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【発明の名称】 鱶鰭の皮剥き機
【発明者】 【氏名】志賀 吾朗
【住所又は居所】東京都足立区佐野一丁目31番28号 有限会社 マサル工業所

【氏名】志賀 笑子
【住所又は居所】東京都足立区佐野一丁目31番28号 有限会社 マサル工業所

【要約】 【課題】鱶鰭の皮剥き作業を機械化することによって、簡易に取扱出来ると共に歩留まりを良くしながら作業の迅速化ができる鱶鰭の皮剥き機を提供する。

【解決手段】本発明による鱶鰭の皮剥き機1は、先端の側面にガイドピンを備える押し棒10と、この押し棒10と遊嵌しながら側壁に前記ガイドピンと係合する螺旋溝を備える閉鎖先端の回動筒と、押し棒10と回動筒との間に配置される圧縮ばね及び回動筒の先端に弾性体を介在させて被せる皮剥き材18から成る作動部2と、この作動部を降下させて鱶鰭4に皮剥き材18を捻圧させる駆動源3とから構成しており、作動部2を、押し棒10が千鳥状に位置されるように複数列に配置しながら相互に連動させて稼働することを特徴にしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端の側面にガイドピンを備える押し棒、該押し棒と遊嵌し側壁に前記ガイドピンと係合する螺旋溝を備える閉鎖先端の回動筒、該押し棒と回動筒との間に配置される圧縮ばね及び該回動筒の先端に弾性体を介在させて被せる皮剥き材から成る作動部と該作動部を降下させて鱶鰭に皮剥き材を捻圧させる駆動源とから構成される鱶鰭の皮剥き機。
【請求項2】 作動部が、押し棒を千鳥状に位置させるように複数列に配置され相互に連動して稼働することを特徴とする請求項1に記載の鱶鰭の皮剥き機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鱶鰭の皮を簡易に扱いながらその皮を歩留まり良く迅速に剥くことができる鱶鰭の皮剥き機に関する。
【0002】
【従来の技術】生活面での癒しを要望する傾向や、その一端として食生活の多様化を求める動向の現われとして、中華料理に関心が傾注されて久しいが、その中でも庶民的に身近な食材として鱶鰭に対する需要が増大している。
【0003】特に、鱶鰭の低価格化が図られた結果として料理店における需要の増大だけでなく、一般家庭においても高齢者に対する健康食品として手軽に購入する傾向が顕著になっている。
【0004】しかるに、鱶鰭の生産における現状は、高齢化した職人の包丁等による手作業に依存しているのが実態であり、製品ロスを少なくする歩留まり面においても問題になっており、増産に対処できないのが実態である。
【0005】しかして、手作業を中心にした職場の常態として若い人の求職は極めて低調であって、その定着率も低くなっていることから、職人の平均年齢は上昇するだけであり、急増する需要に応えるためにも流通コストも含めた製品の低コスト化と高品質化を図るべく、現状の手作業依存から脱皮する必要がある。
【0006】以上の状況から、生産量の増大、加工コストの低減及び品質の向上を達成できるような鱶鰭の皮剥き作業における機械化の要望が高まっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の状況に鑑みてその要望に対応するために提案するものであり、鱶鰭の皮剥き作業を機械化することによって、簡易に取扱出来ると共に歩留まりを良くしながら作業の迅速化ができる鱶鰭の皮剥き機を提供している。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による鱶鰭の皮剥き機は、先端の側面にガイドピンを備える押し棒と、この押し棒と遊嵌しながら側壁に前記ガイドピンと係合する螺旋溝を備える閉鎖先端の回動筒と、押し棒と回動筒との間に配置される圧縮ばね及び回動筒の先端に弾性体を介在させて被せる皮剥き材から成る作動部と、この作動部を降下させて鱶鰭に皮剥き材を捻圧させる駆動源とから構成しており、作動部を、押し棒が千鳥状に位置されるように複数列に配置しながら相互に連動させて稼働することを特徴にしている。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明による鱶鰭の皮剥き機は、基本的に、先端の側面にガイドピンを備える押し棒と、この押し棒と遊嵌しながら側壁に前記ガイドピンと係合する螺旋溝を備える閉鎖先端の回動筒と、押し棒と回動筒との間に配置される圧縮ばね及び回動筒の先端に弾性体を介在させて被せる皮剥き材から成る作動部と、この作動部を降下させて鱶鰭に皮剥き材を捻圧させる駆動源とから構成している。
【0010】これによって、本発明による鱶鰭の皮剥き機は、要望の強かった鱶鰭の生産量を増大すると共に、品質の向上を図りながら加工コストの低減を達成している。以下に、本発明による鱶鰭の皮剥き機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明による鱶鰭の皮剥き機の実施の形態を示す斜視図であり、皮剥き機の基本動作を説明するために概要的に表現している。
【0012】本実施の形態における皮剥き機1は、鱶鰭を皮剥きする作動部2とこの作動部2を稼働させるための駆動源3から構成されており、図において4は皮剥きする鱶鰭であり、5は作業台である。
【0013】鱶鰭4は、40〜50℃の熱湯によってゼラチン部分と皮7とを遊離し易くして作業台5に載置されて皮剥きの準備に入る。作動部2の詳細については、構成している各部位に関して以下の各図面に基づいて後述するが、その基本動作として、駆動源3である足踏み板6が、図示していないばね等に抗して押し下げられることによって下降しており、作業台5の上に載せられている鱶鰭4の皮には、押し棒10が圧接されることになる。
【0014】この動作において、作動部2を構成している押し棒10とこれに遊嵌している皮剥き材18を被った回動筒は、鱶鰭4の皮に接触しながらこれに捻り作用を与えるように作動している。
【0015】従って、皮剥き材18は、所定の弾力を発揮しながら鱶鰭4の皮7に接触することによって、鱶鰭4の皮7と適切な接着力を保った状態のままで捻りを加えることによって皮剥き作業を簡易に実施することを可能にしている。
【0016】対象部分の皮を捻り剥きした後は、足踏み板6を開放することで上述したばね等によって作動部2を上昇させるように働くことから、処理対象の鱶鰭4は、所定列の皮7を均一化された作動工程によって綺麗な捻り剥きを完了させており、次の位置に在る皮の剥き作業に容易に対処することができる。
【0017】以降の捻り剥き作業は、鱶鰭4の移動と足踏み板6の押し下げによる一連の捻り剥き工程の繰り返しによって、鱶鰭4の皮7を最終的に剥ぎ終わるまで継続させることになる。
【0018】図2は、作動部を構成している押し棒、回動筒、圧縮ばね及び皮剥き材を示す各実施の形態図(a)とそれぞれの分離図(b)である。実施の形態図(a)において、8は、押し棒の案内部材であり、9は、案内部材8に設けられた押し棒の軸受けである。
【0019】押し棒10は、図2(b)に示すようにその先端11の側面にガイドピン12を備えており、回動筒13に形成された螺旋溝14と係合できる関連に構成されている。同様に、回動筒13は、押し棒10との遊嵌状態を構成しながら、押し棒10との相対移動に依って回動動作を生じるように、その側壁15に押し棒10のガイドピン12と係合する螺旋溝14を備えており、その先端16は閉鎖されている。さらに、図2(a)が示すように押し棒10と回動筒13の先端16の間には、圧縮ばね17を配置させている。
【0020】従って、作動部2に下降力が加えられない平常時においては、圧縮ばね17が最大に伸長することで、押し棒10のガイドピン12を螺旋溝14の最上段に位置させるように作用しているが、回動筒13が下方への移動を抑えられた状態で作動部2が下降する場合には、押し棒10の下降に従ってガイドピン12が回動筒13の螺旋溝14を滑動することになって、回動筒13を螺旋方向に回動させることになる。
【0021】又、回動筒13の先端16には、図2(a)が示すようにスポンジ等の弾性体19を介在させながら、皮剥き材18が被せられており、回動筒13は、作動部2の下降稼動によって鱶鰭4の皮7と適切な接着力を保ちながら捻り作動を加えることによって鱶鰭4の皮7を剥き取る働きを発揮している。
【0022】しかして、鱶鰭4の各部分における形状は多岐に及んでいる場合があり、回動筒13の先端16を単一の形状にしておくことでは、鱶鰭4の皮7を綺麗に剥き取るのに支障をきたすことに成る。そこで、本発明による実施の形態では、回動筒13の先端16における形状を図3に示すような各種の形態にすることで剥き取りに万全を期している。
【0023】即ち、図3(a)に示す先端20の形状は、基本的な円形であり、鱶鰭4の一般的な広い皮表面に対処している。これに対して、図3(b)に示す先端21の形状は、楕円形に近くして剥ぎ取り面積の拡大を図っている。
【0024】そして、図3(c)、(d)に示す先端22、23の形状は、三角形と放射羽根状であり、鱶鰭4の局部的な特別の皮表面に適宜に対処している。
【0025】次ぎに、本発明による鱶鰭の皮剥き機1の剥ぎ取り状態について説明する。図4は皮を剥き取る鱶鰭と作動部2を構成している押し棒10、回動筒13、圧縮ばね17及び皮剥き材18の作動状態を示している。
【0026】図4(a)は、待機時における作動部2における各部材の配置状態であり押し棒10は、最上部に位置しており、回動筒13と皮剥き材18は案内部材8の底面に接触する位置において待機している。この状態では、圧縮ばね17は最も伸長した状態にあり、回動筒13の螺旋溝14に係合させている押し棒10のガイドピン12を螺旋溝14の上端部に接合させている。
【0027】図4(b)は、作動部2を下降させて回動筒13と皮剥き材18とを鱶鰭4の皮7に接触させた状態を示しているが、この状態では、押し棒10が案内部材8をガイドにして下降するのみで圧縮ばね17の伸縮も行われていないことから、皮剥き材18は弾性体19の弾力の範囲において鱶鰭4を押さえ込む程度に作動部2を下降させている。
【0028】図4(c)は、作動部2を更に下降させて回動筒13と皮剥き材18とを鱶鰭4の皮7に圧接させて皮7を剥き取る状態を示している。
【0029】この状態では、押し棒10は案内部材8をガイドにして最下位置まで降下させられており、回動筒13と皮剥き材18とがその下降を鱶鰭4によって阻止されていることから、押し棒10は、圧縮ばね17を圧縮させて回動筒13との相対位置を変化させている。
【0030】従って、この状態では、押し棒10のガイドピン12が回動筒13の螺旋溝14を滑動することになって、回動筒13を螺旋方向に従う反時計方向に矢印のように回動させることになり、回動筒13に被された皮剥き材18は、この回動によって弾性体19からの弾力を強めながら鱶鰭4の皮7を捻りながら剥き取っている。
【0031】しかして、回動筒13の捻り方向は、螺旋溝14の螺旋方向を如何に設定するかで任意に決められるものであるが、本実施の形態では、螺旋溝14の旋回方向が反対向きに構成されている回動筒13を交互に配置させることで、その捻り方向を互いに反対向きに設定することによって鱶鰭4の皮剥きを効率的にしている。
【0032】又、この状態における鱶鰭4は、それぞれの押し棒10と鱶鰭4との関連によって抑える状態を異にしていることから、鱶鰭4への押さえと鱶鰭4からの皮7の捻り剥きとが交互に良好な関係で発揮され、結果的に、皮剥き材18は鱶鰭4から所望の剥き皮25を除去させることができる。
【0033】以上のように、本発明による鱶鰭の皮剥き機は、実施の形態のように構成することで、鱶鰭4の皮剥ぎを容易かつ確実にして鱶鰭の生産量を増大すると共に、品質の向上を図りつつ加工コストの低減を達成している。
【0034】さらに、本発明による鱶鰭の皮剥き機は、上記実施の形態に限定されるものでなく、各種のクランク機構やコンベア等を採用することによって、より高速で効率的に加工製造できる皮剥き機を提供できるものである。
【0035】本発明の他の実施形態は、正面図5と側面図6が示すように、作動部2、押し棒10の案内部材8及び押し棒の軸受け9等は、上記実施の形態と同様であり、これらの基本部分は両側の支持体31間に配備されることで、本実施の形態の皮剥き機30は構成されている。
【0036】作動部2は、モータ等の原動機32によって上下動しているが、動力の伝達は連結歯車33、クランク機構34及び支持体31の溝35を滑動する作動部2の連結ガイド36を通じて行われ、原動機32の回転運動を連結ガイド36の上下運動に変換している。
【0037】さらに、連結歯車33とクランク機構34とは上記の支持体31に軸支されており、他側の連結歯車37を通じて並置される他の作動部2’に動力伝達している。
【0038】従って、本実施の形態のように作動部2と他の作動部2’とを千鳥状にずらすことで、各作動部の回動筒を前後させながら配置している場合でも、両作動部2、2’は同期しながら一斉に稼働させることができる。
【0039】又 、本実施の形態では、作動部の配置を作動部2、2’の2列にしているが、当然のことながら、作動部における連続配置の個数はこのような実施の形態に限定されるものでなく、諸般の状況に対応させて適宜に選択できるものである。一方、本実施の形態では、皮剥き対象の鱶鰭を上記実施の形態のように作業台に載置しないで、コンベア38によって連続的に作業している。コンベア38は、プーリー39を介して原動機40によって駆動されており、鱶鰭の皮剥作業は、原動機32の回転速度と原動機40の回転速度を調整することで、鱶鰭の送りと鱶鰭の捻りによる皮剥動作とをスムーズな連係操作にしている。
【0040】以上のように、本実施の形態では、上記の構成による鱶鰭の皮剥作業が、コンベアに皮剥対象の鱶鰭を連続的に載置するのみで自動的に遂行できるものであり、熟練した職人を配しなくてもより高速で効率的な加工製造を達成できるものである。
【0041】以上、本発明による鱶鰭の皮剥き機を上記実施の形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施の形態に何ら限定されるものでなく作業部の機構や配列個数、回動筒の旋回方向とその配列及びコンベアの具体的な構造や材質等に関して、発明の主旨を逸脱しない範囲において各種の変更が可能であることは当然のことである。
【0042】
【発明の効果】本発明による鱶鰭の皮剥き機は、先端の側面にガイドピンを備える押し棒と、この押し棒と遊嵌しながら側壁に前記ガイドピンと係合する螺旋溝を備える閉鎖先端の回動筒と、押し棒と回動筒との間に配置される圧縮ばね及び回動筒の先端に弾性体を介在させて被せる皮剥き材から成る作動部と、この作動部を降下させて鱶鰭に皮剥き材を捻圧させる駆動源とから構成しており、作動部を、押し棒が千鳥状に位置されるように複数列に配置しながら相互に連動させて稼働することを特徴にしているので、鱶鰭の皮剥き作業を機械化することで、熟練した職人を配しなくても簡易に取扱が出来ると共に製品の歩留まりを良くして作業を迅速化できる効果を奏している。
【出願人】 【識別番号】501459273
【氏名又は名称】有限会社マサル工業所
【住所又は居所】東京都足立区佐野一丁目31番28号
【出願日】 平成14年4月10日(2002.4.10)
【代理人】 【識別番号】100097423
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 良徳
【公開番号】 特開2003−299437(P2003−299437A)
【公開日】 平成15年10月21日(2003.10.21)
【出願番号】 特願2002−107223(P2002−107223)