| 【発明の名称】 |
焼成食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】大橋 一男 【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内
【氏名】森 秀樹 【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】次の成分(A)及び(B):(A)食物繊維 17〜50重量%、(B)油脂 8〜16重量%を含有し、空隙率が12〜80%である焼成食品。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 次の成分(A)及び(B):(A)食物繊維 17〜50重量%、(B)油脂 8〜16重量%を含有し、空隙率が12〜80%である焼成食品。 【請求項2】 成分(B)が構成脂肪酸中に多価不飽和脂肪酸を含有する油脂である請求項1記載の焼成食品。 【請求項3】 成分(B)がジアシルグリセロールを含有する油脂である請求項1又は2記載の焼成食品。 【請求項4】 成分(A)が難消化性デキストリンである請求項1〜3のいずれか1項記載の焼成食品。 【請求項5】 更に、低カロリー甘味料を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の焼成食品。 【請求項6】 更に、抗酸化剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の焼成食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、食物繊維を大量に含有していながら、柔らかで食感のよい焼成食品に関する。 【0002】 【従来の技術】食物繊維は、糖質、蛋白質、脂質(油脂)、ビタミン、ミネラルに次ぐ第六の栄養素と考えられているが、現状は、成人一人の一日あたりの食物繊維の摂取量は15g程度であって、厚生労働省の定める目標摂取量の1日あたり20〜25gに対して、5〜10g不足しているといわれている。食物繊維を、例えば、クッキー、ビスケット等の焼成食品に大量に含有させようとすると、得られる焼成食品は固くなり食感が悪いものであった。これらの問題点を改善するために、特定の食物繊維を小麦粉生地中に混捏する(特開平4−51840)、食物繊維と共に酸化剤、アミラーゼ、グルテン等を併用する(特開平6−70670)、食物繊維を油脂で被覆して小麦粉生地中に分散する(特開平8−289715)、食物繊維を予め水溶化した後小麦粉等と混合する(特開平10−56947)等の手段が提案されている。しかしながら、これらは製造方法が煩雑であったり、不必要な成分を添加しなければならない等の問題が新たに発生した。また、食物繊維中の不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の混合比率を特定範囲に限定(特公平7−93856)することが提案されているが、未だ充分ではない。このように、焼成食品中には、食物繊維を大量に含有させることができず、一日の必要摂取量を得るためには、他の不必要な成分も同時に摂取しなければならなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食物繊維を大量に含有する焼成食品を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、食物繊維を大量に含有する焼成食品に、更に特定量の油脂を含有させ、焼成後の空隙率を一定範囲に調整すると、食物繊維を大量に含有していながら、柔らかで食感のよい焼成食品が得られることを見出した。 【0005】本発明は、次の成分(A)及び(B):(A)食物繊維 17〜50重量%、(B)油脂 8〜16重量%を含有し、空隙率が12〜80%である焼成食品を提供するものである。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明で使用する成分(A)の食物繊維としては、水溶性食物繊維が好ましい。水溶性食物繊維は、難消化性食物繊維と消化性食物繊維に分類される。水溶性難消化性食物繊維としては、アルギン酸Na、低分子化アルギン酸Na、カラギーナン、フコイダン、ラミナラン、カルボキシメチルセルロースNa、デキストリン、難消化性デキストリン、サイクロデキストリン、ポリデキストロース、寒天等が挙げられる。このうち、低分子化アルギン酸Na、難消化性デキストリン、サイクロデキストリン、ポリデキストロースが、その水溶液の粘度が低く特に好ましい。 【0007】水溶性消化性食物繊維としては、ペクチン、低分子化ペクチン、グアーガム、低分子化グアーガム、ヘミセルロース、アラビアガム、コンニャクマンナン、ローカストビーンガム、プルラン、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム等が挙げられる。このうち、低分子化ペクチン、低分子化グアーガム、ヘミセルロース、アラビアガム、プルランが、水溶液の粘度が低く特に好ましい。ヘミセルロースは、小麦、大豆、トウモロコシ由来等のものが利用できるが、トウモロコシ由来のものが原料に起因する異味、異臭が小さく好ましい。また、サポニン等の夾雑物の混入が少なく、配合時の泡立ち等の製造時の問題も少ないため好ましい。さらには、低分子、特に平均分子量が10万以下に調製されたヘミセルロースが水溶液の粘度が低く好ましい。ヘミセルロースの平均分子量を10万以下にするには、高分子ヘミセルロースに酵素を作用させたり、熱分解、加圧分解する等常法を用いて行えばよい。 【0008】これらの食物繊維は、いずれも室温における粘度が5重量%水溶液で20mPa・s 以下であるのが好ましい。 【0009】成分(A)の食物繊維としては、水溶性難消化性食物繊維が好ましく、特に難消化性デキストリンが好ましい。 【0010】成分(A)は、2種以上を併用してもよい。本発明の焼成食品中には、成分(A)は15〜50重量%含有するが、好ましくは20〜50重量%、特に25〜45重量%含有するのがよい。この範囲であると摂取効率もよく、粉っぽい食感もなく、また崩れにくく成型もし易く好ましい。 【0011】本発明で使用する成分(B)の油脂は、ジアシルグリセロールを60重量%以上含有し、残余がモノアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールからなるものが好ましい。更に好ましくは、油脂の構成脂肪酸中に多価不飽和脂肪酸を含有するものが好ましく、該多価不飽和脂肪酸は、構成脂肪酸中に5重量%以上、更に好ましくは20重量%以上であり、この量が多いほど生理活性が高く健康増進の点で好ましい。この多価不飽和脂肪酸としては、α−リノレン酸、γ−リノレン酸等が挙げられる。また、油脂中にジアシルグリセロールを含有すると、体内への脂肪の蓄積が低減される点で好ましい。 【0012】本発明の焼成食品中には、成分(B)は、8〜16重量%含有するが、特に10〜16重量%含有するのがよい。この範囲であると、粉っぽい風味もなく、生地成型性も良好で、生地から型で抜く場合の離型性も良く、型くずれもなく好ましい。 【0013】本発明の焼成食品には、更に低カロリー甘味料を加えると、カロリーを低減でき、摂取カロリーを抑える必要がある場合に好適であり、また、食物繊維以外の成分を低減できる点で好ましい。低カロリー甘味料としては、スクラロース、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、パラチニット、アラビノース、スクラロースとアセスルファムカリウムの混合物等が挙げられ、これらは組み合せて用いてもよい。特に、カロリーや味の面から、スクラロース、エリスリトール、スクラロースとアセスルファムカリウムの混合物が好ましい。 【0014】本発明の焼成食品中に低カロリー甘味料は、0.01〜0.1重量%、特に0.03〜0.06重量%含有するのが好ましい。 【0015】本発明の焼成食品には、更に抗酸化剤を加えると、焼成食品の保存安定性を改善する点で好ましい。抗酸化剤としては、カテキン、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン等が挙げられ、油脂の酸化防止の点から、カテキンが特に好ましい。 【0016】本発明の焼成食品中に抗酸化剤を1〜5重量%、特に2〜4重量%含有するのが好ましい。 【0017】本発明の焼成食品の空隙率は、12〜80%であるが、焼成食品の固さ、保存時の耐衝撃性の点で、15〜50%が好ましく、特に15〜30%であるのが好ましい。ここで、空隙率とは、焼成食品を切断した切断面を211万画素以上の画素を有するデジタルカメラで撮影し、画像を4倍拡大して画像処理で空隙を抽出し、1視野(40mm2)中の全画素中の空隙部画素の占める割合(%)をいう。この場合5視野の平均値を求める。 【0018】空隙率(%)=(空隙部画素数/1視野の全画素数)×100【0019】なお、視野の縦横比は、焼成食品の大きさに影響されるため、焼成食品よりはみ出さないように調整し、断面全体を測定するようにする。 【0020】このような空隙率を有する焼成食品は、成分(A)、(B)及び小麦粉、その他の適宜使用される成分を空気を巻き込みながら混練して生地を作り、成型し、次いで焼成して製造される。 【0021】本発明の焼成食品を製造する生地には、成分(A)、(B)、小麦粉の他に、水、糖類、澱粉、ソバ粉等の穀粉類、卵、乳製品、大豆蛋白等の蛋白質、膨張剤、香料、着色料、乳化剤、安定化剤、塩類、品質改良剤、調味料、酸味料、植物種実類等を適宜加えてもよい。 【0022】成分(A)、(B)及び小麦粉、その他の成分の混練、焼成食品の空隙率が12〜80%にできれば、製造方法は限定されるものではないが、例えば、次のような製造方法が好ましい。本発明の成分(A)、(B)以外の成分を泡立て器、ミキサー等で良く混ぜ合わせる。その後、成分(B)を加え、泡立て器、ホイッパー等で良く混ぜ合わせる。その後、通常は、成分(A)と小麦粉を混ぜ合わせた物を加え、混練する。しかし、この方法では、混後の生地形成時に生地より気泡が抜けやすく、生地そのものが固くなり、焼成後の空隙率が小さくなる。そこで、成分(A)を加える際には、成分(A)あるいは成分(A)と加える半分以下の分量の小麦粉を混ぜ合わせたものと、成分(B)とその他の成分を加えたものとを、空気を巻き込むように混ぜ合わせる。このような方法で混ぜ合わせると、空気を多く含んだ生地が出来る。この生地に、残りの小麦粉を加え適度に捏ねて生地を作製する。このようにして作製した生地の固さは、針入度55から130に調整するのが好ましい。固さは、JIS K 2207、2235針入度試験方法に準拠し、100gの針を使用して5回測定した時の平均値である。生地作製時の混練手段は特に限定されるものではなく、例えばエクストルーダー、ケーキミキサー、ニーダー等の混練手段を単独又は複数組み合わせて用いれば良い。 【0023】このようにして製造された焼成食品の生地は、次いで成型される。成型方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、デポジット成型、ロータリーモールド成型、シート成型、押し出し成型、絞り出し成型等適宜行なえばよい。 【0024】成型された焼成食品の生地は、次いで焼成される。焼成装置としては、例えば、オーブン、マイクロ波加熱装置、ホイロ等、従来用いられているものを適宜利用すればよい。 【0025】本発明の焼成食品としては、長期の保存が出来る、携帯性に優れている等の点から、クッキー、ビスケット、クラッカーとするのが好ましい。 【0026】 【実施例】実施例1表1に示す組成の生地を、以下に示す製造法で調製し、焼成してクッキーを製造した。 【0027】 【表1】
【0028】*1 難消化性デキストリン;(ファイバーゾル2:松谷化学工業(株))、サイクロデキストリン;(β−100:塩水港精糖(株)) *2 油脂構成;モノグリセロール1.1重量%、ジアシルグリセロール90.8重量%、トリグリセロール8.1重量%、ジアシルグリセロール構成脂肪酸組成;C16 5.4重量%、C18 3.3重量%、C18:1 18.7重量%、C18:2 15.5重量%、C18:3 56.0重量%*3 焼成食品中の食物繊維量(重量%) 高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)(新開発食品ハンドブック中央法規出版(株)社発行、403頁、1996年)により食物繊維の重さを測定し、その重さを測定に使用した試料(焼成食品)の重さで割って食物繊維の量(重量%)を得た。 *4 焼成食品中の油脂量(重量%) 焼成食品を粉砕し、溶剤ヘキサン/イソプロパノール(3:2)液で温度:125℃で圧力:1000picの条件で抽出機ASE200(DIONE社製)を用いて油分を抽出し、エバポレータを使用して溶剤を蒸発させて油抽出物を得、抽出に使用した粉砕物の重さで油抽出物の重さを割って油の含有重量%を得た。 *5 焼成食品の固さ(kg) DIGITAL FORCE GAUGE Versa Test (AD-4935-500N:(株)エーアンドディ製)を用い、100mm/minの速度で押し込み、割れる時の加重を測定した。治具先端は、直径2cmの円盤を使用した。 【0029】製造方法:(1)卵、塩、甘味料を混合し、次いで液油を加え混合した後、予め混合した小麦粉と食物繊維を加え、手で混練した。次いで、直径4cm、重さ約6gの円盤状に成型し、オーブンで180℃、10分間焼成した。 (2)卵、塩、甘味料を混合し、次いで液油を加え混合した後、予め混合した小麦粉と食物繊維、ベーキングパウダーを加え、手で混練した。次いで製造方法(1)と同様に成型し焼成した。 (3)卵、塩、甘味料を混合し、次いで液油を加え混合した後、食物繊維を加え、泡立て器により泡を巻き込むように混合した。その後、小麦粉を加え、へらで混合し、生地をまとめた。次いで製造方法(1)と同様に成型し焼成した。 (4)卵、塩、甘味料を混合し、次いで液油を加え混合した後、予め混合した小麦粉の半分量と食物繊維の混合物を加え、泡立て器により泡を巻き込むように混合した。その後、残りの小麦粉を加え、へらで混合し、生地をまとめた。次いで製造方法(1)と同様に成型し焼成した。 (5)卵、塩、甘味料を混合し、次いで液油を加え混合した後、食物繊維とベーキングパウダーの混合物を加え、泡立て器により泡を巻き込むように混合した。その後、小麦粉を加え、ニーダーで混合し、生地をまとめた。次いで製造方法(1)と同様に成型し焼成した。 【0030】本発明品1〜5の焼成食品は、成型性にも優れ、焼成後の保存時にも崩れにくいものであった。また、食物繊維を大量に含有していながら柔らかく粉っぽい食感もなく好ましいものであった。 【0031】実施例2表2に示す組成の焼成食品用の生地を実施例1に記載の製造方法(1)又は(3)に従って製造したときの生地の成型性について評価した。 【0032】 【表2】
【0033】成型性評価法:作製した生地を手でつかめる大きさに分け、まとめるときのまとまり具合、まとまった生地を5mm厚に延ばし、型抜きするときの台や型への付着があるか、型抜きした後で型くずれがあるかを目視にて評価した。 評価:○成型性が良好であった。 △生地が粉っぽくなり、形がまとまらなかった。 ×生地がべたつき、台や型に生地がくっつき、型くずれを起した。 【0034】本発明品は、いずれも成型性が良好であった。また、本発明品は焼成後の空隙率が12〜80%の範囲内であった。 【0035】実施例3表3に示す組成の焼成食品用の生地を、実施例1記載の製造方法(2)又は(3)に従って製造した焼成食品の保存安定性を測定した。 【0036】 【表3】
【0037】保存安定性評価法:焼成食品をアルミ包材に封入して、50℃に保持した。5名の評価者中の3名以上が、開封したときに不快臭を感じる迄の保存日数を測定した。 評価:◎4週間保存しても不快臭を感じる人がいなかった。 ○3週経過時から4週迄に不快臭を感じる人が現われた。 ×3週になる迄に不快臭を全員が感じた。 【0038】本発明品は、いずれも長期間保存しても不快臭は感じなかった。また、本発明品の空隙率は12〜80%の範囲内であった。 【0039】 【発明の効果】本発明の焼成食品は、成型性にも優れ、焼成後の保存時にも崩れにくく、また、食物繊維を大量に含有していながら柔らかく粉っぽい食感もなく好ましい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
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| 【出願日】 |
平成14年2月1日(2002.2.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000084 【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2003−250431(P2003−250431A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月9日(2003.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2002−25887(P2002−25887) |
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