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【発明の名称】 漬物用漬け器
【発明者】 【氏名】小林 忠晴

【要約】 【課題】野沢菜等の漬物を、家庭等で上手に漬けることが出来るようにした漬物用漬け器の提供を図ったものである。

【解決手段】冷却用空間Mを形成するための内装函2を有する漬け器容体Aと、当該容体Aの上面を全面的に覆うための蓋体Bとを具え、当該内装函2には、漬け容器Cを上方からすっぽりと収容するための空所2aを凹設し、蓋体Bの中心部には、下端に漬け押し盤4を取り付けかつ上端に昇降操作用ハンドル6を設けた螺子軸5を昇降自在に螺合させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷却用空間(M)を形成するための内装函(2)を有する漬け器容体(A)と、当該容体(A)の上面を全面的に覆うための蓋体(B)とを具え、当該内装函(2)には、漬け容器(C)を上方からすっぽりと収容するための空所(2a)を凹設し、蓋体(B)の中心部には、下端に漬け押し盤(4)を取り付けかつ上端に昇降操作用ハンドル(6)を設けた螺子軸(5)を昇降自在に螺合させて成る漬物用漬け器。
【請求項2】 内装函(2)を不錆性金属材料で形成して成る請求項1に記載の漬物用漬け器。
【請求項3】 蓋体(B)には、外気を導くための空気流通機能を具備させて成る請求項1または請求項2に記載の漬物用漬け器。
【請求項4】 蓋体(B)には吸気用窓(7)と排気用窓(9)を設け、当該吸気用窓(7)には吸気用ファン(8)を取付けて成る請求項3に記載の漬物用漬け器。
【請求項5】 吸気用窓(7)と排気用窓(9)には、それぞれ開閉蓋(7a,9a)を設けて成る請求項4に記載の漬物用漬け器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野沢菜漬け等各種の漬物を、家庭等で漬けることが出来るようにした漬物用漬け器に関する。
【0002】
【従来の技術】信州において漬けられ全国的に有名な野沢菜漬けを例にとった場合、その漬け方は、収穫した野沢菜の蕪を切り落とし、よく水洗いした葉の部分を塩で漬け込んで行う。 そして、野沢菜漬けて最も重要な点は温度条件である。 すなわち、これの名産地とされている野沢温泉は、標高600mで、1月の平均温度が零下6℃という高冷地であり、このような気候や風土に基づき、野沢菜漬けと言う美味しい漬け物が出来上がるわけである。
【0003】そして、野沢菜漬けは、漬け樽から出して直ぐに食べるのが一番の美味であり、これを出したのち30分以上経過した場合、その美味性が損なわれてしまうと言われる程である。 これは、空気に触れることにより食味劣化を生じるからである。 従って、野沢菜の美味しさを味わうには現地で食べるしかないと言われている程である。
【0004】そのため、従来にあっては、野沢菜漬けは現地生産に専ら依存し、これを現地とは気候風土の異なる例えば東京等で、しかも一般の家庭等で漬けようと思っても、美味しい野沢菜漬けを作ることは到底不可能であると考えられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のように現地以外での製造は全く不可能であると考えられていた野沢菜漬けは勿論、その他各種の漬物が、気候風土の異なる場所で、それも一般の家庭等で簡単に漬けることが出来るようにした新規の漬物用漬け器の提供を図り、常に最高の状態での漬物の食用が可能化されるようにしたものである。そして、自家製であることに基づき、市販の漬物のような防腐のための強塩処理、着色処理等の人為的処理を採らない本当に自然な状態での漬物を、一般家庭で製造することが出来るようにしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷却用空間Mを形成するための内装函2を有する漬け器容体Aと、当該容体Aの上面を全面的に覆うための蓋体Bとを具え、当該内装函2には、漬け容器Cを上方からすっぽりと収容するための空所2aを凹設し、蓋体Bの中心部には、下端に漬け押し盤4を取り付けかつ上端に昇降操作用ハンドル6を設けた螺子軸5を昇降自在に螺合させて成る漬物用漬け器に係る。
【0007】そして、蓋体Bには吸気用窓7と排気用窓9を設け、当該吸気用窓7には吸気用ファン8を取付けることに依り、野沢菜等の漬け込みを、新鮮な外気に晒された状態で行うようにすることができる。 また、当該吸気用窓7と排気用窓9には、それぞれ開閉蓋7a,9aを設けることに依り、外気導入の閉鎖が図られるように構成して実施することもできる。
【0008】本発明は上記のような構成の採用に基づき、漬物用漬け器と言う新規な製品の提供が図られ、例えば既述したような野沢菜を含め、漬物における食味上の問題が解決することとなる。
【0009】
【作用】例えば野沢菜を漬ける場合、漬け容器C内に野沢菜を並べると共に塩を振りかけると言う作業に基づき、容器C内が一杯になるように野沢菜を収容する。
【0010】然る後、蓋体Bを閉めると共に、ハンドル6を回転させることによって、漬け押し盤4の押し下げに基づく重石作用が奏させる。 この状態で一ヶ月程度漬け込むことにより、野沢菜漬けが完了する。 漬け込み完了後は、一度に食べる分だけ取り出し、残りは漬け込み状態に保ち(上がった水内に浸された状態に保っておく)、空気に触れないようにしておく。
【0011】上記漬け込み中、蓋体Bに設けられている吸気用窓7と排気用窓9を空けておくと共に、吸気用ファン8をゆっくりと回転させることにより、食味向上のための新鮮な外気の取り込みが行われる。
【0012】漬け込み完了後、上記吸気用窓7と排気用窓9の開閉蓋7a,9aを閉めておくと共に、ファン8の回転を停止することに依り、冷蔵保存の強化が図られる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1において、Aは漬け器容体、Bは当該容体の上面を全面的に覆うための蓋体であって、当該本体Aに対して開閉自在に取付けられている。
【0014】aは漬け器容体Aの所要箇所に設けた温度表示用メーター、bは温度調節用摘みであって、容体A内の温度条件を目的とする温度に調節するためのものである。cは後記する吸気用ファン8に対するスイッチである。なお、これらの操作調節用機能は、図示のように漬け器容体Aの正面に設ける必要は必ずしもは無く、当該容器の背面側またはその内部上面等に設けるようにしても良い。
【0015】上記した漬け器容体Aであるが、これは外装函1と、これと所要の冷却用空間Mを設けて内装した内装函2とで形成してある。 そして、当該内装函2の中央部には、漬け容器Cを上方からすっぽりと収容するための空所2aを凹設してある。 3は冷却用空間M内に収装した冷気発生機であって、その吐出パイプ3aから冷気を噴出させ、当該空間M内を所定の温度条件に保つようになっている。
【0016】上記した内装函2は、その空間Mの冷気を受けると共にその空所2a内に収容している漬け容器Cに対する冷却を行う関係上、これは熱伝導率の良い金属材料で形成することが好ましい。 そして、当該空所2a内は漬け液(塩水)で汚される恐れがあるため、ステンレス等の不錆性金属材料で形成することが好ましい。
【0017】上記した漬け容器Cは、例えば野沢菜等の漬け込み対象野菜等を、この中に詰め込んで塩漬けにするためのものである。 従って、食品を漬け込んだ際に材質的悪影響を及ぼさない材料であれば、木製またはプラスチック等任意の材料で良いが、冷却のための熱伝導性を考慮した場合、これもステンレス等不錆性金属材料とすることが好ましい。
【0018】なお、前記した冷気発生機3の存在は、あくまでも冷却目的を達成するためのひとつの手段に過ぎない。 従って、当該冷却の手段として、例えば内装函2の空所2aの外側に冷媒供給用パイプを配設することによって、漬け容器Cに対する冷却作用を奏させるように構成しても良い。
【0019】上記した蓋体Bであるが、これの中心部には、下端に漬け押し盤4を取り付けた螺子軸5を昇降自在に螺合してあり、当該螺子軸5の上端に取り付けたハンドル6を介して、漬け押し盤4を漬け容器C内に降下させることに依って、漬物対象材料に対する重石的役割を果たさせるように構成してある。 なお、漬け押し盤4と螺子軸5の連結であるが、これは漬け押し盤4が自由回転するような形態とすることが好ましい。 何故ならば、当該漬け押し盤4を漬物対象材料に圧接させた状態で回転させた場合、当該材料をこすってしまうこととなり、従って、螺子軸5の昇降力は受けるが回転力は空回りして漬け押し盤4を回転させないような形態とすることが好ましいわけである。
【0020】7は蓋体Bに設けた吸気用窓であって、その中には吸気用ファン8が取付けられている。 9は同じく蓋体Bに設けた排気用窓であって、ファン8に依って採り入れられた外気を排出するためのものである。 これにより漬け容器Cの上面開口部分を外気に晒され、収容野沢菜に対する適当な湿気を有する新鮮な空気に晒され、自然な形態での漬け作用が奏されるようにするためのものである。なお、新鮮な空気を取り入れるための手段は、上記のような窓に限定されるものではない。 要は蓋体Bに外気を導くための空気流通機能を具備させる手段であれば、如何なる形態のものであっても可とする。
【0021】7aは吸気用窓7に設けた開閉蓋、9aは排気用窓9に設けた開閉蓋であって、上記のような空気流通を必要としない際に締めておくためのものである。
【0022】本発明を用いて例えば野沢菜漬けを行うには、漬け容器Cの底に軽く水を張り、そこに野沢菜を並べると共に塩を振りかけ、その上に野沢菜を並べると共に塩を振りかけ、と言うような手順を繰り返して、漬け容器C内一杯に野沢菜を収容する。
【0023】然る後、蓋体Bを閉めると共に、ハンドル6を回転させることによって、漬け押し盤4を降下させる。 これに依り、収容されている野沢菜には、その上面に対する漬け押し盤4の圧接による重石作用が奏されることとなる。 一方、この状態において漬け器容体Aの温度を所要の低温条件となるように設定する。 これは外気との関係に於いて適宜設定するものである。
【0024】この状態で一晩経過させて葉が隠れる程度の水が上がるようにする。 水が上がった後は、ハンドル6を緩めて漬け押し盤4に依る重石効果を緩和させる。一ヶ月程度漬け込むことにより、食用に供することができるが、この時、一度に食べる分だけ取り出し、残りは漬け込み状態に保ち(上がった水内に浸された状態に保っておく)、空気に触れないようにしておく。
【0025】上記した漬け込み中、蓋体Bに設けられている吸気用窓7と排気用窓9を空けておくと共に、吸気用ファン8をゆっくりと回転させることにより、新鮮な外気の取り込みがなされ、適度な湿気付与が行われて冷蔵特有の乾燥作用を防止すると共に、空気の停滞・充満等に基づく野沢菜漬けに対する異臭付着と言うようような事柄を生じさせないようにする。
【0026】漬け込み完了後、冷蔵保存の強化を図りたい場合は、上記吸気用窓7と排気用窓9を、それぞれ開閉蓋7a,9aを閉めておくと共に、ファン8の回転を停止しておく。 これに依り外気導入は遮断され、内部は冷蔵庫のような形態を呈し、保存温度の安定化が図られる。
【0027】
【発明の効果】本発明は請求項1に記載のような構成、すなわち、冷却用空間Mを形成するための内装函2を有する漬け器容体Aと、当該容体Aの上面を全面的に覆うための蓋体Bとを具え、当該内装函2には、漬け容器Cを上方からすっぽりと収容するための空所2aを凹設し、蓋体Bの中心部には、下端に漬け押し盤4を取り付けかつ上端に昇降操作用ハンドル6を設けた螺子軸5を昇降自在に螺合させるように構成したから、例えば野沢菜を例にとった場合、野沢菜を現地で漬けるのと同様な温度条件で行うことが出来、野沢菜漬けを一般家庭に於いても自家製漬物として楽しむことが出来る。 そして、自家製であることに基づき、市販の漬物のような防腐のための強塩処理、着色処理等の人為的処理を採らない本当に自然な状態での漬物を、一般家庭で製造することが出来る。
【0028】また、漬け上がり後に於いても、漬け上がり状態での冷蔵保管、すなわち、塩水に漬けられた状態での冷蔵保管がなされるため、空気接触に基づく食味の劣化を生じることがない極めて良好なる保管状態に保たれることとなる。
【0029】なお、本発明は上記のように漬け押し機能と、冷蔵機能を具えたものであるため、例示した野沢菜以外、例えば白菜、大根、蕪等の野菜、又は梅等果実、更には魚肉を含む漬物であっても、温度管理の実行に基づき十分対応可能とする。
【0030】本発明は請求項2に記載の構成、すなわち、内装函2を不錆性金属材料で形成することにより、冷却作用の良好化が図られると同時に、塩水付着に基づく錆発生と言うような事態発生が回避される。
【0031】本発明は請求項3に記載のような構成、すなわち、蓋体Bには、外気を導くための空気流通機能を具備させるように構成することによって、新鮮な外気の取り込みがなされ、適度な湿気付与が行われて冷蔵特有の乾燥作用を防止すると共に、空気の停滞・充満等に基づく野沢菜漬けに対する異臭付着と言うようような事態医発生を皆無とする。
【0032】そして、請求項4に記載のような構成、すなわち、蓋体Bには吸気用窓7と排気用窓9を設け、当該吸気用窓7には吸気用ファン8を取付けるように構成することにより、極めて良好かつ安定した外気導入作用が奏される。
【0033】本発明は請求項5に記載のような構成、すなわち、吸気用窓7と排気用窓9には、それぞれ開閉蓋7a,9aを設けるように構成することにより、外気導入は遮断され、内部は冷蔵庫のような形態を呈し、保存温度の安定化が図られる。そして、この状態に於いては通常の冷蔵庫のような形態となるため、本発明品は漬物を漬けていない時は、通常の食品保管等用冷蔵庫としての利用が図られる。
【出願人】 【識別番号】399073056
【氏名又は名称】清栄薬品株式会社
【出願日】 平成14年2月25日(2002.2.25)
【代理人】 【識別番号】100067699
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 孝一郎 (外1名)
【公開番号】 特開2003−245038(P2003−245038A)
【公開日】 平成15年9月2日(2003.9.2)
【出願番号】 特願2002−47648(P2002−47648)