| 【発明の名称】 |
清澄化コーヒー飲料の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】平吹 修一 【住所又は居所】大阪府高槻市辻子3丁目1番4号 ユーシーシー上島珈琲株式会社R&Dセンター内
【氏名】神田 昌志 【住所又は居所】大阪府高槻市辻子3丁目1番4号 ユーシーシー上島珈琲株式会社R&Dセンター内
【氏名】江藤 友則 【住所又は居所】大阪府高槻市辻子3丁目1番4号 ユーシーシー上島珈琲株式会社R&Dセンター内
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| 【要約】 |
【課題】濃厚かつ清澄なコーヒー抽出液を迅速に抽出可能な清澄化コーヒー飲料の製造方法を提供する。
【解決手段】所定の平均粒子径を有する第一コーヒー材料からコーヒー抽出液を得る第一抽出工程と、第一抽出工程で得られたコーヒー抽出液を用いて前記所定の平均粒子径以上の平均粒子径を有する第二コーヒー材料からコーヒー抽出液を得る第二抽出工程とを有する清澄化コーヒー飲料の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の平均粒子径を有する第一コーヒー材料からコーヒー抽出液を得る第一抽出工程と、前記第一抽出工程で得られたコーヒー抽出液を用いて前記所定の平均粒子径以上の平均粒子径を有する第二コーヒー材料からコーヒー抽出液を得る第二抽出工程とを有する清澄化コーヒー飲料の製造方法。 【請求項2】 前記第一コーヒー材料の平均粒子径が0.40〜1.33mmであり、前記第二コーヒー材料の平均粒子径が1.13〜1.33mmである請求項1に記載の清澄化コーヒー飲料の製造方法。 【請求項3】 前記第一コーヒー材料の平均粒子径が0.40〜1.01mmであり、前記第二コーヒー材料の平均粒子径が1.13〜1.33mmである請求項2に記載の清澄化コーヒー飲料の製造方法。 【請求項4】 前記第一コーヒー材料の平均粒子径が0.70mmであり、前記第二コーヒー材料の平均粒子径が1.13mmである請求項3に記載の清澄化コーヒー飲料の製造方法。 【請求項5】 前記第一コーヒー材料の重量に対する前記第二コーヒー材料の重量比率が、前記第一コーヒー材料10に対して前記第二コーヒー材料が少なくとも3以上である請求項2〜4の何れか一項に記載の清澄化コーヒー飲料の製造方法。 【請求項6】 前記第二抽出工程の抽出温度が25〜95℃であり、かつ前記第二抽出工程の抽出圧力条件が常圧である請求項1〜5の何れか一項に記載の清澄化コーヒー飲料の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、清澄化コーヒー飲料の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、市販のコーヒー飲料は、ドリップ、加圧抽出等の抽出方法を用いて、焙煎コーヒーを粉砕したコーヒー材料に熱水や冷水等を加水して濾布やメッシュ等の濾材により濾過抽出することによってコーヒー抽出液を得ており、このようにして得られたコーヒー抽出液は、そのまま、或いは糖類、乳類及び水等と共に所望の濃度に調整されてコーヒー飲料として飲用に供されていた。 【0003】そして、このようなコーヒー飲料は、例えば、瓶、ペットボトルといった透明な貯蔵容器に充填され、貯蔵容器内のコーヒー抽出液が外部から見える状態で取り引きされていた。また、透明な貯蔵容器以外にもアルミ製、鉄製の缶等の貯蔵容器に充填される形態で取り引きされる場合もあった。 【0004】上述した状態で取引されたコーヒー飲料は、消費者が飲用する際には、前記貯蔵容器から内容物を外部から見ることができるカップやグラス等の透明容器に注がれて飲用に供されることが多かった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】コーヒー飲料は嗜好飲料としてその需要もますます増大し、より一層の品質特性の向上を求められるようになってきている。一般に、コーヒー抽出液の品質特性は、抽出条件やその後の処理方法により決定される。この抽出条件には、抽出に使用する熱水の温度、コーヒー材料の粒度(平均粒子径)、抽出時における攪拌状況、抽出時の固液比率、抽出時間等があり、このうち、平均粒子径の細かいコーヒー材料を用いて抽出に使用する熱水の温度を高め、さらに抽出中に十分攪拌することにより収率の向上した濃厚な品質特性を有するコーヒー抽出液が得られる。しかし、その一方で、このような濃厚なコーヒー抽出液には、コーヒー材料中に含まれる微粒子が濾材によって濾過されずに混入し、この微粒子を原因とする濁りや沈殿が発生する虞があるという問題点を有していた。 【0006】コーヒーは飲料であると同時に嗜好品であるので、カップやグラス内に注がれた状態での見た目も重要である。そのため、透明な貯蔵容器や飲用容器の外部から上述した濁りや沈殿が見えると美観が損なわれ、又、濁りや沈殿が発生したコーヒーは飲用時にざらつき感等の雑味を与えたり後味が悪くなる等して味を損ねることがある。依って、このような濁りや沈殿が発生したコーヒーは、視覚的、味覚的にも決して良いとはいえず、商品価値が低下する虞れがある。そのため、濁りや沈殿を極力抑えた清澄なコーヒー飲料が望まれていた。 【0007】抽出されたコーヒーから濁りや沈殿をできるだけ排除して清澄にするため、コーヒー材料の微粒子が混入しないように濾材のメッシュを細かくすることが考えられる。しかし、細かいメッシュを有する濾材を使用すると目詰まりが発生しやすいばかりで無く濾過抽出に時間を要するものとなり、そのため工業的なコーヒー抽出液の製造を考えた場合、濾材のメッシュを細かくすることは現実的では無い。 【0008】従って、本発明の目的は、濃厚かつ清澄なコーヒー抽出液を迅速に抽出可能な清澄化コーヒー飲料の製造方法を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】〔構成1〕この目的を達成するための本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法の特徴構成は、請求項1に記載のように、所定の平均粒子径を有する第一コーヒー材料からコーヒー抽出液を得る第一抽出工程と、前記第一抽出工程で得られたコーヒー抽出液を用いて前記所定の平均粒子径以上の平均粒子径を有する第二コーヒー材料からコーヒー抽出液を得る第二抽出工程とを有する点にあり、その作用効果は以下の通りである。 【0010】〔作用効果1〕つまり、所定の平均粒子径を有する第一コーヒー材料からコーヒー抽出液を得る第一抽出工程と、前記第一抽出工程で得られたコーヒー抽出液を用いて前記所定の平均粒子径以上の平均粒子径を有する第二コーヒー材料からコーヒー抽出液を得る第二抽出工程とを有することにより、第一抽出工程において得られた第一のコーヒー抽出液を、第二抽出工程において得られる第二のコーヒー抽出液を抽出するための抽出液として用いることができる。 【0011】詳述すると、まず、第一抽出工程では、所定の平均粒子径を有する第一コーヒー材料から第一のコーヒー抽出液を得る工程を行う。この時得られた第一のコーヒー抽出液には、第一コーヒー材料中に含まれる微粒子が含まれており、このような微粒子を含んだ濁度の高い第一のコーヒー抽出液を用いて、次の第二抽出工程を行う。第二抽出工程では、前記所定の平均粒子径以上の平均粒子径を有する第二コーヒー材料に前記第一のコーヒー抽出液を加水して第二のコーヒー抽出液を得る工程を行う。この時得られた第二のコーヒー抽出液の濁度は、前記第一のコーヒー抽出液に比べて低下している。この結果は、後述の実施例1における実験結果より導かれる。 【0012】つまり、この実施例1の実験では、表1に示す粒度分布を有する平均粒子径の異なる5種類のコーヒー材料(I)〜(V)を用い、第一抽出工程、第二抽出工程でそれぞれ(I)〜(V)のコーヒー材料を用いて全ての組み合わせで抽出を行い、その時得られた第二のコーヒー抽出液(第二抽出液)の濁度、収率などのデータを測定してその評価を行っている。尚、第一抽出工程で用いたコーヒー材料(I)〜(V)をそれぞれ(1)〜(5)と番号付けし、第二抽出工程で用いたコーヒー材料(I)〜(V)をそれぞれ(A)〜(E)と番号付けするものとする。 【0013】その結果、表4に示した濁度の測定結果から、全ての場合において第一の抽出液(第一抽出液)に比べて第二抽出液の濁度の低下が認められている。また、この時得られたデータを3段階で評価した図3において、b1、b2の領域における組み合わせで抽出を行うと比較的清澄度の高い第二抽出液が得られることになる。そしてこの領域の中には、第二抽出工程で用いる第二コーヒー材料の平均粒子径を、第一抽出工程で用いる第一コーヒー材料の平均粒子径以上の平均粒子径とする組み合わせ(図6:g1)が全て含まれている。 【0014】ここで、濁りや沈殿の発生を極力抑えた清澄なコーヒー抽出液を得る為には、より清澄度の高い第二抽出液を得ることができる条件で抽出を行うことが望ましい。依って、所定の平均粒子径を有する第一コーヒー材料からコーヒー抽出液を得る第一抽出工程を行った後に、前記第一抽出工程で得られたコーヒー抽出液を用いて前記所定の平均粒子径以上の平均粒子径を有する第二コーヒー材料からコーヒー抽出液を得る第二抽出工程を行うことにより、より清澄度の高い第二抽出液を得ることができる条件で抽出を行うことが可能となり、その結果得られた第二抽出液は、濁りや沈殿の発生を極力抑えることのできる清澄なコーヒー抽出液として回収することができるのである。 【0015】また、この時得られた第二抽出液の濁度は、同量のコーヒー材料を用いて従来の方法により抽出したコーヒー抽出液の濁度と比べて約0.4倍という顕著な低下が認められていることが後述の実施例4より明らかとなっており、この時、コーヒー抽出液の濃厚さの基準であるBrix値においても約1.4倍となっていることから、本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法により製造されたコーヒー抽出液(第二抽出液)は濃厚かつ清澄化が達成されたコーヒー抽出液であると認められる。 【0016】このように、本発明の構成1の製造方法により得られた第二抽出液の濁度が低下する理由としては、第一抽出液に含まれる濁りや沈殿の原因となる微粒子が第二コーヒー材料中を通過する間に第二コーヒー材料に捕捉されたことによるものであると考えられる。つまり、第二コーヒー材料は、第一抽出液に含まれる微粒子を捕捉して抽出液を清澄化する作用(濾過作用)を奏するものであり、この濾過作用によって濁度の低下した清澄な第二抽出液が得られるのである。 【0017】このように、第二抽出工程で用いるコーヒー材料は、第一抽出液に含まれる微粒子を捕捉して抽出液を清澄化する濾過作用を奏するため、濾材のメッシュを細かくしたりセルロースや珪藻土等の特殊な濾材を用いることなく、また、抽出時間の増大を招くことなく、コーヒー抽出液の清澄化を達成することができるのである。 【0018】〔構成2〕この目的を達成するための本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法の特徴構成は、請求項2に記載のように、上記構成1において、前記第一コーヒー材料の平均粒子径が0.40〜1.33mmであり、前記第二コーヒー材料の平均粒子径が1.13〜1.33mmである点にあり、その作用効果は以下の通りである。 【0019】〔作用効果2〕この構成における第一コーヒー材料の平均粒子径を0.40〜1.33mm、第二コーヒー材料の平均粒子径を1.13〜1.33mmとしたことの根拠は、後述の実施例1に示した実験結果に基づくものである。この実験内容は、上記構成1の作用効果の欄に記載した通りであるが、この時得られた測定結果の内、表5に示した収率の測定結果より、第二抽出工程で平均粒子径が1.13〜1.33mmのコーヒー材料を使用した場合(図4:c1)において収率の高い第二抽出液が得られていると認められた。そして、この時の第一抽出工程における平均粒子径は0.40〜1.33mmであった。これより、上記構成1において、前記第一コーヒー材料の平均粒子径が0.40〜1.33mmであり、前記第二コーヒー材料の平均粒子径が1.13〜1.33mmであると、濁度が低く、かつ収率が高い清澄なコーヒー抽出液を得ることができる。 【0020】〔構成3〕この目的を達成するための本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法の特徴構成は、請求項3に記載のように、上記構成2において、前記第一コーヒー材料の平均粒子径が0.40〜1.01mmであり、前記第二コーヒー材料の平均粒子径が1.13〜1.33mmである点にあり、その作用効果は以下の通りである。 【0021】〔作用効果3〕この構成における第一コーヒー材料の平均粒子径を0.40〜1.01mm、第二コーヒー材料の平均粒子径を1.13〜1.33mmとしたことの根拠は、後述の実施例1に示した実験結果に基づくものである。この実験内容は、上記構成1の作用効果の欄に記載した通りであるが、この時得られた測定結果の内、表4に示した濁度の測定結果より、第一抽出工程において平均粒子径が0.40〜1.01mmのコーヒー材料を使用した場合(図3:b1)が濁度の最も低い第二抽出液が得られる範囲であり、さらに、(c)に示した収率の測定結果より、第二抽出工程で平均粒子径が1.13〜1.33mmのコーヒー材料を使用した場合(図4:c1)が収率の高い第二抽出液が得られている範囲である。これより、これら両抽出工程の重なる範囲のコーヒー材料の組み合わせ(図6:g2)を有する場合、つまり、第一抽出工程において平均粒子径が0.40〜1.01mmのコーヒー材料を使用し、かつ第二抽出工程で平均粒子径が1.13〜1.33mmのコーヒー材料を使用する場合において、上記構成2よりもさらに濁度が低く、収率の高い清澄なコーヒー抽出液を得ることができる。 【0022】〔構成4〕この目的を達成するための本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法の特徴構成は、請求項4に記載のように、上記構成3において、前記第一コーヒー材料の平均粒子径が0.70mmであり、前記第二コーヒー材料の平均粒子径が1.13mmである点にあり、その作用効果は以下の通りである。 【0023】〔作用効果4〕この構成における第一コーヒー材料の平均粒子径を0.70mm、第二コーヒー材料の平均粒子径を1.13mmとしたことの根拠は、後述の実施例1に示した実験結果に基づくものである。この実施例1では、前述の構成3で設定された第一抽出工程及び第二抽出工程で用いるコーヒー材料の平均粒子径の範囲をさらに最適化するための評価を行っている。その結果、コーヒー抽出液の濁度、抽出時間等のデータを総合的に評価することによって、第一抽出工程で用いるコーヒー材料の平均粒子径が0.70mmであり、第二抽出工程で使用するコーヒー材料の平均粒子径が1.13mmである場合(図6:g3)が最適であると認められた。これより、第一コーヒー材料の平均粒子径が0.70mmであり、第二コーヒー材料の平均粒子径が1.13mmであれば、濃厚かつ清澄なコーヒー抽出液を短時間で得ることができるため、合理的な抽出を行うことが可能となる。 【0024】〔構成5〕この目的を達成するための本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法の特徴構成は、請求項5に記載のように、上記構成2〜4の何れか一項の構成において、前記第一コーヒー材料の重量に対する前記第二コーヒー材料の重量比率が、前記第一コーヒー材料10に対して前記第二コーヒー材料が少なくとも3以上である点にあり、その作用効果は以下の通りである。 【0025】〔作用効果5〕この構成における第一コーヒー材料10に対する第二コーヒー材料の重量比率が少なくとも3以上であることの根拠は、後述の実施例2に示した実験結果に基づくものである。この実験では、第一抽出工程で用いる第一コーヒー材料100gに対して、第二抽出工程で用いる第二コーヒー材料の重量割合を種々変更して得られた第二抽出液の品質に及ぼす影響を調べたところ、第二抽出工程では第二コーヒー材料を30g以上用いた場合に、濁度が低く、かつ収率の良好なコーヒー抽出液を製造できると認められた。そのため、前記第一コーヒー材料の重量に対する前記第二コーヒー材料の重量比率が、前記第一コーヒー材料10に対して前記第二コーヒー材料が少なくとも3以上であれば、濁りの少ない清澄なコーヒー飲料を効率よく製造することが可能となる。 【0026】〔構成6〕この目的を達成するための本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法の特徴構成は、請求項6に記載のように、上記構成1〜5の何れか一項に記載の構成において、前記第二抽出工程の抽出温度が25〜95℃であり、かつ前記第二抽出工程の抽出圧力条件が常圧である点にあり、その作用効果は以下の通りである。 【0027】〔作用効果6〕この構成における第二抽出工程の抽出温度が25〜95℃であり、かつ前記第二抽出工程の抽出圧力条件が常圧であることの根拠は、後述の実施例3に示した実験結果に基づくものである。この実験では、前記第二抽出工程が常圧下において第二抽出工程における抽出温度を種々変更して得られた第二抽出液の品質に及ぼす影響を調べたところ、いずれの抽出温度においても清澄化効果が認められたことから、第二抽出工程の抽出温度を25〜95℃とし、かつ前記第二抽出工程の抽出圧力条件を常圧とすることにより、濁りの少ない清澄なコーヒー飲料を効率よく製造することが可能となる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。 【0029】図1に、第一抽出工程及び第二抽出工程に用いられるコーヒー抽出機の概略を示す。第一抽出工程は、縦向き姿勢となる筒状のカラム1Aにより行われる。前記カラム1Aの上部には、定法に従い焙煎して粉砕した抽出用の第一コーヒー材料M1を供給するコーヒー材料供給部2Aと熱水(冷水でも良い)の供給部3Aとを形成し、下端に抽出液の取出し部4Aを形成し、さらに、前記カラム1Aの下部には濾過抽出用の濾材R1を設けてある。この濾材R1の上面に前記第一コーヒー材料M1を載置する。そして、前記第一コーヒー材料M1を前記濾材R1上に堆積することにより材料堆積部E1を形成する。また、コーヒー抽出時にコーヒー材料M1と熱水とを攪拌するための攪拌機7を設けてある。この第一抽出工程で得られたコーヒー抽出液である第一抽出液は、前記取出し部4Aから流出して第二抽出工程へと送られる。 【0030】第二抽出工程は、縦向き姿勢となる筒状のカラム1Bにより行われる。前記カラム1Bの上部には、定法に従い焙煎して粉砕した第二コーヒー材料M2を供給するコーヒー材料供給部2Bと熱水の供給部3Bとを形成し、下端に抽出液の取出し部4Bを形成し、さらに、前記カラム1Bの下部には濾過抽出用の下部濾材R2を設けてある。この下部濾材R2の上面に前記第二コーヒー材料M2を載置する。そして、前記第二コーヒー材料M2を前記下部濾材R2上に堆積することにより材料堆積部E2を形成する。また、前記材料堆積部E2の上面には上部濾材R3を設置してある。前記第一抽出工程で得られた第一抽出液は、後述の移送管路11を経由して前記上部濾材R3の上方に設けてある第一抽出液供給部6から前記カラム1B内に供給される。尚、必要に応じて上部濾材R3の上部に、第一抽出液供給部6から供給された第一抽出液と熱水の供給部3Bから供給された熱水とを攪拌するための攪拌機を設けることが可能である。 【0031】前記カラム1Bの下端に設けられている取出し部4Bは、第二抽出工程で得られた第二抽出液を貯留する貯留タンク10と移送管路12を介して接続されており、前記移送管路12には、電磁式の弁V5が備えられている。また、前記カラム1Aのコーヒー材料供給部2A及び前記カラム1Bのコーヒー材料供給部2Bの上流には、焙煎して粉砕したコーヒー材料を受けるホッパー5A、5Bがそれぞれ設けられている。 【0032】前記熱水の供給部3A、3Bに熱水を供給するために、熱水供給装置8、熱水供給管路91、92が設けられており、この熱水供給管路91、92にはそれぞれ電磁式の弁V1、V2が備えられている。前記熱水供給装置8には前記熱水供給装置8内の水を加温するためのヒータ81が付設されている。また、前記カラム1Aの下端に設けられた前記取出し部4Aから第一抽出液を前記カラム1Bに送る移送管路11を形成し、この移送管路11には電磁式の弁V3、V4が備えられている。更に、前記熱水供給装置8の水温の制御や、弁V1〜V5の開閉を制御する制御装置Cを備えてある。前記制御装置Cはマイクロプロセッサーを備え、コントロールパネルCPから入力された信号に基づいて任意の処理を行うよう構成されている。前記制御装置Cには、前記熱水供給装置8内の水温を計測する温度センサからの信号が入力し、前記ヒータ81を制御する制御信号が前記制御装置Cから出力する。さらに、前記弁V1〜5に制御信号を出力する信号系が備えられている。 【0033】このようにして構成されるコーヒー抽出機において、本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法を概説する。 【0034】まず、第一抽出工程では、所定の平均粒子径を有する第一コーヒー材料M1に熱水を加水してコーヒー抽出液(第一抽出液)を得る工程を行う。つまり、前記ホッパー5Aから前記コーヒー材料供給部2Aを経て前記カラム1A内に第一コーヒー材料M1を供給する作業を行い、前記濾材R1上に第一コーヒー材料M1を堆積させて材料堆積部E1を形成し、その後、前記コントロールパネルCPから処理開始の情報を入力することにより、制御装置Cにより弁V1を開放操作して必要とする量の熱水を熱水の供給部3Aを経て前記カラム1A内に供給して、前記カラム1Aの上部に近いレベルLに達するまで熱水を満たす。このように熱水が供給されると同時にタイマを作動させて抽出時間の計測を開始する。この時間は第一コーヒー材料M1や熱水の温度に基づいて設定されるものである。そして、設定された抽出時間が経過した時点で制御装置Cにより弁V3を開放し、前記取出し部4Aから第一抽出液を前記移流管路11に放出する。この時、前記移流管路11に放出する前に前記第一抽出液を常温にまで冷却する抽出液冷却工程を有すると、この抽出液冷却工程において前記第一抽出液中に含まれる熱安定性の低い物質の変質、分解を抑制することができるので、最終的に得られるコーヒー飲料の嗜好性を保つ上で好ましい。ここで、常温とは、上述した目的を達することができる範囲として、例えば、5〜20℃程度を指す。また、この第一抽出工程による抽出は、必要に応じて蒸気等による加圧抽出を行うことが可能である。 【0035】このようにして前記第一抽出工程で得られた第一抽出液は、濃厚な抽出液であるが、前記濾材R1によって濾過されずに前記第一抽出液に混入した前記コーヒー材料M1の微粒子が分散することによる濁りを帯びており、経時的に沈殿を生じる。依って、このような濁りを除去して清澄なコーヒー飲料を得るために、以下に述べる第二抽出工程を行う。 【0036】第二抽出工程では、前記第一抽出工程で使用した第一コーヒー材料M1の平均粒子径以上の平均粒子径を有する第二コーヒー材料M2に熱水と前記第一抽出液とを加えてコーヒー抽出液(第二抽出液)を得る工程を行う。 【0037】つまり、前記ホッパー5Bから前記コーヒー材料供給部2Bを経て前記カラム1B内に前記第二コーヒー材料M2を供給し、前記下部濾材R2上に第二コーヒー材料M2を堆積させて材料堆積部E2を形成して前記材料堆積部E2の上面に上部濾材R3を設置する作業を行い、その後、前記コントロールパネルCPから処理開始の情報を入力することにより、制御装置Cにより弁V2を開放操作して必要とする量の熱水を熱水の供給部3Bを経て上部濾材R3の上方から前記カラム1B内に供給し、さらに、制御装置Cにより弁V4も開放して第一抽出液を第一抽出液供給部6を経て上部濾材R3の上方から前記カラム1B内に供給する。第二コーヒー材料M2に熱水と前記第一抽出液とを加えて得られた第二抽出液は、前記取出し部4Bを経て前記移送管路12を流下し(この時弁V5は制御装置Cにより開放された状態)、前記貯留タンク10に貯留される。 【0038】尚、前記第一抽出工程で得られた第一抽出液に濁りの原因となる微粒子の混入が著しい場合、前記カラム1Aから前記カラム1Bに前記第一抽出液を移送するまでに遠心分離器等で前記第一抽出液の固液を遠心分離することにより、微粒子の除去を行うことも可能である。遠心分離機は、通常使用されているものであればいずれも使用でき、その条件は必要に応じて適宜設定することができる。 【0039】このようにして得られた前記第二抽出液は濃厚かつ清澄なコーヒー抽出液であり、コーヒー飲料としては、濃厚かつ清澄なコーヒー抽出液をそのままで、もしくは必要に応じて希釈したり、ミルク成分や砂糖等を添加し、缶、PETボトル等の容器に充填して加熱殺菌した後に市場に供給されるものである。 【0040】 【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本実施例で用いたコーヒー抽出液抽出用のコーヒー材料は、コーヒー豆を定法に従って焙煎し粉砕したものであり、用いたコーヒー材料の粒度分布、平均粒子径および粒度分布の標準偏差のデータを表1に示した。 【0041】 【表1】
【0042】表1において、(II)のコーヒー材料を例に説明すると、粒子径2.00〜1.43mmのコーヒー材料が存在する頻度は0.0%、粒子径1.43〜0.73mmのコーヒー材料が存在する頻度は23.6%、粒子径0.73〜0.55mmのコーヒー材料が存在する頻度は36.0%、粒子径0.55〜0.40mmのコーヒー材料が存在する頻度は8.3%、粒子径0.40〜0.15mmのコーヒー材料が存在する頻度は22.7%、粒子径0.15mm以下のコーヒー材料が存在する頻度は9.4%であり、この時、コーヒー材料(II)の平均粒子径は0.70mm、その粒度分布の標準偏差は0.42mmである。 【0043】このような粒度分布を有するコーヒー材料(I)〜(V)を用いて2段階のコーヒー抽出液の抽出を行った。 【0044】〔実施例1〕第一抽出工程、第二抽出工程でそれぞれ(I)〜(V)のコーヒー材料を用いて全ての組み合わせで抽出を行い、その時得られた第二抽出液のデータを測定してその評価を行った。 【0045】第一抽出工程の抽出条件は、第一コーヒー材料M1として前記コーヒー材料(I)〜(V)をそれぞれ700g使用し、このコーヒー材料の重量に対して3倍重量の加熱水を使用し、各第一コーヒー材料M1において95℃で10分間の抽出をそれぞれ行った。これにより5種類の第一抽出液が得られた。この時、前記濾材R1は、80メッシュのものを用いた。尚、第一抽出工程で用いたコーヒー材料(I)〜(V)をそれぞれ(1)〜(5)と番号付けするものとする。 【0046】第二抽出工程の抽出条件は、第二コーヒー材料M2として前記コーヒー材料(I)〜(V)をそれぞれ100g使用し、このコーヒー材料M2に95℃の熱水200gと、前記第一抽出工程で得られた5種類のうちの1種類の第一抽出液(各1/7量)とを各第二コーヒー材料M2に対して加水し、それぞれ抽出を行った。これにより25種類の第二抽出液が得られた。この時、上部濾材R3、下部濾材R2は共に80メッシュのものを用いた。尚、第二抽出工程で用いたコーヒー材料(I)〜(V)をそれぞれ(A)〜(E)と番号付けするものとする。 【0047】ここで、第一抽出工程で用いたコーヒー材料M1と、第二抽出工程で用いたコーヒー材料M2との組み合わせを記載する場合、(コーヒー材料M1、コーヒー材料M2)のように記載するものとする。例えば、第一抽出工程で用いたコーヒー材料M1が(1)であり、かつ第二抽出工程で用いたコーヒー材料M2が(E)である場合は、(1、E)と記載する。また、第一抽出工程で用いたコーヒー材料M1が(1)又は(2)又は(3)であり、かつ第二抽出工程で用いたコーヒー材料M2が(A)又は(B)である場合は、(1or2or3、AorB)と記載する。 【0048】第二抽出工程で使用した第一抽出液の液量と、第二抽出工程で得られた第二抽出液の液量とを表2に示した。 【0049】 【表2】
【0050】また、このようにして得られた第二抽出液のBrix値、濁度、収率、抽出時間等を測定し、得られたデータを検討した。 【0051】(a)Brix値まず、Brix値について検討した。表3に、第一抽出液及び第二抽出液のBrix値を測定したデータを示した。 【0052】 【表3】
【0053】また、図2に、得られたデータを4.0〜7.0、7.0〜10.0、10.0〜13.0の3段階で評価した図を示した。これより、(1、AorBorC)のコーヒー材料をそれぞれ使用した場合(図2:a1)、あるいは、(3、E)のコーヒー材料をそれぞれ使用した場合は、第一抽出液のBrix値と比較して著しく低いBrix値が得られた。これは、クラック形成(抽出時にコーヒー材料に大きい間隙が形成される)等の理由によって通過する水の流速が急激に変化する現象等によるものと考えられる。一方、その他の組み合わせにおいては、第一抽出液のBrix値と比較してほぼ同等、又はそれ以上のBrix値が得られており、第一抽出液と同等、あるいはそれ以上の濃厚なコーヒー抽出液が得られていると認められる。 【0054】(b)濁度次に、濁度について検討した。濁度とは、分光光度計を用いて720nm(ナノメータ)の波長における吸光度によって濁りを判別したものであり、その測定値が小さいほど濁度は低く、清澄な抽出液となる。表4に、得られた第一抽出液及び第二抽出液の濁度を測定してBrix値1に換算した時のデータを示した。 【0055】 【表4】
【0056】また、図3に、得られたデータを0.15〜0.30、0.30〜0.45、0.45〜0.60の3段階で評価した図を示した。表4より、全ての組み合わせにおいて第一抽出液に比べて第二抽出液の濁度の低下が認められることが判明した。また、図3より、特に第一抽出工程で(1)〜(3)のコーヒー材料(平均粒子径が0.40〜1.01mm)を使用した場合(図3:b1)において濁度の最も低い第二抽出液が得られる傾向が認められ、(4or5、AorBorC)の組み合わせ(図3:b3)においては、濁度の最も高い第二抽出液が得られる傾向が認められ、さらに、(4or5、DorE)の組み合わせ(図3:b2)においては、中間的な濁度を示す第二抽出液が得られる傾向が認められた。 【0057】(c)収率次に、収率について比較検討した。収率とは、コーヒー材料の重量を100とした場合において抽出液に含まれる成分の重量を示すものである。表5に、得られた第一抽出工程、及び、第一、第二抽出工程トータルでの収率を測定したデータを示した。 【0058】 【表5】
【0059】また、図4に、得られたデータを2.0〜4.0、4.0〜6.0、6.0〜8.0の3段階で評価した図を示した。表5より、全ての組み合わせにおいて第一抽出工程に比べて第一、第二抽出工程トータルでの収率の低下が認められたものの、第二抽出工程で(C)〜(E)のコーヒー材料を使用した場合で良好な収率が得られ、特に第二抽出工程で(D)〜(E)のコーヒー材料(平均粒子径は1.13〜1.33mm)を使用した場合(図4:c1)において第一コーヒー材料の如何に関わらず収率の良好な第二抽出液が得られると認められた。また、第一抽出工程で(2)〜(3)のコーヒー材料を使用した場合(図4:c2)でも良好な収率が得られていることが判る。一方、(1、AorB)のコーヒー材料ををそれぞれ使用した場合(図4:c3)は収率は極端に低下しているが、これは、クラック形成等によるものと考えられる。 【0060】(d)抽出時間さらに、抽出時間について比較検討した。表6に、第二抽出液の抽出に要した時間を測定したデータを示した。 【0061】 【表6】
【0062】また、図5に、得られたデータを0.0〜15.0、15.0〜30.0、30.0〜45.0の3段階で評価した図を示した。これより、第一抽出工程(1)、あるいは、第二抽出工程(A)のコーヒー材料を使用した場合は第二抽出液の抽出にやや時間を要しており、特に、(1、AorB)のコーヒー材料をそれぞれ使用した場合は極端に第二抽出液の抽出に時間を要することが認められた。これは、第二抽出工程で用いた第二コーヒー材料の粒度が小さいことにより、抽出過程で目詰まりが生じる等の原因によるものと考えられる。一方、その他の組み合わせにおいては、(3、B)、あるいは、(5、D)において第二抽出液の抽出に時間を要しているものの、概ね15分以内で抽出が完了することが認められた。 【0063】(e)褐色度得られた第二抽出液が呈する褐色度を判別するために、分光光度計を用いて420nmの波長における吸光度を測定した。測定データをBrix値1に換算し、その結果を表7に示した。 【0064】 【表7】
【0065】これより、第二抽出液の吸光度は第一抽出液の吸光度に比べて低下しているものの、全体的にほぼ同等の吸光度が得られていると認められた。 【0066】(f)遠沈量得られた第二抽出液を遠沈処理(3000rpm、15分)した際の遠沈量(容積%)測定した。測定データをBrix値1に換算し、その結果を表8に示した。 【0067】 【表8】
【0068】これより、全ての場合において第一抽出液に比べて第二抽出液の遠沈量の顕著な低下が認められ、その範囲は第一抽出液の遠沈量が0.52〜2.18であるのに対して、第二抽出液の遠沈量は0.03〜0.18という非常に少ない量であると認められた。 【0069】(g)総合評価このようにして得られた第二抽出液の測定データ(a)〜(f)より、第一抽出工程と第二抽出工程に使用するコーヒー材料の組み合わせの総合評価を行った。(図6参照) 【0070】上記(b)濁度より、(4or5、AorBorC)の組み合わせ(図6:b3)においては、濁度の最も高い第二抽出液が得られる範囲となっていることから、より清澄度の高い第二抽出液を得るためには、この範囲以外の組み合わせで抽出を行うのが好ましい。この範囲の中には、第二抽出工程で用いる第二コーヒー材料M2の平均粒子径を、第一抽出工程で用いる第一コーヒー材料M1の平均粒子径以上の平均粒子径とする組み合わせ(図6:g1)が全て含まれている。 【0071】つまり、清澄化コーヒー飲料の製造方法としては、所定の平均粒子径を有する第一コーヒー材料M1からコーヒー抽出液を得る第一抽出工程と、前記第一抽出工程で得られたコーヒー抽出液を用いて前記所定の平均粒子径以上の平均粒子径を有する第二コーヒー材料M2からコーヒー抽出液を得る第二抽出工程とを有することが好ましい。 【0072】また、上記(c)収率より、第二抽出工程で(D)〜(E)のコーヒー材料を使用した場合(図6:c1)において第一コーヒー材料の如何に関わらず収率の良好な第二抽出液が得られていることから、上述した範囲(図6:g1)において、第二抽出工程で(D)〜(E)のコーヒー材料(平均粒子径は1.13〜1.33mm)を使用した場合が収率が高く、かつ清澄度の高い清澄化コーヒー抽出液を得ることができる。尚、この範囲では、Brix値の著しく低い組み合わせ(図2:a1)や、抽出時間を極端に要する組み合わせ(図5:d1)を除外できるため、好ましい。 【0073】また、特に第一抽出工程で(1)〜(3)のコーヒー材料(平均粒子径0.40〜1.01mm)を使用した場合(図6:b1)が濁度の最も低い清澄な第二抽出液が得られる範囲((b)濁度参照)であり、かつ第二抽出工程で(D)〜(E)のコーヒー材料(平均粒子径1.13〜1.33mm)を使用した場合(図6:c1)において収率の高い第二抽出液が得られる範囲((c)収率参照)であることから、これら両抽出工程の重なる範囲(1or2or3、DorE)の組み合わせ(図6:g2)ではさらに濁度が低く、収率の高い清澄なコーヒー抽出液を得ることができる。 【0074】また、工業用のコーヒー飲料の製造においては、コーヒー抽出液の抽出時間が短い方が好ましい。そのため、上述した(1or2or3、DorE)の組み合わせ(図6:g2)のコーヒー材料を使用した場合において、抽出時間が比較的短い(2or3、DorE)の組み合わせが好ましく、さらに、この内(3、DorE)は、濁度が0.43〜0.52と高いため、(2、DorE)の組み合わせがより好ましいものとなる。この時、(2、D)の抽出時間は(2、E)の抽出時間の2/3である。依って、濁度、収率、抽出時間のデータを総合的に評価することによって、濃厚かつ清澄なコーヒー抽出液を短時間で得ようとすれば(2、D)の組み合わせ(図6:g3)が最適であると認められる。この時使用するコーヒー材料を平均粒子径で記すと、第一抽出工程で使用する第一コーヒー材料の平均粒子径は0.70mmであり、第二抽出工程で使用する第二コーヒー材料の平均粒子径は1.13mmである。 【0075】尚、褐色度については、得られた第二抽出液は全体的にほぼ同等の褐色度を示し、遠沈量については、得られた第二抽出液の全てにおいて第一抽出液に比べて遠沈量の顕著な低下が認められていることから、褐色度及び遠沈量については第一抽出工程及び第二抽出工程で用いられるコーヒー材料の粒度の組み合わせによって、有意な影響を与えないと考えられる。そのため、第一抽出工程と第二抽出工程に使用するコーヒー材料の組み合わせを評価するにあたり、濁度、収率、抽出時間、Brix値のデータを総合的に評価すれば、良好な組み合わせが得られると認められる。 【0076】〔実施例2〕第一抽出工程で用いた第一コーヒー材料M1と第二抽出工程で用いた第二コーヒー材料M2との重量割合を種々変更して得られた第二抽出液の品質に及ぼす影響を調べた。 【0077】第一抽出工程でコーヒー材料(2)を100g使用し、第二抽出工程でコーヒー材料(D)を20〜300g使用した場合に得られた第二抽出液についてBrix値、収率、濁度、褐色度、遠沈量、抽出時間を測定し、表9に示した。尚、その他の条件は上述した実施例1と同様とする。 【0078】 【表9】
【0079】これより、収率については、第二抽出工程で用いたコーヒー材料(D)が20〜300gの時は、第一抽出工程の収率11.3%と比べて若干低下しているものの、ほぼ一定の良好な収率(7.8〜9.3%)が得られた。 【0080】濁度については、コーヒー材料(D)が30gの時に得られた第二抽出液の濁度は、第一抽出液の濁度の約70%程度となり有意な低下が認められるため、清澄化されたコーヒー抽出液が得られていることが判る。また、コーヒー材料(D)が50gの時に得られた第二抽出液の濁度は第一抽出液の濁度の約30%程度となり顕著な清澄化効果が認められ、さらに、コーヒー材料(D)が75g以上の時に得られた第二抽出液の濁度は第一抽出液の濁度の約10%程度となるため、より顕著な清澄化効果が認められた。 【0081】また、Brix値においては、コーヒー材料(D)が50g以下の時に得られた第二抽出液のBrix値は第一抽出液のBrix値よりも低いが、コーヒー材料(D)が75g以上の時に得られた第二抽出液のBrix値は第一抽出液のBrix値よりも大きくなるため、濃厚な第二抽出液が得られていると認められた。 【0082】また、第二抽出液が呈する褐色度を判別するために、分光光度計を用いて420nmの波長における吸光度を測定したところ、第一抽出液の値の約3分の1から約3分の2程度まで低下しているが、コーヒー材料(D)が75g以上になると、約3分の1程度の値を示すようになるため褐色度はあまり変わらなくなる。 【0083】遠沈量については、コーヒー材料(D)が50gの時に得られた第二抽出液の遠沈量は、第一抽出液の遠沈量の3分の1程度にまで低下が認められ、さらに、コーヒー材料(D)が75g以上の時に得られた第二抽出液の遠沈量は、第一抽出液の遠沈量の16分の1にまで低下する。 【0084】第二抽出工程で用いるコーヒー材料(D)が100g〜300gの間では、濁度、褐色度、遠沈量の値はほぼ一定値を示すようになり、第二抽出液の品質はあまり変わらなくなることが判る。そのため、第一抽出工程で用いたコーヒー材料(2)100gに対する第二抽出工程で用いるコーヒー材料(D)の最適な重量比は、第二抽出工程で用いるコーヒー材料(D)が100gまでの範囲で設定することが可能である。 【0085】以上より、濁度、収率の測定結果から、第一抽出工程で用いたコーヒー材料100gに対して、第二抽出工程では少なくとも30g以上のコーヒー材料を用いることが第二抽出液の品質の観点から良好であり、好ましくは30〜100gの範囲である。また、この範囲内において、濁度、収率、遠沈量の測定結果から、第二抽出工程で50g以上のコーヒー材料を用いることがより好ましく、さらに、第二抽出工程で75g以上のコーヒー材料を用いると、濁度、遠沈量の測定結果がさらに低下して良好な値を示すため、さらに好ましい。 【0086】〔実施例3〕第二抽出工程における抽出温度を種々変更して得られた第二抽出液の品質に及ぼす影響を調べた。 【0087】第一抽出工程における抽出温度を95℃とし、第二抽出工程における抽出温度を25、60、95℃とした時に得られた第二抽出液についてBrix値、濁度、収率、褐色度、遠沈量、抽出時間等を測定し、表10に示した。第一抽出工程及び第二抽出工程における圧力条件は常圧であり、その他の条件は上述した実施例1と同様とする。尚、第一抽出工程においては、収率を高める等の理由により常圧より加圧した状態で抽出を行うことも可能である。 【0088】 【表10】
【0089】これより、25、60、95℃の各抽出温度において得られた第二抽出液は、いずれも濁度が第一抽出液と比べて低下しているため清澄化効果が認められた。また、第二抽出工程における抽出温度が25℃の時は、得られた第二抽出液のBrix値、及び、第一、第二抽出工程トータルでの収率共、第一抽出工程の約2分の1程度に低下しており、濁度も抽出温度が60℃、95℃の時に得られた第二抽出液と比べて2倍近くになっているのに対して、第二抽出工程における抽出温度が60℃、95℃の時は、第二抽出液のBrix値が第一抽出液の約80%程度、第一、第二抽出工程トータルでの収率が第一抽出工程の約60%程度と、何れも抽出温度が25℃の時に得られた第二抽出液より高く、濁度は抽出温度が25℃の時に得られた第二抽出液の約半分程度であることから、第二抽出工程における抽出温度は、60〜95℃で行うことがより好ましいと認められる。 【0090】〔実施例4〕本発明の製造方法により得られたコーヒー抽出液(第二抽出液)と、本発明の製造方法に用いたコーヒー材料と同量のコーヒー材料を用いて従来の製造方法により得られたコーヒー抽出液との品質を比較検討した。 【0091】本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法に用いたコーヒー材料は、第一抽出工程が細挽きのレギュラーコーヒーであるコーヒー材料(2)を300g、第二抽出工程が粗挽きのレギュラーコーヒーであるコーヒー材料(D)を200g用いた。従来のコーヒー抽出液の製造方法に用いたコーヒー材料は、平均粒子径が0.70mmのものを500g用いた。加水比は、本発明の方法、従来の方法共、コーヒー材料の重量に対して5倍重量の加熱水を使用し、その他の条件は両方法とも同様の手法により行った。得られたデータを表11に示した。 【0092】 【表11】
【0093】これより、本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法により得られた第二抽出液は、収率、褐色度(420nmにおける吸光度)共、従来の方法により得られたコーヒー抽出液と同等の抽出液であることが判明した。さらに、本発明の清澄化コーヒー飲料の製造方法により得られた第二抽出液は、従来の方法により得られたコーヒー抽出液と比べてBrix値が約1.4倍程度、濁度が約0.4倍程度であり、さらに遠沈量もほとんど無いことから、濃厚かつ清澄化が達成されたコーヒー抽出液が製造されていることが判明した。このため、本発明の製造方法により抽出されたコーヒー抽出液からは、従来品と比べて視覚的に優れ、ざらつき感等の雑味の少ない優れた商品価値を有するコーヒー飲料を製造することが可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390006600 【氏名又は名称】ユーシーシー上島珈琲株式会社 【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区多聞通5丁目1番6号
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| 【出願日】 |
平成13年12月20日(2001.12.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2003−180252(P2003−180252A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月2日(2003.7.2) |
| 【出願番号】 |
特願2001−387623(P2001−387623) |
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