| 【発明の名称】 |
緑茶加工品およびその製造方法ならびに緑茶加工品を使用する小麦粉製品およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤井 憲一 【住所又は居所】大阪府大阪市東成区中道3丁目12番8号 前田産業株式会社内
【氏名】武井 俊憲 【住所又は居所】大阪府大阪市東成区中道3丁目12番8号 前田産業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明の課題は、緑茶加工品及びその製造方法、並びに緑茶加工品を配合した小麦粉製品及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】水に浸漬した緑茶茶葉に、液のpHが7〜8.5の範囲になるようにアルカリ塩及びアルカリからなる群から選ばれた少なくとも1種を加え、70〜120℃で加熱した後、急冷することを特徴とする緑茶加工品。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水に浸漬した緑茶茶葉に、液のpHが7〜8.5の範囲になるようにアルカリ塩及びアルカリからなる群から選ばれた少なくとも1種を加え、70〜120℃で加熱した後、急冷することを特徴とする緑茶加工品の製造方法。 【請求項2】 アルカリ塩が、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸ナトリウムおよび酒石酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の方法。 【請求項3】 アルカリ塩が重炭酸ナトリウムである請求項2に記載の方法。 【請求項4】 液のpHが7.5〜8.0である請求項1に記載の方法。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で作られた緑茶加工品。 【請求項6】 小麦粉製品を製造するに際し、請求項5に記載の緑茶加工品を製品原料に配合することを特徴とする小麦粉製品の製造方法。 【請求項7】 請求項5に記載の緑茶加工品を配合した小麦粉製品。 【請求項8】 小麦粉製品が、パン類、洋菓子類、和菓子類および麺類の1種である請求項7に記載の小麦粉製品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、緑茶加工品およびその製造方法ならびに緑茶加工品を使用する小麦粉製品およびその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、緑茶をパン類に添加する試みは、加熱抽出で得た抽出液或いは抹茶状の微粉末を原料に配合する程度にとどまっている。これは、繊維質やカテキン等の有効成分を含む茶葉をそのまま或いは粉砕してパン等の原料に加えると、食感乃至風味或いは外観が低下して、食品としての違和感が大きくなり、商品価値を低下させるためである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、緑茶茶葉を小麦粉製品原料に配合した場合に、違和感なく且つ有効成分を失うことなく、繊維質も同時に摂取するための新しい技術を提供することを主な目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような技術の現況を考慮しつつ、研究を進めた結果、緑茶茶葉を特定の条件下に処理する場合には、この処理加工品を小麦粉製品の原料に配合させることが可能となり、小麦粉製品の食感、風味などを損うことなく、緑茶の繊維質、カテキン等の有効成分を高度に利用し得ることを見出した。 【0005】本発明は、以下の項1〜8の緑茶加工品及びその製造方法、並びに緑茶加工品を配合した小麦粉製品及びその製造方法に関する。 項1. 水に浸漬した緑茶茶葉に、液のpHが7〜8.5の範囲になるようにアルカリ塩及びアルカリからなる群から選ばれた少なくとも1種を加え、70〜120℃で加熱した後、急冷することを特徴とする緑茶加工品の製造方法。 項2. アルカリ塩が、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸ナトリウムおよび酒石酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種である項1に記載の方法。 項3. アルカリ塩が重炭酸ナトリウムである項2に記載の方法。 項4. 液のpHが7.5〜8.0である項1に記載の方法。 項5. 項1〜4のいずれかに記載の方法で作られた緑茶加工品。 項6. 小麦粉製品を製造するに際し、項5に記載の緑茶加工品を製品原料に配合することを特徴とする小麦粉製品の製造方法。 項7. 項5に記載の緑茶加工品を配合した小麦粉製品。 項8. 小麦粉製品が、パン類、洋菓子類、和菓子類および麺類の1種である項7に記載の小麦粉製品。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明における緑茶加工品は、水に浸漬した緑茶茶葉に、液のpHが7〜8.5の範囲になるようにアルカリ塩及びアルカリからなる群から選ばれた少なくとも1種を加え、70〜120℃、より好ましくは80〜110℃で加熱した後、急冷して製造される。 【0007】上記加熱温度範囲内において、温度が低い場合には、加熱する時間をより長くし、また、加熱温度が高い場合は、加熱する時間をより短くする。一般に、加熱温度が高い場合には、短時間内に急熱および急冷を行うことになるので、温度制御を精密に行なう必要がある。従って、加熱温度は80〜110℃とすることががより好ましい。 【0008】緑茶茶葉を浸漬する水の量は、通常緑茶茶葉重量の5〜15倍程度であり、より好ましくは10倍程度である。 【0009】緑茶茶葉は、アルカリ塩又はアルカリによる処理前に、必要ならば機械的に破砕し、用途に応じて分級してもよい。 【0010】本発明における緑茶とは、緑茶の一般的な製造法に準じ加工された非発酵茶を意味し、煎茶、玉露、かぶせ茶、粉茶、蒸し玉製緑茶(ぐり茶)、釜炒り製玉緑茶、釜炒り茶、番茶などを意味する。 【0011】本発明において使用するアルカリ塩は、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸ナトリウムおよび酒石酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種であり、好ましくは重炭酸ナトリウムである。 【0012】本発明において使用するアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液が挙げられる。 【0013】適切な条件下にアルカリ塩又はアルカリで緑茶を処理することにより、茶葉は軟化され、色調および風味を維持した状態で、食感が改良される。即ち、水に浸漬した緑茶茶葉に、液のpHが7〜8.5、より好ましくは7.5〜8となるようにアルカリ塩又はアルカリを加えることにより、目的とする緑茶加工品が得られる。 【0014】アルカリ塩又はアルカリ処理した緑茶加工品は、時間の経過とともに次第に褐色乃至黒色に変色する。これを防ぐために、緑茶加工品をそのまま或いは密封性プラスチック容器などに収容して、急冷することにより、緑茶の風味、色を良好に保ったまま保存することができる。急冷とは、10℃以下に冷却すること、および容器などに入れて冷凍することを意味する。 【0015】好ましくは、上記急冷に先立って、緑茶加工品を空気と接しない状態におく。例えば、緑茶加工品を収容する装置或いは容器内雰囲気を窒素等の不活性ガスで置換する方法、減圧により脱気する方法などが挙げられる。 【0016】凍結された緑茶加工品は、使用時に解凍し、又は必要に応じて破砕しながら解凍し、小麦粉製品の原料に配合して、使用することができる。 【0017】或いは凍結されていない製造直後の緑茶加工品をそのまま又は必要に応じて破砕し、小麦粉製品の原料に加えることにより、緑茶入り小麦粉製品を製造することもできる。 【0018】本発明による緑茶加工品を配合する小麦粉製品の例として、パン類、洋菓子類、和菓子類および麺類などがある。パン類として、食パン、山食パン、菓子パン、ロールパン、ハースブレッド、フルーツブレッド、スイートロール、ドーナツ、デニッシュ、ラスクなどが挙げられる。洋菓子類として、ケーキ、スポンジ、パイ、ワッフル、カステラなどが挙げられる。和菓子類として、蒸しパン、まんじゅうなどが挙げられる。麺類として、茹麺、生麺、乾麺などが挙げられる。 【0019】上記小麦粉製品は、小麦粉製品の原料に緑茶加工品を加え、従来の方法と同様にして製造することができる。 【0020】 【実施例】実施例1静岡産煎茶茶葉100 gに蒸留水1 Lを加え、重炭酸ナトリウム5 gを添加し、煮沸し、液温を100 ℃とした後、容器を冷水に浸して20 ℃まで急冷することにより、本発明による緑茶加工品を得た。処理液のpH は7.7であった。この処理液を緑茶加工品とする。 【0021】得られた緑茶加工品を下記表1に示す割合で食パン原料に配合し、公知の方法に従って食パンを製造した。 【0022】次いで、その緑茶加工品添加食パンについて官能検査を行なった。官能検査者数は20人で、評価は、1(悪い)、2(やや悪い)、3(普通)、4(やや良い)、5(良い)の5段階法で行なった(以下実施例及び比較例においても同じ人たちが評価を行なった)。 【0023】その結果を表2に示す。 【0024】 【表1】
【0025】 【表2】
【0026】本発明による食パンは、外観の色調、内相の色調、香りおよび味の全ての項目において、「良い」又は「やや良い」と評価された。 【0027】実施例2実施例1と同様にして得た緑茶加工品を、下記表3に示す割合で茹うどん原料に配合し、公知の方法に従って茹うどんを製造した。 【0028】次いで、その緑茶加工品添加茹うどんについて官能検査を行なった。官能検査者数は20人で、評価は、実施例1と同様に行なった。 【0029】その結果を表4に示す。 【0030】 【表3】
【0031】 【表4】
【0032】本発明による茹うどんは、色調、ねばり、香りおよび味の全ての項目において、「普通」よりも良いと評価された。 【0033】実施例3実施例1と同様にして得た緑茶加工品を、下記表5に示す割合で発酵パイ原料に配合し、公知の方法に従って発酵パイを製造した。 【0034】次いで、その緑茶加工品添加発酵パイについて官能検査を行なった。官能検査者数は20人で、評価は、実施例1と同様に行なった。 【0035】その結果を表6に示す。 【0036】 【表5】
【0037】 【表6】
【0038】本発明による発酵パイは、色調、香りおよび味の全ての項目において、ほとんど「普通」よりも良いと評価された。 【0039】実施例4実施例1と同様にして得た緑茶加工品を、下記表7に示す割合で蒸しパン原料に配合し、公知の方法に従って蒸しパンを製造した。 【0040】次いで、その緑茶加工品添加蒸しパンについて官能検査を行なった。官能検査者数は20人で、評価は、実施例1と同様に行なった。 【0041】その結果を表8に示す。 【0042】 【表7】
【0043】 【表8】
【0044】本発明による蒸しパンは、色調、香りおよび味の全ての項目において、ほとんど「普通」よりも良いと評価された。 【0045】比較例1静岡産煎茶茶葉100 gに蒸留水1 Lを加え、煮沸し、液温を100 ℃とした後、容器を冷水に浸して20 ℃まで急冷した。これを30メッシュフィルターによりろ過し、ろ液を採取した。このろ液のpHは5.9であった。このろ液を緑茶抽出品とする。 【0046】下記表9に示す割合で得られた緑茶抽出品を食パン原料に配合し、実施例1と同様にして食パンを製造した。 【0047】次いで、その緑茶抽出品添加食パンについて、実施例1と同様に官能検査を行なった。 【0048】その結果を表10に示す。 【0049】 【表9】
【0050】 【表10】
【0051】実施例1の結果と比較すると、全ての項目において、食パンとしての品質が劣っていることが明らかである。 【0052】比較例2比較例1に記載の緑茶抽出品を、下記表11に示す割合で茹うどん原料に配合し、茹うどんを実施例2と同様にして製造した。 【0053】次いで、その緑茶抽出品添加茹うどんについて官能検査を行なった。官能検査者数は20人で、評価は、実施例1と同様に行なった。 【0054】その結果を表12に示す。 【0055】 【表11】
【0056】 【表12】
【0057】実施例2の結果と比較すると、「食感のねばり」以外の項目において、茹うどんとしての品質が劣っていることが明らかである。 【0058】参考例1緑茶アルカリ処理品の栄養面における有用性を確認するために、下記の比較評価を行った。 【0059】本発明方法に従って、緑茶茶葉100 gに蒸留水1 Lを加え、重炭酸ナトリウム5gを添加し、煮沸100 ℃達温後20 ℃まで急速冷却した。この液のpHは7.7であった。この液にpH 5.9になる様にクエン酸を添加し、ミキサーにて5分間撹拌粉砕し、ペースト状のサンプルAを得た。 【0060】比較として、緑茶茶葉100 gに蒸留水1 Lを加え、煮沸100 ℃達温後20 ℃まで急速冷却した。これを30メッシュフィルターにてろ過し、ろ液を採取した。このろ液のpHは5.9であった。このろ液をサンプルBとする。 【0061】上記サンプルA及びサンプルBについて、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ビタミンA(レチノール当量)、ビタミンE(α-トコフェロール当量)、食物繊維、タンニンの含有量の分析を行なった。その結果を表13に示す。 【0062】 【表13】
【0063】上記表13からも分かるように、本発明によるアルカリ処理を行なったサンプルAの方が、ろ液のサンプルBよりも、緑茶の有用成分がより多く含まれることが分かる。 【0064】 【発明の効果】本発明は、緑茶の色調、風味を損なわず、茶葉を柔らかくする最適の処理条件を提供する。 【0065】本発明による緑茶入り小麦粉製品には、緑茶の色及び香りが強く出ている。 【0066】本発明による緑茶加工品により、大量の緑茶を違和感なく摂取でき、特に緑茶に含まれる有効成分および繊維質を無駄なく摂取できる。 【0067】本発明によると、緑茶を小麦粉製品に容易に添加することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592071266 【氏名又は名称】前田産業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市東成区中道3丁目12番8号
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| 【出願日】 |
平成14年4月9日(2002.4.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065215 【弁理士】 【氏名又は名称】三枝 英二 (外8名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−299440(P2003−299440A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月21日(2003.10.21) |
| 【出願番号】 |
特願2002−106048(P2002−106048) |
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