| 【発明の名称】 |
藻類の臭いを抑えた油脂組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 紀明 【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−800号 三基商事株式会社内
【氏名】香川 勝 【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−800号 三基商事株式会社内
【氏名】若泉 賢功 【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−800号 三基商事株式会社内
【氏名】藤澤 健 【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−800号 三基商事株式会社内
【氏名】甲田 泰子 【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−800号 三基商事株式会社内
【氏名】鈴木 智雄 【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−800号 三基商事株式会社内
【氏名】三谷 ▲隆▼彦 【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−800号 三基商事株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明により、藻類から得られた食用油脂の特有の臭気を著しく抑制し、そして臭気抑制効果の持続性にも優れ、かつ高い嗜好性を有する油脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、藻類から得られた食用油脂中に、柑橘系香料または核果類果実を原料とする香料を添加したことを特徴とする藻類の臭いを抑えた油脂組成物に関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 藻類から得られた食用油脂中に、柑橘系香料または核果類果実を原料とする香料を含有することを特徴とする藻類の臭いを抑えた油脂組成物。 【請求項2】 前記藻類が渦鞭毛藻類である請求項1記載の油脂組成物。 【請求項3】 前記柑橘系香料がイヨカン香料である請求項1記載の油脂組成物。 【請求項4】 前記核果類果実を原料とする香料がウメ香料である請求項1記載の油脂組成物。 【請求項5】 請求項1記載の油脂組成物を含有することを特徴とする飲食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品、食品等に用いられる、藻類から得られた食用油脂に関するものであり、藻類から得られた食用油脂の特有の臭気を著しく抑制し、そして臭気抑制効果の持続性にも優れ、かつ高い嗜好性を有する油脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】藻類を大型藻類と微細藻類とに分けるとき、大型藻類に含有する脂質は量的には少なく1〜5%である。一方、微細藻類は、分類学的には原生動物にも属する鞭毛藻類やユーグレナから、高等植物に近縁の緑藻、細菌に分類される原核生物の藍藻やプロクロロンまて極めて多岐にわたっている。微細藻類の中には、有用性が注目されている高度不飽和脂肪酸やビタミン類の栄養成分の産生能を有する種類が知られている。古くから、餌料用として使用されてきたが、一部の種類からは特定の栄養成分の工業的製造法が発見されたことにより、食品素材としての用途が拡大してきた。 【0003】しかしなから、藻類から得られた栄養成分を含有する食用油脂は、独特の臭気を有しているものがあり、その臭気のために使用が制限されるという問題点があった。そこで、十分なマスキング効果を発揮し、かつ嗜好性の高い、藻類の臭いを抑えた油脂組成物への要求が高まっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の藻類から得られた食用油脂の有する問題点を解決し、藻類から得られた食用油脂の独特の臭気をマスキングすることを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、藻類から得られた食用油脂に対し、特定の天然香料または調合香料を添加することにより、独特の臭気が著しく抑制されるとともに臭気抑制効果の持続性にも優れ、かつ高い嗜好性を有する油脂組成物が得られることを見出して、本発明を完成させた。 【0006】即ち、本発明は、藻類から得られた食用油脂中に、柑橘系香料または核果類果実を原料とする香料を添加したことを特徴とする藻類の臭いを抑えた油脂組成物に関する。 【0007】更に、本発明を好適に実施するためには、上記藻類が渦鞭毛藻類であり、;上記柑橘系香料がイヨカン香料であり;上記核果類果実を原料とする香料がウメ香料であることが望ましい。 【0008】本発明の別の態様として、藻類から得られた食用油脂中に、柑橘系香料または核果類果実を原料とする香料を含有することを特徴とする藻類の臭いを抑えた油脂組成物を含有する飲食品がある。 【0009】本発明において「藻類から得られた食用油脂」とは、藻類から得られた栄養成分を含有する油脂をいう。ここで、藻類とは、光合成機能を有する細胞をもつ、陸上高等植物以外の紅藻類、褐藻類、緑藻類および鞭毛性生物(例えば、渦鞭毛藻類、ミドリムシ)を包含する生物群であり、本発明にはそれらから得られた食用油脂を用いることができ、例えば渦鞭毛藻類から得られた食用油脂が好ましい。更に、藻類から食用油脂を得る方法としては、特に限定されず、常套の方法を用いることができる。本発明に用いられる食用油脂の具体例としては、例えば高度不飽和脂肪酸等を含有するMartek Biosciences社製「DHASCOR」(DHA:約40重量%含有)等が挙げられる。 【0010】本発明に用いられる「柑橘系香料または核果類果実を原料とする香料」は天然香料であっても、それらをベースとした調合香料であってもよい。また、「柑橘系香料」とは、カンキツ属、キンカン属、カラタチ属に含まれる植物、例えばイヨカン、オレンジ、レモン等を原料とした香料をいい、特有の爽やかな芳香を有する。 【0011】本発明において「イヨカン香料」とは、上記ミカン科カンキツ属であるイヨカン(学名:Citrus iyo hort. ex Tanaka)の主に皮部より得られる天然精油をいう。天然精油には、リモネン、オクタナール、ノナナール、デカナール、ゲラニオール、シトロネロール、エチレンブチレート、リナロール、シトロネラールのイヨカンの爽やかな芳香の特徴を構成する成分が挙げられる。即ち、「イヨカン香料」には、上記例示の天然精油の成分あるいは、例示されていないがイヨカンに含まれるその他の成分、更に、これらの成分と構造が類似する化合物であって、本発明の効果を奏する化合物が含まれていればよい。また、このような成分を含有するする限り、これらの成分とは異なるイヨカン調合香料の調製に必要なその他の化合物が含まれていてもよい。 【0012】果実の形質による分類をする場合、ウメ、アンズ、プラム、モモ等を核果類というが、本発明において「核果類果実を原料とする香料」とは、それらの核果類を原料とした香料をいい、特有の爽やかな芳香を有する。 【0013】本発明において、「ウメ香料」とはバラ科サクラ属のウメ(学名:Prunus mume Sieb. et Zucc.)の果実部から各種抽出方法を用いて抽出した香科をいい、特有の爽やかな芳香を有する。ペリーラ(紫蘇)アルデヒド、ベンズアルデヒドを特徴成分とする。「ウメ香料」についても、上記「イヨカン香料」と同様に、上記例示の特徴成分あるいは、例示されていないがウメに含まれるその他の成分、更に、これらの成分と構造が類似する化合物であって、本発明の効果を奏する化合物が含まれていればよく、また、このような成分を含有するする限り、これらの成分とは異なるウメ調合香料の調製に必要なその他の化合物が含まれていてもよい。 【0014】本発明の藻類の臭いを抑えた油脂組成物は、藻類から得られた食用油脂100重量部に対して、柑橘類香料または核果類果実を原料とする香料を0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは1〜3重量部含有することにより得られる。上記香料の添加量が0.01重量部未満であると、藻類から得られた食用油脂特有の臭気のマスキング効果が十分に発揮できない。また、10重量部以上であると香料の臭いが強くなり過ぎて得られる油脂組成物の汎用性が低くなる。 【0015】尚、本発明を実際に食品や医薬品等の分野に利用する場合、藻類から得られた食用油脂と香料とを別々に系に添加する方法と、事前に両者を混合してから系に添加する方法のどちらの方法も可能であるが、一般的には、事前に混合してから系に添加する方がより十分なマスキング効果が得られる。 【0016】本発明の藻類の臭いを抑えた油脂組成物を含有する物品の具体例としては、特に限定されず、クッキー、スナック、ジュース等の飲食品;カプセル剤、シロップ剤等の医薬品等が挙げられる。 【0017】 【実施例】次に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこの実施例により限定されることはない。 【0018】(実施例1〜17)以下の表1〜3に示した配合、即ち、藻類から得られた食用油脂と各種香料とを、室温で5分間、撹拌機を用いて混合し、試料油を得た。得られた試料油に関して、臭気のマスキング効果、そのマスキング効果の持続性および嗜好性を評価し、その結果を以下の表4〜6に示した。試験方法は後述の通りとした。 【0019】(比較例1)実施例1〜17に基剤として使用した藻類から得られた食用油脂単独(香料なし)を比較例1とした。 【0020】(実施例18) ソフトカプセル実施例1の試料油300mgに、適量の抗酸化剤を添加し、混合後、ソフトゼラチンカプセルに封入して、500mgの試料油含有ソフトゼラチンカプセルを得た。得られた試料油含有ソフトセラチンカプセルは、口の中で噛み砕いても藻類から得られた食用油脂特有の臭気が全く感じられず、好ましい香りを有していた。 【0021】(実施例19) クッキーヘの添加実施例1の試料油0.3gをバター1gに添加して混合後、クッキー生地5gに練り込み、180℃のオーブンで15分間焙焼した。焼き上がったクッキーを食べても上記特有の臭気が全く感じられず、好ましい香りであった。 【0022】(実施例20) ドリンクヘの添加実施例1の試料油300mgを、市販の果汁ジュース100ミリリットルに添加して試料油含有ジュースを得た。得られた試料油含有ジュースは、上記特有の臭気が全く感じられず、好ましい香りを有していた。 【0023】(試験方法) (1)マスキング効果試科油を広口の透明ガラス容器に入れ、基剤に使用した藻類から得られた食用油脂単独(香料なし)を対照(比較例1)として、臭気のマスキング効果を10名のパネラーによる官能試験にて比較し、次のように評価した。まず、10名のパネラーにより、各試科油の臭気を以下に示すスコアで4段階評価した。 スコア0点 … 特有の臭気を全く感じない1点 … やや特有の臭気を感じた2点 … 明らかに特有の臭気を感じた3点 … 比較例と同程度か、またはより強く特有の臭気を感じた各試料油に関して得られたスコアの平均点を求め、以下の評価基準により、各試料油のマスキング効果を決定した。 評価基準◎ … 平均点が0.2点以下○ … 平均点が0.2点より大きく1.0点以下△ … 平均点が1.0点より大きく2.0点以下× … 平均点が2.0点より大きく3.0点以下【0024】(2)マスキング効果の持続性試料油を入れた透明ガラス容器を密封して40℃で1ヶ月間静置保存し、1ヶ月後の試料油の特有の臭気を、新たに調製した同一組成から成る試料油(処理前)と比較して、10名のパネラーによる官能試験にて、次のように評価した。まず、10名のパネラーにより、各試科油の臭気を以下に示すスコアで4段階評価した。 スコア0点 … 全く変化を感じない1点 … 少し変化を感じた2点 … 明らかに変化を感じた3点 … 完全に変化し、強く特有の臭気を感じた各試料油に関して得られたスコアの平均点を求め、以下の評価基準により、各試料油のマスキング効果の持続性を決定した。 評価基準◎ … 平均点が0.4点以下○ … 平均点が0.4点より大きく1.0点以下△ … 平均点が1.0点より大きく2.0点以下× … 平均点が2.1点より大きく3.0点以下【0025】(3)嗜好性10人のパネラーにより、各試料油に関する嗜好性を以下に示すスコアで4段階評価した。 スコア+2点 … 非常に好き+1点 … どちらかと言えば好き−1点 … どちらかと言えば嫌い−2点 … 非常に嫌い各試料油に関して得られたスコアの平均点を求め、以下の評価基準により、各試料油に対する嗜好性を決定した。 評価基準◎ … 平均点が+1.0点以上○ … 平均点が+1.0より小さく+0.1点以上△ … 平均点が+0.1より小さく−1.0点以上× … 平均点が−1.0点以下【0026】 【表1】
【0027】 【表2】
【0028】 【表3】
【0029】(注1)Martek Biosciences社から商品名「DHASCOR」で市販の藻類から得られた食用油脂(DHA含有量:約40重量%) (注2)イヨカンフレーバー(注3)ウメフレーバー(注4)オレンジフレーバー(注5)レモンフレーバー(注6)アンズフレーバー(注7)プラムフレーバー(注8)モモフレーバー【0030】(試験結果) 【表4】
【0031】 【表5】
【0032】 【表6】
【0033】以上の結果から明らかなように、実施例1〜17の本発明の藻類の臭いを抑えた油脂組成物は、比較例1の香料を含有しない藻類から得られた食用油脂と比較すると、臭気のマスキング効果およびその持続性に優れ、かつ高い嗜好性を有することがわかった。更に、実施例18〜20において、藻類から得られた栄養成分を含む食用油脂を含有する本発明の藻類の臭いを抑えた油脂組成物を封入したソフトゼラチンカプセル、本発明の藻類の臭いを抑えた油脂組成物を含有する飲食品、具体的にはクッキーおよびジュースは、上記食用油脂特有の臭気が全く感じられず、好ましい香りを有していた。 【0034】 【発明の効果】上記のように構成された本発明の藻類の臭いを抑えた油脂組成物によれば、原料およびその製品の風味が顕著に改善され、長期間経過しても不快臭を生じない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592004998 【氏名又は名称】三基商事株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−800号
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| 【出願日】 |
平成14年2月27日(2002.2.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−250446(P2003−250446A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月9日(2003.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2002−51063(P2002−51063) |
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