴻巣工場内

【氏名】坂元 直基
【住所又は居所】東京都中央区銀座一丁目3番9号 三菱化学フーズ株式会社内

【要約】 【課題】表面温度40℃以下の菓子に振り掛けて使用される製菓用トッピングであって、トッピング素材が好適には大豆粉末などの穀物粉末から成る、低湿性の製菓用トッピングを提供する。

【解決手段】製菓用トッピング素材をHLB4〜6のショ糖ステアリン酸エステルでコーティングして成る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 製菓用トッピング素材をHLB4〜6のショ糖ステアリン酸エステルでコーティングして成り、表面温度40℃以下の菓子に振り掛けて使用されることを特徴とする製菓用トッピング。
【請求項2】 製菓用トッピング素材が穀物粉末である請求項1に記載の製菓用トッピング。
【請求項3】 穀物粉末が大豆粉末である請求項2に記載の製菓用トッピング。
【請求項4】 ショ糖ステアリン酸エステルの使用割合が製菓用トッピング素材100重量部当たり1〜10重量部である請求項1〜3の何れかに記載の製菓用トッピング。
【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の製菓用トッピングを表面に振り掛けてなることを特徴とする和洋菓子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製菓用トッピング及び和洋菓子に関し、詳しくは、表面温度40℃以下の和洋菓子に振り掛けて使用される低湿性の製菓用トッピング及び当該トッピングを使用した和洋菓子に関する。
【0002】
【従来の技術】和洋菓子に使用されるトッピングは、和洋菓子の美観維持の観点から低湿性であることが望まれる。そこで、特開平7−75501号公報には、「構成脂肪酸の炭素数が8〜22で平均置換度が2以上のショ糖脂肪酸エステルで製菓用トッピング素材をコーティングしたことを特徴とする非吸湿性製菓用トッピング」が提案されている。そして、製菓用トッピング素材の具体例として、従来から製菓用に使用されている糖類などが記載されている。また、具体的な効果が確認されているのは、フライ後に油を切った直後のドーナツに振り掛けた場合の吸油性である。
【0003】ところで、製菓用トッピングは、菓子製造の最終工程で使用されるので、振り掛ける菓子の種類、振り掛ける時の菓子の状態も様々であり、また、加熱直後の使用に限られると工程上不都合を生じる場合もある。更に、製菓用トッピング素材にも種々の種類があり、上記のショ糖脂肪酸エステルが、その全てについて有効という訳ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、揚げたてのドーナツ等と比べて低温の表面を有する菓子に振り掛けて使用される製菓用トッピングであって、トッピング素材が好適には大豆粉末などの穀物粉末から成る、低湿性の製菓用トッピングを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記のトッピングを使用した和洋菓子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、表面温度40℃以下の菓子に振り掛けて使用される場合、特に大豆粉末などの穀物粉末の吸湿防止に対しては、前記の公開公報にて提案されたショ糖脂肪酸エステルの中の特定のものであって且つ特定のHLBを有するショ糖脂肪酸エステルが顕著な効果を発揮するとの知見を得、本発明の完成に至った。
【0006】すなわち、本発明の第1の要旨は、製菓用トッピング素材をHLB4〜6のショ糖ステアリン酸エステルでコーティングして成り、表面温度40℃以下の菓子に振り掛けて使用されることを特徴とする製菓用トッピングに存する。そして、本発明の第2の要旨は、上記の製菓用トッピングを表面に振り掛けてなることを特徴とする和洋菓子に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の製菓用トッピングについて説明する。本発明の製菓用トッピングは、製菓用トッピング素材とショ糖ステアリン酸エステルとから得られる。
【0008】本発明に使用される製菓用トッピング素材(以下、単に「トッピング素材」と略記する)としては穀物粉末が好適であり、その具体例としては、大豆製品のきな粉、洲浜粉;大麦製品のはったい粉、こうせん、むぎこがし;玄米製品の玄米粉;うるち米製品の上用粉(薯蕷粉)、上新粉);もち米製品の寒梅粉、上南粉氷餅などの他、カカオ豆などが挙げられる。これらの中では、大豆製品のきな粉や洲浜粉が好ましく、特にきな粉が好ましい。勿論、本発明においては、トッピング素材として、上記の他、ショ糖、ブドウ糖、果糖、各種オリゴ糖などの糖類、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール等の糖アルコール類、これらの糖または糖アルコールを微粉化した粉糖類、ココア粉末、各種色素なども使用することが出来る。これらのトッピング素材の粒子径は、通常80メッシュ篩下、好ましくは80〜200メッシュ篩の範囲である。
【0009】本発明に使用されるショ糖脂肪酸エステルはショ糖ステアリン酸エステルである。なお、市販のショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸は2種以上の混合物であり、本発明において、ショ糖ステアリン酸エステルとは、構成脂肪酸の50重量%以上、好ましくは60重量%以上がステアリン酸であるものを言う。
【0010】本発明に使用されるショ糖ステアリン酸エステルのHLBは4〜6の範囲であり、ショ糖ステアリン酸エステルの平均エステル置換度としては、通常2.5未満、好ましくは2.0〜2.4の範囲である。
【0011】上記の様なショ糖ステアリン酸エステルの市販品としては、例えば、三菱化学フーズ社製の「リョートーシュガーエステル S−570」(ステアリン酸含有量70重量%のショ糖ステアリン酸エステル、HLB5)等が挙げられる。
【0012】本発明の製菓用トッピングは、前記の様なトッピング素材を上記の様なショ糖ステアリン酸エステルでコーティングして成る。
【0013】コーティング方法として、例えば、トッピング素材とショ糖ステアリン酸エステルの粉末とを直接混合する方法(粉粉混合)を採用することが出来る。この場合、粉粉混合された混合物に、物理的に剪断力を加えたり、加熱して撹拌混合する等の方法が好ましい。なお、ショ糖ステアリン酸エステルの粒子径は、粉粉混合の場合、トッピング素材の粒子径以下とされる。
【0014】本発明において、「コーティングして成る」とは、コーティングされた状態を意味する。従って、本発明には、上記の粉粉混合(コーティング操作)の他、製菓用トッピング素材粉末の製造工程、例えば、穀物原料の粉砕工程でショ糖ステアリン酸エステルを添加し、穀物粉末をショ糖ステアリン酸エステルでコーティングして成る場合も包含される。
【0015】ショ糖ステアリン酸エステルの使用割合は、特に制限されないが、トッピング素材100重量部当たり、通常1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部である。ショ糖ステアリン酸エステルの使用割合が余りに少ない場合は低湿性の改良効果が不十分であり、余りに多い場合はトッピング素材の濃度が低下すると共にその風味なども損なわれる。
【0016】本発明の製菓用トッピングは、表面温度40℃以下、好ましくは30℃以下の各種の和洋菓子に振り掛けて使用される。斯かる菓子としては、例えば、うぐいす餅、桜餅、団子などの餅菓子、くず桜、くず餅などの和生・半生菓子、練りあんの仕上物やあん応用物などの和菓子、ババロア、ゼリー、カスタードプディング等のアントルメ、ホイップクリーム等の仕上げ加工を施した各種のケーキ類などが挙げられる。本発明の製菓用トッピングは、低湿性であるため、和洋菓子商品の外観の劣化を防止することが出来る。
【0017】次に、本発明の和洋菓子について説明する。本発明の和洋菓子は、前述のトッピングを表面温度40℃以下の菓子に振り掛けてなることを特徴とする。本発明の和洋菓子としては、前述の様な各種の和洋菓子が挙げられる。また、トッピングは菓子の表面に振り掛けられるので、表面温度40℃以下でトッピングを振り掛ける焼き菓子、蒸し菓子、揚げ菓子などの和洋菓子も含まれ、これらの菓子の内部温度は上記の温度以上であってもよい。振り掛けるトッピングの量は、トッピング及び和洋菓子の種類や嗜好に応じて適宜選択される。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の緒例において、「吸湿性防止(泣き防止)」の評価は、次の様に行った。
【0019】<吸湿性防止(泣き防止)の評価法>23℃のイオン交換水150mlを入れた200mlガラスビーカーに5gの試料を落とし、その後、試料の沈降度合いを経時的に観察する。吸湿性の大きい試料は早い時間で沈降する。
【0020】実施例1黄名粉12g、HLB5のショ糖ステアリン酸エステル(リョートーシュガーエステル「S−570」)を0.6g秤取り、ポリエチレンの袋中で1分間粉粉混合し、その後、乳鉢で2分間粉砕混合を行った。評価結果を表1に示す。
【0021】比較例1実施例1と同様の方法で、ショ糖脂肪酸エステルを混合しないで行った。評価結果を表1に示す。
【0022】比較例2実施例1と同様の方法で、HLB2のショ糖ステアリン酸エステル(リョートーシュガーエステル「S−270」)に代えて行った。評価結果を表1に示す。
【0023】比較例3実施例1に同様の方法で、HLB3のデカグリセリンステアリン酸エステル(リョートーポリグリエステル「DS3」)に代えて行った。評価結果を表1に示す。
【0024】参考例1実施例1で得られた試料について、50℃のイオン交換水を使用して吸湿性防止(泣き防止)の評価法を行なった。評価結果を表1に示す。
【0025】
【表1】

【0026】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、表面温度40℃以下の菓子に振り掛けて使用される製菓用トッピングであって、トッピング素材が好適には大豆粉末などの穀物粉末から成る、低湿性の製菓用トッピングが提供され、本発明は、製菓分野に寄与するところが大きい。
【出願人】 【識別番号】300090178
【氏名又は名称】みたけ食品工業株式会社
【住所又は居所】埼玉県戸田市本町4丁目1番1号
【識別番号】593204214
【氏名又は名称】三菱化学フーズ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区銀座一丁目3番9号
【出願日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【代理人】 【識別番号】100097928
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 数彦
【公開番号】 特開2003−245041(P2003−245041A)
【公開日】 平成15年9月2日(2003.9.2)
【出願番号】 特願2002−46007(P2002−46007)