| 【発明の名称】 |
スティック状冷菓及びその成型型枠と製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 芳郎
【氏名】松倉 正芳
【氏名】小澤 公行
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| 【要約】 |
【課題】芳しい食感の得られるコーティング層を備えると共に、内部冷菓とコーティング層食材とを一体的に安定してひとくちずつ食することのできるスティック状冷菓、並びに、その内部冷菓を成型するための型枠、そして、その型枠を用いてスティック状冷菓を製造する方法を提供すること。
【解決手段】コーティング用食材から成る薄いコーティング層を表面に備えた略スティック状の冷菓において、上面、底面、並びに、相対的に大きな面積の大側面を少なくとも2面、相対的に小さな面積の小側面を少なくとも1面を設け、上部ほど水平断面が大きな略角錐台の形状とし、少なくとも大側面には、略上下方向に沿った直線状であると共に水平方向には段差を形成する凹凸部を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】コーティング用食材から成る薄いコーティング層を表面に備えた略スティック状の冷菓であって、上面、底面、並びに、相対的に大きな面積の大側面を少なくとも2面、相対的に小さな面積の小側面を少なくとも1面を備えて、上部ほど水平断面が大きな略角錐台の形状であり、少なくとも大側面に、略上下方向に沿った直線状であると共に水平方向には段差を形成する凹凸部を有することを特徴とするスティック状冷菓。 【請求項2】冷却によって硬化する流動状の冷菓原料を充填し、冷却して冷菓原料を略スティック状に成型するための型枠であって、底壁と、相対的に大きな面積の大側壁を少なくとも2面と、相対的に小さな面積の小側壁を少なくとも1面とを備えて、上部が開口した略筒状であり、上部ほど水平断面が大きく、そして、少なくとも大側壁に、略上下方向に沿った直線状であると共に水平方向には段差を形成する凹凸部を有することを特徴とするスティック状冷菓の成型型枠。 【請求項3】冷却によって硬化する流動状の冷菓原料を、請求項2に記載の型枠に充填し、冷却して冷菓原料をスティック状に成型し、成型した冷菓を型枠から抜き出し、流動状のコーティング用食材に一旦浸漬して抜き出し、流動状のコーティング用食材で表面にコーティング層を形成した冷菓を、冷媒に浸漬してコーティング用食材を硬化することを特徴とするスティック状冷菓の製造方法。 【請求項4】コーティング層を形成する流動状のコーティング用食材を、下方に向かって若干流下させた状態で、硬化する請求項3に記載のスティック状冷菓の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、チョコレートを表面にコーティングしたアイスクリームなど、コーティング用食材から成る薄層を表面に備えた略スティック状の冷菓、並びに、その冷菓原料を充填して成型するための型枠、そして、その型枠を用いてスティック状冷菓を製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】コーティング用食材から成る薄層を表面に備えた略スティック状の冷菓として、チョコレートを表面にコーティングしたスティック状のアイスクリームが公知である。その製造方法については、例えば特開平7−39315号公報に開示されている。また、アイスクリームの表面にコーティングするチョコレートについては、例えば、特開平5−49399号公報に開示されている。 【0003】しかし、そのような従来の冷菓に備わるコーティング層は、単調な平板状であった。すなわち、略直方体形状の内部冷菓の表面をただ覆うだけのものであった。また、コーティング層食材の食感について、格別な配慮がなされていたわけではないので、コーティング層を設けたからといって芳しい食感が生じるということはなかった。 【0004】コーティング層が単調な平板状であると、応力がかかった時、その拡散方向は偶発的で安定しない。すなわち、冷菓をかじったとき、歯の当たった位置から不測の方向に、しかも過分に長い破断線が生じてしまうので、内部冷菓とコーティング層食材とを一体的にひとくちずつ食するのは困難である。この傾向は、内部冷菓が昇温して軟化するほど著しくなり、コーティング層食材が大きな破片となって落下することも少なくない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、芳しい食感の得られるコーティング層を備えると共に、内部冷菓とコーティング層食材とを一体的に安定してひとくちずつ食することのできるスティック状冷菓、並びに、その内部冷菓を成型するための型枠、そして、その型枠を用いてスティック状冷菓を製造する方法を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、冷菓の表面部分の形状に改良を施した。すなわち、本発明のスティック状冷菓は、コーティング用食材から成る薄いコーティング層を表面に備えた略スティック状の冷菓であって、上面、底面、並びに、相対的に大きな面積の大側面を少なくとも2面、相対的に小さな面積の小側面を少なくとも1面を備えて、上部ほど水平断面が大きな略角錐台の形状であり、そして、少なくとも大側面に、略上下方向に沿った直線状であると共に水平方向には段差を形成する凹凸部を有することを特徴とする。 【0007】また、このスティック状冷菓の内部冷菓を成型するための型枠は、冷却によって硬化する流動状の冷菓原料を充填し、冷却して冷菓原料を略スティック状に成型するための型枠であって、底壁と、相対的に大きな面積の大側壁を少なくとも2面と、相対的に小さな面積の小側壁を少なくとも1面とを備えて、上部が開口した略筒状であり、上部ほど水平断面が大きく、そして、少なくとも大側壁に、略上下方向に沿った直線状であると共に水平方向には段差を形成する凹凸部を有することを特徴とする。 【0008】この型枠を用いてスティック状冷菓を製造するには、冷却によって硬化する流動状の冷菓原料を、その型枠に充填し、冷却して冷菓原料をスティック状に成型し、成型した冷菓を型枠から抜き出し、流動状のコーティング用食材に一旦浸漬して抜き出し、流動状のコーティング用食材で表面にコーティング層を形成した冷菓を、冷媒に浸漬してコーティング用食材を硬化することを特徴とする。ここで、コーティング層を形成する流動状のコーティング用食材を、下方に向かって若干流下させた状態で硬化する方法をとって、食感の向上に寄与させてもよい。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を、図面に示した実施例を基に説明する。ここでは、内部冷菓としてアイスクリームを例示するが、冷却によって硬化する流動状の冷菓原料を型枠に充填し、冷却によって冷菓原料をスティック状に成型できるものであれば、アイスキャンディーやフローズンヨーグルトなど任意の内部冷菓を対象とすることが可能である。また、ここでは、コーティング用食材としてチョコレートを例示するが、スティック状に成型した内部冷菓を浸漬させて、表面にコーティング層を形成できる流動状の食材であれば、キャラメルやクリームなど任意のコーティング用食材を対象とすることが可能である。 【0010】図1は、本発明によるスティック状冷菓の一部破断斜視図である。また、図2ないし6は、内部冷菓を成型する型枠の正面図、側面断面図、平面図、上部平面断面図、底部平面断面図である。型枠(10)は、底壁(11)と、4面の大側壁(12)(12)及び小側壁(13)(13)とを備えて、上部が開口した略筒状である。大側壁(12)(12)及び小側壁(13)(13)は、それぞれ合同な形状で対向して配設され、大側壁(12)の方が小側壁(13)より相対的に大きな面積である。そして、小側壁(13)が略長方形なのに対し、大側壁(12)が上部ほど幅広の台形であるので、型枠(10)は、上部ほど水平断面が大きな四角錐台の形状をしている。 【0011】大側壁(12)には、略上下方向に沿った直線状であると共に水平方向には段差を形成する凹凸部(12a)が、略全面に設けられている。凹凸部(12a)は、多数の凹部(12b)及び凸部(12c)の集合体であり、各凹部(12b)及び凸部(12c)は、大側壁(12)をギザギザに折り曲げることで形成される。凹部(12b)及び凸部(12c)の形状は、大側壁(12)の折り曲げ方によって自在に設計変更可能である。 【0012】図示の例では、全ての凹部(12b)及び凸部(12c)が、上下方向に沿って平行な直線状である。しかし、凹部(12b)及び凸部(12c)の配向は、放射線状にするなど平行でなくてもよく、また、若干曲線状にするなど直線でなくてもよい。 【0013】図示の例では、全ての凹部(12b)及び凸部(12c)が、4mmの等間隔で配置されている。しかし、凹部(12b)及び凸部(12c)の間隔は、可変であり、また、中央部ほど幅狭にするなど不均一であってもよい。 【0014】図示の例では、全ての凹部(12b)及び凸部(12c)が、同一の形状である。しかし、凹部(12b)及び凸部(12c)の形状は、上下方向または水平方向において変容させるなど、不均一であってもよい。 【0015】図示の例では、凹部(12b)と凸部(12c)との間の凹凸の程度を示す段差が、いずれも2mmで均一である。しかし、この段差は、可変であり、中央部ほど大きくするなど不均一であってもよい。 【0016】図示の例では、凹部(12b)と凸部(12c)との間の面が、いずれも単調な平板状である。しかし、この凹部(12b)と凸部(12c)との間の面の形状は、部分的に緩曲面状にするなど、可変であっても不均一であってもよい。 【0017】図示の例では、凹部(12b)と凸部(12c)との間の面の小側壁(13)に対する傾斜角度が、いずれも約30°である。しかし、この傾斜角度は、可変であり、中央部ほど小さくするなど不均一であってもよい。 【0018】以上は、略上下方向に凹凸を形成するものであるが、水平方向に凹凸を若干設けておいてもよい。すると、格子状に凹凸が形成されるので、後述するように、内部冷菓とコーティング層食材とを一体的に安定してひとくちずつ食することに一層寄与する。 【0019】なお、型枠(10)は、次のように、隣接する他の型枠(10)と強固に連結されていて、水平方向に多数連設されている。すなわち、型枠(10)の底壁(11)には、直線状の棒状体(14)がスポット溶接等で固着されている。型枠(10)の大側壁(12)(12)の上端部には、曲折した板状の鍔状体(15)(15’)がプラズマ溶接等で延設されている。鍔状体(15)(15’)は、下方に向かって開口した形状等の係止部を備えて、型枠(10)の把持にも寄与している。 【0020】このような型枠(10)を用いて、チョコレートのコーティングされたスティック状アイスクリーム(20)を製造するには、次の工程を経る。まず、成分調整された流動状のアイスクリーム原料を型枠(10)に充填し、上方からアイスクリームの把手となる把手棒(21)を差し込んだ状態で冷却して、所望のスティック状に成型する。型枠(10)から抜き出した成型アイスクリーム(22)は、予め濃度や粘度を調整して流動性を付与しておいた液状のチョコレートに一旦浸漬して抜き出される。 【0021】ここで、成型アイスクリーム(22)は、型枠(10)で成型されたときの方位のままで保持されているので、完全には硬化されていないチョコレートは、凹凸部(12a)の凹部(12b)及び凸部(12c)に沿って、下方に向かって若干流下した状態で硬化しはじめ、その後、液体窒素などの冷媒に浸漬され、チョコレートが完全に硬化される。チョコレートが冷媒に浸漬されるまで、およそ4〜5秒を要する。型枠(10)の大側壁(12)が下部ほど幅狭の台形なので、成型アイスクリーム(22)も下部ほど幅狭である。そのため、下部ほど、流下するチョコレートが集中するので、徐々に流下しづらくなっていく。また、上部の幅広の部分は、チョコレートが比較的薄くなって、パリパリッとした芳しい食感が得られる。更に、チョコレートは凹部(12b)に集中して流下し、凹部(12b)と凸部(12a)のチョコレート層の厚さに差が生じ、食したときのパリパリッとした食感に微妙な変化を与える。このチョコレートから成るコーティング層(23)を表面に形成された成型アイスクリーム(22)は、液体窒素などの冷媒に浸漬されてチョコレートを硬化させる。 【0022】コーティング層(23)のうち、型枠(10)の大側壁(12)に対応する大側面(24)には、型枠(10)の凹凸部(12a)の形状に相応する凹凸部(24a)が形成されている。そのため、スティック状アイスクリーム(20)をかじったとき、歯の当たった位置に生じた応力は、凹部(12b)または凸部(12c)に沿った方向に拡散する。そして、コーティング層(23)には、この凹部(12b)または凸部(12c)に沿った破断線が、予測可能な範囲内で生じる。従って、コーティング層(23)が不測の大きな破片状となることが防止され、コーティング層(23)を、その内部に位置する部分の成型アイスクリーム(22)と一体的にひとくちずつ安定して食することができる。 【0023】前述のように、型枠(10)の大側壁(12)に、水平方向にも凹凸を設けておくと、コーティング層(23)の大側壁(12)にも、それに対応する凹凸が格子状に形成される。すると、その水平方向の凹凸に沿っても、スティック状アイスクリーム(20)をかじったときに、破断線が生じ得る。そのため、コーティング層(23)の破片を一層小さくすることができ、コーティング層(23)と成型アイスクリーム(22)とを一層安定して食することができる。 【0024】なお、本実施例では、型枠(10)の側壁を、4面の大側壁(12)(12)及び小側壁(13)(13)で構成したが、その数は、大側壁(12)が2面以上あればよい。例えば、2面の大側壁と1面の小側壁を備えた3角錐台状でもよく、また、2面の大側壁と3面の小側壁を備えた5角錐台状などの多角錐台でもよい。 【0025】 【実施例】脱脂粉乳10kg、グラニュー糖12kg、粉体水飴3kg、乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル0.5kg、及び安定剤としてアルギン酸ナトリウム0.5kgを粉体混合機に投入し、次いで水63.5kgを加え、粉体物を分散させた。その後、加熱溶解しておいたバター10kg及びバターフレーバー0.5kgを加え、均質機で均質圧力200kg/cm2で均質処理を行った。そして、プレート殺菌機で85℃で殺菌処理した後、直ちにプレート式冷却機を通して5℃まで冷却し、一晩エージングさせてアイスミックスを調整した。このアイスミックスを型枠(10)に充填し、把手棒(21)を上方から差し込んだ状態で、ブラインで冷却して硬化させてスティック状に成型した。そして、型枠(10)から抜き出した成型アイスクリーム(22)を、30〜35℃の液状チョコレートに浸漬し、引き続き液体窒素に浸漬してコーティング層のチョコレート(23)を硬化させることによって、スティック状アイスクリーム(20)を製造した。また、比較対象のために、大側壁に凹凸部(12a)が備わっていない平坦な型枠を用い、同様の手法で、直方体形状のスティック状アイスクリームを製造した。 【0026】本発明品と比較対象品の食感について、熟練パネラーに官能評価をしてもらった。チョコレートのパリパリッとした食感について、0〜6点の7段階で評価したところ、比較対象品の平均評価が4.2点で、ややパリパリとしているという評価であったのに対し、本発明品の平均評価は5.6点で、非常にパリパリッとしているという評価であった。 【0027】 【発明の効果】本発明のスティック状冷菓及びその成型型枠と製造方法は、以上の構成を備えることによって次の効果を奏する。請求項1に記載のスティック状冷菓によると、その大きな側面に直線状の凹凸が形成されているので、薄片状のコーティング層食材をパリパリッとした芳しい食感で食することができると共に、かじったときに生じる破断線が凹凸に沿った予測可能な範囲内で形成されるので、内部冷菓とコーティング層食材とを一体的に安定してひとくちずつ食することができる。 【0028】請求項2に記載の型枠によると、上部ほど水平断面が大きく、大側壁には、略上下方向に沿った直線状であると共に水平方向には段差を形成する凹凸部が備わっているので、簡易な構造でありながら請求項1に記載のスティック状冷菓を確実に製造できる。特に、上部の広い面積部分のコーティング層を薄くすることができ、パリパリッとした芳しい食感に寄与する。 【0029】請求項3に記載の製造方法によると、請求項2に記載の型枠で成型した内部冷菓を、流動状のコーティング用食材に浸漬して、冷菓の表面にコーティング層を形成するので、簡便な方法でありながら請求項1に記載のスティック状冷菓を効率よく製造できる。 【0030】請求項4に記載の製造方法によると、コーティング用食材を若干流下させた状態で硬化するので、上部の広い面積部分のコーティング層を薄くすることができ、パリパリッとした芳しい食感に寄与する。更に、チョコレートは凹部(12b)に集中して流下し、凹部(12b)と凸部(12a)のチョコレート層の厚さに差が生じ、食したときのパリパリッとした食感に微妙な変化を与える。
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| 【出願人】 |
【識別番号】502395181 【氏名又は名称】ロッテスノー株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年1月25日(2002.1.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090893 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邊 敏
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| 【公開番号】 |
特開2003−219803(P2003−219803A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月5日(2003.8.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−17666(P2002−17666) |
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