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【発明の名称】 パン類の製造法
【発明者】 【氏名】横井 聡
【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清製粉株式会社内

【氏名】浅井 一
【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清製粉株式会社内

【氏名】石神 真二
【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清製粉株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】糖類と油脂類とを混合して得られる糖類含有油脂類を中種に用いる、パン類の製造法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中種法において、糖類と油脂類とを混合して得られる糖類含有油脂類を中種に用いることを特徴とするパン類の製造法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中種法によるパン類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中種法の一種として加糖中種法が知られている。この方法は中種生地を調製するときに中種にそのまま糖類を加えて混捏して中種生地を得る方法である。しかしながら、この加糖中種法においても未だ機械耐性、発酵時間の短縮、パンのソフトさの向上、パンの劣化防止等の点で満足し得るものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者等は、中種法において、機械耐性を有し、中種発酵時間を短縮し、風味が良く、パンの劣化耐性を有する製パン法について種々研究を重ねた結果本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、中種法において、糖類と油脂類とを混合して得られる、糖類含有油脂類を中種に用いてなる、パン類の製造法である。
【0005】
【発明の実施の形態】一般的に、中種法は、使用する小麦粉の一部にイーストの全量と適量の水を加えて混合して中種をつくり、発酵させてからミキサーにもどし、中種生地に残りの小麦粉、砂糖、食塩、油脂、その他の原料と適量の水を加えて本捏した後、フロアタイム、分割、ベンチタイム、成型およびホイロの各操作を行った後焼成してパン類を製造する方法である。
【0006】本発明は、前記した従来の中種法において、使用する糖類および油脂類を予め良く混合して糖類含有油脂類を調製し、これを中種に加えて中種生地を調製する。使用する油脂類はその全量あるいは一部を中種に用いることができる。また糖類も使用する糖類の全量あるいは一部を中種に用いることができる。前記油脂類および糖類の使用量はパン類の種類によって適宜選択すればよい。
【0007】本発明方法において中種に使用する油脂類および糖類の添加量は、通常中種法に用いられる添加量で充分であるが、特に油脂類の場合中種に使用する小麦粉に対して1〜20重量%、糖類の場合中種に使用する小麦粉に対して0.5〜10重量%である。
【0008】本発明に使用する油脂類としては、バター、マーガリン、ショートニング、サラダ油、オリーブ油、生クリーム等の製パン用に利用される油脂であればいずれのものでも使用できる。
【0009】また糖類としては、砂糖、ブドウ糖、果糖、液糖等の製パン用に利用される糖類であればいずれのものでも使用できる。
【0010】次に本発明方法について説明する。まず小麦粉にイーストおよび予め糖類と油脂類とを混合したものを加え、さらに水を加えて混捏して中種を調製し、中種発酵を行い中種生地を調製する。発酵条件としては、温度20〜30℃、湿度60〜80%の条件下で行い、発酵時間は、パン類の種類にもよるが、一般的に40〜60分間の範囲が好ましい。
【0011】次に中種生地に、小麦粉、イーストフード、乳製品、食塩、必要により油脂、糖類を加え、これに水を加えて混捏した後フロアタイムをとった後生地を分割する。分割された生地は丸めを行った後温度20〜30℃、湿度60〜80%の条件下でベンチタイムをとった後所望するパンに成型し、温度30〜40℃、湿度70〜90%の条件下でホイロをとり、その後焼成釜で焼成することによりパン類を得ることができる。
【0012】
【実施例】次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例を掲げるが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0013】実施例1小麦粉40重量部、生イースト3重量部および予め砂糖2重量部を生クリーム5重量部に加えて混合した砂糖含有生クリームを添加し、これに水23重量部を添加して低速で3分間、高速で3分間混捏する(生地温度26℃)。この中種を温度24℃、湿度75%の条件下で1時間発酵させて中種生地を得る。次にこの中種生地に、小麦粉60重量部、砂糖5重量部、イーストフード0.1重量部、食塩2重量部、脱脂粉乳2重量部および水40重量部を加えて低速で2分間、高速で4分間混捏した後、マーガリン7重量部を加えた後低速で2分間、高速で5分間混捏し本捏生地を調製する(生地温度27℃)。得られた本捏生地はフロアタイムを30分間とった後、1個当り220gに分割した後丸めを行い、その後温度25℃、湿度70%の条件下でベンチタイムを25分間とった後4個の丸めた生地をそれぞれ棒状に伸ばして食パン型に詰める。食パン型に詰めた生地は温度38℃、湿度85%の条件下で45分間ホイロをとった後食パン型に蓋をして220℃の焼成釜で35分間焼成して角型食パンを得る。
【0014】実施例2小麦粉50重量部、生イースト2.5重量部および予めブドウ糖2.5重量部をショートニング2重量部に加えて混合したブドウ糖含有ショートニングを添加し、これに水30重量部を添加して低速で2分間、高速で3分間混捏する(生地温度25℃)。この中種を温度25℃、湿度75%の条件下で45分間発酵させて中種生地を得る。次にこの中種生地に、小麦粉50重量部、生イースト0.5重量部、砂糖3重量部、イーストフード0.1重量部、食塩2重量部および水36重量部を加えて低速で2分間、高速で3分間混捏した後ショートニング2重量部を加えた後低速で2分間、高速で4分間混捏し本捏生地を調製する(生地温度27℃)。得られた本捏生地は、フロアタイムを25分間とった後1個当り225gに分割した後丸めを行い、その後温度28℃、湿度80%の条件下でベンチタイムを20分間とった後2個の丸めた生地をワンローフ食パン型に詰める。ワンローフ型に詰めた生地は温度38℃、湿度88%の条件下で55分間ホイロをとった後210℃の焼成釜で30分間焼成して山型食パンを得る。
【0015】実施例3小麦粉60重量部、生イースト3重量部、予め砂糖8重量部をバター10重量部に加えて混合した砂糖含有バターを添加し、これに水32重量部を添加して低速で4分間、高速で4分間混捏する(生地温度25℃)。この中種を温度27℃、湿度80%の条件下で40分間発酵させて中種生地を得る。次にこの中種生地に小麦粉40重量部、生イースト1重量部、砂糖10重量部、イーストフード0.2重量部、食塩1.5重量部、脱脂粉乳2重量部、卵12重量部および水23重量部を加えて低速で4分間、高速で10分間混捏し、本捏生地を調製する(生地温度28℃)。得られた本捏生地は、フロアタイムを30分間とった後、1個当り40gに分割した後丸めを行い、その後温度25℃、湿度70%の条件下でベンチタイムを20分間とった後バターロール状に生地を巻いて成型する。成型した生地は温度38℃、湿度85%の条件下で40分間ホイロをとった後220℃の焼成釜で10分間焼成してバターロールを得る。
【0016】実施例4小麦粉30重量部、生イースト2重量部および予め砂糖2重量部をオリーブ油3重量部に加えて混合した砂糖含有オリーブ油を添加し、これに水20重量部を添加して低速で3分間、高速で3分間混捏する(生地温度27℃)。この中種を温度27℃、湿度78%の条件下で1時間発酵させて中種生地を得る。次にこの中種生地に、小麦粉70重量部、生イースト2重量部、イーストフード0.3重量部、食塩2重量部および水40重量部を加えて低速で2分間、高速で8分間混捏し本捏生地を調製する(生地温度25℃)。得られた本捏生地はフロアタイムを15分間とった後、1個当り50gに分割した後丸めを行い、その後温度28℃、湿度80%の条件下でベンチタイムを15分間とった後ガス抜きしてハードロールに成型する。成型されたハードロールを−35℃で30分間冷凍し、プラスチックバックに入れ−18℃で60日間保管する。60日間経過後室温で90分間放置して解凍した後温度32℃、湿度75%の条件下で60分間発酵させる。発酵終了後220℃の焼成釜にスチームを入れ20分間焼成してハードロールを得る。
【0017】実施例5小麦粉70重量部、生イースト3重量部および予め砂糖6重量部をマーガリン7重量部に加えて混合した砂糖含有マーガリンを添加し、これに水38重量部を添加して低速で3分間、高速で3分間混捏する(生地温度26℃)。この中種を温度24℃、湿度75%の条件下で1時間発酵させて中種生地を得る。次にこの中種生地に、小麦粉30重量部、生イースト2重量部、砂糖18重量部、イーストフード0.2重量部、食塩1重量部、脱脂粉乳8重量部および水12重量部を加えた後低速で3分間、高速で11分間混捏し本捏生地を調製する(生地温度30℃)。得られた本捏生地はフロアタイムを40分間とった後、1個当り45gに分割した後丸めを行い、その後温度30℃、湿度80%の条件下でベンチタイムを20分間とった後ガス抜きし、あんを35g包んだ後温度38℃、湿度85%の条件下で45分間ホイロをとった後220℃の焼成釜で12分間焼成してあんぱんを得る。
【0018】実施例6小麦粉40重量部、イースト3重量部、砂糖2重量部、予め砂糖2重量部を生クリーム5重量部に加えて混合した砂糖含有生クリームを添加し、これに水22重量部を添加して低速で3分間、高速で3分間混捏する(生地温度26℃)。この中種を温度25℃、湿度80%の条件下で1時間発酵させて中種生地を得る。次にこの中種生地に、小麦粉60重量部、砂糖3重量部、イーストフード0.1重量部、食塩2重量部、脱脂粉乳2重量部および水40重量部を加えて低速で2分間、高速で4分間混捏した後マーガリン7重量部を加えてさらに低速で2分間、高速で5分間混捏し本捏生地を調製する(生地温度27℃)。得られた本捏生地はフロアタイムを30分間とった後、1個当り220gに分割した後丸めを行い、その後温度25℃、湿度80%の条件下でベンチタイムを25分間とった後2個の丸めた生地をそれぞれ棒状に伸ばして食パン型に詰める。食パン型に詰めた生地は温度38℃、湿度85%の条件下で45分間ホイロをとった後食パン型に蓋をして220℃の焼成釜で35分間焼成して角食パンを得る。
【0019】比較例1実施例2の方法において、中種に加えるブドウ糖とショートニングをそれぞれ単独で加えた以外は実施例2と同様に行い山型食パンを得る。
【0020】比較例2実施例3の方法において、中種に加える砂糖とバターをそれぞれ単独で加えた以外は実施例3と同様に行い、バターロールを得る。
【0021】試験例1実施例2および比較例1で得られた角型食パンについて下記表1に示す評価基準によって評価試験を行った。その評価結果を示せば表2のとおりである。
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】試験例2実施例3および比較例2で得られたバターロールについて下記表3に示す評価基準により評価試験を行った。その評価結果を示せば表4のとおりである。
【0025】
【表3】

【0026】
【表4】

【0027】
【発明の効果】本発明方法によれば、発酵時間が短く、しかもソフトな食感を有し、かつ劣化耐性のあるパン類を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】301049777
【氏名又は名称】日清製粉株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田錦町一丁目25番地
【出願日】 平成14年2月27日(2002.2.27)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
【公開番号】 特開2003−250430(P2003−250430A)
【公開日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願番号】 特願2002−50981(P2002−50981)