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【発明の名称】 みりん粕入りせんべい
【発明者】 【氏名】村松 浩一郎
【住所又は居所】愛知県西尾市下町丸山5番地 株式会社相生発酵内

【氏名】上館 昭
【住所又は居所】愛知県半田市亀崎10丁目143番地の1 株式会社調味内

【要約】 【課題】独特の甘さを有し、焼き色が良く、香ばしさを備えた新しい風味感覚のせんべいを提供する。また、安全性が高くかつ健康的でもある植物由来の甘味を備えたせんべいを提供する。さらに、みりん粕資源の新たな有効利用を提案する。

【解決手段】せんべい原料にみりん粕を配合して焼成する。前記みりん粕の配合量は澱粉に対する重量比率で1%ないし20%が好ましい。さらに、せんべい原料を馬鈴薯澱粉として、これにゴマ又はいかのすり身若しくはえびのすり身もしくは紫いものすり下ろしを添加して製品とすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 せんべい原料にみりん粕を配合して焼成したことを特徴とするみりん粕入りせんべい。
【請求項2】 前記みりん粕の配合量が澱粉に対する重量比率で1%ないし20%である請求項1に記載のみりん粕入りせんべい。
【請求項3】 せんべい原料が馬鈴薯澱粉であり、これにゴマ又はいかのすり身若しくはえびのすり身もしくは紫いものすり下ろしが添加された請求項1又は2に記載のみりん粕入りせんべい。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はみりん粕入りせんべいに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、せんべいの味付け、特に甘味に関しては、砂糖、液糖、ステビアやカンゾウなどが甘味料として使用されている。前記甘味料のうち砂糖以外のものは、近年の低カロリー志向を反映したものであるが、これらの甘味料は砂糖とは異質で、これらに代わる新たな甘味料が求められている。なお、人工甘味料については健康面で問題となるものもある。
【0003】せんべいは嗜好品であるため、甘味に代表される味のほかに、風味の良さ、歯ごたえ、焼き色などの条件が製品に備わっていることが求められる。これらの条件すべてを満たすのは容易ではない。
【0004】ところで、みりん(本みりんをいう)にはグルコースのほかに数種のオリゴ糖が含まれており人工甘味料にはない独特の甘さを有していることは周知の通りである。一方、みりんから濾過分離されたみりん粕にも当然上記みりんの甘さは残されている。従来この種のみりん粕はそのまま食するほか、うりや魚類のみりん粕漬けのつけ床として用いられているが、特にこれといった利用方法がなかった。本発明者らは、このみりん粕の有効利用について研究を重ねた結果、みりん粕をせんべいに利用することによって、その独特の甘さが生かされ、しかも焼成することによって焼き色が良く、香ばしさを備えた新しい風味感覚のせんべいが提供できることを見いだした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の甘味料にない、独特の甘さを有し、焼き色が良く、香ばしさを備えた新しい感覚のせんべいを提供するものである。また、この発明は、安全性が高くかつ健康的でもある自然の植物由来の甘味を備えたせんべいを提供するものである。さらに、この発明はみりん粕資源の新たな有効利用を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、せんべい原料にみりん粕を配合して焼成したことを特徴とするみりん粕入りせんべいに係る。
【0007】請求項2の発明は、前記みりん粕の配合量が澱粉に対する重量比率で1%ないし20%である請求項1に記載のみりん粕入りせんべいに係る。
【0008】請求項3の発明は、せんべい原料が馬鈴薯澱粉であり、これにゴマ又はいかのすり身若しくはえびのすり身もしくは紫いものすり下ろしが添加された請求項1又は2に記載のみりん粕入りせんべいに係る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付の図面を用いてこの発明を詳細に説明する。図1はこの発明の実施例に係るみりんせんべいの製品を示す斜視図、図2はこの発明のせんべいの製造工程の一実施例を示す工程図である。
【0010】この発明は、図1に示すように、せんべい原料にみりん粕を配合して焼成したことを特徴とするみりん粕入りせんべい10に関する。なお、図示は煎った黒ゴマ11が添加されたゴマせんべい10が示される。
【0011】せんべい原料としては、主原料の澱粉質として馬鈴薯澱粉、食塩、香辛料等である。また、請求項3の発明として規定するように、適宜、ゴマ又はいかのすり身若しくはえびのすり身若しくは紫いものすり下ろしを添加して、みりん粕とマッチした新しい感覚風味のゴマせんべい、いかせんべい、えびせんべい、紫いもせんべいとすることができる。
【0012】みりん粕は、もち米を主原料として製造されるみりん製造過程で生じるものである。前記みりん粕はグルコースのほか、オリゴ糖、蛋白質も含んでおり甘味、旨味を有する。一般的なみりん粕の組成は、水分30ないし40%、澱粉22ないし30%、糖分18ないし23%、蛋白質9ないし18%、アルコール分5ないし8%である。また、みりんの製造には85%の精白度のもち米を使用しており、よってみりん粕には米由来の繊維質が多く含まれている。
【0013】みりん粕をせんべいの原料に配合することにより、従来の甘味料を使用して製造されたせんべいとは異なる独特の甘味が得られる。また、甘味だけではなく、焼成によって独特の香ばしさ(風味)、歯ごたえ、焼き色を有するせんべいが得られる。ちなみに、みりん粕を配合しない材料を同じ温度で同じ時間焼成しても、上のような特質は発現しない。その理由として、みりん粕に含まれる澱粉質、糖質、蛋白質などが熱により一部分解して風味となり、一部は熱重合して褐変(砂糖のこげ色と同現象)したものと推測される。
【0014】みりん粕の配合率は、主原料の澱粉(実施例では馬鈴薯澱粉)に対して1ないし20%であることが好ましい。配合するみりん粕が澱粉に対して1%以下では、前記のようなみりん粕を配合した場合の独特の甘味や風味等が得られない。また、みりん粕を主原料に対して20%以上配合すると、せんべいを焼き上げる際に強い焦げ目(黒褐色)がついたり苦味がでるなど、味や色の点で問題がある。
【0015】前記したように本発明のみりん粕入りせんべいは、原料として馬鈴薯澱粉を用いている。馬鈴薯澱粉を原料としたせんべいには、例えば、えびせんべいに代表されるいわゆる「三河せんべい」がある。このような馬鈴薯澱粉を主成分としたせんべいは原料に加水し、糊化するとすぐに焼き上げられるという特徴がある。
【0016】なお、米せんべいのように主原料を米とした場合には、配合原料に加水して糊化し、さらに、時間をかけて老化(熟成)して物性を整え焼き上げる方法により、せんべいを製造するが、前記えび、いか等の腐敗しやすい原料を使用する場合にはあまり好ましいくない。
【0017】図2において、みりん粕入りせんべいの製造工程を示す。先ず、澱粉質に予め甘味料、食塩、香辛料等などを入れて混合しベースを作る。このベースにみりん粕を加え、適宜ゴマや、いかのすり身、えびのすり身、または紫いものすり下ろし等を添加し混合する。さらに、水を加えよく混合する。適度な粘度になったところで、適宜の大きさに整形し、約120〜180℃の温度で焼き機にて2〜5分程度焼き上げる。
【0018】
【実施例】(実施例1)みりん粕入り黒ゴマせんべい馬鈴薯澱粉に甘味料(ステビアとサネットを使用)、食塩、香辛料を予め加えたベース生地500gにみりん粕50gと煎った黒ゴマ100gを加えて混合し、さらに水375ccを加えて良く混ぜ合わせた。やわらかな餅状になったところで焼き機に適当な大きさにして移し、150℃で2.5分間焼いた。色は薄いあめ色であった。
【0019】(実施例2)みりん粕入りいかせんべい黒ゴマの代わりにいかのすり身50gを用いた以外は実施例1と同じ方法、条件でみりん粕入りいかせんべいを作った。色は薄いあめ色であった。
【0020】(比較例1)黒ゴマせんべいみりん粕を加えないこと以外は実施例1と同じ方法、条件で黒ゴマせんべいを作った。色は白で、あめ色はなかった。
【0021】(比較例2)みりん粕の配合比の多いみりん粕入り黒ゴマせんべいみりん粕を150gとした以外は実施例1と同じ方法、条件でみりん粕入り黒ゴマせんべいを作った。このせんべいは焼き上げ条件が同じにもかかわらず、色は黒ずんだ濃い褐色となり、かつ食べると苦味があった。
【0022】実施例1及び2のせんべいと比較例1のせんべいについて20人の食味テストを行った。次表がその評価結果である。なお、風味とは主として香ばしさを指す。
【0023】
【表1】

【0024】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明のみりん粕入りせんべいによれば、独特の甘さを有し、焼き色が良く、香ばしさ(風味)を備えた新しい感覚のせんべいを提供することができた。
【0025】また、この発明のせんべいは、みりんの原料であるもち米などの天然の植物由来の甘味を備えたものであるから、安全性が高くかつ繊維質等の栄養素が含まれており、健康増進効果などの付加価値を有する。
【0026】さらに、この発明は、従来特にこれといった利用方法がなかったみりん粕資源を有効利用することができる。
【出願人】 【識別番号】593173138
【氏名又は名称】株式会社相生発酵
【住所又は居所】愛知県西尾市下町丸山5番地
【識別番号】502014112
【氏名又は名称】株式会社調味
【住所又は居所】愛知県半田市亀崎町10丁目143番地の1
【出願日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【代理人】 【識別番号】100079050
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 憲秋
【公開番号】 特開2003−204759(P2003−204759A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−4538(P2002−4538)