| 【発明の名称】 |
冷凍いちごの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 忠勝 【住所又は居所】栃木県宇都宮市一条4丁目1番16号 フタバ食品株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】いちご1に形成した凹部3に加糖練乳等のソース5を充填し冷凍する場合、冷凍することによって凹部3の形状が変化して内部のソース5がこぼれて商品価値が損なわれる。
【解決手段】いちご1に凹部を形成し冷凍したあと、凹部にソース5を充填し、更に冷凍庫内でソース5を凍結させ、ソース5を充填したあとで凹部3の形状が変化しないようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 葉およびその周辺の果肉をくり抜いて凹部が形成され冷凍されたいちごと、この凹部に充填され凍結されたソースとからなる冷凍いちごの製造方法において、上記凹部が形成された冷凍状態のいちごを作成し、この冷凍されたいちごの凹部に凍結していないソースを充填し、その後、いちごと共にソースを冷却して凹部内のソースを凍結することを特徴とする冷凍いちごの製造方法。 【請求項2】 上記凹部を上にした状態でいちごを保持できる大きさの貫通孔を複数個形成した樹脂製の薄板からなるパレットを用い、各貫通孔に未凍結のソースが充填された冷凍状態のいちごを保持させ、ソースの凍結を行うことを特徴とする請求項1記載の冷凍いちごの製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、葉およびその周辺の果肉をくり抜いて凹部が形成され冷凍されたいちごと、この凹部に充填され凍結されたソースとからなる冷凍いちごの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】農作物である果実は季節によって収穫量および味が大きく変化する。そのため、冷凍し食することのできる種類の果実であれば、味がよく収穫量の多き時期に収穫した果実を冷凍し、季節を問わず市場に出荷される。 【0003】このような冷凍に適した果実としていちごがあげられる。いちごは2cmから3cm程度の大きさであるため収穫されたいちごから葉の部分を除去しただけの状態で冷凍すれば、冷凍されたいちごを一口で食べることができ、市場における需要が大きい。ただし、いちごを冷凍し、そのまま食すると甘みが減ぜられ酸味が強く感じられる。一方、冷凍しない状態のいちごを食する場合に、加糖練乳等の甘みの強いソースをいちごに添加して食することが多い。 【0004】そこで、いちごから葉の部分を除去する際、葉が付いている部分の芯を含めた果肉の一部をくり抜いて凹部を形成し、その凹部にソースを充填した状態で冷凍された冷凍いちごが考えられる。この冷凍いちごであればソースが凹部内で凍結しているので凹部から流れ出ることが無く、また食すると口の中でソースが溶けていちごと混ざり甘みが補強されると共にソース自体の味がして、冷凍されたいちごそのものよりも更に需用者に受け入れられる味になる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】くり抜かれたいちごとソースとの双方を最終的に冷凍し凍結しなければならないので冷凍される前のいちごをくり抜いて凹部を形成するとその凹部に凍結していないソースを充填し、その後いちごとソースの双方を冷凍し凍結することが考えられる。 【0006】しかし、くり抜かれて凹部が形成されたいちごを冷凍すると、いちごが天然物で内部組織が均一でないことから、冷凍される課程で凹部の形状が変化し、内部容積は一般に減少する。このように凹部の内部容積が減少すると冷凍前にソースを凹部一杯に充填しておけば、冷凍課程の途中でソースが凹部からこぼれる。すると、いちごの表面がソースで汚れた状態で冷凍されるので商品価値が著しく減ぜられる。 【0007】なお、凹部の内部容積の減少度合いはいちごの個体によって相違するので、ソースの充填量を一律に減量したのでは、冷凍後のソースの表面の高さが個体毎にばらつき、やはり商品価値が減ぜられてしまう。 【0008】そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、ソースがこぼれること無く、また個体毎に外観上のソース量がばらつかない冷凍いちごの製造方法を提供することを課題とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明による冷凍いちごの製造方法は、葉およびその周辺の果肉をくり抜いて凹部が形成され冷凍されたいちごと、この凹部に充填され凍結されたソースとからなる冷凍いちごの製造方法において、上記凹部が形成された冷凍状態のいちごを作成し、この冷凍されたいちごの凹部に凍結していないソースを充填し、その後、いちごと共にソースを冷却して凹部内のソースを凍結することを特徴とする。 【0010】ソースを凹部に充填する時点で、既にいちごが冷凍されているので、凹部にソースを充填したあとソースを凍結するために冷凍しても、凹部の内部容積が変化しない。そのため、ソースがこぼれてこぼれることが無く、また凍結後のソースの表面高さがばらつくこともない。 【0011】凹部にソースを充填した状態で冷凍する際、凹部を上にした状態でいちごを保持しなければならない。そこで、上記凹部を上にした状態でいちごを保持できる大きさの貫通孔を複数個形成した樹脂製の薄板からなるパレットを用い、各貫通孔に未凍結のソースが充填された冷凍状態のいちごを保持させ、ソースの凍結を行うことが望ましい。 【0012】このように構成すれば、いちごと接触するのは樹脂製のパレットであるため、冷凍されたいちごを貫通孔にセットした場合にいちごの接触部分が解凍されにくく、また、そのまま冷凍しても樹脂は水分に対して親和力が小さいためいちごがパレットに固着しにくい。 【0013】 【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明による冷凍いちごの製造方法の一例を説明する。最初に原材料となる生のいちごを選別する(S1)。この選別工程では、いちごの大小および表面の傷の有無をチェックし、規格より小さいものや表面に傷等の欠陥がある個体を除去する。 【0014】次に、ごみや異物を除去するため清水で1次洗浄を行い(S2)、更に細かな埃等を除去するため新たな清水で2次洗浄を行う(S3)。更に、塩素水による殺菌のため3次洗浄を行い(S4)、その後塩素水を除去するため清水により4次洗浄を行う(S5)。 【0015】次に、図2を参照して、いちご1の葉2およびその周辺の果肉の一部21をくり抜いて有底円筒状の凹部3を形成する(S6)。この凹部3を形成する作業は本実施の形態では手作業で行うが、ドリル等の機械を用いて行ってもよい。 【0016】このように凹部3が形成されたいちご1は冷凍されたあと(S7)、主に外観上の傷の有無を検査し、選別を行う(S8)。図3を参照して、冷凍されたいちご1の凹部3にノズル4からソース5を充填する(S9)。このソース5は本実施の形態の場合、加糖練乳とした。また、充填量は一定ではなく、凹部3の上端縁からソース5の液面までの隙間が一定になるようにソース5を充填する。 【0017】ソース5が充填されたいちご1は傾けると凹部3からソース5がこぼれるので、図4に示すパレット6に保持させる。このパレット6は上下2段に形成されており、下側の基台61に対してスペーサ62を介して上方に所定の隙間をあけて樹脂製の保持板63を連結した。この保持板63には複数の貫通孔64が設けられている。この貫通孔64の直径は、凹部3が上になるようにいちご1を差し込むと、いちご1が途中で引っかかり、保持される大きさに設定されている。本実施の形態では、保持板63に貫通孔64を100個形成し、100個のいちご1を同時に冷凍庫で冷凍する(S10)。 【0018】凹部3内のソース5を十分に凍結させたあと、所定個数ずつ、あるいは所定重量ずつ包装し(S11)、金属片の混入の有無を金属探知器で検査し(S12)、冷凍貯蔵庫に貯蔵しておく(S13)。そして出荷の際には再度検査したあと(S14)、出荷する(S15)。 【0019】なお、上記実施の形態では冷凍前のいちご1に凹部3を形成し、その後冷凍したが、先にいちご1を冷凍し、その後凹部3を形成し、更にその凹部にソース5を充填するようにしてもよい。 【0020】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明は、いちごに設けた凹部にソースを充填する際に、既にいちごを冷凍しておくので、ソースを凍結する際に凹部の形状が変化せず、ソースが凹部からこぼれるといった不具合を解消することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】397004696 【氏名又は名称】フタバ食品株式会社 【住所又は居所】宇都宮市一条4丁目1番16号
|
| 【出願日】 |
平成14年3月4日(2002.3.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106105 【弁理士】 【氏名又は名称】打揚 洋次 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−250440(P2003−250440A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月9日(2003.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2002−57820(P2002−57820) |
|