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【発明の名称】 緑茶抽出液の製造法
【発明者】 【氏名】山下 和之
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川香料株式会社技術研究所内

【氏名】岩崎 亮
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川香料株式会社技術研究所内

【氏名】白石 悟
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川香料株式会社技術研究所内

【要約】 【課題】下級煎茶、番茶などの比較的低級な茶葉から、効率的にタンニンを除去し、アミノ酸が豊富で、香り、旨味やコクが強く、渋みの少ない緑茶抽出液を簡便な方法で製造する方法を提供すること。

【解決手段】茶葉から0〜30℃、好ましくは10〜30℃の温度範囲の低温水にて静置もしくは撹拌条件下に抽出した抽出液に、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)を好ましくは、該抽出液の固形分に対して5〜100重量%添加して、接触処理することを特徴とする緑茶抽出液の製造法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】茶葉から0〜30℃の低温水にて抽出した抽出液に、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)を接触処理することを特徴とする緑茶抽出液の製造法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旨味やコクが強く、渋味の少ない緑茶抽出液の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、緑茶飲料を缶あるいはペットボトル等に充填した商品が提供されており、消費者の甘味ばなれから高い支持を得てその生産量は増加の一途をたどっている。最近の傾向としては、旨味やコクが強く、渋味の抑えられた緑茶飲料が好まれている。
【0003】緑茶抽出液の製造法としては、例えば、茶葉を80〜100℃の高温水中で30〜90秒抽出した後、冷水を加えて30〜50℃の低温とした後、120〜300秒抽出する方法(特開平6−303904号公報)、茶葉から45〜70℃の低温水性媒体により抽出された緑茶飲料に、茶生葉から抽出された茶生葉抽出エキスを配合する方法(特開2001−258477号公報)などが提案されている。
【0004】一方、緑茶抽出液を得る際に、PVPPを接触処理してタンニンを除去することに関しては、例えば、茶の葉を熱水に浸すことによってつくられる浸出液を不溶性重合体N−ビニルポリラクタムと接触させて前記浸出液中のタンニンの吸着を行いタンニン含量の比較的低い処理浸出液を得る方法(特公昭42−1480号公報)、タンニンおよびアミノ酸を含有する茶類抽出液を、PVPPと接触させ、茶類抽出液中のタンニンを吸着させ、除去することにより、アミノ酸/タンニン比を0.2〜3.0に設定する方法(特開平9−220055号公報)、60〜70℃の温水で茶を抽出する途中でPVPPを添加してカテキン類濃度を減少させる方法(特開平9−220053号公報)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来提案されている緑茶抽出液は旨味やコクを増強することを目的としているが、いずれも約40〜約70℃の温水または熱水により抽出されており、それなりの効果はあるものの充分満足できるものではなかった。
【0006】従って、本発明の目的は、香り、旨味やコクが強く、渋味の少ない緑茶抽出液を簡便な方法で製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記のごとき課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、今回、茶葉を0〜30℃の極低温水で抽出した抽出液を、PVPPと接触処理することにより、比較的低級な茶葉から効率的にタンニンが少なくアミノ酸の豊富な旨味の強い抽出液を得ることができることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】かくして、本発明によれば、茶葉から0〜30℃の低温水にて抽出した抽出液に、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)を接触処理することを特徴とする緑茶抽出液の製造法が提供される。
【0009】以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる緑茶は、特に制限されるものではないが、例えば、煎茶、玉露、抹茶、番茶、ほうじ茶、釜いり茶、玉緑茶等を例示することができ、特にコストの点で、下級煎茶、番茶等が好適である。
【0011】本発明の緑茶抽出液の製造法は、上述した茶葉から0〜30℃の低温水にて抽出した抽出液に、PVPPを接触処理することを特徴とする。
【0012】抽出液を得る方法は特に制限されず、例えば、上記の茶葉1重量部あたり水を5〜50重量部を加え、静置もしくは攪拌条件下に、0〜30℃、好ましくは10〜30℃の温度範囲にて、温度条件、抽出方法に応じて10分〜5時間抽出を行い、遠心分離、濾過などのそれ自体既知の方法で固液分離することによって不溶物を除去することにより得ることができる。また、例えば、上記の茶葉をガラス又はステンレスなど適宜な材質のカラムに充填し、該カラムの上部もしくは下部より、0〜30℃、好ましくは10〜30℃の低温水を、定量ポンプなどを用いて流し、カラム抽出することによって得ることができる。かかるカラム抽出は所望により複数のカラムを直列に接続して行うこともできる。
【0013】次いで得られた抽出液を、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)と接触処理して緑茶抽出液を得る。
【0014】PVPPの添加量は、該抽出液の固形分に対して5〜100重量%、特に10〜50重量%添加するのが好ましい。5重量%未満では呈味の改善効果はほとんど期待できず、100重量%を超える範囲では緑茶自体の風味が損なわれる可能性があり好ましくない。PVPPによる処理は、所望する緑茶抽出液の風味により一概にはいえないが、例えば、約10℃〜約50℃程度の温度範囲で、約10分〜約2時間攪拌処理する方法を例示することができる。PVPPで処理する際、または処理後にビタミンCを配合することにより風味の劣化を防止することができ効果的である。ビタミンCの配合量は特に制限されないが、例えば、抽出液の重量を基準として、約0.005〜約0.5重量%を例示することができる。その後、遠心分離、ろ過等の適宜の分離手段を採用して清澄な緑茶抽出液を得ることができる。得られた緑茶抽出液は所望により適宜な濃縮手段を採用して濃縮液の形態とすることもできる。
【0015】本発明の緑茶抽出液は、通常そのまま液状で利用するが、所望により該エキスにデキストリン、加工澱粉、サイクロデキストリン、アラビアガム等の賦形剤を添加して粉末状とすることもできる。
【0016】本発明によって得られる緑茶抽出液は、所望により、容器に充填後、又は充填前に加熱殺菌することができる。更に望ましくは、熱交換機により高温瞬間殺菌後凍結して冷凍保存することにより、本発明の緑茶抽出液の優れた風味を長期間保持することができる。
【0017】以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。
【0018】
【実施例】実施例15Lステンレスカラムに緑茶葉1.6Kgを仕込み、上部より軟水16Kgを加えて、25℃にて2時間静置抽出した。抽出後、カラム下部より抽出液を抜き取り、抽出液13Kg(Bx:3.2°,タンニン:0.64%,アミノ酸:0.2%)を得た。得られた抽出液13KgにダイガバンF(BASF社製のPVPP)150gを添加して30℃±5℃にて1.5時間攪拌処理を行い、遠心分離、ケイソウ土濾過により清澄な緑茶抽出液(本発明品1)(Bx:2.8,タンニン:0.32%,アミノ酸:0.20%)12.8Kgを得た。抽出液は90℃達温殺菌後、冷凍保存した。
【0019】比較例1実施例1において、抽出温度を50℃とした以外は実施例1と同様に処理して緑茶抽出液12.8Kg(比較品1)(Bx:3.4°,タンニン:0.64%,アミノ酸:0.18%)を得た。
(官能評価)実施例1及び比較例1で得られた本発明品1及び比較品1の緑茶抽出液を、それぞれイオン交換水にて10重量%に希釈し、それぞれの希釈品についてよく訓練された10名のパネラーにより官能評価を行った。10名のパネラーの平均的な評価の結果を表1に示す。なお、官能評価は以下の基準で行った。
官能評価基準3.旨味が強く、風味が良好である2.旨味は感じられるが、渋味も若干ある1.旨味はほとんどなく、渋味が強い0.旨味が感じられず、渋味が大変強い【0020】
【表1】

【0021】
【発明の効果】本発明によれば、比較的低級な茶葉から効率的にタンニンが少なくアミノ酸の豊富な旨味の強い緑茶抽出液を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000214537
【氏名又は名称】長谷川香料株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋本町4丁目4番14号
【出願日】 平成14年1月17日(2002.1.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−204754(P2003−204754A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−8473(P2002−8473)