| 【発明の名称】 |
食用物処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】横澤 昌子
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構成により、食用物について活性化処理を行い、食用物の保存性の向上を図る食用物処理装置を提供する。
【解決手段】昇圧装置と、この昇圧装置からの昇圧電圧が印加され、食用物が堆積され、又は堆積物中に挿入される電極とを備え、昇圧装置は、昇圧トランスと、その2次側出力に直列及び並列に接続された抵抗器と、1次側と2次側との間に挿入された抵抗器とからなり、電極は昇圧装置の2次側出力に一端が接続された直列抵抗の他端に接続され、アンテナ又は送電線と同等の作用を呈するようにした。この電極による電界中に食用物をさらし、その処理を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食用物について電圧を印加した電極によって処理する装置であって、昇圧装置と、この昇圧装置の昇圧電圧が印加され、食用物が堆積され、又は堆積物中に挿入される電極とを備え、前記昇圧装置は、商用交流電源に接続される電源端子と、この電源端子に1次側が接続された巻数比1:n(nは1より大きい数)の昇圧トランスと、その2次側出力に直列及び並列に接続された抵抗器と、1次側と2次側との間に挿入された抵抗器とからなり、前記電極は前記昇圧装置の2次側出力に一端が接続された前記直列抵抗の他端に接続され、アンテナ又は送電線と同等の作用を呈するようにしたことを特徴とする食用物処理装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、食用の各種植物の処理に供される食用物処理装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、食用物、中でも粉体化して実用される各種植物について、粉砕工程の前に、粉体植物の保存性向上を目的として、物理的又は化学的に特別な処理は行われていない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このため、従来、粉体植物については雑菌類が繁殖し易く、また、酸化などによる品質特性・風味の保持が十分な期間叶わず、粉体食用物の保存性は低いものとなっていた。本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、各種食用物について活性化処理を行うことで、食用物の保存性の向上を図ることができる食用物処理装置を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、食用物について電圧を印加した電極によって処理する装置であって、昇圧装置と、この昇圧装置の昇圧電圧が印加され、食用物が堆積され、又は堆積物中に挿入される電極とを備え、前記昇圧装置は、商用交流電源に接続される電源端子と、この電源端子に1次側が接続された巻数比1:n(nは1より大きい数)の昇圧トランスと、その2次側出力に直列及び並列に接続された抵抗器と、1次側と2次側との間に挿入された抵抗器とからなり、前記電極は前記昇圧装置の2次側出力に一端が接続された前記直列抵抗の他端に接続され、アンテナ又は送電線と同等の作用を呈するようにしたものである。この装置においては、電圧を印加した電極上に食用物を堆積し、又は該食用物の堆積物中に挿入し、もって、電極による電界中に食用物をさらし、処理が行われることになる。そして、この処理工程を経た食物は、処理工程を経ることのない食用物と比較して、保存性の点で顕著に優良な効果を示す。これは、電極による電気力線により食用物組織が活性化されることに起因するものとみられる。また、本装置によれば、比較的簡単な構造でもって電極がアンテナ又は送電線と同等の作用を呈するようにしたので、比較的に大量の食用物を効率的かつ容易に処理することができる。なお、電極による食用物処理の時間等は、実験により適宜に設定し得る。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の食用物処理装置の一実施形態として、網状電極による植物処理の例について説明する。本発明は、従来の植物の粉砕工程の前に、電圧を印加した網状電極による前処理を付加するものであり、この前処理工程を経た処理粉沫は、従来の粉砕工程のみで製造された粉体、すなわち未処理粉体に比較して、保存性、風味等の点で顕著に優良な効果を示す。以下、蓮根の前処理粉体化、くま笹前処理粉体化、食用のコンフリーの葉の前処理粉体化、及び大豆の前処理粉体化の方法と、その処理を付加した場合の各種作用効果について説明する。 【0006】まず、本発明の前処理を行う装置の概略構成について図1を参照して説明する。図1において、前処理装置1は、昇圧装置2と、その昇圧電圧が印加されるマット状の網状電極3とを備え、昇圧装置2は、通常の100V又は200Vの商用交流電源に接続される電源端子4と、この電源端子4に1次側が接続された巻数比1:n(nは1より大きい数)の昇圧トランス5と、2次側出力に直列及び並列に接続された抵抗器6,7、1次側と2次側との間に挿入された抵抗器8とからなる。網状電極3は、通常の絶縁処理によって接触による感電が起こらないように処理される。本実施形態で使用された網状電極3は、金属細線に予め通常の絶縁被膜による表面処理を行ったものを、ネット状に編み(ネットの目の大きさは適宜に選択できる)、縦横2メートル(m)の角網状電極のマットにしたものである。通常の金属線を網状に編み、しかる後にこれら網状電極マットをゴム又はプラスチック等の絶縁物で被膜して感電しないようにしたものであってもよい。 【0007】本実施形態では、昇圧装置2としては1:10の昇圧トランス、抵抗器6,7,8はそれぞれ3MΩ、2MΩ、1MΩのものを用いた。そして、以下に説明する各植物素材を、粉体化するために通常の粉砕機にかける前に、上記の図1に示したマット状網状電極3上に、数時間以上、例えば、12時間若しくはそれ以上の時間、例えば24時間程度、堆積させる。 【0008】以下、蓮根、くま笹、コンフリーの葉、大豆について前処理の効果を説明する。本試験における前処理は、図1に示すマット状網状電極3の上に試験に使用する蓮根、大豆及びくま笹、コンフリーの葉を12時間堆積することを言う。この前処理を行った植物を通常の粉砕機により粉体化する。本明細書では、これらの粉体を「処理粉体」と言い、前処理を行わないで同じ通常の粉砕機で粉体化したものを「未処理粉体」と言う。 【0009】蓮根の場合、処理粉体は、一般生菌数、大腸菌及び黄色ブドウ球菌のすべてについて陰性であり、常温で一ヶ月後の保存試験の結果においても、一般生菌数、大腸菌及び黄色ブドウ球菌はともに陰性であった。さらに、6ヶ月経過した時点においても、一般生菌数の増加は全く観察されていない。また、何ら腐敗臭はなかった。一方、未処理粉体は、製造直後のものでは、大腸菌及び黄色ブドウ球菌について陰性、一般生菌数についても基準値(300個以下/g)以内であるが、常温で一ヶ月後の保存試験の結果においては、一般生菌数以下を陰性とする基準値以上(1×108 個/g)の結果を示し、腐敗臭も観察された。なお、大腸菌及び黄色ブドウ球菌はともに陰性であった。 【0010】上記のような効果が得られるのは、マット状網状電極3に電圧が印加されることにより、アンテナ又は送電線と同様の作用により、グランドとの間で電界が生じ、発生した電気力線が植物の組織を通ることで、植物組織が活性化されることに因るものと考えられる。 【0011】次に、表1は、くま笹粉体化についての前処理効果を示すものである。これらの分析は、標準寒天平板培養法及びMPN算出法(確立的に求める最確数:MostProbable Number)によって行われたものである。表1に見られるように、処理粉体は、未処理粉体に比べて、一般生菌数及び大腸菌数のいずれも、誤差範囲以上に少ない。 【0012】 【表1】
【0013】表2は、コンフリーの葉の粉体化についての本発明の前処理効果を示す比較表である。表2は、処理粉体は未処理粉体に比べ、たんぱく質及びビタミンB6が多いことを示している。 【0014】 【表2】
【0015】図2は、他の実施形態による本装置を用いた場合の概略構成を示す。ここに示す実施形態では、大豆の粉体化の前処理について、丸大豆を入れた袋9ごとマット状網状電極3の上に載置し、通電状態で約12時間放置した。網状電極3は昇圧装置2に接続される。その後の粉砕は、通常の粉砕機を用いて行った。本発明による前処理を行った丸大豆は、べたつかずにスムーズに粉砕された。表3は、前処理された大豆を粉砕した大豆粉末の粉砕直後の成分分析表を示す。製品としての粉体は、大豆の成分をそのまま保持しており、栄養補助食品として提供できるほか、豆腐、あげ等の原料、増量剤等の添加物、植物プロテインの原料等に供することができる。 【0016】 【表3】
【0017】また、大豆粉体は、風味も良好であり、脂質の酸化臭も認められなかった。製造直後から6ヶ月間、室温において大豆粉体を保持したところ、保存中の酸化、及び過酸化物価は低い値に維持されていた。表4は、図2に示す前処理を行った大豆粉体より抽出した大豆油の室温における保存試験の結果を示す。抽出後6ヶ月間は酸化及び過酸化物価の顕著な変化は見られない。因みに、前処理を行わない場合には、抽出後の時間経過とともに、ほぼ経過時間に比例して両者が増加する。 【0018】 【表4】
【0019】次に、植物としてとうもろこし粒を選び、とうもろこしサイロ内に、網状電極を円筒状に構成して挿入し、24時間放置した後、通常の粉砕処理を行った。図3は、その前処理を行ってから粉砕したとうもろこし粉体と、これら前処理を行わない従来のとうもろこし粉体の比較実験の結果であり、経過時間に伴う粉体中の糸状菌数の増減を示している。図3において、各記号は検査のため抜き出したとうもろこし粒のサイロ内の位置を区別するものであり、同一記号は同一場所から抜出したとうもろこし粒を粉砕した粉体の実験結果を示す。また、白抜記号は処理粉体、黒抜記号は未処理粉体のものである。図3に見られるように、処理粉体は、未処理粉体に比べて実験開始当初より全ロットに共通して、糸状菌数について低い数値を維持する。処理粉体と未処理粉体の間には顕著に有劣の差異が認められる。 【0020】 【発明の効果】以上のように本発明の処理装置によれば、比較的簡単な構成でもってアンテナ又は送電線と同等の作用を呈するようにした電圧印加の電極による電界中に、食用物をさらして処理を行うことができ、この処理工程を経た食用物は、処理工程を経ていない食用物に比較して、活性の向上が図られ、品質保持性、すなわち酸化防止や微粉体の凝縮防止の長期化、その他の点で顕著に優良な効果を呈する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】502150421 【氏名又は名称】宮川 達治
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| 【出願日】 |
平成9年10月17日(1997.10.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084375 【弁理士】 【氏名又は名称】板谷 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2003−189789(P2003−189789A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月8日(2003.7.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−245186(P2002−245186) |
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