トップ :: A 生活必需品 :: A22 屠殺;肉処理;家禽または魚の処理




【発明の名称】 帆立貝の外套膜回収装置
【発明者】 【氏名】小田 亀三
【住所又は居所】北海道常呂郡常呂町字常呂528番地 株式会社大惠食品内

【要約】 【課題】帆立貝の貝柱を除いた後の外套膜及び中腸腺からなる内臓から、処理水を用いたり、中腸腺を破壊して周囲を汚染したりすることなく、外套膜を確実に且つ効率良く回収する。

【解決手段】外套膜回収装置10は、内臓流下パイプ18、19の流出口18B、19Bから帆立貝の内臓を耳分離板20に向けて押し出し、この耳分離板20の、流出口18B、19Bと反対側には負圧が印加される耳吸入パイプ36、37の吸引口37A、37Bが配置されていて、流出口18B、19Bと吸引口37A、37Bとの間で回転する耳分離板20における第1〜第3の吸入スリット群28、30、32の吸入スリット28A、30A、32Aを介して外套膜のみを吸入して中腸腺から分離し回収する。中腸腺は、耳分離板20の回転に従ってその表面から落下し回収される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】一端の流入口から、帆立貝の外套膜及びこれに付着している中腸腺からなる内臓が流入し、他端の流出口から流出可能、且つ、該流出口の端面が直平面状である少なくとも1本の内臓流下パイプと、前記流出口の端面に対して、平行、且つ、僅かに離間した平面内で回転自在に配置され、前記平面内における少なくとも前記流出口に臨む範囲に、幅が2〜5mm好ましくは2.5〜3mm、且つ、相互に平行な多数の吸入スリットが形成された耳分離板と、この耳分離板を間に、前記流出口に対向する位置及びこれから耳分離板の回転方向にずれた近傍位置の一方に配置された吸引口を備え、この吸引口から前記吸入スリットの背後に負圧を印加し、前記吸入スリットを介して、前記流出口から前記耳分離板に向けて流下する内臓から、外套膜を吸引・分離し、これを吸い込む吸入装置と、を有してなることを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項2】請求項1において、前記内臓流下パイプは、前記流出口の端面における、前記耳分離板の回転方向下流側の端部に、該耳分離板に付着している中腸腺を前記流出口の内側から前記回転方向外側に流出可能とする中腸腺流出用切欠きを有することを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項3】請求項1又は2において、前記内臓流下パイプは、その流出口が前記耳分離板の回転中心から半径方向に離間した位置に臨んで配置されたことを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項4】請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記耳分離板は、その回転中心を通る一本の直径と平行な複数の吸入スリットからなる第1の吸入スリット群を有することを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項5】請求項4において、前記耳分離板は、前記直径と直交する方向に平行な複数の吸入スリットからなる第2の吸入スリット群を有することを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項6】請求項4又は5において、前記耳分離板は、その回転円の接線と平行な複数の吸入スリットからなる接線方向スリット群を有してなることを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項7】請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記内臓流下パイプ及び前記吸引口を、前記耳分離板に対して、該耳分離板の回転軸方向から見て少なくともその回転中心の両側に各1対配置したことを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項8】請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記吸入装置は、前記内臓流下パイプの流出口と同数の耳吸入パイプを供えてなり、この耳吸入パイプは先端の吸引口が、前記耳分離板を間にして前記流出口と中心が相互に一致して対向するように配置されていることを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項9】請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記吸入装置は、前記内臓流下パイプの流出口と同数の耳吸入パイプを供えてなり、この耳吸入パイプは先端の吸引口が、前記耳分離板を間にして前記流出口とから前記耳分離板の回転方向に隣接する位置に配置されていることを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項10】請求項9において、前記耳分離板を間にして前記流出口に対応し、前期耳吸入パイプにおける前記吸引口に隣接するまでの範囲を被って、前記耳分離板側が開口する皿状の内臓受皿を設けたことを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項11】請求項8、9又は10において、前記耳吸入パイプにおける前記吸引口の下流側に隣接して扁平状絞り部が形成されていることを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項12】請求項1乃至11のいずれかにおいて、下端開口が、前記内臓流下パイプの前記流入口に実質的に接続して設けられ、投入された帆立貝の内臓を、前記下端開口を経て、前記流入口に案内する内臓ホッパーと、前記流入口近傍に設けられ、帆立貝の内臓の時間当たりの前記流入口への流入量を調整する処理量調整装置と、を有してなることを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項13】請求項12において、前記処理量調整装置は、前記内臓流下パイプの軸線に対して略直交する方向に配置されたフィードスクリューとされたことを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項14】請求項1乃至13のいずれかにおいて、前記耳分離板の近傍に設けられ、前記外套膜から分離され、且つ、該耳分離板に沿って、前記内臓流下パイプの流出口から流出した中腸腺を回収する中腸腺回収装置を設けたことを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項15】請求項14において、前記耳分離板は、略水平方向の回転中心軸廻りに回転自在とされ、前記中腸腺回収装置は、前記耳分離板の下方に設けられ、前記外套膜から分離され、且つ、該耳分離板に沿って落下する中腸腺を回収する受皿から構成されたことを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項16】請求項14において、前記耳分離板は、略水平面内で回転自在とされ、前記内臓流下パイプは、その流出口が前記耳分離板の上側面に臨むように配置され、前記中腸腺回収装置は、前記内臓流下パイプの、耳分離板回転方向下流側に隣接して、且つ、該耳分離板の上面に沿って配置され、回転する耳分離板上の中腸腺を掻き取って耳分離板に沿って、その半径方向外側領域に案内・落下させる掻き取り板と、前記耳分離板の前記半径方向外側領域の下方を被って、落下してくる中腸腺を受け止める中腸腺回収樋と、この中腸腺回収樋に落下した中腸腺を排出するシュートと、を含んで構成されたことを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項17】請求項1乃至11、14、16のいずれかにおいて、下端が、略鉛直方向に配置された前記内臓流下パイプの前記流入口に実質的に接続して設けられ、上端から投入された帆立貝の内臓を前記流入口に案内する縦型内臓ホッパーと、この内臓ホッパー内で前記流入口の上側に設けられ、帆立貝の内臓の時間当たりの前記流入口への流入量を調整する処理量調整装置と、を有してなることを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項18】請求項17において、前記処理量調整装置は、前記内臓ホッパー内で、略鉛直方向に配置された回転自在のシャフトと、このシャフトに設けられ、前記流入口の上側面に沿って前記耳分離板と同一方向に回転されるパドルと、を備えたことを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【請求項19】請求項18において、前記耳分離板は、略水平面内で回転自在とされ、その中心において、前記シャフトの下端に一体的に連結され、該シャフトにより回転駆動されるようにしたことを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、帆立貝の貝柱から分離された外套膜及び中腸腺からなる内臓から、耳あるいはヒモと称される外套膜を分離して取り出すための帆立貝の外套膜回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】帆立貝の剥き身から、貝柱を取り出した後の内臓は、外套膜と、これに比較的強く結合しているウロと称される中腸腺とからなっている。
【0003】外套膜は、いわゆるツマミ等として利用価値が高いが、中腸腺は重金属成分が含まれていることが多いために廃棄せざるを得ない。
【0004】ところが、貝柱から分離された内臓から、更に外套膜と中腸腺とを分離することは、従来は手作業以外では困難であり、外套膜を、中腸腺から連続且つ効率的に分離して取り出す技術が切望されていた。
【0005】これに応えるものとして、例えば特開平5−176727号公報に開示されるようにした、画像処理装置を用いて、外套膜と中腸腺の境界を認識し、この境界をウォータージェットによって切断するものがある。
【0006】又、特許第2631359号公報に開示されるように、外套膜と中腸腺が結合されている状態の内臓を水と一緒に加速して多孔板に衝突させ、その衝撃で中腸腺を分離するようにしたものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平5−176727号公報のウォータージェットを利用する方法は、画像処理装置、ウォータージェット等の装置にコストがかかり、又、画像処理装置によって必ずしも全部の内臓の境界線を認識できるものではなく、分離漏れが生じてしまうという問題点がある。
【0008】更に、前記特許第2631359号公報の方法は、中腸腺が多孔板に衝突した時、これが水中で飛び散って、水を汚染するので、外套膜を取り出した後の水の処理にコストがかかってしまうという問題点がある。
【0009】この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、低コストで、且つ、確実に、更には実質的に処理水を用いることなく外套膜を回収できるようにした帆立貝の外套膜回収装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、一端の流入口から、帆立貝の外套膜及びこれに付着している中腸腺からなる内臓が流入し、他端の流出口から流出可能、且つ、該流出口の端面が直平面状である少なくとも1本の内臓流下パイプと、前記流出口の端面に対して、平行、且つ、僅かに離間した平面内で回転自在に配置され、前記平面内における少なくとも前記流出口に臨む範囲に、幅が2〜5mm好ましくは2.5〜3mm、且つ、相互に平行な多数の吸入スリットが形成された耳分離板と、この耳分離板を間に、前記流出口に対向する位置及びこれから耳分離板の回転方向にずれた近傍位置の一方に配置された吸引口を備え、この吸引口から前記吸入スリットの背後に負圧を印加し、前記吸入スリットを介して、前記流出口から前記耳分離板に向けて流下する内臓から、外套膜を吸引・分離し、これを吸い込む吸入装置と、を有してなることを特徴とする帆立貝の外套膜回収装置により、上記目的を達成するものである。
【0011】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記内臓流下パイプは、前記流出口の端面における、前記耳分離板の回転方向下流側の端部に、該耳分離板に付着している中腸腺を前記流出口の内側から前記回転方向外側に流出可能とする中腸腺流出用切欠きを有するようにしてもよい。
【0012】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記内臓流下パイプは、その流出口が前記耳分離板の回転中心から半径方向に離間した位置に臨んで配置するようにしてもよい。
【0013】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記耳分離板は、その回転中心を通る一本の直径と平行な複数の吸入スリットからなる第1の吸入スリット群を有するようにしてもよい。
【0014】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記耳分離板は、前記直径と直交する方向に平行な複数の吸入スリットからなる第2の吸入スリット群を有するようにしてもよい。
【0015】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記耳分離板は、その回転円の接線と平行な複数の吸入スリットからなる接線方向スリット群を有するようにしてもよい。
【0016】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記内臓流下パイプ及び前記吸引口を、前記耳分離板に対して、該耳分離板の回転軸方向から見て少なくともその回転中心の両側に各1対配置してもよい。
【0017】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記吸入装置は、前記内臓流下パイプの流出口と同数の耳吸入パイプを供えてなり、この耳吸入パイプは先端の吸引口が、前記耳分離板を間にして前記流出口と中心が相互に一致して対向するように配置されてもよい。
【0018】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記吸入装置は、前記内臓流下パイプの流出口と同数の耳吸入パイプを供えてなり、この耳吸入パイプは先端の吸引口が、前記耳分離板を間にして前記流出口とから前記耳分離板の回転方向に隣接する位置に配置されてもよい。
【0019】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記耳分離板を間にして前記流出口に対応し、前期耳吸入パイプにおける前記吸引口に隣接するまでの範囲を被って、前記耳分離板側が開口する皿状の内臓受皿を設けてもよい。
【0020】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記耳吸入パイプにおける前記吸引口の下流側に隣接して扁平状絞り部が形成されてもよい。
【0021】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、下端開口が、前記内臓流下パイプの前記流入口に実質的に接続して設けられ、投入された帆立貝の内臓を、前記下端開口を経て、前記流入口に案内する内臓ホッパーと、前記流入口近傍に設けられ、帆立貝の内臓の時間当たりの前記流入口への流入量を調整する処理量調整装置と、を有してもよい。
【0022】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記内臓流下パイプの軸線に対して略直交する方向に配置されたフィードスクリューとされてもよい。
【0023】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記耳分離板の近傍に設けられ、前記外套膜から分離され、且つ、該耳分離板に沿って、前記内臓流下パイプの流出口から流出した中腸腺を回収する中腸腺回収装置を設けてもよい。
【0024】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、略水平方向の回転中心軸廻りに回転自在とされ、前記中腸腺回収装置は、前記耳分離板の下方に設けられ、前記外套膜から分離され、且つ、該耳分離板に沿って落下する中腸腺を回収する受皿から構成されてもよい。
【0025】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、略水平面内で回転自在とされ、前記内臓流下パイプは、その流出口が前記耳分離板の上側面に臨むように配置され、前記中腸腺回収装置は、前記内臓流下パイプの、耳分離板回転方向下流側に隣接して、且つ、該耳分離板の上面に沿って配置され、回転する耳分離板上の中腸腺を掻き取って耳分離板に沿って、その半径方向外側領域に案内・落下させる掻き取り板と、前記耳分離板の前記半径方向外側領域の下方を被って、落下してくる中腸腺を受け止める中腸腺回収樋と、この中腸腺回収樋に落下した中腸腺を排出するシュートと、を含んで構成されてもよい。
【0026】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、下端が、略鉛直方向に配置された前記内臓流下パイプの前記流入口に実質的に接続して設けられ、上端から投入された帆立貝の内臓を前記流入口に案内する縦型内臓ホッパーと、この内臓ホッパー内で前記流入口の上側に設けられ、帆立貝の内臓の時間当たりの前記流入口への流入量を調整する処理量調整装置と、を有してもよい。
【0027】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、前記内臓ホッパー内で、略鉛直方向に配置された回転自在のシャフトと、このシャフトに設けら、前記流入口の上側面に沿って前記耳分離板と同一方向に回転されるパドルと、を備えてもよい。
【0028】又、前記帆立貝の外套膜回収装置において、略水平面内で回転自在とされ、その中心において、前記シャフトの下端に一体的に連結され、該シャフトにより回転駆動されるようにしてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の例を図面を参照して詳細に説明する。
【0030】図1及び図2に示されるように、本発明の実施の形態の例に係る帆立貝の外套膜回収装置10は、図において左右方向に長い処理槽12と、この処理槽12内に、図において右端の投入部12Aから順に、内臓ホッパー14、処理量調整装置16、一対の内臓流下パイプ18、19、耳分離板20、吸入装置22を配置して主たる構成としたものである。
【0031】図において、処理槽12の右側位置に配置された内臓タンク24からスクリューコンベア26により帆立貝の外套膜及びこれに付着している中腸腺からなる内臓を前記内臓ホッパー14に投入し、この内臓ホッパー14の、図において左端且つ下端の下端開口14Aから処理量調整装置16によってその送り量を調整しつつ帆立貝の内臓を前記内臓流下パイプ18、19における、図において右端の流入口18A、19Aに押し込むようにされている。この処理量調整装置16の詳細な構成は後述する。
【0032】前記内臓流下パイプ18、19は、流入口18A、19Aと反対側の流出口18B、19Bの方向にやや下向きに傾斜した状態で、図2に示されるように、直線状に、且つ、相互に平行に同一長さで一対配置されている。前記流出口18B、19Bは、その端面が直平面内にあるようにされている。
【0033】前記内臓流下パイプ18、19の中心には、流入口18A、19Aから流出口18B、19Bの方向に内臓を送るフィードスクリュー18D、19Dを駆動するモータを示す。
【0034】前記耳分離板20は、図3に拡大して示されるように、略水平に配置された駆動軸21の先端にこれと同軸的に取り付けられた円盤状部材であって、図4に示されるように、円形の中心部20A、外周部20B、両者の間の帯状円形領域20Cを備えている。
【0035】この帯状円形領域20Cは、3種類の異なる方向の吸入スリットを備えた第1〜第3の吸入スリット群28、30、32を備えている。
【0036】前記第1の吸入スリット群28は、前記円形の耳分離板20の中心を通る1本の直径と平行に、中心部20Aを中心として、図4において左右方向に対称的に形成された、幅が2〜5mmの直線状の吸入スリット28Aから構成されている。
【0037】又、前記第2の吸入スリット群30は、前記第1の吸入スリット群28と直交する方向の吸入スリット30Aから構成されている。
【0038】更に、前記第3の吸入スリット群32は、耳分離板20における回転中心に対して半径方向に異なる位置で接線方向に形成された接線方向吸入スリット32Aから構成され、前記第1及び第2の吸入スリット群28、30の間の位置で略三角形状に4箇所配置されている。
【0039】図3に示されるように、前記耳分離板20の外周部には、前記駆動軸21の反対側にリング状の外周補強フランジ34A、又前記中心部20Aと帯状円形領域20Cの境界線上には、円形の内周補強フランジ34Bが形成されている。図3の符号34Cは耳分離板20を前記駆動軸21先端のフランジ21Aに締付け固定するためのボルトナットを示す。
【0040】前記一対の内臓流下パイプ18、19は、平面視で、前記駆動軸21の水平方向両側位置で、且つ、高さ方向には駆動軸21よりも低い位置(図4の2点鎖線参照)で前記帯状円形領域20C内に先端の流出口18B、19Bが位置するように配置されている。なお、図2、図3では説明を判り易くするために前記駆動軸21の水平方向両側位置にあるように示している。
【0041】これに対して、前記吸入装置22は、耳分離板20を介して、前記一対の内臓流下パイプ18、19と対向する位置に一対の耳吸入パイプ36、37を備え、これら耳吸入パイプ36、37には負圧発生装置であるブロア38から負圧が印加され、その先端の吸引口36A、37Aから前記耳分離板20の帯状円形領域20Cを介して耳と称される外套膜を吸入できるようにされている。
【0042】ここで、前記内臓流下パイプ18、19は、その流出口18B、19Bが、耳分離板20における帯状円形領域20Cに対して軸方向に僅かに離間して配置され、同様に、前記耳吸入パイプ36、37の吸引口36A、37Aも、前記流出口18B、19Bと反対側から、耳分離板20の帯状円形領域20Cに対して僅かに離間して配置されている。
【0043】又、前記耳吸入パイプ36、37の吸引口36A、37Aの下流側に隣接して偏平状絞り部36B、37Bが形成されていて、負圧が漏れないようにされている。
【0044】従って、フィードスクリュー18D、19Dにより内臓流下パイプ18、19を通って流出口18B、19Bから押し出される帆立貝の内臓は、吸入スリットを介して、吸引口36A、37A方向に吸引されるが、このとき、前述のように、第1〜第3の吸入スリット群における各吸入スリットの溝幅が、3〜5mmであるので、図5に示されるように、帆立貝の内臓を構成する外套膜Sのみが、吸入スリットを通過できない中腸腺Tから分離されて、吸入スリットを通って吸引口36A、37Aに吸入され、他方中腸腺Tは、帯状円形領域20Cの、内臓流下パイプ18、19側に残ることになる。
【0045】ここで、前記内臓流下パイプ18、19の流出口18B、19Bには、図3に示されるように、流出口18B、19Bの端面における、前記耳分離板20の回転方向下流側の端部に、耳分離板20に付着している中腸腺Tを、前記流出口18Bから前記回転方向外側に流出可能とする中腸腺流出用切欠き19が形成されている。
【0046】従って、外套膜Sは分離されて、流出口18B、19B内に残った中腸腺Tは、帯状円形領域20Cの回転に従って、中腸腺流出用切欠き18C、19Cから流出して、帯状円形領域20Cから落下するか、又は、半回転して反対側の内臓流下パイプ18、19の流出口18B、19Bにおける外側に衝突して帯状円形領域20Cから掻き落とされて落下するようにされている。
【0047】前記耳分離板20の下方位置には、耳分離板20の表面に沿って落下する中腸腺を回収する中腸腺回収装置40が設けられている。この中腸腺回収装置40については後述する。
【0048】前記一対の耳吸入パイプ36、37の、吸引口36A、37Aと反対側の端部は、耳タンク42に接続され、この耳タンク42には、前記ブロア38が接続されて、耳タンク42を介して耳吸入パイプ36、37に負圧が印加されるようになっている。
【0049】耳タンク42においては、上方から耳吸入パイプ36、37が接続されると共に、ブロア38の吸入端も同様に上方から接続され、これによって、耳吸入パイプ36、37に吸入された中腸腺が、ブロア38側に吸引されることなく耳タンク42内に落下するようにされている。
【0050】図1の符号44は、スプロケットホイール45A、45B及びこれらに巻回されるチェーン45Cを介して前記駆動軸21を駆動するためのモータを示す。
【0051】前記中腸腺回収装置40は雨樋形状であって、落下してくる中腸腺を受け止めて、図1に示されるうろタンク48内に導くように構成されている。
【0052】うろタンク48は、その内部がフィルタ48Aにより仕切られていて、中腸腺に付着した水分が分離されるように構成されて、この分離された水分は、パイプ48Bを介して前記内臓タンク24に送られるようになっている。
【0053】前記処理量調整装置16は、図1に示されるように、前記内臓流下パイプ18、19の軸線に対して略直交する方向(鉛直方向)に配置されたフィードスクリュー16Aと、このフィードスクリュー16Aを駆動するモータ16Bとを備えてなり、帆立貝の内臓を、時間あたりの送り量を調整して、内臓流下パイプ18、19の流入口18A、19A方向に送るようにされている。
【0054】なお、上記実施の形態の例において、吸入スリットは、相互に直交する方向の第1及び第2の吸入スリット群28、30と、回転円の接線方向のスリット群である第3の吸入スリット群32とから構成されているが、これらの吸入スリット群における吸入スリットの方向は、前記実施の形態の例に限定されるものではなく、その方向は任意である。
【0055】但し、上記実施の形態の例のように構成すると、方向が相互に直交する第1及び第2の吸入スリット群28、30によって、回転時に、流出口18B、19Bから流出してくる内臓を回転方向に引張るように作用し、且つ、引張り出された中腸腺を、接線方向スリット群である第3の吸入スリット群32によって流出口18B、19B内で無理に引張ることなく、安定して吸引口37A、37Bに吸引させることができるという利点がある。
【0056】又、前記吸入スリットの幅は2mm〜5mmとしたが、好ましくは、2.5〜3mmがよい。2mmより小さいと外套膜の吸入が困難であり、5mmより広いと中腸腺も吸入してしまうからである。
【0057】更に、上記実施の形態の例において、内臓流下パイプ18、19及び耳吸入パイプ36、37は各々一対であるが、本発明はこれに限定されるものでなく、各々1本あるいは3本以上であってもよい。
【0058】次に、図6及び図7に示される、本発明の実施の形態の第2例に係る外套膜回収装置50について説明する。
【0059】この外套膜回収装置50は、前記実施の形態の第1例に係る外套膜回収装置10が横型であるのに対して、内臓を上方から下方に移動させつつ処理する縦型であり、上方から縦型内臓ホッパー52と、この縦型内臓ホッパー52の下端を構成する底板52Aに上端が接続された4本の内臓流下パイプ54、56、58、60(図8参照)と、これら内臓流下パイプ54〜60の下端の流出口54B、56B、58B、60B(図9参照)に対して、その下側位置で僅かな隙間を持って水平面内で回転自在に設けられた耳分離板62と、この耳分離板62を間にして、前記流出口54B、56B、58B、60Bにそれぞれ対応する位置から耳分離板62の回転方向(図6、8、9において反時計方向)にわずかに回転した位置の下側に配置された4本の耳吸入パイプ64、66、68、70と、を備えて構成されている。
【0060】又、前記耳分離板62の裏側(図6、7において下側)には、前記流出口54B、56B、58B、60Bの下側から、前記耳吸入パイプ64、66、68、70に隣接するまでの範囲を下方から被う内臓受皿65、67、69、71が設けられている(図9、10参照)。この内臓受皿65、67、69、71は上向きに開口し、上方が耳分離板62を通って流下する液体を受け止め保持するようにされている。
【0061】前記内臓流下パイプ54、56、58、60、耳分離板62、耳吸入パイプ64、66、68、70の構成は、その軸線が鉛直であることを除いて、前記実施の形態の第1例に係る内臓流下パイプ18、19、耳分離板20、及び、耳吸入パイプ36、37と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0062】前記耳分離板62の中心には、縦型内臓ホッパー52の中心位置に鉛直方向に配置されたシャフト72が一体的に貫通・連結され、シャフト72を駆動することによって耳分離板62が水平面内で回転駆動されるようになっている。
【0063】このシャフト72の下端は、前記縦型内臓ホッパー52の底板52Aの中心を貫通し、更に、前記耳吸入パイプ64、66、68、70よりも下方に突出配置されている。
【0064】又、前記シャフト72には、前記底板52Aの上面に隣接する位置には、図8にも拡大して示されるように、アーム73を介して、パドル74を支持していて、シャフト72により耳分離板62と共に回転駆動されるとき、パドル74が、底板52A上の内臓を、前記内臓流下パイプ54、56、58、60の上端の流入口54A、56A、58A、60Aに押し込むことができるようにされている。
【0065】即ち、パドル74は、内臓の時間当たりの前記流入口54A、56A、58A、60Aへの流入量を調整する処理量調整装置となっている。
【0066】前記シャフト72は、その突出下端部にチェーンホイール72Aを一体的に備えている。このチェーンホイール72Aは、モータ76によって駆動される駆動チェーンホイール76Bにより、チェーン76Cを介して回転駆動されるようになっている。
【0067】前記縦型内臓ホッパー52の上端開口からは水パイプ86から潤滑用の水あるいは海水が供給され、縦型内臓ホッパー52内の内臓がブロック状に固まらないで適宜撹拌できるようにしている。
【0068】図9にも拡大して示されるように、前記耳分離板62の上面に沿って、前記4本の内臓流下パイプ54、56、58、60におけるそれぞれの流出口54B、56B、58B、60Bの、耳分離板回転方向下流側に4枚の掻き取り板80A、80B、80C、80Dが設けられている。
【0069】これらの掻き取り板80A〜80Dは、外套膜から分離され、回転する耳分離板62上に残っている中腸腺を掻き取って、耳分離板62に沿って、その半径方向外側領域63に案内・落下させるようにされている。
【0070】前記外側領域63の更に外側及び下側には、落下した中腸腺を受け止める中腸腺回収樋82が設けられ、この中腸腺回収樋82には、この中腸腺回収樋82に落下した中腸腺を排出するシュート84及び水パイプ86が接続され、落下した中腸腺を水によって流して、中腸腺回収樋82を通ってシュート84から、図7の回収バケツ88に回収できるようにされている。前記掻き取り板80A〜80D、中腸腺回収樋82及びシュート84は中腸腺回収装置90を構成している。
【0071】前記耳吸入パイプ64、66、68、70は、図10に拡大して示されるように、それぞれの吸引口64A、66A、68A、70Aが前記耳分離板62を介して流出口54B、56B、58B、60Bにそれぞれ対応するからわずかに反時計方向にずれた装置位置に配置され、前記流出口54B、56B、58B、60Bに対応し、かつ、前記耳吸入パイプ64、66、68、70に隣接するまでの範囲を被って、前記内臓受皿65、67、69、71が配置されている。
【0072】これら吸引口64A〜70Aの近傍には、前記実施の形態の第1例における耳吸入パイプと同様に、扁平状絞り部64B、66B、68B、70Bがそれぞれ形成されていて、負圧が漏れないようにされている。
【0073】前記4本の耳吸入パイプ64〜70は、前記扁平状絞り部64B〜70Bを含む先端(上端)側部分がこれらよりも下側部分に対して一定範囲でスライド自在とされ、且つ、図7に示されるように、付勢板92に一体的に取り付けられていて、この付勢板92に装架されたばね94により常態で上方に弾力的に付勢されていて、上端の吸引口64A〜70Aが、前記耳分離板62の下側面に弾力的に接触可能とされている。
【0074】前記付勢板92は、図6に示されるハンドル96により、ばね94の上方への付勢力に抗して押し下げられるようにされている。
【0075】従って、ハンドル96によって付勢板92を介して耳吸入パイプ64〜70の上端近傍部分が押し下げられることにより、吸引口64A〜70Aは耳分離板62から離間されて、例えば扁平状絞り部64B〜70B部分での詰まりを除去したりすることができる。
【0076】前記耳吸入パイプ64〜70は、図6、図7に示される下端の集合管98を介して、図11に示される、吸引タンク100に連接され、ブロア102によって吸引タンク100内に形成された負圧により、吸引口64A〜70Aから吸引された外套膜を該吸引タンク100内に排出するようにされている。
【0077】吸引タンク100は、その内部の上端部近傍で前記ブロア102に連通され、且つ、集合管98は、ブロア接続部よりも下側位置で下向きに開口しているので、吸引された外套膜は、空気と分離されて、吸引タンク100内で下方に落下する。吸引タンク100の下端には開閉自在の蓋103が設けられ、吸引タンク100内の下部に一定量以上貯留された外套膜を、下方で待機する可動式のヒモタンク104内に排出できるようにされている。
【0078】図11の符号106は吸引タンク100の上端に設けられた点検用の開閉蓋、108は吸引タンク100の側面上部位置に取り付けられたバルブ付きの洗浄水注入パイプ、110は吸引タンク100の底部近傍に蓄積された外套膜の量を検出するためのセンサ、112はブロア102を駆動するためのモータ、114は操作盤をそれぞれ示す。
【0079】この実施の形態の第2例に係る外套膜回収装置50は、縦型内臓ホッパー52の上端から内臓を投入して、その自重によって流入口54A〜60Aに到達するようにしているので、円滑に内臓の供給処理をすることができる。
【0080】
【実施例】本発明者は、前記耳分離板20の中心部20Aの直径を300mm、外周部20Bの外径を500mm、吸入スリットの幅を4mm、吸入スリットのピッチを70mm、且つ、前記内臓流下パイプ18、19の流出口18B、19B及び耳吸入パイプ36、37の吸引口37A、37Bの直径をそれぞれ70mmとして、流出口18B、19Bから帆立貝の内臓を押し出して、吸引口37A、37Bから負圧により吸引したところ、処理水等を用いることなく、外套膜を中腸腺から分離して確実に回収することができた。
【0081】又、分離された残りの中腸腺は、耳分離板20の帯状円形領域20Cに沿って落下し、回収装置40により良好に回収することができた。このとき、中腸腺を破壊して周囲を汚染することがなかった。
【0082】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、帆立貝の内臓から、処理水等を用いることなく、且つ、中腸腺を破壊して周囲を汚染することなく有用な外套膜を確実に且つ効率良く分離・回収することができるという優れた効果を有する。
【出願人】 【識別番号】591268173
【氏名又は名称】株式会社大惠食品
【住所又は居所】北海道常呂郡常呂町字常呂528番地
【出願日】 平成14年6月24日(2002.6.24)
【代理人】 【識別番号】100076129
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑 (外2名)
【公開番号】 特開2003−245036(P2003−245036A)
【公開日】 平成15年9月2日(2003.9.2)
【出願番号】 特願2002−183387(P2002−183387)