トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 カップケーキの製造方法
【発明者】 【氏名】梅村 治

【要約】 【課題】焼成後の形状が茸形をし、且つしっとりとした食感と弾力性のある生地で、しかも口溶けの良い焼き菓子及びその製法の提供。

【解決手段】小麦粉100重量部に対して、卵10〜25重量部、水75〜90重量部、油脂5〜25重量部、砂糖75〜90重量部を含む生地を、焼成型に入れたカップに、その体積の9割以上の生地を充填して焼成すること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 小麦粉100重量部に対して、卵10〜25重量部、水75〜90重量部、油脂5〜25重量部、砂糖75〜90重量部を含む生地を焼成してなるカップケーキ。
【請求項2】 焼成型に入れたカップの体積の9割以上に生地を充填し、焼成することを特徴とする請求項1記載のカップケーキ。
【請求項3】 カップケーキの底面に水平方向の断面の方が、カップの上端の断面と比べて大きい部位を有することを特徴とする請求項1,2いずれかに記載のカップケーキ。
【請求項4】 請求項1、2、3いずれかに記載の焼き菓子の製造法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】しっとりとした食感と弾力性を併せ持つ生地で、しかも口溶けが良く、且つ焼成後の形状が茸形をした焼き菓子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カップケーキとは、一般的に焼成型に詰めて焼成したもので、焼成型にはグラシン紙などのカップを入れ、スポンジケーキやバターケーキの生地を7〜8分目入れてオーブンで焼き、焼成型からはずして商品となる。これまでのカップケーキの食感は、一般的な配合とされる3同割り(小麦粉、砂糖、卵各同割合)、4同割り(小麦粉、砂糖、卵、油脂各同割合)の生地で作製すると、しっとりとした食感と弾力性は併せ持つが、口溶けの良いものは見られなかった。また生地を充填する際は、焼成後の膨張を考慮して7,8分目程度にするのが一般的な方法であるが、こうして焼成されたカップケーキの形状はカップのサイズに納まるものの、特徴的な形をしたものは見られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】焼成後の形状に特徴があり、且つ食感がしっとりとして、更に弾力性があり、しかも口溶けの良い焼き菓子を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】カップケーキとしては、これまで様々な形状や食感のものがあるが、今回発明した配合、製法を用いると、従来にない特徴的な食感と形状が得られる。つまり、食感については3同割り、4同割りの基本配合を、よりバランスよく配合することで目的の食感が得られる。また形状については、予め焼成型の表面に離型油を塗布しておいてからカップの9割以上に生地を充填し、これを焼成する。すると生地はカップの上端を越えて広がり、焼成後の形状を茸形にすることができる。すなわち、本発明の第一は、小麦粉100重量部に対して、卵10〜25重量部、水75〜90重量部、油脂5〜25重量部、砂糖75〜90重量部を含む生地を焼成してなるカップケーキに関する。好ましい実施態様としては、上記記載のカップケーキを焼成する際に、焼成型に入れたカップに、その体積の9割以上に生地を充填し、焼成することを特徴とするカップケーキに関する。更に、好ましい実施態様としては、焼成型に入れたカップの上端の断面と比べて、カップケーキの底面に水平方向の断面の方が大きい部位を有することを特徴とする上記記載のカップケーキに関する。本発明の第2は、上記記載のカップケーキの製造法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明によるカップケーキとは、小麦粉、卵、砂糖を主体とする生地を焼成型に詰めて焼成したものである。本発明における小麦粉は、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、特級薄力粉等が挙げられるが、中でも薄力粉、特級薄力粉が好ましい。本発明における卵は、特に限定はしないが、液全卵、生卵黄、生卵白、凍結卵黄、凍結卵白等が挙げられ、中でも液全卵を用いることが好ましい。卵の割合は小麦粉100重量部に対して好ましくは10〜25重量部、より好ましくは15〜20重量部の範囲内であればよい。10重量部より少ない場合は、食感は硬くなり、風味が劣る場合や焼成時にカップ上端から膨張してはみ出した部分が焼き固まる前に垂れる場合があり好ましくない。25重量部より多い場合は、食感はソフトになるが、弾力性が劣る場合があるので好ましくない。本発明における油脂の種類は、特に限定はしないが、牛脂、豚脂、バターなどの動物油、菜種油、コーン油、パーム油、綿実油などの植物油、それらをエステル交換、分別、硬化したものを、単独或いは2種以上混合したものが挙げられるが、中でも常温で液体の油脂が好ましい。油脂の割合は小麦粉100重量部に対して好ましくは5〜25重量部、より好ましくは10〜20重量部の範囲内であればよい。5重量部より少ない場合は、食感はしっとり性が劣る場合があり好ましくない。25重量部多い場合は、食感はねちゃつき、口溶けは悪くなる場合があるので好ましくない。本発明における砂糖は、上白糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖、液糖等が例示できるが、中でも上白糖が好ましい。又、大規模に製造する場合には、上白糖、液糖が好ましい。砂糖の割合は小麦粉100重量部に対して好ましくは75〜90重量部、より好ましくは80〜85重量部の範囲内であればよい。75重量部より少ない場合は、しっとり感が欠ける上、甘さの足りない、淡白な味になる場合があり好ましくない。90重量部より多い場合は、しっとり感が強すぎてべたつく上、甘さが強く、濃厚な味になりすぎる場合があるため好ましくない。本発明における水は、一般の市水やミネラルウォーターであればよい。水の割合は小麦粉100重量部に対して好ましくは75〜90重量部、より好ましくは80〜85重量部の範囲内であればよい。75重量部より少ない場合は、食感は硬くなる場合があり好ましくない。90重量部より多い場合は、食感はねちゃつき、口溶けの悪くなる場合があるし、焼成時にカップ上端から膨張してはみ出した部分が焼き固まる前に垂れる場合があるため好ましくない。本発明におけるカップの形状は、円形、楕円形、四角形、菱形等が例示できる。本発明におけるカップの材質はグラシン紙、アルミ箔、耐熱フィルム等が例示でき、焼成型と同等もしくは同等以上の深さを有することが好ましい。本発明における焼成型は、底面の形が円形、楕円形、四角形、菱形等の錘台が一般的で、サイズは底部の直径が20mm程度の一口サイズから、底部の直径が60mm程度の大型サイズまで例示できるが、一般的には、底が平らで円形のもので、底の直径35〜45mm、上端の直径45〜55mm、深さ40〜60mmの焼成型が使われる。本発明における焼き菓子の形状は、焼成後の膨張を考慮して、生地の充填量を7、8分目程度にした常法で作製した焼き菓子の形状でも良いが、生地をカップの体積の9割以上入れることが好ましい。生地をカップの体積の9割以上入れることで、焼成型に入れたカップの上端の断面と比べて、焼き菓子の底面に水平方向の断面の方が大きい部位を有することができる。そのような形状として、例えば茸形を例示できる。その場合、カップの部分を茸の柄に、カップより生地の盛り上がった部分を茸の笠にみたてることができる。その他の材料としては、膨張剤、増粘剤、香料、色素、チョコレート類、各種フルーツ類、ナッツ類などの呈味剤を添加しても何ら問題はない。本発明における生地の製法は、例えば以下の手順で行う。即ち、まず卵、水などの液体類を均一に混合する。次に、予め篩った砂糖、小麦粉、必要に応じて、膨張剤、増粘剤を順次加え、均一になるまで混合する。そして、予め離型油を塗った焼成型にカップを入れてから、カップの9割以上に生地を充填する。好ましくは満杯に充填する。この量に満たないと、食感としては何ら問題はないが、焼成型に入れたカップの上端の断面と比べて、焼き菓子の底面に水平方向の断面の方が大きい部位を有する、所謂茸形にはならない。最後に、温度180〜200℃のオーブンで、20〜25分焼成して茸型のカップケーキを得ることができる。
【0006】
【実施例】以下に実施例を示し、具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例において「部」は、重量部である。
(実施例1)全卵15部、水85部、上白糖80部、食塩0.6部を混ぜ合わせておく。次に、薄力粉(商品名:バイオレット、日清製粉(株)社製)100部、ベーキングパウダー3部、重曹1.5部、増粘剤1.5部を篩いに通し、混合する。最後に、ケーキ用液体ショートニング(商品名:マリーパート、鐘淵化学工業(株)社製)15部、フルーツフィリング材40部を加え混合する。この生地をカップに満杯充填し、表面に離型油を塗布した焼成型を使って、190℃で25分間焼成した。焼成後のケーキの形状は、茸形となり、食感はしっとりとし、弾力性があって口溶けの良いものが得られた。
(実施例2)実施例1において、卵を25部、水75部にした以外は、同様の方法にて焼き菓子を作製した。形状、食感、口溶けが良好なカップケーキが得られた。
(比較例1)実施例1において、卵を0部、水100部にした以外は同様の方法にて焼き菓子を作製した。形状、弾力性は良好だが、食感、口溶けはねちゃつき、悪かった。
【0007】(比較例2)全卵100部、上白糖100部、薄力粉(商品名:バイオレット、日清製粉(株)社製)100部、マーガリン(商品名:ノヴァ60、鐘淵化学工業(株)社製)100部の4同割りの生地に、フルーツフィリング50部を加える。この生地をカップに8分目程度充填し、180℃で30分焼成した。焼成後のケーキの形状は、茸形にはならず、食感は硬くなった。
【0008】
【発明の効果】焼き菓子類の製造に際し、焼成後の形状が茸形になり、その上でしっとりした食感と弾力性を併せ持ち、しかも口溶けの良いケーキができる。
【出願人】 【識別番号】000000941
【氏名又は名称】鐘淵化学工業株式会社
【出願日】 平成14年2月1日(2002.2.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−219801(P2003−219801A)
【公開日】 平成15年8月5日(2003.8.5)
【出願番号】 特願2002−25188(P2002−25188)