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【発明の名称】 生鮮食品等の洗浄殺菌方法とその装置
【発明者】 【氏名】中村 信一

【氏名】福塚 邦彦

【氏名】中沢 仁吾

【要約】 【課題】洗卵された鶏卵のサルモネラ菌、カキの小型球形ウイルスSRSV、イクラやむき身のカキとゆでたカニとタコ、生食用のホタテ、ウニ、魚の切り身などの腸炎ビブリオ、ウニのO157、生食用の水産食品の腸炎ビブリオによる食中毒予防のために、生鮮食品の汚れの除去と殺菌、除菌が簡単にしかも確実に出来る方法とその装置を提供する事が解決しようとする課題である。

【解決手段】苛性ソーダ、苛性カリ又は次亜塩素酸ソーダ等の次亜ハロゲン酸塩等のアルカリ性電解質と食塩、塩化カリ、臭化ナトリウム、臭化カリウム、硝酸ナトリウム等の塩類電解質の水溶液を隔膜の無い電解装置で電気分解し、生成したアルカリ性の電解水を水道水又は各種用途で使用する用水に希釈・混合した洗浄殺菌水により生鮮食品の汚れの除去と殺菌を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苛性ソーダと食塩の混合した電解質水溶液を電解装置(1)で電気分解し、生成した電解水をそのまま使用するか、水道水又は使用する用水に希釈混合して使用する事を特徴とする生鮮食品並びにその加工装置・用具等の洗浄・殺菌方法。
【請求項2】 苛性ソーダと食塩の混合した電解質水溶液を電解装置(1)で電気分解し生成した請求項1記載の洗浄殺菌水をそのまま、または水道水又は使用する用水に希釈混合して洗浄槽(8)に入れ、汚れや細菌、ウイルス等有害微生物の付着した、卵等酪農産物、魚介類等の水産物、野菜、果物等の農産物などの生鮮食品等をその洗浄殺菌水に浸漬して洗浄・殺菌する事を特徴とする生鮮食品並びにその用具等の洗浄・殺菌方法。
【請求項3】 苛性ソーダ、苛性カリ又は次亜塩素酸ソーダ等のアルカリ性電解質グループと食塩、塩化カリ、臭化ナトリウム、臭化カリウム、硝酸ナトリウム等の中性塩電解質グループの、両グループ又は一つのグループ中の少なくとも何れか一つ、または複数を混合した水溶液を電気分解の為の電解質水溶液とする事を特徴とする請求項1又は請求項2記載の生鮮食品並びにその加工装置・用具等の洗浄・殺菌方法。
【請求項4】 苛性ソーダ等のアルカリ性電解質を食塩、塩化カリ、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の中性塩電解質水溶液に混合して電解装置(1)で電気分解し生成した洗浄殺菌水のpHが8〜13に成る様にする事を特徴とする請求項1乃至請求項3記載の生鮮食品並びにその加工装置・用具等の洗浄・殺菌方法。
【請求項5】 食肉(食鳥、牛、豚、羊)、卵等酪農産物、魚介類等の水産物、野菜、果物等の農産物などの生鮮食品、その容器、加工装置、加工用具、作業場等を洗浄殺菌水で洗い流すか、洗浄殺菌水をスプレーして洗浄・殺菌する事を特徴とする請求項1乃至請求項4記載の生鮮食品並びにその加工装置・用具等の洗浄・殺菌方法。
【請求項6】 請求項1乃至請求項5記載の洗浄・殺菌水を汚れの付着したタンク、装置、用水循環経路(12)等に送りこんでこれらの内部表面に付着した汚れや細菌、ウイルス等有害微生物を洗浄・殺菌する事を特徴とする生鮮食品並びにその加工装置・用具等の洗浄・殺菌方法。
【請求項7】 洗浄槽(8)、洗浄装置、タンク、加工装置、用水循環経路等で使用した洗浄殺菌水を循環ポンプ(11)により用水循環経路等(12)を経て電解装置(1)に送り再度電気分解して、洗浄殺菌用水中に溶出した汚れ成分を陽極酸化により酸化分解して洗浄殺菌水を再生して繰り返し使用する事を特徴とする請求項1乃至請求項6記載の生鮮食品並びにその加工装置・用具等の洗浄・殺菌方法。
【請求項8】 電解装置(1)の陽極(13)が導電性セラミックス又は導電性セラミックスの蒸着・溶射膜あるいは導電性を付加されたダイヤモンドの蒸着・溶射膜をその金属面に形成した導電性金属で、陰極(14)はチタン、ステンレススチール等の導電性材料で構成され、この極間にアルカリ性電解質水溶液容器(2)から定量ポンプ(3)により電解質水溶液を流して電気分解する事を特徴とする請求項1乃至請求項7記載の生鮮食品並びにその加工装置・用具等の洗浄・殺菌方法。
【請求項9】 苛性ソーダ、苛性カリ又は次亜塩素酸ソーダ等のアルカリ性電解質グループと食塩、塩化カリ、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の中性塩電解質グループの、両グループの中の少なくとも何れか一つ、または複数を混合した水溶液を電解装置(1)で電気分解し生成したアルカリ性電解洗浄殺菌水をそのまま、又は水道水、或いは各種用途で使用する用水に混合した後に洗浄槽(8)に入れ、この中に食肉(食鳥、牛、豚、羊)、卵等酪農産物、魚介類等の水産物、野菜・果物等の農産物などの生鮮食品を浸漬して洗浄殺菌する事を特徴とする生鮮食品並びにその加工装置・用具等の洗浄・殺菌装置。
【請求項10】 食肉(食鳥、牛、豚、羊)、卵等酪農産物、魚介類等の水産物、野菜・果物等の農産物などの生鮮食品をコンベアー(15)または移動する容器(かご状、または水抜き出来る形状)の上、又は中でスプレーノズル(16)によりアルカリ性電解洗浄殺菌水のシャワーを注ぎ洗浄殺菌する事を特徴とする請求項1乃至請求項9記載の生鮮食品等の洗浄・殺菌装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、食肉(食鳥、牛、豚、羊)、魚介類等の水産物、野菜、果物等の農産物などの生鮮食品並びにその加工装置・用具等を洗浄・殺菌する方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 対象とする技術分野のうち食肉(食鳥、牛、豚、羊)、魚介類等の水産物、野菜・果物等農産物などの生鮮食品並びにその加工装置・用具を洗浄・殺菌する方法としては洗剤や次亜塩素酸ソーダなどが使われている。
【0003】洗剤による洗浄では除く事の出来ない汚れがあり、更にこの洗浄で生成する排水、廃液には洗浄された汚れがそのまま移行するのでその排水、廃液処理が大きな社会的問題となっている。又次亜塩素酸ソーダでは洗剤による洗浄の後に、遊離残留塩素濃度が100ないし400ppmという高濃度液で処理しなければ十分な殺菌効果が得られないという問題がある。
【0004】本発明者は電気分解による洗浄殺菌方法とその装置に関し次に挙げるような特許出願をしている。特願平 6−282247「洗浄用水の製造機構」この発明では塩化ナトリウム又は臭化ナトリウム水溶液の電解による洗浄用水により洗濯機で洗剤を使うことなく洗濯すること、ブロイラー、卵、野菜等の殺菌洗浄が出来ることを示している。血液等タンパク系の汚れに対して従来の漂白洗剤より遥かに優れた結果を示したが、それでもまだ十分満足できるものではなかった。
【0005】従来食塩水の電解でpHが弱酸性側で高い洗浄殺菌効果があり、弱酸性になる様に食塩に酸を加えて電解しているが、たんぱく質を含む汚れ(血液、牛乳、身体からの分泌物等)、油脂、油等は酸性側では、きれいに洗浄することが困難であり、酸性側で洗浄効果の高い電解水も生鮮食品等の洗浄・殺菌に用いられる洗浄槽(8)、タンク、加工装置、魚介類等の蓄養槽(15)、用水循環経路等の金属腐食の問題があり、十分利用する事が出来なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】洗卵された鶏卵のサルモネラ菌、カキの小型球形ウイルスSRSV、イクラやウニのO157、生食用の水産食品の腸炎ビブリオによる食中毒が多発し、厚生労働省は平成13年7月に生食用の水産食品を対象に食品衛生法施行規則、規格基準を改正された。
【0007】むき身のカキとゆでたカニとタコ、生食用のホタテ、ウニ、魚の切り身などを対象に腸炎ビブリオの殺菌、又平成14年6月から加工工程で海水を使用する場合にはその海水の殺菌が義務化されている。しかし規制が強化されたが、之に十分に対処できる洗浄・殺菌方法が無い為に腸炎ビブリオの値が異常に高い不適格品が出て問題となっている。これら生鮮食品の汚れの除去と殺菌、除菌が簡単にしかも確実に出来る方法とその装置を提供する事が解決しようとする課題である。
【0008】1.肉(食鳥、牛、豚、羊等)卵等酪農産物、魚介類等水産物、野菜・果等農産物等の生鮮食品並びにその加工装置・用具の洗浄・殺菌に洗剤や次亜塩素酸ソーダなどを使わず、油性の汚れや血液など蛋白質系の頑固な汚れも酸化分解作用により洗浄・殺菌が出来ること。
【0009】2.上記洗浄用水が電解処理を繰り返し受け、浄化され再使用されて新しい水を補給することがない。従って排水、廃液が発生しないで洗浄・殺菌が出来ること。
【0010】3.塩素イオンを含有する電解質水溶液の電解であっても塩素ガスなどによる目や皮膚の障害が無く、金属製品などの腐蝕・発錆も無い。又アルカリ性の領域でも弱酸性側における次亜塩素酸と活性酸素等を含有する電解水と変わらないか、更にそれ以上の洗浄殺菌効果の高い洗浄・殺菌する方法とその装置であること。上記の課題を達成し、広い分野で安価・容易に利用できる生鮮食品並びにその加工装置・用具等の洗浄・殺菌方法とその装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、この発明では次のような手段を講じている。
(a)アルカリ性電解質である苛性ソーダと中性電解質である食塩の混合した水溶液を電気分解し、生成した電解水をそのまま使用するか、水道水又は各種用途で使用する用水に希釈混合して出来る洗浄殺菌水によって生鮮食品並びにその加工装置・用具等を洗浄・殺菌する。これまで酸を加え電解した弱酸性電解水とは異なり、アルカリを加えて電解するアルカリ電解水である。しかしこの電解は隔膜の無い電解槽で行うので、隔膜のある電解槽で行うアルカリイオン水とは全く異なるものである。
【0012】(b)苛性ソーダと食塩の混合した電解質水溶液を電解装置1で電気分解し生成した洗浄殺菌水をそのまま、または水道水又は使用する用水に希釈混合して洗浄槽8に入れ、汚れや細菌、ウイルス等有害微生物の付着した生鮮食品等をその洗浄殺菌水に浸漬して洗浄・殺菌する。
【0013】(c)次亜塩素酸ソーダ、苛性カリ又は苛性ソーダ等のアルカリ性電解質グループと食塩、塩化カリ、臭化ナトリウム、臭化カリウム、硝酸ナトリウム等の中性塩電解質グループの、各グループの中から少なくとも何れか一つ、または複数を混合した組み合わせによる水溶液を電気分解することによって洗浄殺菌水を生成することが出来る。この洗浄殺菌水を洗浄槽8に入れ、汚れや細菌、ウイルス等有害微生物の付着した生鮮食品等をその洗浄殺菌水に浸漬して洗浄・殺菌する。
【0014】(d)苛性ソーダ等のアルカリ性電解質を食塩、塩化カリ、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の中性塩電解質水溶液を電解装置1で電気分解し生成した洗浄殺菌水のpHが8〜13に成る様にする。さらにpH10〜12.3にすることが洗浄効果並びに金属製品、部品の発錆を防ぐ点からはより望ましい。
【0015】(e)汚れや細菌、ウイルス等有害微生物の付着した食肉(食鳥、牛、豚、羊)、卵等酪農産物、魚介類等水産物、野菜、果物等農産物などの生鮮食品、並びにその容器、加工装置、加工用具、作業場等を洗浄殺菌水で洗い流すか、洗浄殺菌水をスプレーして洗浄・殺菌することが出来る。
【0016】(f)洗浄・殺菌水を汚れの付着したタンク、装置、用水循環経路等12に送り、これらの内部表面に付着した汚れや細菌、ウイルス等有害微生物を洗浄・殺菌することが出来る。
【0017】(g)洗浄槽8、タンク、加工装置、用水循環経路等で使用した洗浄殺菌水を循環ポンプ1により用水循環経路等12を経て電解装置1に送り再度電気分解して洗浄殺菌用水中に溶出した汚れ成分を陽極酸化により酸化分解して洗浄殺菌水を再生して繰り返し使用する。使用した洗浄殺菌水は有効塩素濃度が低下し、被洗物から洗い出された汚れ物質が残存しているので用水循環経路12を経て電解装置1に戻り再度電気分解作用を受け、用水中に溶出した汚れ成分を陽極酸化により酸化分解して用水を再生して洗浄槽8、タンク、加工装置、に繰り返し送り出し循環すると良い。
【0018】(h)電解装置1の陽極13が導電性セラミックス又は導電性セラミックスの蒸着・溶射膜あるいは導電性を付加されたダイヤモンドの蒸着・溶射膜をその金属面に形成した導電性金属で、陰極14はチタン、ステンレススチール等の導電性材料で構成され、この極間に電解質水溶液を流して電気分解することにより洗浄殺菌水を生成するようにする。導電性セラミックス又は導電性セラミックスの蒸着・溶射膜あるいは導電性を付加されたダイヤモンドの蒸着・溶射膜をその金属表面に形成した導電性金属を陽極とすると長い電極寿命がある。しかしアルカリ性での電解では電極の腐蝕は少ないので、通常用いられる白金メッキ電極などでも良い。
【0019】(i)苛性ソーダ、苛性カリ、次亜塩素酸ソーダ等の水溶液に食塩,塩化カリ等の塩類を加えて溶解した電解質水溶液を作り、電解質水溶液容器2に貯留し、この電解質水溶液を定量ポンプ3により電解装置1に送入して電気分解しそのまま或いは生成した電解水を水道水又は井水に混合した後に洗浄槽8に入れ、この中に汚れや細菌、ウイルス等有害微生物の付着した食肉(食鳥、牛、豚、羊)、卵等酪農産物、魚介類等の水産物、野菜、果物等農産物などの生鮮食品の被洗淨物を浸漬して洗浄殺菌することが出来る。
【0020】(j)食肉(食鳥、牛、豚、羊)、卵等酪農産物、魚介類等の水産物、野菜・果物等の農産物などの生鮮食品をコンベアーまたは移動する容器(かご状、または水抜き出来る形状)の上、又は中でアルカリ性電解洗浄殺菌水のシャワーを注ぎ洗浄殺菌する。この際洗浄槽(8)の中に生鮮食品を浸漬して洗浄殺菌した後にコンベアーまたは移動する容器において、さらにアルカリ性電解洗浄殺菌水のシャワーを注ぎ洗浄殺菌することが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。図1は洗浄殺菌フローシートであり、電解質水溶液容器2には苛性ソーダ或いは次亜塩素酸ソーダ等の水溶液、又はこれに食塩或いは塩化カリ等の塩類を溶解した電解質水溶液が貯留される。この電解質水溶液は定量ポンプ3により電解装置1に送入され電解されて、水道水又は用水4と混合され浄化殺菌水が生成される。この浄化殺菌水は浄化殺菌水供給経路5により洗浄槽8に送られ洗浄殺菌を行う事が出来る。
【0022】又、洗浄槽8等で使用した洗浄殺菌水は循環ポンプ11により用水循環経路等12を経て電解装置1に送られ、再度電気分解され洗浄菌水中に溶出した汚れ成分は陽極酸化により酸化分解され洗浄殺菌水は再生され繰り返し使用する事も出来る。
【0023】次にこの発明の構成をより具体的に説明する。
(実施例1)本実施例のテストのフロー図を図1に示す。電解質水溶液容器2の食塩水に苛性ソーダを加えpH9〜12に調整した電解質水溶液を隔膜の無い電解装置1で電解し、生成した浄化殺菌水は供給経路5をへて洗浄槽8に供給される。ここに一定の遊離残留塩素濃度の浄化殺菌水30リットルを貯留し、浄化殺菌の対象となる生鮮食品として選んだねぎを浸漬して洗浄殺菌を行う。使用した洗浄殺菌水は循環ポンプ11により用水循環経路等12を経て電解装置1に送られ、再度電気分解され洗浄殺菌水中に溶出した汚れ成分は陽極酸化により酸化分解され、洗浄殺菌水は再生され繰り返し循環使用され常に所定の遊離残留塩素濃度に保つようにしている。
【0024】従来の弱酸性電解水による洗浄殺菌では、カット野菜としてよく用いられるねぎは長いままでは細菌検査に合格しているが、これを3〜4mmにカットして刻みねぎとすると、内部の粘液により洗浄殺菌が不充分となり、細菌検査で不合格となることが多い。これまで使われていた弱酸性電解水と本発明のアルカリ性電解水の比較テストを行った。この結果を表1に示す。
【0025】
【表1】

【0026】表1で処理前(コントロール)とは洗浄殺菌前のねぎ、処理後1とは長いままのねぎ300g(根元をカットした20本)を電解浄化殺菌水処理したもの、処理後2は処理後1のねぎをカットした後に再度電解浄化殺菌水処理したものである。これらを籠に入れ、洗浄槽8の浄化殺菌水30リットルに浸漬し、弱酸性電解水と本発明のアルカリ性電解水で洗浄殺菌を行った。電解浄化殺菌水の遊離残留塩素濃度は何れも100ppmに成る様に調整した。
【0027】(実施例2)本例はブロイラー加工場内での洗浄殺菌実施例であり、図2はこのテストを行なったブロイラー加工場内での洗浄殺菌処理工程のフローシート図である。4倍に希釈した次亜塩素酸ソーダを電解質水溶液タンク2に貯留し、この電解質水溶液を電解装置1で電解し井戸水で希釈し5ppmの浄化殺菌水とする。いったん洗浄殺菌水貯留槽6に貯留し、洗浄殺菌水供給経路5をへてブロイラー加工場内各工程に供給する。
【0028】ブロイラー加工場内洗浄殺菌検査1) 検査目的電解装置1として図4に示すユニットBK殺菌水生成装置9を用い、ブロイラー加工場内洗浄除菌効果を弱酸性電解水と本発明のアルカリ電解水と比較する。
2) 実施場所 兵庫県 山陰農芸株式会社3) 検査項目 一般細菌 大腸菌4) 検査内容 食材とブロイラー加工ライン作業ポイントのふき取り検査【0029】次のような条件でテストを行った。
1) 浄化殺菌水貯留槽に毎分2L、約1200ppmの電解水を水道水4で5ppmに希釈して貯留する。
2) 5ppm浄化殺菌水の各工程への供給は次の通りである。
胸バラシ機(ブレストデボーナー)毎分約21L 流水胸肉コンベア 毎分約14L 流水モモ切断機(レッグプロセッサー)毎分約 4L 流水モモ肉コンベア 毎分約18L 流水【0030】3) 加工場内作業工程:ブロイラー約9000羽/日処理。
4) 作業者人数約:40人。
5) 作業工程時間:20トン洗浄槽8にブロイラーを逐次30分浸漬して、順に取り出し、次の工程に送り出す。
【0031】図3は本実施例で使用した電解装置1であり、図4はこの電解装置1を組み込んだ洗浄殺菌水供給装置(ユニットBK)24である。この装置で生成される浄化殺菌水の残留塩素濃度は1200ppm(820L/日)であり、井戸水で希釈して所定濃度の浄化殺菌水として、洗浄殺菌水貯留槽6に貯留する。今回のテストでは5ppmに希釈して使用した。
【0032】加工工程、加工工程にある加工肉、加工のため使われたまな板、包丁の洗浄殺菌後の―般細菌、大腸菌群の除菌率は非常に高いものであり、比較テストの弱酸性電解水より―般細菌除菌率で10%近く高い結果が得られた。この結果を表2に示す。ブロイラーの解体加工では血液と油が加工肉、装置、用具に多量に付着しているので本発明のアルカリ電解水の洗浄効果と相乗的に作用したものと考えられる。
【0033】
【表2】

【0034】(実施例3)本例は鳥取県境港・センター冷蔵株式会社の紅ズワイガ二加工ラインで甲羅付カニ肩足(ボイルサクション)を原料として、むきみを生産している。コンベア、ローラー、加工用テーブルと加工中のカニについて洗浄殺菌前後のふき取り法による菌検査を行った。カニは加工用テーブルの上で肩と足部分を挟みで切り落とし、身だし工程でむき身ローラー処理によりむきみとしている。
【0035】図5は紅ズワイガ二加工ラインフローシートであり、電解装置1は実施例2と同じ洗浄殺菌水供給装置(ユニットBK)24を用い、電解質水溶液は12%次亜塩素酸ソーダ液を4倍に希釈し、食塩を0.1%加えたものである。之を電解し水道水で希釈して5ppmの電解洗浄殺菌水として洗に貯留する。入荷原料は他の処理場で処理された甲羅付カニ肩足(ボイルサクション)である。これを洗浄槽8で洗浄殺菌水貯留槽6から送られてきた5ppm洗浄殺菌水に浸漬し洗浄殺菌する。それに続く図5の各工程の洗浄槽8では、かご状コンテナーに処理対象物を入れて洗浄殺菌する。
【0036】切断工程(肩を切り離す)では作業台の上での手作業であるが、5ppm洗浄殺菌水を少しずつ流し、かにの身と作業台とを常に洗浄殺菌する。身だし工程では、剥き身だけでなくローラーにも5ppm洗浄殺菌水を少しずつ流し、かにの身とローラーとを常に洗浄殺菌する。
【0037】この結果は表3、4,5に示すとおり、従来使用されていた次亜塩素酸ソーダ50ppmシャワー5分間にくらべ、本願発明のアルカリ性の電解洗浄殺菌水では5ppmであっても短い時間で遥かに優れた結果を示している。
【0038】
【表3】

【表4】

【表5】

【0039】(実施例4)鶏卵はサルモネラ菌に汚染されていて生卵による食中毒の例が多く発生するので、鶏卵は出荷前に洗卵されている。またマヨネーズ、製菓用に割卵加工して出荷されるが、更に厳しい衛生管理・細菌検査が必要である。しかし従来行なわれていた洗剤洗浄と次亜塩素酸ソーダ(残留塩素濃度150ppm)による殺菌では不充分であり、効果的な洗浄殺菌法がのぞまれていた。本願はこの要望に答えるためのテストを行った。
【0040】図6は卵の洗浄殺菌フローシート図であり、鶏卵の自動洗卵装置に本発明の電解装置である洗浄殺菌水供給装置(ユニットBK)9を組み込んだものであり、電解質水溶液は12%次亜塩素酸ソーダ液を4倍に希釈し、臭化ナトリウムを0.1%加えたものである。洗浄殺菌水供給装置(ユニットBK)9で電解生成したアルカリ性の電解洗浄殺菌水は自動洗卵装置においてコンベアー15の上の鶏卵にスプレーノズル16からスプレーされ、回転するブラシ18の作用で効果的に洗浄と殺菌が同時に行なわれる。残留塩素濃度10ppmの電解洗浄殺菌水で従来困難であったサルモネラ菌は完全に除菌出来、大腸菌は0、一般細菌も300個/gr(測定限界)以下とする事が出来た。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0042】(a) 請求項1の発明によれば、アルカリ性電解質である苛性ソーダと中性電解質である食塩の混合した水溶液を電気分解し、生成した電解水をそのまま使用するか、水道水又は各種用途で使用する用水に希釈混合することによって洗浄殺菌水を生成する事が出来る。アルカリ性水溶液に食塩を加え電解する事により高いpHでも中性〜弱酸性での電解水以上の殺菌洗浄力があることがわかった。
【0043】■ 酸性側では凝固変成する蛋白系の汚れ(血液、体液等)の洗浄には非常に効果的である。
■ アルカリ側でも殺菌洗浄力の高い電解水を生成することができるので油脂、等の汚れも効果的に洗浄することが出来る。
【0044】(b)請求項2の発明によって、次にあげる用途において従来に無いような大きな効果をあげる事が出来る。
イ) ブロイラーの解体加工、洗卵など:蛋白系の汚れ(血液、牛乳等)、油脂、等の汚れも効果的に洗浄することが出来る。洗剤を使わないか、使っても少量で済む。汚れを酸化分解して洗浄排水をきれいにして再使用できるので排水が出ないか、出てもごく少量になる。汚れや細菌、ウイルス等有害微生物の付着した食肉(食鳥、牛、豚、羊)、卵等酪農産物、魚介類等水産物の洗浄殺菌には非常に優れた成果を上げることが出来た。
【0045】ロ) タンク、加工装置、用水循環経路等:蛋白系の汚れ(血液等)もきれいに洗浄でき殺菌消毒も同時に行うことが出来る。又アルカリ側での洗浄殺菌であり、金属器具の腐蝕、錆を防ぐことが出来る。
【0046】ハ) 素イオンを含有する電解質水溶液の電解であるのに塩素ガスなどによる目や皮膚の障害が無く、金属製品などの腐蝕・変質も無い。又アルカリ性の領域でも弱酸性側における次亜塩素酸と活性酸素を含有する電解水と変わらないか、更にそれ以上の殺菌洗浄力のある電解水を生成させる事が出来る。
【0047】(c) 請求項3の発明によれば、臭素イオン、塩素イオンの組み合わせによる電気分解により生成した電解水はアルカリ性領域でも次亜ハロゲン酸を生成し安定に存在するので、スーパーオキシッドイオン、ヒドロキシラジカル等の活性酸素に依る強い酸化作用が生じるから強い洗浄殺菌力を発揮する事が出来る。
【0048】(d) 請求項4の発明によれば、苛性ソーダ等のアルカリ性電解質水溶液に、食塩、塩化カリ、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の中性塩電解質を加えて電解装置1で電気分解し生成した洗浄殺菌水のpHを10〜12.3にすることにより高い洗浄効果並びに金属製品、部品の発錆を防ぐ事が出来る。又アルカリ性領域での電解であるので電解装置の腐蝕損傷もなくなるので、通常使用されているどのような電解装置でも長期間の電極寿命が保証できる。
【0049】(e) 請求項5の発明によれば、汚れや細菌、ウイルス等有害微生物の付着した食肉(食鳥、牛、豚、羊)、卵等酪農産物、魚介類等水産物、野菜、果物等農産物などの生鮮食品だけではなく、その容器、加工装置、加工用具、作業場等の洗浄・殺菌に効果的である。近年生鮮食品マーケットでは生鮮食品を家庭やレストラン、給食センター等にすぐ利用出来るよう切り身、刻み野菜等の形で供給されるようになってきて、農村、漁港等でこの様な切り身、刻み野菜等の加工してから生鮮食品マーケットに出荷するためこれまで以上に生鮮食品等の洗浄・殺菌に広く利用する事が出来るようになった。
【0050】(f) 請求項6の発明によれば、洗浄殺菌水を汚れの付着したタンク、装置、用水循環経路等(12)に送りこんでこれらの内部表面に付着した汚れを洗浄殺菌する事も容易に行う事が出来る。鉱油、油脂、油脂製品、牛乳、乳製品等の加工工程、貯蔵タンク、配管系統やローリー、コンテナー、ドラムなど輸送手段などの内部表面に付着した汚れの洗浄殺菌には、本発明のアルカリ性電解水は好適である。
【0051】(g) 請求項7の発明によれば、一度使用した洗浄殺菌水を循環ポンプ11により用水循環経路等12を経て電解装置1に送り再度電気分解して、洗浄殺菌水中に溶出した汚れ成分を陽極酸化により酸化分解して洗浄殺菌水を再生して繰り返し使用する事が出来るので、使用水量を大幅に節減できるだけでなく、排水を殆ど出す事が無い。
【0052】(h) 請求項8の発明によれば、電解装置1の陽極13が導電性セラミックス又は導電性セラミックスの蒸着・溶射膜あるいは導電性を付加されたダイヤモンドの蒸着・溶射膜をその金属面に形成した導電性金属で、陰極14はチタン、ステンレススチール等の導電性材料で構成され、この極間に電解質水溶液を流して電気分解する場合高い電流密度にも耐え、電極寿命も長くなる。
【0053】(i) 請求項9の発明によれば、次亜塩素酸ソーダ、苛性カリ又は苛性ソーダ等のアルカリ性電解質グループと食塩、塩化カリ、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の中性塩電解質グループの、両グループの中の少なくとも何れか一つ、または複数を混合した水溶液を電気分解し生成したアルカリ性の電解洗浄殺菌水は汚れや細菌、ウイルス等有害微生物の付着した食肉(食鳥、牛、豚、羊)、卵等酪農産物、魚介類等の水産物、野菜、果物等農産物など生鮮食品の油性の汚れや血液など蛋白質系の頑固な汚れも酸化分解作用による洗浄が出来る。又洗浄用水が浄化され再使用出来るので、排水・廃液がほとんど発生しないなど予想以上の成果をあげることが出来た。
【出願人】 【識別番号】399049981
【氏名又は名称】株式会社オメガ
【出願日】 平成14年8月16日(2002.8.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−250436(P2003−250436A)
【公開日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願番号】 特願2002−237492(P2002−237492)