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【発明の名称】 ソーセージ製造ライン用異物除去装置
【発明者】 【氏名】田中 幸二郎

【氏名】千島 廣和

【氏名】小泉 信行

【要約】 【課題】人工ケーシングを用い、所定の長さに内部原料を分断した連鎖状の充填ケーシングを造り、これを処理する途中でケーシングを除去して互いに分離されたソーセージを製品化するのに、ソーセージに付着するケーシングの切り屑等の異物を目視に頼らず能率よく除去できるソーセージ製造ライン用異物除去装置を提供する。

【解決手段】ケーシング剥離機1のソーセージ取り出し口3前方に、簀の子体2を後方向けに傾斜させて配し、該簀の子体2をカバー体4で覆い、カバー体後部を外部吸引機構5に接続し、カバー体内で簀の子体部に後方向けに高速空気流を生じさせるようにし、簀の子体前部でカバー体下部にソーセージ落下口21を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケーシング剥離機のソーセージ取り出し口前方に、簀の子体を後方向けに傾斜させて配し、該簀の子体をカバー体で覆い、カバー体後部を外部吸引機構に接続し、カバー体内で簀の子体部に後方向けに高速空気流を生じさせるようにし、簀の子体前部でカバー体下部にソーセージ落下口を設けたことを特徴とするソーセージ製造ライン用異物除去装置。
【請求項2】 ソーセージ取り出し口を、ケーシング剥離機から簀の子体向けに水平に延びるソーセージ取り出し筒端に形成し、簀の子体を挟み、ソーセージ取り出し口に対向してカバー体後部に吸引口を設けたことを特徴とする請求項1記載のソーセージ製造ライン用異物除去装置。
【請求項3】 簀の子体を多数本の線材を縦方向に並設して構成し、平面視において簀の子体全体を後方向けに湾曲させたことを特徴とする請求項1又は2記載のソーセージ製造ライン用異物除去装置。
【請求項4】 カバー体後部と外部吸引機構を連結する吸引管路に、異物捕集かごと、水分排除機構を配装したことを特徴とする請求項1又は2記載のソーセージ製造ライン用異物除去装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工ケーシングにソーセージ原料を充填し、所定の長さに内部原料を分断した連鎖状の充填ケーシングを造り、これを処理する途中でケーシングを除去し、互いに分離されたソーセージにして製品化するソーセージ製造ライン用異物除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、工場生産されるソーセージのうちで、人工ケーシングを用い、この人工ケーシングにソーセージ原料を充填して所定の長さに内部原料を分断した連鎖状の充填ソーセージを造り、この連鎖状の充填ソーセージに所定の処理を施したところで、ケーシング剥離機に掛けてケーシングを除去して互いに分離されたソーセージにし、引き続き、この分離されたソーセージに対して所定の処理を施して製品化する皮なしソーセージが提供されている。
【0003】このような皮なしソーセージの製造ラインに設備されるケーシング剥離機では、連鎖状の充填ケーシングに対し、ソーセージ移動経路に固定的に設けたカッターの刃先をケーシングに切り込ませてケーシングを切開してソーセージから剥離して除去し、互いに分離したソーセージは、ソーセージ取り出し口から放出され、搬送面を多孔性とする取り出しコンベア上に落下し、後の処理工程に移行するようになっている。そして、ケーシング剥離後のソーセージで、不良品やケーシング切り屑が付着したものは、チョコネット状のコンベア上で目視により検品して取り除いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記するようにケーシング剥離機では、連鎖状の充填ケーシングに対し、ソーセージ移動経路に固定的に設けたカッターの刃先をケーシングに切り込ませてケーシングを切開してソーセージから除去するが、その際に発生したケーシング片が、剥離されたソーセージと共に放出され、ソーセージ表面に再度付着するという現象が発生する。
【0005】そこで、本発明は、従来のケーシング剥離機と取り出しコンベア間との間に中継手段として設置し、ケーシング剥離機でケーシングが剥離されて互いに分離された直後のソーセージが、ケーシング剥離機のソーセージ取り出し口から放出される際に持っている運動エネルギーを有効利用し、ソーセージを簀の子体に衝接させて適度の衝撃を生じさせるとともに、簀の子体部に後方向けに生じる高速空気流による吸引力との相乗作用によって、ソーセージに付着するケーシング切り屑等の異物を目視に頼らず能率よく除去するようにしたソーセージ製造ライン用異物除去装置を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係るソーセージ製造ライン用異物除去装置は、ケーシング剥離機のソーセージ取り出し口前方に、簀の子体を後方向けに傾斜させて配し、該簀の子体をカバー体で覆い、カバー体後部を外部吸引機構に接続し、カバー体内で簀の子体部に後方向けに高速空気流を生じさせるようにし、簀の子体前部でカバー体下部にソーセージ落下口を設けたことを特徴とする。
【0007】ここで、ケーシング剥離機は、連鎖状の充填ケーシングに対し、ソーセージ移動経路に設けたカッターの刃先をケーシングに切り込ませてケーシングをソーセージから剥離して除去し、互いに分離したソーセージは、ソーセージ取り出し口から放出されるもので、このケーシング剥離機自体は公知のものが使用される。
【0008】また、本発明では、ケーシング剥離機のソーセージ取り出し口から放出されるソーセージを、確実に簀の子体に衝接させるために、ソーセージ取り出し口を、ケーシング剥離機から簀の子体向けに水平に延びるソーセージ取り出し筒端に形成し、簀の子体を挟み、ソーセージ取り出し口に対向してカバー体後部に吸引口を設けた構成を採用している。
【0009】このように構成された本発明の異物除去装置によれば、人工ケーシングを用いて造られた連鎖状の充填ソーセージが、所定の処理を終えたところでケーシング剥離機に掛けられると、ケーシングが剥離されて互いに分離されたソーセージは、ケーシング剥離機の取り出し口から勢い良く簀の子体に向けて放出され、この時にソーセージが簀の子体に衝接する際に生じる衝撃と、外部吸引機構により簀の子体部に後方向けに生じる高速空気流による吸引力の相乗作用によってソーセージに付着するケーシング切り屑等の異物は確実に除去される。こうして、簀の子体部で運動エネルギーを消失したソーセージは、簀の子体前部のソーセージ落下口から落下して後の処理工程に移行される。
【0010】また、上記において、簀の子体を多数本の線材を縦方向に並設して構成し、平面視において簀の子体全体を後方向けに湾曲させた構成にすると、ケーシング剥離機の取り出し口から次々に勢い良く放出される(飛び出してくる)ソーセージが簀の子体面に衝突する際に、簀の子体の傾斜により上向きに跳ね上がる動きを生じるとともに、簀の子体全体を後方向けに湾曲させたことにより、簀の子体に衝接するソーセージの多くが、中央部寄り傾向を示す動きとなり、これに、簀の子体部に後方向けに生じる高速空気流による吸引力の作用もあって簀の子体部で運動エネルギーを失ったソーセージが簀の子体面を滑落するにも抵抗があるので、簀の子体前部で動き回るソーセージの滞留時間が延長され、この間に様々な角度からのソーセージ同士の擦れ合いや、簀の子体との衝接が高速空気流の中で繰り返えされる結果、ソーセージに強力にへばりつく形で付着するような異物までも目視に頼らず能率よく除去される。
【0011】本発明に係る異物除去装置では、簀の子体部で除去された異物のうち、簀の子体の目を通り抜けられない粗い異物は、外部吸引機構による強力な吸引力の下で簀の子体面に引っ掛かった状態に保持されるので、この簀の子体面に引っ掛かって残る異物が、後続のソーセージと一緒にソーセージ落下口から落ちるようなことはないが、簀の子体の目を通り抜けた異物は、空気流に乗って吸引機構側に吸引される。また、ケーシング剥離機によるケーシングの剥離が、蒸気を使用する雰囲気中で行われる時は、蒸気が空気流と一緒に吸引機構側に吸引されることになるため、当該作業場(通常、このような作業場は高度清浄区域としている)の衛生面でも大きな効果が得られる。
【0012】そして、カバー体後部と外部吸引機構を連結する吸引管路に、異物捕集かごと、水分排除機構を配装すると、簀の子体の目を通り抜けて吸引空気流に乗る異物は、管路途中で異物捕集かごに捕集される。また、ケーシングの剥離が蒸気を使用する雰囲気の中で行われる時に、吸引空気流に含まれる蒸気は、管路途中で水滴化して水分排除機構を介して簡単に除去できる。従って、吸引機構側に吸引される空気中の異物及び蒸気の処理が簡単にでき、外部吸引機構に悪影響を及ぼすことはない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】図1は本発明に係る異物除去装置を適用したソーセージ製造ラインの一部を示す概略構成図、図2(a)は本発明の実施の形態を示す簀の子体の一部を切欠した平面図、(b)は同簀の子体の正面図である。
【0015】図において、1はケーシング剥離機、2はケーシング剥離機1のソーセージ取り出し口3の前方に配した簀の子体、4は簀の子体2を覆うカバー体、5は簀の子体2の後方でカバー体4に接続した外部吸引機構を示す。
【0016】ケーシング剥離機1は、上下一対の溝付きローラからなる前部ローラ組6と後部ローラ組7と、両ローラ組6,7の間にカッター9を有し、連鎖状の充填ケーシング8が前部ローラ組6に送り込まれると、これが後部ローラ組7に乗り移る間にカッター9の刃先がケーシングに切り込んで切開し、この切開されたケーシングは、後部ローラ組7の所でソーセージから剥離して除去される。こうして、互いに分離されたソーセージ10は、ケーシング剥離機1のソーセージ取り出し口3から外部に送出させるもので、実施の形態では、このソーセージ取り出し口3を、ケーシング剥離機1から簀の子体2向けに水平に延設したソーセージ取り出し筒11端に形成している。
【0017】簀の子体2は、多数本の線材13を縦方向に並設して構成したもので、実施の形態では、断面円形線材を用い、図2(a)、(b)に示すように、断面四角形状の支持筒14の前端開口部に配設しており、各線材13の上下両端部を支持筒14端縁に固着し、各線材13の中間部を水平に横切る間隔保持線材15で結合してなり、簀の子体2を後方向けに傾斜させるとともに、平面視において簀の子体2全体を後方向けに湾曲させ、各線材13間に形成するスリットを簀の子体2の目としている。
【0018】カバー体4は、簀の子体2をカバー体4内のほぼ中央部に位置させて簀の子体2を覆うもので、実施の形態では、前板16、頂板17、左右側板18及び後板19からなり、下部を開放した箱形形態をなすもので、カバー体4の前部には、その上半部を頂板17から左右側板18及び前板16に掛けて切り欠いて開放部20を形成して、この開放部20にケーシング剥離機1のソーセージ取り出し筒11を臨ませ、前板16の下部を後方下向きに傾斜させて傾斜部を形成し、この傾斜部下端縁とカバー体4内の簀の子体2との間にソーセージ落下口21を形成し、このソーセージ落下口21を取り出しコンベア22上に臨ませている。また、カバー体4内において、支持筒14は、カバー体4の左右側板18の下端縁に前後して対向的に内向きに突設した支持片23によって下から支えられており、支持筒14の後端24はカバー体4の後板19に当てられて支持筒14の後端開口を塞ぎ、後板19に設けた吸出口12を介して支持筒14内を外部吸出機構5に連通させている。
【0019】外部吸引機構5は、吸引管路25を介してカバー体4の吸出口12と連結し、カバー体4内の空気を支持筒14を介して吸引し、簀の子体2部に後方向けに高速空気流を生じさせるもので、吸引管路25途中に、異物捕集かご26と、水分排除機構27を配装している。実施の形態では、この異物捕集かご26と水分排除機構27を配装するために密閉容器28を用い、この容器28内に金網製の異物捕集かご26を、容器中央部に立位に配し、容器28の上蓋29に、捕集かご26内に挿入される導入管30を設け、この導入管30をカバー体4側の吸引管路25に接続し、また、容器28の側壁に設けた導出口31を吸引機構5側の吸引管路25に接続し、水分排除機構27としては、容器底部32をテーパー状に形成して底部中央に開閉自在な水抜き栓を設けている。
【0020】上記構成において、連鎖状の充填ケーシング8がケーシング剥離機1に掛けられてケーシングが剥離され、互いに分離されたソーセージ10がソーセージ取り出し筒11端のソーセージ取り出し口3から高速で飛び出して簀の子体2に衝接すると、簀の子体2面の傾斜により上向きに跳ね上がる動きを生じ、また、簀の子体2の湾曲により中央部寄り傾向を示す動きをする等して適度の衝撃を生じる。この際に簀の子体2部で動き回る各ソーセージ10には、外部吸引機構5により簀の子体2部に後方向けに生じる高速空気流による吸引力も作用するので、簀の子体2部における各ソーセージ10は、滞留時間を延長して様々な角度からのソーセージ10同士のぶつかり合いや擦れ合い、また、簀の子体2との衝接が繰り返えされてソーセージ10に付着する異物は能率よく除去される。
【0021】こうして、異物が除去されて運動エネルギーを失ったソーセージ10は簀の子体2面を滑落してソーセージ落下口21から取り出しコンベア22に落下して後の処理に移行される。
【0022】また、上記のようにしてソーセージ10から除去された異物の内、簀の子体2の目を通り抜けて吸引空気流に乗り、吸引管路25を吸引機構5側に移動する異物は、管路途中で密閉容器28内の捕集かご26を通過する際に捕集される。また、吸引空気流に蒸気が含まれる場合は、吸引空気は容器内では乱流を生じて空気中に含まれる蒸気が水滴になって容器底部32に溜まるので、この水は作業員により水抜き栓27を開いて抜き取られる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、本発明によれば、ケーシング剥離機でケーシングが剥離されて互いに分離されたソーセージが、ケーシング剥離機のソーセージ取り出し口から放出される際に持っている運動エネルギーを有効利用し、ソーセージを簀の子体に衝接させて生じる適度の衝撃と、簀の子体部に後方向けに生じる高速空気流による吸引力の相乗作用により、ソーセージに付着するケーシング切り屑等の異物を合理的に除去するようにしたので、目視に頼らず能率よくソーセージの異物を除去することができる。
【出願人】 【識別番号】000118497
【氏名又は名称】伊藤ハム株式会社
【出願日】 平成14年2月26日(2002.2.26)
【代理人】 【識別番号】100065868
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 嘉宏 (外2名)
【公開番号】 特開2003−250434(P2003−250434A)
【公開日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願番号】 特願2002−49914(P2002−49914)