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【発明の名称】 食品生地の延展方法及び装置
【発明者】 【氏名】上野 貞男
【住所又は居所】栃木県宇都宮市野沢町2番地3 レオン自動機株式会社内

【要約】 【課題】比較的簡単な構成でもって食品生地の延展を行うことのできる食品生地の延展方法及び装置を提供する。

【解決手段】食品生地9の搬送路を間にして対向して設けた一方の延展ローラ11と他方の延展ローラ13との間隔を振動的に変化せしめると共に、適宜一方の延展ローラを他方の延展ローラに対して前記食品生地の搬送方向へ相対的に移動する動作を繰り返して、前記一方の延展ローラと他方の延展ローラとの間の前記搬送路を通過する食品生地の延展作用を行う食品生地の延展方法であり、搬送路に沿って搬送される食品生地9の延展作用を行うために、上記搬送路を間にして対向して設けた一方の延展ローラ13を他方の延展ローラ11に対して接近離反する方向へ振動自在に設け、前記他方の延展ローラ11を、前記一方の延展ローラ13に対して前記食品生地9の搬送方向へ相対的に移動自在に設けた構成である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食品生地の搬送路を間にして対向して設けた一方の延展ローラと他方の延展ローラとの間隔を振動的に変化せしめると共に、適宜一方の延展ローラを他方の延展ローラに対して前記食品生地の搬送方向又は逆方向へ或は搬送方向及び逆方向の両方向へ相対的に移動する動作を繰り返して、前記一方の延展ローラと他方の延展ローラとの間の前記搬送路を通過する食品生地の延展作用を行うことを特徴とする食品生地の延展方法。
【請求項2】 請求項1に記載の食品生地の延展方法において、一方の延展ローラと他方の延展ローラとの間隔を小さくして食品生地の圧延を行う過程と前記一方の延展ローラと他方の延展ローラとの間隔を前記小さな間隔より僅かに大きくして食品生地の圧延を行う過程とを交互に繰り返し、かつ前記食品生地を当該食品生地の厚み方向へ僅かに移動することを繰り返し乍ら食品生地の延展を行うことを特徴とする食品生地の延展方法。
【請求項3】 搬送路に沿って搬送される食品生地の延展作用を行うために、上記搬送路を間にして対向して設けた一方の延展ローラに対して他方の延展ローラを接近離反する方向へ振動的に移動自在に設け、前記一方の延展ローラを、前記他方の延展ローラに対して前記食品生地の搬送方向又は逆方向或は搬送方向及び逆方向の両方向へ相対的に移動自在に設けたことを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項4】 請求項3に記載の食品生地延展装置において、前記一方の延展ローラは、エンドレス状の移動軌跡上を移動自在の複数の遊星ローラよりなることを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項5】 請求項3又は4に記載の食品生地延展装置において、他方の延展ローラを一方の延展ローラに対して接近離反する方向へ振動するための構成は、前記他方の延展ローラを回転自在に支持した回転軸と当該他方の延展ローラとの間に偏心部を設けた構成であることを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項6】 請求項5に記載の食品生地延展装置において、前記他方の延展ローラの回転数よりも前記回転軸の回転数を大きくして回転する構成であることを特徴とする食品生地延展装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばパン生地等のごとき適宜の食品生地を薄く延展するための食品生地の延展方法及び装置に係り、さらに詳細には、比較的簡単な構成でもって食品生地の延展を行うことのできる食品生地の延展方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る先行例として、例えば特公昭54−991号公報や特許第2917002号公報等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記各先行例においては、環状に配置した多数のローラを、コンベアベルト又はローラ搬送機構によって搬送される食品生地の上面に順次作用させて食品生地を薄く延展する構成であって、延展作用は良好に行われ得るものの、食品生地の搬送機構としてコンベアベルトあるいは複数のローラを環状に配置する構成であることにより、構成が複雑である。したがって、延展装置の延展効果を維持あるいはより向上させ、かつ延展装置のより簡素化、小型化などの改良が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、食品生地の搬送路を間にして対向して設けた一方の延展ローラと他方の延展ローラとの間隔を振動的に変化せしめると共に、適宜一方の延展ローラを他方の延展ローラに対して前記食品生地の搬送方向又は逆方向へ或は搬送方向及び逆方向の両方向へ相対的に移動する動作を繰り返して、前記一方の延展ローラと他方の延展ローラとの間の前記搬送路を通過する食品生地の延展作用を行う食品生地の延展方法である。
【0005】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の食品生地の延展方法において、一方の延展ローラと他方の延展ローラとの間隔を小さくして食品生地の圧延を行う過程と前記一方の延展ローラと他方の延展ローラとの間隔を前記小さな間隔より僅かに大きくして食品生地の圧延を行う過程とを交互に繰り返し、かつ前記食品生地を当該食品生地の厚み方向へ僅かに移動することを繰り返し乍ら食品生地の延展を行う食品生地の延展方法である。
【0006】請求項3に係る発明は、搬送路に沿って搬送される食品生地の延展作用を行うために、上記搬送路を間にして対向して設けた一方の延展ローラに対して他方の延展ローラを接近離反する方向へ振動的に移動自在に設け、前記一方の延展ローラを、前記他方の延展ローラに対して前記食品生地の搬送方向又は逆方向或は搬送方向及び逆方向の両方向へ相対的に移動自在に設けた構成である。
【0007】請求項4に係る発明は、請求項3に記載の食品生地延展装置において、前記一方の延展ローラは、エンドレス状の移動軌跡上を移動自在の複数の遊星ローラよりなるものである。
【0008】請求項5に係る発明は、請求項3又は4に記載の食品生地延展装置において、他方の延展ローラを一方の延展ローラに対して接近離反する方向へ振動するための構成は、前記他方の延展ローラを回転自在に支持した回転軸と当該他方の延展ローラとの間に偏心部を設けた構成である。
【0009】請求項6に係る発明は、請求項5に記載の食品生地延展装置において、前記他方の延展ローラの回転数よりも前記回転軸の回転数を大きくして回転する構成である。
【0010】
【発明の実施の形態】図1を参照するに、本発明の実施の形態に係る食品生地の延展装置1は、ベース3上に立設した左右のサイドフレーム5,7を備えており、この左右のサイドフレーム5,7の間には、予め帯状あるいはシート状(以後、総称して帯状と称す)に成形された、例えばパン生地等の食品生地9を薄く延展するための複数の延展ローラ11,13が上下に対向して配置してある。すなわち、上記複数の延展ローラ11,13は、前記食品生地9の搬送路を間にして対向配置してある。
【0011】この実施の形態においては、前記延展ローラ11,13の前後に配置した搬送手段としての第1、第2のコンベア装置15,17によって前記食品生地9を水平に搬送しつつ薄く延展する場合について説明するので、前記複数の延展ローラ11,13を搬送路の上下に対向して配置した場合について例示するが、食品生地9の搬送路が上下方向であって、食品生地9を上下方向に搬送しつつ薄く延展する構成を採用する場合には、複数の延展ローラ11,13を、食品生地9の搬送路を間にして水平方向に対向した構成とすれば良いものである。
【0012】また、食品生地9を上下方向から水平方向に搬送方向を変えて搬送する場合には、上下方向から、水平方向に変化する位置に、斜め方向に対向する延展ローラーを設けても良いものである。要するに、複数の延展ローラ11,13は、食品生地9の搬送路を間にして対向して配置してあれば良いものである。
【0013】さらに、複数の延展ローラ11,13としては一対の場合にて例示するが、例えば2〜3対のごとく複数対の延展ローラとすること、又は対向した延展ローラ11,13の一方を1個、他方を2個とするごとく、数を異にすることも可能である。さらに前記第1、第2のコンベア装置15,17の間に位置する一方の延展ローラ13に対して他方の延展ローラ11の径を大きく又は小さくすることも可能である。
【0014】前記一方の延展ローラ11は、前記サイドフレーム5,7に軸受19,21を介して回転自在に支持された回転軸23に設けられており、この回転軸23は、ブラケット24を介して前記サイドフレームに支持されたサーボモータ等のごとき適宜のモータM1と適宜に連動連結してある。
【0015】より詳細には、前記延展ローラ11は、前記回転軸23に離隔して取付けた一対の円板状の支持プレート11Pの間に、食品生地9に延展作用を行う複数の遊星ローラ11Rを回転自在に支持した構成である。上記複数の遊星ローラ11Rは、前記回転軸23の軸心を中心とした同一円上に等間隔に配置してある。換言すれば、前記回転軸23の回転によって遊星ローラ11Rが移動するエンドレス状の移動軌跡上を複数の遊星ローラ11Rが移動するように設けられているものである。
【0016】したがって、前記モータM1を回転して前記回転軸23を正回転(矢印R方向の回転)すると、延展ローラ11に備えた複数の遊星ローラ11Rは前記食品生地9の搬送方向と同方向に公転し、食品生地9の表面に作用して食品生地9の延展作用を行うこととなる。
【0017】この際、複数の遊星ローラ11Rは、食品生地9に対して転動し乍ら食品生地9の搬送方向へ相対的に移動し、食品生地9を薄く伸ばすことになる。すなわち、複数の遊星ローラ11Rは、回転軸23の回転により公転し、食品生地9との接触により自転するものである。上記遊星ローラ11Rの自転をより能動的に行うために、前記各遊星ローラ11Rが前記食品生地9に作用する回転領域とほぼ同一の範囲に、例えばベルト等のごとき適宜の回転励起部材22を設け、前記食品生地9に各遊星ローラ11Rが作用するときに、各遊星ローラ11Rの外周面の1部が前記回転励起部材22に接触して能動的に自転する構成とすることが望ましい。
【0018】このような構成とすることにより、食品生地9の表面に対する各遊星ローラ11Rの滑り減少を抑制でき、食品生地9の表面の擦り傷やしわ等の発生を抑制してより良好な延展作用を行うことができるものである。
【0019】前記他方の延展ローラ13は、前記一方の延展ローラ11と協働して食品生地9を薄く延展すべく、前記延展ローラ11に対して接近離反する方向へ振動的に移動自在、かつ食品生地9の搬送方向へ回転駆動可能に設けてある。
【0020】前記一方の延展ローラ11に対して他方の延展ローラ13を接近離反する方向へ振動するための振動発生手段としては、種々のアクチュエータ、機構を採用することが可能であるが、本例においては次のごとき手段を採用している。
【0021】すなわち、延展ローラ13を延展ローラ11に対して接近離反する方向へ振動するための振動発生手段の1例として、前記サイドフレーム5,7に軸受25,27を介して両端側を回転自在に支持された回転軸29に偏心ブッシュのごとき偏心部31を一体に設け、この偏心部31に軸受33を介して前記延展ローラ13を回転自在に支持した構成である。なお、上記回転軸29の適宜位置には回転軸29の回転の安定化を図るためのバランサー30が取付けてある。このバランサー30は、回転軸29に設けた上記偏心部31によって延展ローラ13が振動する際、その振動イナーシャを打消すべく作用するものであって、前記偏心部31と逆位相となるように、前記回転軸29に設けてある。
【0022】そして、前記回転軸29の一端側に設けた従動プーリ35とベース3に装着したモータM2の出力軸に備えた駆動プーリ37とにはベルト39が掛回してある。すなわち回転軸29とモータM2は適宜に連動連結してある。さらに、前記延展ローラ13側のプーリとベース3上に装着したモータM3に備えた駆動プーリ41とにベルト43を掛回して連動連結してある。
【0023】前記延展ローラ13は、モータM3によって前記食品生地9の搬送方向に回転してある。そして、前記回転軸29はモータM2によって延展ローラ13の回転に比較して極めて高速で適宜方向に回転してある。したがって、延展ローラ13は1回転する間に延展ローラ11に対して接近する方向に多数回振動するものである。
【0024】以上のごとき構成において、例えばコンピュータのごとき適宜制御装置(図示省略)によって前記各モータM1、M2、M3を制御し、上側の延展ローラ11がモータM1の回転の下に回転速度Rで回転し、回転軸29及び下側の延展ローラ13がモータM2,M3の回転の下に回転速度R1,R2で回転した状態にあるとき、上流側のコンベア装置15によって予め成形した帯状の食品生地9を前記一対の延展ローラ11,13の間に搬入すると、一方の延展ローラ11に対して他方の延展ローラ13が接近離反する方向へ振動していることにより、食品生地9は薄く延展されて下流側のコンベア装置17へ搬出され、さらに下流側へ搬送される。
【0025】この際、延展ローラ13の振動に伴い回転軸29が振動する傾向にあるが、バランサー30の作用によって回転軸29の振動は抑制されており、大きく振動するようなことはないものである。
【0026】前記上流側のコンベア装置15の搬送速度V1に対して下流側のコンベア装置17の搬送速度V2の方が大であり、上下の延展ローラ11,13の回転速度R,R2は、前記食品生地9が延展されて移送速度V1からV2に変化する際の速度変化に対応する速度であって、食品生地9と各延展ローラ11,13との間に滑りのないように制御されている。
【0027】なお、場合によっては、上流側のコンベア装置15の搬送速度V1と下流側のコンベア装置17の搬送速度V2との関係を、V1≧V2とすることも可能である。この場合は、上流側における食品生地9の幅寸法よりも下流側の食品生地9の幅寸法がより大きくなるものである。
【0028】すなわち、上流側のコンベア装置15の搬送速度V1と下流側のコンベア装置17の搬送速度V2の関係は任意に設定し制御することができる。また、上下の延展ローラ11、13の回転速度R、R2を下流側のコンベア装置17の搬送速度V2に一致させるか、また、上流側のコンベア装置15の搬送速度V1と下流側の搬送コンベア装置17の搬送速度V2の中間の速度にするかは、食品生地の性状あるいは、食品生地の薄く延展する比率に応じて任意に設定し制御することができる。
【0029】したがって、一対の延展ローラ11,13によって食品生地9に擦り等によってしわや破れ等を生じることなく薄く延展することができ、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。また、食品生地9の接触面への粘着を抑えることができ、粘着防止のための打粉等を減らすことができるものである。
【0030】前述したように一方の延展ローラ11に対して他方の延展ローラ13が接近離反する方向へ振動していることにより、食品生地9に対して挟圧と解放が繰り返される。このとき、食品生地は一時的に流動性を増し延展ローラーによる均らしが容易となり、過大な圧力を必要とすることなく薄く延展される。したがって、例えばパン生地等においてもグルテンの網目組織が壊れることなく所望の厚みに延展可能となる。
【0031】ところで、前述のごとく、食品生地9の搬送路を間にして対向して設けた他方の延展ローラ13を一方の延展ローラ11に対して接近離反する方向へ振動して食品生地9の延展作用を行うとき、一方の延展ローラ11は食品生地9に延展作用を行う複数の遊星ローラ11Rを適宜間隔に備えた構成であるから、回転軸23の軸心と回転軸29の軸心とを結ぶ直線上に遊星ローラ11Rが位置するときには他方の延展ローラ13と一方の延展ローラ11(この場合は遊星ローラ11R)との間隔が最小となる。
【0032】次に、延展ローラ11,13の回転が進み、回転軸23,29の軸心を結ぶ直線上から遊星ローラ11Rが食品生地9の搬送方向へ移動すると共に、延展ローラ13が振動動作により延展ローラ11から次第に離反すると、延展ローラ13と延展ローラ11(この場合は遊星ローラ11R)との間隔が僅かに大きくなる。
【0033】すなわち、延展ローラ11,13は、両延展ローラ11,13の間隔を小さくして食品生地9の圧延(延展)を行う過程と、前記延展ローラ11,13の間隔を前記小さな間隔よりも僅かに大きな間隔に拡大して食品生地9の圧延を行う過程とを交互に繰り返すことによって食品生地9の圧延作用(延展作用)を行うものである。
【0034】そして、前記延展ローラ11に備えた遊星ローラ11Rの間隔のほぼ中間位置が前記回転軸23,29の軸心を結ぶ直線上に位置し、かつ延展ローラ13の振動によって延展ローラ13が延展ローラ11に接近する方向へ移動した場合には、食品生地9を搬送路から僅かに押し上げて食品生地9の上面(表面)を僅かに凸曲面状に湾曲することとなる。すなわち、前記食品生地9を、当該食品生地9の厚み方向へ僅かに移動することになる。
【0035】上述のように、食品生地9を厚さ方向に僅かに移動して僅かに湾曲することが繰り返されることにより食品生地9の流動性が増し、延展効果が高まる。また、食品生地9内のグルテンが効果的に伸ばされることとなり、食品生地9の延展作用をより効果的に良好に行い得ることになる。
【0036】ところで、食品生地9を厚さ方向に僅かに湾曲せしめる構成としては、延展ローラ13を、振動によって食品生地9の搬送路に対して僅かに出没する構成とし、搬送路から延展ローラ13が僅かに突出して食品生地9を上方向に僅かに押し上げ、搬送路から延展ローラ13が僅かに没入したときには食品生地が搬送路から僅かに落ち込んで下側へ突状に湾曲する構成とすることができる。すなわち、食品生地9の表面側を突状(裏面側を凹状)に湾曲せしめたり、裏面側(下面側)を突状(表面側を凹状)に湾曲せしめることを交互に繰り返し行うことができるものである。
【0037】また、延展ローラ11を上下方向に振動する構成とし、延展ローラ11が下方向に移動するときに搬送路に対して食品生地9の表面(上面)を僅かに押し下げる構成とすることも可能である。さらには、延展ローラ11と延展ローラ13を上下逆に配置する構成とすることも可能である。
【0038】以上のごとき説明より理解されるように、他方の延展ローラ13は一方の延展ローラ11に対して接近離反する方向に振動することにより、両延展ローラ11,13の間隔が振動的に変化し、かつ延展ローラ11側に適宜間隔に備えた複数の遊星ローラ11Rが食品生地9に対して次々に作用して前記食品生地9の搬送方向へ相対的に移動する動作を繰り返して食品生地9の延展作用を行うものであるから、食品生地9は振動する延展ローラ13によって叩き作用を受ける態様となる。
【0039】そして、延展ローラ11に備えた複数の遊星ローラ11Rが食品生地9に順次作用するときには、遊星ローラ11Rと延展ローラ13とが対向して食品生地を圧迫することと、遊星ローラ11R間の間隙と延展ローラ13とが対向して前記圧迫を緩和することが交互に繰り返される。すなわち、延展ローラ13と延展ローラ11との間隔が小さくなることと大きくなることが交互に繰り返される。この際、延展ローラ13が振動していることにより、前記延展ローラ13と遊星ローラ11Rとの間隔の変化はランダムであり、前記圧迫作用にも強弱の種類があり、かつ前記緩和作用にも強弱の種々があることになる。
【0040】上記間隔の変化、圧迫緩和の強弱を選択することができる。すなわち、延展ローラ11の回転速度と延展ローラ13の振動数を搬送される食品生地9の搬送速度に対して適宜設定変更することができ、食品生地9の性状に対応した適切な延展が可能となる。
【0041】ところで、前記説明においては、食品生地9に作用して延展作用を行う複数の延展ローラとしての遊星ローラ11Rを、エンドレス状の移動軌跡として公転する円軌跡上に回転自在に配置した場合について説明した。
【0042】しかし、図2に示すように、第1,第2のコンベア装置15,17の上方位置に食品生地9の搬送方向に離隔して設けたチエンスプロケット45に一対のエンドレスチエン47を掛回して設け、この一対のエンドレスチエン47に両端部を回転自在に支持された複数の遊星ローラ(延展ローラ)49を等間隔に設けた構成として、遊星ローラ49の移動軌跡を長円形状とすることも可能である。そして、前記遊星ローラ49が食品生地9に延展作用を行う移動範囲には、例えばレール等のごとき回転励起部材51を配置し、この回転励起部材51に接触して前記遊星ローラ49が能動的に転動するように構成してある。
【0043】なお、一対のエンドレスチエン47に多数の遊星ローラ49を回転自在に支持した構成においては、一対のエンドレスチエン47を掛回支持する複数のスプロケットの配置位置によっては、例えば3角形状や4角形状など適宜の移動軌跡とすることができる。この場合、第1,第2のコンベア装置15,17及び延展ローラ13に対向した部分の遊星ローラ49は食品生地9の搬送方向とほぼ平行な移動軌跡に沿って、又は食品生地9の搬送方向の上流側より下流側が僅かに低くなるように傾斜した移動軌跡に沿って食品生地9の搬送方向へ移動することが望ましい。
【0044】上記構成においては、上下に振動する延展ローラ13と協働して食品生地9に延展作用を行う複数の延展ローラとしての遊星ローラ49がエンドレスチエン47に支持されて、比較的長い範囲に亘って食品生地9に対して延展作用を行う構成である点が前記第1の実施形態の場合と異なるのみで、ほぼ同様の効果を奏し得るものである。
【0045】前記構成においては、複数の遊星ローラ49が食品生地9に対して延展作用を行う範囲を比較的長く構成することができるので、上下に振動自在の延展ローラ13を複数並列する構成、複数の延展ローラ13の間にさらに短いベルトコンベアを配置する構成等とすることも可能であり、より効果的に食品生地9の延展作用を行うことができるようになるものである。
【0046】図3は第3の実施の形態を示すもので、この実施形態においては、前記第1,第2のコンベア装置15,17及び延展ローラ13を配置した食品生地9の搬送路の両側方位置に断面形状がコ字形状のガイドレール53を対向して配置し、このガイドレール53のコ字形状の溝内に摺動自在に係合し支持された一対の摺動部材55に、食品生地9に対して延展作用を行う適数(複数)の延展ローラ57の両端側を回転自在に支持した構成である。
【0047】そして、前記延展ローラ57を食品生地9の搬送方向に往復動するために、クランク機構等のごとき適宜の往復駆動機構によって往復動されるアーム59の先端部が前記摺動部材55に適宜に連結してある。さらに、前記回転励起部材51同様の回転励起部材61が設けてあって、前記延展ローラ57の下側に接触してある。
【0048】上記構成において、往復駆動機構によって摺動部材55をガイドレール53に沿って食品生地9の搬送方向に往復動すると、摺動部材55に支持された適数の延展ローラ57は回転励起部材61との接触により能動的に回転し、食品生地9の搬送方向に転動することになる。
【0049】この際、適数の延展ローラ57が食品生地9の上を搬送方向に転動しつつ移動することと、下側の延展ローラ13が食品生地9の搬送方向へ回転し乍ら上下に振動することと相俟って食品生地9の延展作用を効果的に行うことができるものである。
【0050】
【発明の効果】以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、一方の延展ローラが食品生地9の搬送面に対して出没するように振動するので、食品生地は上記延展ローラによって裏面が押されて表面側が僅かに凸状となるように湾曲したり、前記延展ローラが搬送面から没入することにより前述とは逆方向に裏面側が僅かに凸状となるように湾曲することになる。そして、前記一方の延展ローラに対向して設けた他方の延展ローラが食品生地の表面側に間欠的に押圧作用するので、食品生地の前記湾曲と押圧作用とが相俟って食品生地の延展作用が効果的に行われるものであり、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【出願人】 【識別番号】000115924
【氏名又は名称】レオン自動機株式会社
【住所又は居所】栃木県宇都宮市野沢町2番地3
【出願日】 平成14年4月2日(2002.4.2)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
【公開番号】 特開2003−289789(P2003−289789A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−100275(P2002−100275)