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【発明の名称】 茶調整物
【発明者】 【氏名】佐々木 龍一
【住所又は居所】京都府京都市南区東九条西明田町57番地 アークレイ株式会社内

【要約】 【課題】難消化性デキストリンとともに緑茶を、難消化性デキストリン特有の甘味、臭いを気にすることなく、その本来の風味で摂取できる抽出用健康飲料を提供する。

【解決手段】煎出用の乾燥茶葉と、食物繊維とからなる抽出用健康飲料であって、テアニンを特に含む茶葉である玉露やかぶせ茶を主体とし、玉露とかぶせ茶の両方またはいずれか1種と、煎茶とを配合した乾燥茶葉と、難消化性デキストリンとを混合して、一度に煎出する量ごとにパック10に分封した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 煎出用の乾燥茶葉と、水溶性食物繊維とからなる茶調整物であって、煎出用の乾燥茶葉において、テアニン含有量の多い茶葉を主体としたことを特徴とする茶調整物。
【請求項2】 煎出用の乾燥茶葉として、玉露とかぶせ茶の両方もしくはいずれか1種を含む煎茶用の乾燥茶葉を用いることを特徴とする請求項1に記載の茶調整物。
【請求項3】 煎出用の乾燥茶葉と、粉末もしくは顆粒状の水溶性食物繊維とを、一度に煎出する量ごとに、パックに分封したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の茶調整物。
【請求項4】 水溶性食物繊維を難消化性デキストリンとし、湯水を100〜300重量に対して、難消化性デキストリン5〜10重量とすることを特徴とする請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の茶調整物。
【請求項5】 水溶性食物繊維と、煎出用の乾燥茶葉との重量の比率を10:2〜7の範囲にしたことを特徴とする請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の茶調整物。
【請求項6】 前記煎出用の乾燥茶葉を、玉露とかぶせ茶の両方もしくはいずれか1種と、煎茶とから構成し、その重量の比率を1〜1.2:1の範囲にしたことを特徴とする請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の茶調整物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性食物繊維を含む飲料物に関するものであり、特に煎出用の乾燥茶葉を主体とし、食物繊維を含有する茶調整物に関する。
【0002】
【従来の技術】食物繊維の摂取の減少は、便秘の原因となるだけでなく、高血圧症や糖尿病、さらには動脈硬化の発症やその治療にも密接な関係がある。特に、食物繊維を多く含む食品は胃内滞留時間が長く、上部小腸での吸収が遅れ、血糖値の変動幅を少なくする。そのため、医薬品による治療がになる前段階で、尚且つ食事制限などによる血糖値のコントロールが必要な患者予備軍に対して、日常生活の中で自然に且つ継続的に血糖値をコントロールするために、食物繊維を多量に摂取し続けることが望まれている。また、ストレスの少ない環境において、食物繊維を豊富にとり、糖質、脂肪、動物性タンパク質を控える食事が健康を維持する上で大きな効果を上げることも多くの臨床例で実証されている。食物繊維のなかでも特に水溶性のものは、インシュリン分泌の調節に効果的に作用することも知られている。
【0003】しかし、通常の食事だけではそのように自然且つ継続的に血糖値をコントロールすることは決して容易ではない。そこで、食物繊維を苦痛なく摂取するために、水溶性食物繊維を飲料としたり、食品に添加したりして、食事とともに摂取できるようにしている。
【0004】このように飲料および食品に含有させる水溶性食物繊維としては、難消化性デキストリンが利用されている。この難消化性デキストリンは、糖の吸収抑制効果に優れて、血糖値をコントロールする効果を発揮することが知られている。しかし、飲料として摂取する難消化性デキストリンは、特有の甘味残存感や香りなどを有しており、飲みにくい。そのため、コーヒーなどに難消化性デキストリンを添加したものなどが知られている。難消化性デキストリンと、噴霧乾燥または乾燥造粒されたウーロン茶エキスとを混合したりして飲みやすくすることが考えられている。例えば、特開2000−342232号公報に示す如くである。また、お茶の風味を維持しながら難消化性デキストリンを含むお茶飲料を、PET製の容器に充填したものも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】難消化性デキストリンによりカロリー摂取の低減などの効果を得るためには、一定の摂取量を必要とするものである。しかし、その摂取量をカップ1杯もしくは2杯の飲料により摂取するためには、難消化性デキストリン特有の甘味や、甘味の残存感、および香りなどが摂取の妨げとなる。コーヒー等の強い苦味や香りを有するものにより、デキストリン特有の味を感じにくくするのは、容易である。しかし、コーヒー程の強い風味をもたない飲料物においては、デキストリンの味を隠しにくいものである。また、日本においては、古くから急須に茶葉入れ、お茶を作る習慣がある。そして、このような食習慣のある世代においては、食事ごとにコーヒーを飲むことは困難である。難消化性デキストリンの摂取においてストレスを生じることは、難消化性デキストリンの効果を低減させてしまうものであり、回避すべきである。そして、後者のように、噴霧乾燥または乾燥造粒などの加熱乾燥工程のある製法で製造された「粉末エキス」では、茶成分本来の風味が損なわれてしまい、日本茶特有の味や香りを十分に堪能することができない。これもまた、急須に茶葉入れ、お茶を作る習慣のある世代には受け入れにくいものである。PET製の容器に充填したものでは、加熱が難しい。強い電磁波を発生させる電子レンジなどは、医療機器のある場所においては使用困難であり、手軽に暖めることができないものである。
【0006】乾燥茶葉はお茶を入れる過程において、多くの水分を吸収する。この際に、乾燥茶葉の近くにデキストリンが存在すると、乾燥茶葉による水の吸収とともにデキストリンが茶葉に吸収され、飲用されるデキストリンの量が減少する。このため、ティーパックなどに茶葉と水溶性食物繊維を同封すると水溶性食物繊維の摂取効率が低減されるものである。また、水溶性食物繊維の溶解性を高めるべく、水溶性食物繊維を粉末にするとティーパックのフィルター網目から粉末が落ち、茶葉の量に対して一定量の水溶性食物繊維量を維持することができない。また、難消化性デキストリンを均一に溶解するには、難消化性デキストリンと注いだ湯水とが確実に接触して溶解し、更に均一に拡散していくことが必要である。特に上記のようにティーバッグなどに難消化性デキストリンと茶葉とを同封した場合、ティーバッグ内に残存する気泡や、茶葉それ自体、あるいは茶葉の吸水作用によって、難消化性デキストリンは湯水との接触を制限されるとともに、拡散もしにくくなる。そこで、本発明は難消化性デキストリンとともに緑茶を、難消化性デキストリン特有の甘味、臭いを気にすることなく、その本来の風味で摂取できる抽出用健康飲料を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】請求項1に記載のごとく、煎出用の乾燥茶葉と、水溶性食物繊維とからなる茶調整物であって、煎出用の乾燥茶葉において、テアニン含有量の多い茶葉を主体とする。
【0009】請求項2に記載のごとく、煎出用の乾燥茶として、玉露とかぶせ茶の両方もしくはいずれか1種を含む煎茶用の乾燥茶葉を用いる。
【0010】請求項3に記載のごとく、煎出用の乾燥茶葉と、粉末もしくは顆粒状の水溶性食物繊維とを、一度に煎出する量ごとに、パックに分封する。
【0011】請求項4に記載のごとく、水溶性食物繊維を難消化性デキストリンとし、湯水を100〜300重量に対して、難消化性デキストリン5〜10重量とする。
【0012】請求項5に記載のごとく、水溶性食物繊維と、煎出用の乾燥茶葉との重量の比率を10:2〜7の範囲にする。
【0013】請求項6に記載のごとく、前記煎出用の乾燥茶葉を、玉露とかぶせ茶の両方もしくはいずれか1種と、煎茶とから構成し、その重量の比率を1〜1.2:1の範囲にする。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明する。図1は乾燥茶葉と難消化性デキストリンの保存形態を示した図、図2は乾燥茶葉と難消化性デキストリンの使用形態を示した図、図3は給湯時の乾燥茶葉と難消化性デキストリンの状態を示す図である。
【0015】本発明の抽出用健康飲料は、煎出用の乾燥茶葉と、食物繊維とからなるものである。食物繊維は、食物成分中で、人の消化酵素で消化できない繊維であり、例えば、セルロース、ペクチン、リグニンなどの繊維が含まれる。そして、本発明においては、食物繊維として難消化性デキストリンが使用され、該難消化性デキストリンは、例えば、とうもろこしや、もちとうもろこし、馬鈴薯、甘藷、タピオカ、小麦、大麦、米などの澱粉から抽出した水溶性食物繊維である。本発明で好ましく使用できる難消化性デキストリンは、とうもろこし由来の澱粉から抽出・加工したものである。
【0016】難消化性デキストリンは特有の甘味残存感や香りなどを有しているため、飲料とした際に美味しくなく飲みにくい。そこで、難消化性デキストリンの風味を消すために乾燥茶葉を使用する。乾燥茶葉を湯で煎じて抽出した旨味風味により、難消化性デキストリン特有の甘味残存感などを、濃すぎず、苦味が強すぎない程度の風味で隠すには、適度な濃さで旨味が強くなる風味にする必要がある。
【0017】緑茶は、その原料および製法によって、抹茶、玉露、煎茶、番茶などさまざまな種類があるが、乾燥茶葉を、旨味成分であるテアニンを特に多く含む玉露またはかぶせ茶のみとした場合、比較的低い温度(約60度)で抽出すればよいが、熱湯を使用した場合には、旨味、香りが十分にでない。また、煎茶のみとした場合、熱湯を使用した場合でも風味は出やすいが、旨味は強いものではない。そこで、本発明は高温で香りと味が出易い煎茶と、旨味の強い玉露とかぶせ茶の両方またはいずれか1種とを混合した茶葉を使用するものである。
【0018】また、前記乾燥茶葉と難消化性デキストリンとの割合は、緑茶の風味と糖吸収抑制効果とのバランスから、難消化性デキストリンと、緑茶葉との重量の比率を10:2〜7、望ましくは10:4〜5の範囲になるようにしている。これにより、適度な緑茶風味の濃さで、難消化性デキストリンの風味を隠すことが可能となる。
【0019】また、該乾燥茶葉は、テアニンの含有量が特に多い玉露とかぶせ茶を主体としたものであり、玉露とかぶせ茶の両方またはいずれか1種と、煎茶との重量の比率が1〜1.2:1の範囲になるように配合している。そのため、旨味の強い玉露またはかぶせ茶の風味と、高温で香りと味が出易い煎茶の風味との相乗効果により、熱湯を使用しても、適度な濃さで旨味の強い緑茶の風味を得ることができる。なお、緑茶葉の配合比率は上記に限定されるものではなく、煎茶を配合せずに玉露またはかぶせ茶の両方またはいずれか1種のみとしてもよい。
【0020】次に、乾燥茶葉と難消化性デキストリンの保存形態について説明する。乾燥茶葉と難消化性デキストリンの保存形態として、例えば、ティーバッグを用いる方法が考えられるが、乾燥茶葉と難消化性デキストリンとをティーバッグの形態とすると、難消化性デキストリンは、粉末状または顆粒状に形成されたものであるため、ティーバッグの抽出紙から携帯中に漏出したり、また抽出の際、ティーバッグ内に残存する気泡や、茶葉それ自体、あるいは茶葉の吸水によって、難消化性デキストリンと湯水との接触が制限され、さらに同様に、難消化性デキストリンの拡散もしにくくなることにより、難消化性デキストリンの溶出効率が低下する不具合が生じる。
【0021】そこで、前記乾燥茶葉と難消化性デキストリンの保存形態は、該乾燥茶葉の刻みと、難消化性デキストリンとを、一個のパック10に封じ込めるようにした形態としている。図1に示すように、該パック10に封入された乾燥茶葉と、難消化性デキストリンとは、一度に煎出する量ごとに分封されており、それぞれのパック10・10・・・が、例えば、ミシン目をもって連結され、収納性・利便性の向上を図るようにしている。なお、乾燥茶葉の刻みの大きさは、小さすぎると、茶こし器を通過するおそれがあり、大き過ぎると、抽出性が低下するおそれがあるため、茶葉の種類により適切なものとする。
【0022】このような構成において、本発明の食物繊維入り抽出用健康飲料は、図2に示す複数のパック10・10・・・の綴りからパック1個を切り外し、該パック10から一度に煎出する量の乾燥茶葉と難消化性デキストリンを、急須11などに入れ、難消化性デキストリンと、湯水との重量の比率が5〜10:100〜300の範囲となるように、熱湯を注いで、茶葉を湯で煎じ、30秒〜5分、望ましくは約2分の間抽出することで、飲料に供するものである。
【0023】急須などの煎茶器にパック10内の内容物を投入し、給湯をおこなうことにより、効率的に難消化性デキストリンを含む茶飲料ができるものである。図3は給湯時の乾燥茶葉と難消化性デキストリンの状態を示す図である。急須11にパック10内の乾燥茶葉と難消化性デキストリンを入れ、湯水を注ぐ。茶葉と難消化性デキストリンは急須内を自由に移動できる状態にあり、水流により攪拌される。難消化性デキストリンと乾燥茶葉は急須内を自由に移動できるため、茶葉自体、あるいは茶葉による吸水作用によって、難消化性デキストリンと湯水との接触が制限されることなく、水流により難消化性デキストリンは速やかに溶解していく。また、水流がおさまった後も、難消化性デキストリンと湯水との接触を妨げる要因、およびデキストリン成分の拡散を妨げる要因は存在しないため、完全に溶解することができる。一方、茶葉は、ある程度の吸水をしながら、テアニンを多く含む茶成分を溶出し、緑茶の風味・色を呈する。すなわち、煎茶器などにより抽出をおこなうものにおいて、乾燥茶葉と粉末状あるいは顆粒状のデキストリンを用いることにより、ティーバッグなどで見られる茶葉によるデキストリンの溶出効率の低下を防止でき、デキストリンを含むお茶を効率的に生成できるものである。
【0024】なお、難消化性デキストリンが速やかに溶解し難いこともある。この場合、該難消化性デキストリンは水分を吸収して粘性の高い状態となり、急須11の底部に向けて降下し、底部において溶解する。そのため、給湯直後には、急須11の底部においてデキストリンの濃度が高く、液面付近においてデキストリンの濃度が低くなるが、デキストリンがすべて溶解した後には、急須11内のデキストリン濃度が均一になる方向に濃度変化がおきる。そして、急須11によりお茶を注ぐさいには、注口における水流により混合されるため、デキストリンの濃度差をさらに解消することができる。このように、乾燥茶葉と粉末状あるいは顆粒状の水溶性食物繊維を用いることにより、利用可能な水溶性食物繊維の選択範囲を大きくすることができる。例えば、水溶性食物繊維の粒径選択範囲を大きくすることができる。そして、湯のみに注がれたお茶(摂取される形態)としての品質(茶成分の濃度・食物繊維の濃度・両者の比率などの各種パラメータ)を、任意に変更かつ維持し易くなるものである。
【0025】この他に、乾燥茶葉と水溶性食物繊維の保存形態としては、乾燥茶葉の表面に水溶性食物繊維のコーティングを施すことも可能である。これにより、水溶性食物繊維を含む乾燥茶葉調整物の外観を、一般の乾燥茶葉と等しくすることができ、乾燥茶葉水溶性食物繊維のコーティングが溶けたのちに茶葉がお湯と接するため、高濃度の水溶性食物繊維溶液が茶葉に吸収されにくい。
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成で、日本人の食習慣に最も適した食卓飲料である緑茶に種々の保健機能があるといわれる難消化性デキストリンを含ませることにより、難消化性デキストリンとともに緑茶を、難消化性デキストリン特有の甘味、臭いを気にすることなく、その本来の風味で摂取することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000141897
【氏名又は名称】アークレイ株式会社
【住所又は居所】京都府京都市南区東九条西明田町57番地
【出願日】 平成14年4月4日(2002.4.4)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2003−289804(P2003−289804A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−101972(P2002−101972)