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【発明の名称】 連鎖状ソーセージの結節部切断装置
【発明者】 【氏名】西本 昌子

【要約】 【課題】保守管理に係る手間と労力を軽減することが可能な連鎖状ソーセージの結節部切断装置を提供すること。

【解決手段】モータ9により回転駆動されるドラム体3と、このドラム体3の内周面に突設されドラム3体の回転に伴い連鎖状ソーセージを引っ掛けて上方へ持ち上げる複数の持ち上げ部材16と、持ち上げられた連鎖状ソーセージが持ち上げ部材16から落下する位置の下方に設けられた複数の刃体ホルダ21と、各刃体ホルダ21に保持され、持ち上げ部材16から落下してきた連鎖状ソーセージの結節部を切断する刃体23とを備えた構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のソーセージ間が結節部によって連結された連鎖状ソーセージの前記結節部を切断する装置であって、ほぼ横向きに支持され駆動源によって回転駆動されるとともに一端側から連鎖状ソーセージを受け入れるドラム体と、このドラム体の内周面に突設され当該ドラム体の回転に伴い連鎖状ソーセージを引っ掛けて上方へ持ち上げる複数の持ち上げ部材と、持ち上げられた連鎖状ソーセージが持ち上げ部材から落下する位置の下方に設けられて、落下してきた連鎖状ソーセージの結節部を切断する刃体とを備えたことを特徴とする連鎖状ソーセージの結節部切断装置。
【請求項2】 ソーセージの侵入は許容しないが結節部の侵入は許容する複数の切欠部を有する刃体ホルダを備えており、この刃体ホルダに前記刃体が、刃先を切欠部の底部に露出させた状態で保持されている請求項1に記載の連鎖状ソーセージの結節部切断装置。
【請求項3】 刃体ホルダ及び刃体を往復振動させる振動手段を備えている請求項2に記載の連鎖状ソーセージの結節部切断装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばウインナーソーセージのように、複数のソーセージ間が結節部で連結されて連鎖状に形成されたソーセージの前記結節部を切断する、連鎖状ソーセージの結節部切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般的に、ウインナーソーセージ等のソーセージを製造するに際しては、食肉充填機によりソーセージ生地を天然腸等のケーシングに充填して撚結し、複数のソーセージ間が結節部により連結された連鎖状ソーセージを得る。次いで、この連鎖状ソーセージをスモークハウスに入れて加熱(燻煙)処理を施す。そして、加熱処理が済んだ連鎖状ソーセージをドラム型の切断装置に投入し、結節部を切断して、個々のソーセージに切り離している。
【0003】前記ドラム型の切断装置としては、特公昭50−17551号公報に記載されたようなものが一般的である。図9は前記公報に記載の切断装置を示している。図中、符号101はドラム体を示しており、このドラム体101は回転伝達ローラ102によって斜め横向きに支持されるとともに、図中の矢印方向に回転駆動される。ドラム体101の内周面には複数のフック杆103が放射状に突設・固定されている。各フック杆103は、湾曲したフック部104をドラム体101の回転方向に向けて設けられるとともに、図9(c)に示すように、各フック杆103のフック部104の内側には刃体105が、刃先をフック杆103の基端側に向けて設けられている。なお、衛生管理等のため、フック杆103はドラム体101に着脱可能に構成され、且つ各フック杆103は分解して刃体105を着脱できるように構成されている。符号106は下端部をドラム体101の一端開口から内部へ挿入して設けられたホッパを、符号107はドラム体101の他端開口に臨ませて設けられたベルトコンベヤを、それぞれ示している。
【0004】次いで、前記従来の切断装置の動作を説明する。図9(a)に示すようにホッパ106の上端開口から投入された連鎖状ソーセージ108は、ホッパ106の下端開口を通じてドラム体101内に供給される。そして、ドラム体101の回転に伴い、連鎖状ソーセージ108がフック杆103の基端部に引っ掛けられて持ち上げられてゆき、フック杆103がドラム体101の上端部近くにさしかかった時、連鎖状ソーセージ108はそれ自体の重みでフック杆103上を先端方向へ摺動下降してゆき、先端部の刃体105に当接した結節部110が切断される。こうした動作がドラム体101内を通過するうちに繰り返され、1個ずつに切り離されたソーセージ109がドラム体101の他端開口からベルトコンベヤ107上に排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の切断装置には以下のような問題点があった。すなわち、長く連なった連鎖状ソーセージ108の結節部110を全て切断するためには、ドラム体101内周面に多数のフック杆103を設ける必要があった。(例えば毎時1000kgの連鎖状ソーセージ108を処理する装置では、少なくとも150本のフック杆103を設けなければならなかった。)そして、各フック杆103ごとに刃体105が取り付けられているため、刃先が摩耗した刃体105を交換する作業に多大な手間と労力を要していた。
【0006】また、分解して刃体105を交換可能な構造とするため、フック杆103に微細な隙間ができることは避けられず、この隙間にソーセージ切断屑等の異物が嵌まり込んだ状態で放置しておくと微生物の繁殖等により不潔となる。そこで、衛生管理のため、毎日の操業後にドラム体101からフック杆103を取り外し、分解して異物を除去する洗浄作業を行なっていたが、フック杆103の数が多いので、この洗浄作業にも多大な手間と労力を要することとなっていた。
【0007】本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたものであって、保守管理に係る手間と労力を軽減することが可能な連鎖状ソーセージの結節部切断装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明に係る連鎖状ソーセージの結節部切断装置は、ほぼ横向きに支持され駆動源によって回転駆動されるとともに一端側から連鎖状ソーセージを受け入れるドラム体と、このドラム体の内周面に突設され当該ドラム体の回転に伴い連鎖状ソーセージを引っ掛けて上方へ持ち上げる複数の持ち上げ部材と、持ち上げられた連鎖状ソーセージが持ち上げ部材から落下する位置の下方に設けられて、落下してきた連鎖状ソーセージの結節部を切断する刃体とを備えた構成としたものである。
【0009】また、前記構成に加えて、ソーセージの侵入は許容しないが結節部の侵入は許容する複数の切欠部を有する刃体ホルダを備えており、この刃体ホルダに前記刃体が、刃先を切欠部の底部に露出させた状態で保持されているものである。
【0010】また、前記構成に加えて、刃体ホルダ及び刃体を往復振動させる振動手段を備えているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る連鎖状ソーセージの結節部切断装置を図1〜図5を参照しつつ説明する。なお、図中の符号Lは連鎖状ソーセージを示している。この連鎖状ソーセージLは、複数のソーセージS間が結節部Tにより連結されて構成されている。
【0012】図1,図2に全体を符号1で示される連鎖状ソーセージの結節部切断装置(以下、単に「切断装置」という)は、本体フレーム2と、この本体フレーム2内に配置された、両端が開口した横向き円筒状のドラム体3とを備えている。ドラム体3は、その外周面に接する計4個の支持ローラ4を介して本体フレーム2に回転自在に支持されている。符号5a,5bは本体フレーム2底部の四隅から下向きに延在する脚部材を示している。図2に示したように、切断装置1の前部に位置する脚部材5aは後部に位置する脚部材5bよりも長く形成され、これにより本体フレーム2及びドラム体3は水平方向に対して前上がりに傾斜した状態に設置されている。
【0013】ドラム体3の外周には、外向きのフランジ6と、ドラム側プーリ7とが周設されており、フランジ6には本体フレーム2に回転自在に枢支された位置決めローラ8が接触して、ドラム体3が筒心方向に位置ずれすることを防止している。また、本体フレーム2にはモータ9(駆動源)が搭載され、このモータ9の出力軸に取り付けられたモータ側プーリ10と前記ドラム側プーリ7の間に環状の伝動ベルト11が架け渡されている。これにより、ドラム体3は、その傾斜した筒心を中心として図中に矢印イで示す回転方向に所定速度で回転駆動されるようになっている。なお、図2の符号12は、本体フレーム2に回転自在に枢支されて、伝動ベルト11の外周面に圧接するテンションローラを示している。
【0014】ドラム体3の一端側(傾斜上端側)には連鎖状ソーセージLを投入するためのホッパ13が設けられている。図2の符号14はホッパ13に形成された投入口を、符号15は排出口をそれぞれ示しており、ホッパ13は排出口15をドラム体3の一端開口から内部へ僅かに挿入した状態で、図示を省略したブラケットにより本体フレーム2に固定されている。これにより、投入口14から投入された連鎖状ソーセージLはホッパ13内を通って排出口15から排出され、ドラム体3の一端側に受け入れられるようになっている。
【0015】ドラム体3の内周面には、連鎖状ソーセージLを持ち上げて落下させるための複数の持ち上げ部材16が突設されている。この実施形態のドラム体3は全部で40本の持ち上げ部材16を有しており、これらの持ち上げ部材16は、8本を一組としてドラム体3の周方向に所定間隔をおいて配列されている。そして、この周方向に並んだ持ち上げ部材16の列が、ドラム体3の筒心方向に所定間隔をおいて5列形成されている。
【0016】図3,図5等からわかるように、各持ち上げ部材16は、断面形状が、ドラム体3の回転方向前方側から後方側に向かって幅広となる略三角形断面の柱状に形成されるとともに、ドラム体3の回転方向前方側に位置する稜線部には前方へ突き出した薄い(幅の狭い)突条17が形成されている。この突条17の厚み(ドラム体3筒心方向の厚み)は、隣接するソーセージS,S間に入って結節部Tと係合可能な寸法に設定されている。
【0017】また、各持ち上げ部材16は、それぞれの立設位置におけるドラム体3周壁の法線方向と突条17の延在方向とが所定角θ(図4参照)をなすように、全体として回転方向前方側に傾斜して(前傾して)設けられている。これにより、ドラム体3の回転に伴い持ち上げ部材16に引っ掛けられて上方へ持ち上げられた連鎖状ソーセージLは、ドラム体3頂部のやや手前の位置(図4に矢印ロで示した付近の位置)まで来たときに、その自重により持ち上げ部材16上を先端方向へ摺動下降して、持ち上げ部材16から落下するようになっている。
【0018】ドラム体3内には、軸方向がドラム体3筒心方向とほぼ平行なホルダ支持軸20が挿通され、このホルダ支持軸20に複数(ここでは5つ)の刃体ホルダ21が、軸方向に所定間隔をおいて取り付けられている。図3に示すように、各刃体ホルダ21は、ドラム体3筒心方向の位置が、周方向に8本ずつ配列された持ち上げ部材16の各列と一致するように配設されている。すなわち、刃体ホルダ21と持ち上げ部材16とは、軸方向(ドラム体3筒心方向)の位置を一致させて設けられている。
【0019】図4に示すように、各刃体ホルダ21は、下端部がホルダ支持軸20に取り付けられた略倒立L字形の板状をなしており、その上側縁が、前記矢印ロで示した連鎖状ソーセージL落下位置付近のドラム体3内周面に対向するように傾斜させて設けられている。図5に示すように、各刃体ホルダ21の上側縁部は、厚みが上方に向かって薄くなる略三角形状断面に形成されている。また、各刃体ホルダ21には、その上側縁部から下向きに切れ込むとともに、その底部が略U字状に斜め下向きに延びた形状の複数(ここでは4つ)の切欠部22が形成されている。図4に示すように、各切欠部22の上部の開口幅(切り欠き幅)Wは、ソーセージSの直径よりは小さく、結節部Tの直径よりは大きい寸法に設定されている。これにより各切欠部22は、ソーセージSの侵入は許容しないが結節部Tの侵入は許容する構成となっている。
【0020】各刃体ホルダ21には長方形状の一対の刃体23,23が保持されている。図4,図5に示すように、刃体23は、その上向きの刃先を切欠部22の底部に露出させた状態で刃体ホルダ21に保持されている。こうした構成により、ドラム体3の回転に伴って持ち上げられた連鎖状ソーセージLが持ち上げ部材16から落下する位置(前記矢印ロで示した付近の位置)の下方に刃体ホルダ21及び刃体23が配設されている。換言すれば、刃体23は、持ち上げ部材16からの連鎖状ソーセージLの落下経路内に、刃先を上に向けた状態で支持されている。なお、各刃体ホルダ21は、下端部がホルダ支持軸20に固定された板状のホルダ本体24と、このホルダ本体24の上部側面に重ね合わされた板状の押さえ部材25とからなり、ホルダ本体24と押さえ部材25との間で刃体23を挟持する構成となっている。また、洗浄や刃体23の交換等を行なう場合には、固定ねじ26(図4参照)を緩めることにより、押さえ部材25をホルダ本体24から取り外して、刃体23を着脱できるようになっている。
【0021】ホルダ支持軸20は、ドラム体3外へ突き出した両端部において、軸受30a,30bにより回動自在に枢支されている。ドラム体3前方の軸受30aは横方向に延在する軸受支持棒31aを介して本体フレーム2に固定され、また、同様に後方の軸受30bは横方向に延在する軸受支持棒31bを介して本体フレーム2に固定されている。
【0022】一方、本体フレーム2の前面上部には、圧縮空気や電力等により作動する振動シリンダ32(振動手段)が設けられている。この振動シリンダ32のピストンロッド33の先端には自在継手34を介して伝動アーム35の上端部が連結されるとともに、この伝動アーム35の下端部は軸受30a近傍位置でホルダ支持軸20に固着されている。これにより、図1に矢印ハで示すようにピストンロッド33が所定のストロークで伸縮すると、その動きが伝動アーム35を介してホルダ支持軸20に伝えられ、ホルダ支持軸20が正逆方向に往復回動して、刃体ホルダ21及び刃体23がホルダ支持軸20を中心として矢印ニで示すように往復振動(揺動)するように構成されている。したがって、刃体ホルダ21及び刃体23の振動方向は、刃体23の刃先の延在方向を含む方向となっている。また、前側の軸受30aは軸受支持棒31aに着脱可能であるとともに、ピストンロッド33と伝動アーム35とは自在継手34の箇所で分離可能であり、さらに、ホルダ支持軸20の後端部20bは軸受30bに挿脱可能に構成されているので、刃体23の交換や洗浄等の作業が必要な場合は、ホルダ支持軸20を、各刃体ホルダ21,伝動アーム35,及び軸受30aごと本体フレーム2から取り外して作業を行なうことができる。
【0023】次いで、動作を説明する。加熱処理済みの連鎖状ソーセージLをホッパ13の投入口14から投入すると、連鎖状ソーセージLは排出口15からドラム体3の一端側に供給される。そして、ドラム体3の回転に伴い、連鎖状ソーセージLは持ち上げ部材16の基端部に引っ掛けられて持ち上げられてゆき、前記矢印ロで示した付近の位置にさしかかったとき、その自重で持ち上げ部材16の先端向きに摺動下降して、持ち上げ部材16から落下する。落下した連鎖状ソーセージLは、その落下経路に設けられた刃体ホルダ21に受け止められ、刃体ホルダ21の振動により当該刃体ホルダ21の上側縁に沿って斜め下向きに摺動下降するうちに、その結節部Tが刃体ホルダ21のいずれかの切欠部22へ落ち込む。そして、落ち込んだ結節部Tは刃体ホルダ21と一体的に振動する刃体23の刃先によって切断され、これにより2分割された連鎖状ソーセージLは刃体ホルダ21からドラム体3の底部へ落下し、再び持ち上げ部材16に引っ掛けられて持ち上げられる。こうした動作がドラム体3内の一端側から他端側までの間で繰り返されることにより、連鎖状ソーセージLは最終的に個々のソーセージSに切り離されて、ドラム体3の他端開口から排出され、図示を省略した排出シュートやベルトコンベヤ等により次工程へ搬送される。
【0024】以上のように構成された切断装置1は、以下のような利点を有している。すなわち、従来は多数のフック杆103のそれぞれに刃体105が設けられていたのに対し、この切断装置1では、フック杆103に代えて設けられた多数の持ち上げ部材16は刃体を備えておらず、周方向に8本ずつ列設された持ち上げ部材16に対応させて配置された刃体ホルダ21ごとに刃体23,23を設けた構成で、従来と同様の切断効率が得られる。したがって、1台の切断装置あたりの刃体の数は従来に比べて大幅に少なくなっており、刃先が摩耗した刃体23を交換する作業に係る手間と労力を軽減することができる。特に、この実施形態の切断装置1では、刃体ホルダ21をホルダ軸20ごとドラム体3外へ取り出して作業を行なえるので、刃体23の交換が極めて容易にできる。
【0025】また、持ち上げ部材16に刃体を設ける必要がないため、ソーセージ切断屑等の異物が嵌まり込むような隙間が持ち上げ部材16に生じることはなく、且つ、持ち上げ部材16をドラム体3から着脱する必要もないために、ドラム体3に持ち上げ部材16を溶接等により固定して、持ち上げ部材16基端部とドラム体3内周面との間が滑らかに連続するように形成することもできる。このように、異物が嵌まり込む隙間を無くすことができるので、多数の持ち上げ部材16を取り外さなくてもドラム体3内部の洗浄を充分に行なうことができ、洗浄作業に係る手間と労力も、従来に比べて大幅に軽減することができる。
【0026】さらに、刃体ホルダ21を往復振動させることにより、持ち上げ部材16から落下して刃体ホルダ21に受け止められた連鎖状ソーセージLの結節部Tを速やかに切欠部22へ落ち込ませて、刃体23で切断することができる。そのため、刃体ホルダ21を振動させない構成を採用した場合に比べて、処理効率をより一層向上させることができる。また、刃体ホルダ21とともに刃体23も往復振動させているので、刃体23が静止している場合に比べて、刃先による結節部Tの切断効率も良好となる。すなわち、刃体23が静止している場合は連鎖状ソーセージLの自重のみにより結節部Tが刃先に押圧されるのに対し、この場合は刃体23の振動も切断を助長するように作用するため、相対的に刃先の切れ味が良くなる。したがって、刃先が若干摩耗した状態となっても充分に結節部Tを切断することができるので、刃体23の交換頻度を減らすことができ、この点からも保守管理に係る手間と労力を軽減することができる。
【0027】さらにまた、この実施形態では各持ち上げ部材16が前記のように隣接するソーセージS,S間に入って結節部Tと係合する突条17を備えているため、所定の落下位置へ到達するまでに持ち上げ部材16から連鎖状ソーセージLが滑り落ちる「横滑り」を防止して確実に持ち上げることができる。加えて、各持ち上げ部材16がドラム体3の回転方向前方側から後方側に向かって幅広となる略三角形の断面形状に形成されているため、図5に示したように、連鎖状ソーセージLは持ち上げ部材16の両側に隣接するソーセージSが斜めになり、全体として倒立U字状ないし倒立V字状に下側が開いた状態で持ち上げられる。したがって、持ち上げ部材16に対して刃体ホルダ21が、図5に二点鎖線で示したように軸方向に位置ずれしていた場合でも、持ち上げ部材16から落下した連鎖状ソーセージLを刃体ホルダ21で受け止めて、確実に切断することができるという利点も有している。
【0028】図6〜図8は、ホルダ支持軸,刃体ホルダ,及び刃体の別の実施形態を示している。この実施形態では、ホルダ支持軸60に計8個の刃体ホルダ61が、軸方向に所定間隔をおいて支持されている。各刃体ホルダ61は略円盤状に形成されるとともに、その内部には外周に刃先が周設された円板状の刃体62が収容されている。また、刃体ホルダ61には、その外周縁から切れ込んで刃体62の刃先に達する複数の切欠部63が略放射状に形成されている。図7に示すように、各刃体ホルダ61は、ホルダ支持軸60に固定されたホルダ本体64と、このホルダ本体64との間で刃体62を挟持する蓋体65と、この蓋体65及び刃体62をホルダ本体64に着脱可能に固定するための固定ねじ66とで構成されている。また、ホルダ支持軸60の両端には、それぞれアーム部材67を介して取付軸68が連設されており、この取付軸68をそれぞれ本体フレームに固定された軸受(不図示)に嵌め込むことにより、ホルダ支持軸60をドラム体の内部に枢支するようになっている。
【0029】図8は、以上のような刃体ホルダ61を支持したホルダ支持軸60をドラム体3の内側に挿通した装着状態を示している。このドラム体3は、前記8個の刃体ホルダ61と対応するように、周方向に配列された持ち上げ部材16の列が軸方向(筒心方向)に8列設けられている(したがって全部で64本の持ち上げ部材16を有している)点を除いて、前記実施形態と同様に構成されている。また、ドラム体3以外の構成要素も前記実施形態とほぼ同様であるため、説明を省略する。このように、持ち上げ部材16からの連鎖状ソーセージの落下位置(矢印ロで示す)の下方に、切欠部63がほぼ下向きとなるように刃体ホルダ61を配設するとともに、この刃体ホルダ61に、円板状の刃体62をその刃先が切欠部63の底部に露出した状態で保持させた構成としても、前記実施形態とほぼ同様の効果が得られる。また、円板状の刃体62を用いることにより、刃先が摩耗した場合、切れ味を回復させるために刃先を研ぐ作業を容易に行なえるという利点も得られる。
【0030】なお、本発明に係る連鎖状ソーセージの結節部切断装置が以上説明した実施形態に限定されないことは言うまでもなく、例えば前記では振動手段として振動シリンダ32を示したが、振動手段は振動モータでも良く、また、クランクやカムといった機構を介して刃体ホルダ及び刃体を往復振動させるものであっても構わない。また、振動手段による刃体ホルダ及び刃体の振動方向も特に限定されない。ただし、刃体による結節部の切断効率を良くするためには、少なくとも刃先の延在方向を含んだ方向に振動させるのが望ましい。
【0031】また、持ち上げ部材の形状は連鎖状シーセージを持ち上げて所定の位置で落下させることができる限り、どのような形状であっても構わないし、その取り付け角度も図4に示したような前傾した角度に限られず、連鎖状ソーセージと持ち上げ部材との間の摩擦係数等に応じて任意の角度に設定することができる。
【0032】また、前記では連鎖状ソーセージを重力により持ち上げ部材から自然落下させたが、所定の高さ位置で持ち上げ部材から連鎖状ソーセージを強制的に落下させる落下手段を設けるとともに、この落下手段により落下させる位置の下方に設けた刃体により結節部を切断するようにした実施形態も考えられる。
【0033】さらに、前記ではドラム体3を水平方向に対して前上がりに傾斜した状態に設けたが、本発明においてドラム体は、ほぼ横向きに支持されていれば良い(もちろん前記のような傾斜状態も本発明にいう「ほぼ横向き」に含まれる)。したがって、例えばドラム体をその筒心方向を水平方向に向けて支持するとともに、そのドラム体の回転に伴ってソーセージを一端開口から他端開口に向かって送る搬送突起をドラム体の内周面に設けたような構成も考えられる。
【0034】さらにまた、本出願人が特願2001−324553として既に出願しているような予備的な切断装置を前工程(上流側)に配設し、それにより粗切りされた連鎖状ソーセージを本発明に係る切断装置により個々のソーセージまで切り離すように構成することも考えられる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る連鎖状ソーセージの結節部切断装置によれば、1台の切断装置あたりの刃体の数を従来よりも少なくして、摩耗した刃体の交換作業を容易にすることができるとともに、洗浄作業を容易にすることもできる。そのため、保守管理に係る手間と労力を大幅に軽減することが可能となる。
【0036】また、刃体ホルダ及び刃体を往復振動させることにより、持ち上げ部材から落下して刃体ホルダに受け止められた連鎖状ソーセージの結節部を速やかに切欠部へ落ち込ませて、刃体で切断することができ、切断効率を向上させることが可能となる。また、刃先が若干摩耗した状態となっても結節部を切断することができるので、刃体の交換頻度を減らすことも可能となる。
【出願人】 【識別番号】501411879
【氏名又は名称】西本 昌子
【出願日】 平成14年2月4日(2002.2.4)
【代理人】 【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
【公開番号】 特開2003−225046(P2003−225046A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−26298(P2002−26298)