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【発明の名称】 食鳥の内蔵物取り出し方法
【発明者】 【氏名】村岡 眞次
【住所又は居所】神奈川県伊勢原市鈴川13番地 ゴーデックス株式会社内

【要約】 【課題】レバー等の可食内蔵物を損傷させず、ソノウを体内に残さない食鳥の内臓物取り出し方法を提供する。

【解決手段】食鳥の肛門を腸と接続した状態で体外へ取り出すと共に肛門取出部に連続して腹部に切れ目を形成し、食鳥の首つけ根部に切れ目を形成し、棒状体を首付け根部の切れ目から食鳥の体内へ差し入れ、棒状体を腹部の切れ目へ向けて押し込み、食鳥の内臓物を腹部の切れ目から食鳥の体外へ押し出す。ソノウ、心臓、肺、食道、腸等が緩衝材となって棒状体の先端部はレバー等の可食内臓物に干渉しないので、可食内臓物は損傷しない。首付け根部の切れ目から食鳥の体内へ差し込まれた棒状体の先端部は、先ず首つけ根部に在るソノウに係合してソノウを周囲の膜組織から引き剥がすので、ソノウは体内に残らない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食鳥の肛門を腸と接続した状態で体外へ取り出すと共に肛門取出部から連続して腹部に切れ目を形成し、食鳥の首つけ根部に切れ目を形成し、棒状体を首付け根部の切れ目から食鳥の体内へ差し入れ、棒状体を腹部の切れ目へ向けて押し込み、食鳥の内臓物を腹部の切れ目から食鳥の体外へ押し出すことを特徴とする食鳥の内臓物取り出し方法。
【請求項2】 先端部が少なくとも二股に分かれた棒状体を食鳥の体内へ差し入れることを特徴とする請求項1に記載の食鳥の内臓物取り出し方法。
【請求項3】 食鳥の体内へ差し入れた棒状体の少なくとも二股に分かれた先端部を閉じて食鳥の内蔵物を摘むことを特徴とする請求項2に記載の食鳥の内臓物取り出し方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食鳥の内臓物取り出し方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食鳥の肛門を腸と接続した状態で体外へ取り出すと共に肛門取出部に連続して腹部に切れ目を形成し、腹部の切れ目からスプーン状のかき出し具又は摘み具を食鳥の体内へ差し入れ、内臓物を体外へかき出し又は摘み出すことを特徴とする食鳥の内臓物取り出し方法が、食鳥処理工場において従来から採用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の食鳥の内蔵取り出し方法には、かき出し具又は摘み具と干渉してレバー等の可食臓物の商品価値が低下するという問題があり、また、首つけ根部に近接するソノウ(餌溜まり)までかき出し具が届かず、ソノウが体内に残るという問題があった。本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、可食内蔵物を損傷させず、ソノウを体内に残さない食鳥の内臓物取り出し方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明においては、食鳥の肛門を腸と接続した状態で体外へ取り出すと共に肛門取出部から連続して腹部に切れ目を形成し、食鳥の首つけ根部に切れ目を形成し、棒状体を首付け根部の切れ目から食鳥の体内へ差し入れ、棒状体を腹部の切れ目へ向けて押し込み、食鳥の内臓物を腹部の切れ目から食鳥の体外へ押し出すことを特徴とする食鳥の内臓物取り出し方法を提供する。首付け根部の切れ目から食鳥の体内へ差し込まれた棒状体の先端部は、先ず首つけ根部に在るソノウに係合してソノウを周囲の膜組織から引き剥がし、次いで首つけ根部の近傍に在る心臓と肺とに係合して心臓と肺とを胸部の膜組織から引き剥がす。肺を除く内臓物と腹部の膜組織との結合力は弱いので、膜組織から引き剥がされ腹部の切れ目へ向けて移動するソノウ、心臓、肺に押されて、腺胃、砂肝、腸、レバー等が膜組織から引き剥がされ、腹部の切れ目へ向けて移動し、ソノウ、食道、心臓、肺と共に、腹部の切れ目から体外へ押し出される。ソノウ、心臓、肺、食道、腸等が緩衝材となって棒状体の先端部はレバー等の可食内臓物に干渉しないので、可食内臓物は損傷しない。首付け根部の切れ目から食鳥の体内へ差し込まれた棒状体の先端部は、先ず首つけ根部に在るソノウに係合してソノウを周囲の膜組織から引き剥がすので、ソノウは体内に残らない。
【0005】本発明の好ましい態様においては、先端部が少なくとも二股に分かれた棒状体を食鳥の体内へ差し入れる。先端部が少なくとも二股に分かれた棒状体を首付け根部の切れ目から食鳥の体内へ差し入れると、少なくとも二股に分かれた先端部が、ソノウ、心臓、肺に確実に係合するので、これら内臓物を周囲の膜組織から確実に引き剥がすことができる。
【0006】本発明の好ましい態様においては、食鳥の体内へ差し入れた棒状体の少なくとも二股に分かれた先端部を閉じて食鳥の内蔵物を摘む。少なくとも二股に分かれた棒状体の先端部を閉じて食鳥の内蔵物を摘めば、内臓物を周囲の膜組織から確実に引き剥がすことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施例に係る食鳥の内臓物取り出し方法を説明する。図1(a)に示すように、食鳥屠体Sは、首つけ根部から後肢へ向けて順次位置決めされたソノウS、心臓S、肺S、腺胃S、砂肝S、レバーS等の内臓物を備えている。ソノウSと腺胃Sとは食道Sにより接続され、砂肝Sから延びる腸Sの下流端は肛門Sに接続している。
【0008】食鳥屠体Sから内臓物を取り出す際には、図1(a)に示すように、食鳥屠体Sの一対の前肢に一対の保持具1を係合させて、食鳥屠体Sの後肢方向への移動を防止する。図1(b)に示すように、肛門S周囲の筋肉に環状の切れ目を入れて肛門Sを腸Sと接続した状態で体外へ取り出すと共に、肛門S取出部から連続して食鳥屠体Sの腹部に切れ目2を形成する。
【0009】図1(c)に示すように、食鳥屠体Sの首つけ根部に切れ目3を形成し、図1(d)に示す先端部4aが二股に分かれた棒状体4を、図2(e)に示すように、首付け根部の切れ目3から食鳥屠体Sの体内へ差し入れ、腹部の切れ目2へ向けて押し込む。図2(f)に示すように、棒状体4の二股に分かれた先端部4aが、先ず首つけ根部に在るソノウSに係合してソノウSを周囲の膜組織から引き剥がし、次いで図2(g)に示すように、首つけ根部の近傍にある心臓Sと肺Sとに係合して心臓Sと肺Sとを胸部の膜組織から引き剥がす。
【0010】肺Sを除く内臓物と胸部や腹部の膜組織との結合力は弱いので、膜組織から引き剥がされ棒状体4に押されて腹部の切れ目2へ向けて移動するソノウS、心臓S、肺Sに押されて、図3(h)に示すように、腺胃S、砂肝S、レバーS、腸S等が膜組織から引き剥がされ、腹部の切れ目2へ向けて移動し、図3(i)に示すように、ソノウS、心臓S、肺S、食道Sと共に、腹部の切れ目2から食鳥屠体Sの体外へ押し出される。
【0011】上記の内臓物取り出し方法によれば、図2(g)、図3(h)から分かるように、ソノウS、心臓S、肺S、食道S、腸S等が緩衝材となって棒状体4の先端部4aはレバーS等の可食内臓物に干渉しないので、可食内臓物は損傷しない。図2(f)から分かるように、首付け根部の切れ目3から食鳥屠体Sの体内へ差し込まれた棒状体4の先端部4aは、先ず首つけ根部に在るソノウSに係合してソノウSを周囲の膜組織から引き剥がすので、ソノウSは食鳥屠体Sの体内に残らない。
【0012】棒状体4の先端部4aが二股に分かれているので、図2(f)、図2(g)から分かるように、首付け根部の切れ目3から食鳥屠体Sの体内へ差し込まれた棒状体4の先端部4aが、ソノウS、心臓S、肺Sに確実に係合し、これら内臓物を周囲の膜組織から確実に引き剥がすことができる。
【0013】図3(j)に示す先端部14aが二股に分かれると共に筒体15に挿通された棒状体14を、首付け根部の切れ目3から食鳥屠体Sの体内へ差し入れ、二股に分かれた先端部14aをソノウS、心臓S、肺Sに係合させ、手動で筒体5を移動させ二股に分かれた先端部14aを閉じてソノウS、心臓S、肺Sを摘まみ、更に棒状体14を腹部の切れ目2へ向けて押し込んでも良い。棒状体14の先端部14aでソノウS、心臓S、肺Sを摘むことにより、ソノウS、心臓S、肺Sを周囲の膜組織から確実に引き剥がすことができる。
【0014】先端部4aが二股に分かれた棒状体4に代えて、三股以上に分岐した先端部を有する棒状体を用いても良い。本発明に係る食鳥の内臓物取り出し方法は、懸鳥金具に把持されて垂直に吊り下げられた食鳥屠体Sに対しても適用でき、懸鳥金具に把持されて支持台上に水平に支持された食鳥屠体Sに対しても適用できる。本発明に係る食鳥の内臓物取り出し方法は、作業員により手動実施でき、或いは機械化して自動実施できる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係る食鳥の内臓物取り出し方法においては、ソノウ、心臓、肺、食道、腸等が緩衝材となって棒状体の先端部はレバー等の可食内臓物に干渉しないので、可食内臓物は損傷しない。首付け根部の切れ目から食鳥の体内へ差し込まれた棒状体の先端部は、先ず首つけ根部に在るソノウに係合してソノウを周囲の膜組織から引き剥がすので、ソノウは体内に残らない。
【出願人】 【識別番号】391021879
【氏名又は名称】ゴーデックス株式会社
【住所又は居所】神奈川県伊勢原市 鈴川13番地
【出願日】 平成14年5月9日(2002.5.9)
【代理人】 【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
【公開番号】 特開2003−325099(P2003−325099A)
【公開日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願番号】 特願2002−133825(P2002−133825)