トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 水中油型チョコレート類
【発明者】 【氏名】吉沢 恵
【住所又は居所】東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電化工業株式会社内

【要約】 【課題】保存性、口溶け、保水性が良好であり、耐熱性があり、特に製造直後でも耐熱性を有し、30〜40℃に保管しても保型性が良好で、離水や油分離をしない水中油型チョコレート類を提供する。

【解決手段】リゾホスホリポ蛋白質を含有し、水分の含有量が5〜30重量%である水中油型チョコレート類。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リゾホスホリポ蛋白質を含有し、水分の含有量が5〜30重量%である水中油型チョコレート類。
【請求項2】 上記のリゾホスホリポ蛋白質の含有量が0.015〜0.27重量%である請求項1記載の水中油型チョコレート類。
【請求項3】 リゾホスホリポ蛋白質を含有する水相又はリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物と、チョコレート生地を含有する油相を混合することを特徴とする水中油型チョコレート類の製造方法。
【請求項4】 請求項1又は2に記載の水中油型チョコレート類を用いた食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水中油型チョコレート類に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ガナッシュはチョコレート類とクリーム類の混合物で、従来においては、通常、細かく刻んだチョコレートを煮立てたクリーム類に加え、これを良く混ぜ合わせた後、冷却して製造されている。その乳化状態は水中油型であり、口溶けは良好であるが、保存性に劣っていた。
【0003】特開2000−262217号公報に記載の水中油型含水チョコレートでは、焼成耐性があるものの、保水力が劣り、またチョコレートを高温(30〜40℃)に一晩保管したとき、保型性が悪く、離水や油分離をしてしまうものであった。
【0004】また、特開平3−228647号公報には、水相中に油脂が分散したO/W型エマルジョンをチョコレート中に分散混合した耐熱性チョコレートが記載されている。これにより得られた耐熱性チョコレートは、みずみずしさに乏しいものであり、また製造直後の耐熱性は劣るものであった。
【0005】従って、本発明の目的は、保存性、口溶け、保水性が良好であり、耐熱性があり、特に製造直後でも耐熱性を有し、30〜40℃に保管しても保型性が良好で、離水や油分離をしない水中油型チョコレート類を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、リゾホスホリポ蛋白質を含有し、水分の含有量が5〜30重量%である水中油型チョコレート類により、上記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水中油型チョコレート類について詳述する。
【0008】本発明の水中油型チョコレート類はリゾホスホリポ蛋白質を含有する。上記のリゾホスホリポ蛋白質は、リゾリン脂質と蛋白質が複合体を形成したものであり、リゾリン脂質あるいは蛋白質とは全く性質の異なるものである。また、同一系内にリゾリン脂質と蛋白質が共存していても複合体は形成されない。
【0009】上記のリゾホスホリポ蛋白質は、ホスホリポ蛋白質又はホスホリポ蛋白質含有原料、例えば卵黄、全卵、バターミルクパウダー、バターミルク、大豆蛋白、小麦蛋白等をホスホリパーゼAで処理したものである。本発明では卵黄をホスホリパーゼAで処理したものが好ましく用いられる。
【0010】上記のホスホリパーゼAは、リン脂質分子のグリセロール部分と脂肪酸残基とを結び付けている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基で置き換える作用を有する酵素である。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。ホスホリパーゼAは、作用する部位の違いによってA1及びA2があるが、本発明ではホスホリパーゼA2を用いるのが好ましい。
【0011】本発明の水中油型チョコレート類において、上記のリゾホスホリポ蛋白質を使用したことによる著しい効果は、水中油型チョコレート類の保水力を向上させ、水中油型チョコレート類に耐熱保型性を付与し、特に製造直後の耐熱保型性を付与することである。
【0012】本発明の水中油型チョコレート類における上記のリゾホスホリポ蛋白質の含有量は、好ましくは0.015〜0.27重量%、さらに好ましくは0.017〜0.24重量%、最も好ましくは0.018〜0.21重量%である。水中油型チョコレート類中の上記のリゾホスホリポ蛋白質の含有量が0.015重量%より少ないと水中油型チョコレート類を高温(30〜40℃)に保管したとき、保型性が悪く、離水や油分離をしやすく、水中油型チョコレート類中の上記のリゾホスホリポ蛋白質の含有量が0.27重量%よりも多いと水中油型チョコレート類の風味を損いやすい。
【0013】また、本発明の水中油型チョコレート類における上記のリゾホスホリポ蛋白質の含有量をリゾホスホリポ蛋白質を構成するリゾリン脂質の量で示すと、水中油型チョコレート類中、好ましくは0.01〜0.17重量%、さらに好ましくは0.01〜0.15重量%、最も好ましくは0.01〜0.13重量%である。
【0014】本発明においてリゾホスホリポ蛋白質含有原料として、例えば卵黄をホスホリパーゼA2で処理し、そのときのホスホリポ蛋白質からリゾホスホリポ蛋白質への変換率が75%の酵素処理卵黄を用いた場合、本発明の水中油型チョコレート中の上記の酵素処理卵黄の含有量は、好ましくは0.12〜2.2重量%、さらに好ましくは0.13〜2重量%、最も好ましくは0.15〜1.7重量%である。また、本発明においてリゾホスホリポ蛋白質含有原料として、例えば卵黄をホスホリパーゼA2で処理し、そのときのホスホリポ蛋白質からリゾホスホリポ蛋白質への変換率が76.6%の酵素処理卵黄を用いた場合、本発明の水中油型チョコレート中、酵素処理卵黄の含有量は好ましくは0.12〜2.2重量%、さらに好ましくは0.13〜1.9重量%、最も好ましくは0.14〜1.7重量%である。このようにホスホリポ蛋白質からリゾホスホリポ蛋白質への変換率によって酵素処理した卵黄の添加量は変化する。
【0015】上記のリゾホスホリポ蛋白質の変換率は、変換前のホスファチジルコリンとホスファチジルエタノールアミンとの合計量に対する変換されたリゾホスファチジルコリンとリゾエタノールアミンの割合として表している。上記のリゾホスホリポ蛋白質の変換率は10重量%以上、さらに好ましくは40〜60重量%、最も好ましくは60〜90重量%であり、変換率の高いほうがリゾホスホリポ蛋白質の使用量を節約できる。
【0016】本発明の水中油型チョコレート類は、ホスホリポ蛋白質を含有していてもよい。ここでいうホスホリポ蛋白質とは、ホスホリポ蛋白質含有原料(例えば卵黄、全卵、バターミルクパウダー、バターミルク、大豆蛋白、小麦蛋白等)でもよいし、ホスホリポ蛋白質やホスホリポ蛋白質含有原料をホスホリパーゼAで処理した際にリゾホスホリポ蛋白質とならなかったホスホリポ蛋白質でもよい。
【0017】本発明の水中油型チョコレート類における上記のホスホリポ蛋白質の含有量は、好ましくは0.005〜0.09重量%、さらに好ましくは0.006〜0.08重量%、最も好ましくは0.006〜0.07重量%である。
【0018】本発明の水中油型チョコレート類の水分は、5〜30重量%、好ましくは7〜28重量%、最も好ましくは10〜25重量%である。
【0019】水中油型チョコレート類の水分が5重量%よりも少ないと水中油型の含水チョコレートにすることが困難なので好ましくなく、30重量%よりも多いと風味が劣るので好ましくない。
【0020】本発明の水中油型チョコレート類で用いることができる油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、落花生油、サフラワー油、オリーブ油、カボック油、月見草油、カカオ脂、イリッペ脂、サル脂、シア脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油、バター、バターオイル等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。
【0021】本発明でいう油脂には、乳製品、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材から抽出される脂肪分も含む。
【0022】上記の油脂の含有量は、本発明の水中油型チョコレート類中、好ましくは10〜60重量%、さらに好ましくは12〜55重量%、最も好ましくは15〜50重量%である。
【0023】本発明の水中油型チョコレート類で用いることができる乳化剤としては、レシチン等の天然の乳化剤や、以下に示した合成乳化剤を使用することができる。合成乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。本発明ではこれらの乳化剤のうち、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いるのが好ましい。
【0024】上記のポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは好ましくは10以上、さらに好ましくは12〜20である。
【0025】上記のポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等が挙げられる。上記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン残基としては、好ましくはグリセリン重合度が6〜10のポリグリセリン残基が好ましい。具体的にはデカグリセリンモノオレエートが好ましい。
【0026】上記の乳化剤の含有量は、本発明の水中油型チョコレート類中、好ましくは0.05〜2.7重量%、さらに好ましくは0.055〜2.4重量%、最も好ましくは0.06〜2.1重量%である。
【0027】本発明の水中油型チョコレート類で用いることができる糖類としては、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、トレハロース、キシロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつ等が挙げられる。
【0028】上記の糖類の含有量は、本発明の水中油型チョコレート類中、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜60重量%、最も好ましくは20〜55重量%である。
【0029】本発明の水中油型チョコレート類で用いることができる澱粉類としては、コーン・ワキシーコーン・タピオカ・馬鈴薯・甘藷・小麦・米等の澱粉類が挙げられ、これらの澱粉類を、酵素処理、酸やアルカリ処理、エステル化処理、リン酸架橋化処理、α化処理等の物理的、化学的処理の中から選ばれた1種又は2種以上の処理を行った澱粉類を用いてもよい。特に本発明ではα化処理を行っていない澱粉類を用いるのがよい。
【0030】上記の澱粉類の含有量は、本発明の水中油型チョコレート類中、好ましくは0.25〜9重量%、さらに好ましくは0.275〜8重量%、最も好ましくは0.3〜7重量%である。
【0031】本発明の水中油型チョコレート類で用いることができる安定剤としては、例えばキサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、ファーセラン、タマリンド種子多糖類、タラガム、カラヤガム、アラビアガム、ジェランガム、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、ペクチン、寒天、カラギーナン、プルラン、ゼラチンを必要により用いることができ、本発明ではκ―カラギーナンを用いるのが好ましい。
【0032】上記の安定剤の含有量は、本発明の水中油型チョコレート類中、好ましくは0.1〜2.7重量%、さらに好ましくは0.11〜2.4重量%、最も好ましくは0.12〜2.1重量%である。
【0033】本発明の水中油型チョコレート類で用いることができる乳製品や乳製品類似製品としては、例えば生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、豆乳、クリーム、濃縮クリーム、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、クリームパウダー、ホエイ、ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バター、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、カゼイン、カゼインカルシウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、カゼインナトリウム、レンネットカゼイン、乳清蛋白質、ラクトアルブミン、ホエープロテインコンセートレート、トータルミルクプロテイン、ミルクカルシウム、チーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト、純生クリーム、ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)、植物性ホイップ用クリーム、チョコレート・ガナッシュ・カスタード風味のホイップ用クリーム等のクリーム類及びこれらのクリーム類をホイップしたもの等が挙げられる。
【0034】上記の乳製品の含有量は、本発明の水中油型チョコレート類中、好ましくは0.05〜11重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%、最も好ましくは0.2〜9重量%である。
【0035】また、本発明の水中油型チョコレート類では必要により、以下のような食品素材を用いることができる。例えば、強力粉、薄力粉、中力粉等の穀粉類、全卵、卵黄、卵白、乾燥卵、乾燥卵黄、乾燥卵白等の卵類、原料アルコール、焼酎、ウオッカやブランデー等の蒸留酒、ワイン、日本酒、ビール等の醸造酒、各種リキュール、ココナッツミルク、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、着香料、調味料、pH調整剤、炭酸カルシウム等の塩類、セルロース等の増量剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、穀類、ハーブ、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材、コンソメ、ブイヨン、食品添加物等が挙げられる。
【0036】本発明の水中油型チョコレート類は例えば以下のような製造方法により製造することができる。本発明の水中油型チョコレート類は、リゾホスホリポ蛋白質を含有する水相又はリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物と、チョコレート生地を含有する油相を混合することにより得られる。
【0037】具体的にはまず、リゾホスホリポ蛋白質を含有する水相又はリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物を用意する。
【0038】上記のリゾホスホリポ蛋白質を含有する水相やリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物の粘度は、15℃で好ましくは50万〜200万cp(500〜2000Pa・s)、さらに好ましくは70万〜180万cp(7000〜1800Pa・s)、最も好ましくは90万〜150万cp(9000〜1500Pa・s)である。
【0039】上記の粘度は、例えばBH型粘度計を使用し、リゾホスホリポ蛋白質を含有する水性成分を含有する水相やリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物を15℃で1分間、2rpmで回転させて測定したときの値である。
【0040】また上記のリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物の油分は好ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは25〜55重量%、最も好ましくは30〜50重量%である。
【0041】このようなリゾホスホリポ蛋白質を含有する水相やリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物を好ましくは20〜50℃、さらに好ましくは25〜40℃に調温する。
【0042】一方、チョコレート生地を含有する油相を用意する。上記のチョコレート生地とは、カカオマスやココアパウダー、粉乳等の各種粉末食品、油脂類、糖類、乳化剤、香料、色素等の中から選択した原料を任意の割合で混合し、常法によりロール掛け、コンチング処理して得たものを意味する。また上記のチョコレート生地はブラックチョコレート、ホワイトチョコレート、カラーチョコレート等のいずれでもよい。
【0043】上記のチョコレート生地を含有する油相は、上記のようなチョコレート生地に必要により、澱粉類、安定剤、乳化剤、香料、色素、油脂等を添加したものである。
【0044】このようなチョコレート生地を含有する油相を好ましくは20〜32℃、さらに好ましくは25〜31℃に調温する。
【0045】そして、次に上記のリゾホスホリポ蛋白質を含有する水相又はリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物と、上記のチョコレート生地を含有する油相をミキサー等で混合する。
【0046】リゾホスホリポ蛋白質を含有する水相又はリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物と、チョコレート生地を含有する油相の混合割合は、好ましくはリゾホスホリポ蛋白質を含有する水相やリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物50〜90重量%、チョコレート生地を含有する油相50〜10重量%、さらに好ましくはリゾホスホリポ蛋白質を含有する水相やリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物55〜80重量%、チョコレート生地を含有する油相45〜20重量%、最も好ましくはリゾホスホリポ蛋白質を含有する水相やリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物60〜70重量%、チョコレート生地を含有する油相40〜30重量%とする。
【0047】本発明の水中油型チョコレート類は、シェル状のチョコレートに入れたり、例えば、ケーキ、ビスケット、クッキー、シュー、パイ及び冷菓等のトッピング用、サンド用、フィリング用及びコーティング用等として用いることができる。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
【0049】<酵素処理卵黄の調製>卵黄99.97重量%に0.03重量%のレシターゼ10−L(登録商標、ノボノルディスティックバイオインダストリー社製、ホスホリパーゼA2を10000IU/ml含む)を攪拌しながら加えた。得られた混合物を50℃で4時間インキュベートし、その後5℃に保管した。得られたリゾホスホリポ蛋白質含有原料のリゾホスホリポ蛋白質の含有量は12.6重量%、ホスホリポ蛋白質の含有量は3.9重量%で、リゾホスホリポ蛋白質の変換率は76.6重量%(リゾリン脂質含量として7.7重量%)であった。
【0050】〔実施例1〕液糖42.44重量%、酵素処理卵黄1重量%、デカグリセリンモノオレエート0.7重量%、米澱粉3重量%、セルロース5重量%、炭酸カルシウム2重量%、ラクトアルブミン0.4重量%、κ―カラギーナン0.2重量%に菜種油45重量%、酸化防止剤0.04重量%、色素0.02重量%、香料0.2重量%を混合し、油分46.4重量%の水中油型乳化物を得た。
【0051】得られた水中油型乳化物の粘度は15℃で1300Pa・sであった。なお、上記の粘度は、例えばBH型粘度計を使用し、水中油型乳化物を1分間2rpmで回転させて測定したときの値である。
【0052】一方、カカオマス16重量%、砂糖44重量%、ココアバター10重量%、ハードバター10重量%及び全脂粉乳20重量%から成る配合にて常法に従い、ミルクチョコレート生地を製造した。そして、30℃に調温した上記ミルクチョコレート生地30重量%と上記水中油型乳化物を30℃に調温したもの70重量%を合わせて水中油型チョコレートを製造した。
【0053】得られた水中油型チョコレートの水分は11.3重量%、リゾホスホリポ蛋白質は0.088重量%、ホスホリポ蛋白質0.027重量%であった。
【0054】かくして得た水中油型チョコレートは、その乳化型を通電により調べた結果、水中油型であった。
【0055】また製造直後の水中油型チョコレートを30℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保型性は良好であった。
【0056】さらに製造後120日経過した水中油型乳化物とチョコレート生地を混ぜて作った水中油型チョコレートを30℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保型性は良好であった。
【0057】〔実施例2〕カカオマス40重量%、砂糖50重量%及びハードバター10重量%から成る配合にて常法に従い、ビターチョコレート生地を製造した。そして、30℃に調温した上記ビターチョコレート生地30重量%と実施例1で得られた水中油型乳化物を30℃に調温したもの70重量%を合わせて水中油型チョコレートを製造した。
【0058】得られた水中油型チョコレートの水分は10.9重量%、リゾホスホリポ蛋白質は0.088重量%、ホスホリポ蛋白質は0.027重量%であった。
【0059】かくして得た水中油型チョコレートは、その乳化型を通電により調べた結果、水中油型であった。
【0060】また、製造直後の水中油型チョコレートを30℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保型性は良好であった。
【0061】さらに製造後120日経過した水中油型乳化物とチョコレート生地を混ぜて作った水中油型チョコレートを30℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保型性は良好であった。
【0062】〔実施例3〕砂糖42.5重量%、ココアバター20重量%、ハードバター17.5重量%、全脂粉乳20重量%から成る配合にて常法に従い、ホワイトチョコレート生地を製造した。そして、30℃に調温した上記ホワイトチョコレート生地30重量%と実施例1で得られた水中油型乳化物を30℃に調温したもの70重量%を合わせて水中油型チョコレートを製造した。
【0063】得られた水中油型チョコレートの水分は11.1重量%、リゾホスホリポ蛋白質は0.088重量%、ホスホリポ蛋白質0.027重量%であった。
【0064】かくして得た水中油型チョコレートは、その乳化型を通電により調べた結果、水中油型であった。
【0065】また製造直後の水中油型チョコレートを30℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保型性は良好であった。
【0066】さらに製造後120日経過した水中油型乳化物とチョコレート生地を混ぜて作った水中油型チョコレートを30℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保型性は良好であった。
【0067】〔実施例4〕小麦粉100重量部、全卵120重量部、上白糖100重量部、マーガリン25重量部、起泡剤6重量部及び膨張剤1重量部で製造したブッセのフィリングクリームとして実施例1で製造した水中油型チョコレートを使用したところ、保型性が良好で、かつみずみすしく口溶け良好な美味しいチョコレート複合菓子となった。また製造直後のチョコレート複合菓子を30℃、35℃にて24時間保存後も保型性は良好であった。
【0068】〔実施例5〕小麦粉100重量部、全卵160重量部、炭酸アンモニウム1重量部、マーガリン90重量部及び水140重量部で製造したベビーシューのフィリングクリームとして実施例2で製造した水中油型チョコレートを使用したところ、保型性が良好で、かつみずみすしく口溶け良好な美味しいチョコレート複合菓子となった。また製造直後のチョコレート複合菓子を30℃、35℃にて24時間保存後も保型性は良好であった。
【0069】〔実施例6〕液糖51重量%、酵素処理卵黄1重量%、デカグリセリンモノオレエート0.2重量%、セルロース3重量%、炭酸カルシウム1重量%、ラクトアルブミン0.3重量%を混合して水相を得た。一方、溶解したビターチョコレート生地(カカオマス19.02重量%、砂糖16.49重量%、ハードバター6.76重量%)に、米澱粉1重量%、κ−カラギーナン0.2重量%、酸化防止剤0.03重量%を添加して油相を得た。そして30℃に調温した水相と、30℃に調温した油相を混合して、水中油型チョコレートを得た。得られた水中油型乳化物の粘度は15℃で1500Pa・sであった。
【0070】なお、上記の粘度は、例えばBH型粘度計を使用し、水中油型乳化物を1分間、2rpmで回転させて測定したときの値である。
【0071】得られた水中油型チョコレートの水分は16重量%、リゾホスホリポ蛋白質は0.126重量%、ホスホリポ蛋白質0.039重量%であった。
【0072】かくして得た水中油型チョコレートは、その乳化型を通電により調べた結果、水中油型であった。
【0073】また製造直後の水中油型チョコレートを30℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保型性が良好であった。
【0074】
【発明の効果】本発明の水中油型チョコレート類は、保存性、口溶け、保水性が良好であり、耐熱性があり、特に製造直後でも耐熱性を有し、30〜40℃に保管しても保型性が良好で、離水や油分離をしないものである。
【出願人】 【識別番号】000000387
【氏名又は名称】旭電化工業株式会社
【住所又は居所】東京都荒川区東尾久7丁目2番35号
【出願日】 平成14年2月5日(2002.2.5)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
【公開番号】 特開2003−225055(P2003−225055A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−27770(P2002−27770)