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【発明の名称】 防黴剤スプレー
【発明者】 【氏名】福尾 英敏
【住所又は居所】大阪市中央区森ノ宮中央1丁目6番20号 株式会社サクラクレパス内

【氏名】山鳥 真紀子
【住所又は居所】大阪市中央区森ノ宮中央1丁目6番20号 株式会社サクラクレパス内

【要約】 【課題】コーナー部のような目地の細部にも正確に防黴剤を塗布することができ、また、目地部分の面積が多いときでも、簡単に速やかに且つ均一に塗布することができ、しかも、タイル部分に塗膜が付着しても、その塗膜を容易に拭い取ることができるが、目地においては、塗膜は容易には拭い取ることができない防黴剤スプレーを提供する。

【解決手段】本発明による防黴剤スプレーは、(A)(a)炭素数2又は3の低級脂肪族アルコール、及び(b)エチレングリコールモノアルキルエーテル等から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤、(B)上記有機溶剤に可溶性の樹脂、(C)(a)ポリオキシエチレンエーテル等から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤か、(b)脂肪族カルボン酸エステル等の1種か、又は(c)これらの2種以上の混合物からなる消去性付与剤、及び(D)防黴剤からなる防黴剤組成物を噴霧容器に充填してなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】(A) (a) 炭素数2又は3の低級脂肪族アルコール、及び(b) エチレングリコールモノアルキルエーテル又はプロピレングリコールモノアルキルエーテルから選ばれる少なくとも1種の有機溶剤、(B) 上記有機溶剤に可溶性の樹脂、(C) (a) ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンエーテルリン酸エステル及びポリオキシエチレンエーテル硫酸エステルから選ばれる少なくとも1種の界面活性剤か、(b) 脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとの脂肪族カルボン酸エステルの少なくとも1種か、又は(c) これらの2種以上の混合物からなる消去性付与剤、及び(D) 防黴剤からなる防黴剤組成物を噴霧容器に充填してなる防黴剤スプレー。
【請求項2】エチレングリコールモノアルキルエーテル又はプロピレングリコールモノアルキルエーテルがメチル又はエチルエーテルである請求項1に記載の防黴剤スプレー。
【請求項3】防黴剤がチアベンダゾール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、ジチオ−2,2'−ビス(ベンズメチルアミド)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、テトラクロロイソフタロニトリル、2−ブロモ−2−ブロモメチルグルタルニトリル、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N,N−ジメチル−N’−(ジクロロフルオロメチルチオ)−N’−フェニルスルファミド、パラクロロメタキシレノール、ビス〔1−ヒドロキシ−2(H)ピリジンチオナト〕亜鉛及びデヒドロ酢酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の防黴剤スプレー。
【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の防黴剤組成物を霧吹きに充填してなる霧吹き型防錆剤スプレー。
【請求項5】請求項1から3のいずれかに記載の防黴剤組成物を噴射剤と共にエアゾール型容器に充填してなるエアゾール型防黴剤スプレー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防黴剤スプレーに関し、詳しくは、好ましくは、浴室、台所等の水回りのタイルの目地に噴霧して、防黴剤の塗膜を形成し、その際に、タイル部分に塗膜が付着しても容易に拭い取ることができ(即ち、消去性を有し)、他方、目地においては、塗膜は容易には拭い取ることができない(即ち、非消去性である)ような防黴剤スプレーを提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】浴室や台所等のように、湿気の多い水回りには、黴が発生しやすいほか、汚れが付着し、黒く汚れることが多い。そこで、従来、そのようなタイルの目地に塗布して、黴の発生を防止するようにした防黴剤マーカーが種々知られている。従来の防黴剤マーカーは、多くは、通常のアルコール溶剤ベースの非消去性のインキ組成物に防黴剤を配合してなるものである。
【0003】従って、従来、マーカーを用いて防黴剤を目地のみに塗布することは困難であって、目地に防黴剤を塗布するに際して、タイル自体にも付着し、タイルを汚すことが避けられない。そこで、防黴剤をマーカーにてタイル部分を含む目地に塗布した後、タイル部分に付着した塗膜を拭い去って、目地部分にのみ、塗膜を残すようにして用いられることが多い。しかし、従来の防黴剤マーカーによれば、タイルに付着した塗膜は、拭っても、タイルから消し難く、タイル上に残ってしまう。
【0004】そこで、防黴剤マーカーに消去性付与剤を配合して、防黴剤がタイルに付着したときは、タイルから容易に拭い取って消し去ることができるが、しかし、目地部分の防黴剤の塗膜は容易には拭い取ることができないようにしたものも知られている(特開平11−349882号公報)。
【0005】しかし、このような防黴剤マーカーによれば、コーナー部のような目地の細部に正確に防黴剤を塗布することは困難であり、また、マーカーを用いて目地に沿って防黴剤を塗布することは、特に、目地部分の面積が多いときは、多大の労力を要し、実際上、容易ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の防黴剤マーカーにおける上述したような問題を解決するためになされたものであって、例えば、コーナー部のような目地の細部にも正確に防黴剤を塗布することができ、また、目地部分の面積が多いときでも、簡単に速やかに且つ均一に塗布することができ、しかも、タイル部分に塗膜が付着しても、その塗膜を容易に拭い取ることができる(即ち、消去性を有する)が、目地においては、塗膜は容易には拭い取ることができない(即ち、非消去性である)防黴剤スプレーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による防黴剤スプレーは、(A) (a) 炭素数2又は3の低級脂肪族アルコール、及び(b) エチレングリコールモノアルキルエーテル又はプロピレングリコールモノアルキルエーテルから選ばれる少なくとも1種の有機溶剤、(B) 上記有機溶剤に可溶性の樹脂、(C) (a) ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンエーテルリン酸エステル及びポリオキシエチレンエーテル硫酸エステルから選ばれる少なくとも1種の界面活性剤か、(b) 脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとの脂肪族カルボン酸エステルの少なくとも1種か、又は(c) これらの2種以上の混合物からなる消去性付与剤、及び(D) 防黴剤からなる防黴剤組成物を噴霧容器に充填してなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による防黴剤スプレーは、防黴剤を含む上記防黴剤組成物を霧吹き型容器に充填して霧吹き型防黴剤スプレーとし、又は防黴剤組成物を噴射剤と共にエアゾール型容器に充填してエアゾール型防黴剤スプレーとしたものである。
【0009】上記防黴剤組成物のための溶剤としては、塗膜が乾燥性にすぐれ、しかも、毒性や臭気がないように、(a) 炭素数2又は3の低級脂肪族アルコール、及び(b) エチレングリコールモノアルキルエーテル又はプロピレングリコールモノアルキルエーテルから選ばれる少なくとも1種の有機溶剤が用いられる。
【0010】炭素数2又は3の低級脂肪族アルコールとしては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール又はn−プロピルアルコールが用いられる。他方、エチレングリコールモノアルキルエーテル又はプロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、炭素数1〜3のアルキルエーテルが好ましく、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はプロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましく用いられる。
【0011】これらのなかでは、特に、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はこれらの2種以上の混合物が好ましく用いられる。
【0012】これらの有機溶剤は、防黴剤組成物に基づいて、通常、50〜90重量%、好ましくは60〜85重量%の範囲で用いられる。防黴剤組成物に基づいて、有機溶剤が上記範囲外にあるときは、防黴剤スプレーに用いる防黴剤組成物としての適度の粘度が得られないからである。
【0013】本発明においては、必要に応じて、有機溶剤として上記以外に、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族カルボン酸アルキルエステル類、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ヘキサン等の揮発性の飽和脂肪族炭化水素類等をインキ組成物に基づいて5重量%以下の範囲で用いることができる。
【0014】本発明の防黴剤スプレーに用いる防黴剤組成物は、多孔質のセメントや漆喰からなる目地に接着性を有して、目地上に有効量の防黴剤を含む耐水性の塗膜を形成し、更に、後述するように、着色剤として顔料を配合する場合、その顔料を安定に分散させると共に、防黴剤組成物に適度の粘性を与えるように、前記有機溶剤に可溶性の樹脂を含む。このような樹脂としては、特に、限定されるものではないが、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂、フェノール樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、キシレン樹脂、アクリル樹脂、安息香酸ショ糖エステル等が用いられる。
【0015】このような樹脂は、これを過多に配合するときは、防黴剤組成物の粘度を高くしすぎ、塗布性や消去性を阻害する。他方、配合量が余りに少ないときは、防黴剤組成物が適度の粘性をもたず、また、形成された塗膜が耐水性に劣り、更に、防黴剤組成物が顔料を含むとき、その顔料の分散安定性に劣り、塗膜に色むらが生じるので好ましくない。本発明においては、樹脂は、防黴剤組成物に基づいて、通常、5〜15重量%、好ましくは、7〜10重量%の範囲で用いられる。
【0016】本発明によれば、防黴剤組成物は、消去性付与剤として、前記有機溶剤に可溶性であるが、上記樹脂に難溶性又は不溶性であると共に、それ自体、難揮発性又は不揮発性である液体を含む。このような消去性付与剤としては、(a) ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンエーテルリン酸エステル及びポリオキシエチレンエーテル硫酸エステルから選ばれる少なくとも1種の界面活性剤からなる第1の消去性付与剤か、(b) 脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとの脂肪族カルボン酸エステルの少なくとも1種からなる第2の消去性付与剤か、又は(c) 上記第1及び第2の消去性付与剤の2種以上の混合物からなるものが用いられる。
【0017】第1の消去性付与剤(a) のうち、ポリオキシエチレンエーテルの具体例として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を挙げることができ、ポリオキシエチレンエステルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエステル等を挙げることができる。
【0018】また、第1の消去性付与剤(a) のうち、ポリオキシエチレンエーテルリン酸エステル又はポリオキシエチレンエーテル硫酸エステルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル(いずれも、塩を含む。)等を挙げることができる。
【0019】上記第1の消去性付与剤(a) は、いずれも、界面活性剤であって、種々の市販品として入手することができる。
【0020】第2の消去性付与剤(b) である脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとの脂肪族カルボン酸エステルは、脂肪族一塩基酸エステル、脂肪族二塩基酸ジエステル、脂肪族二価アルコールと脂肪族カルボン酸とからなるモノ若しくはジエステル、脂肪族三価アルコールと脂肪族カルボン酸とからなるモノ、ジ若しくはトリエステル等を含む。
【0021】脂肪族一塩基酸エステルは、特に、炭素数8〜20の飽和脂肪酸と炭素数3〜20の飽和脂肪族アルコールとのエステルが好ましい。上記炭素数8〜20の飽和脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ネオデカン酸(2,2−ジメチルオクタン酸)、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等を挙げることができ、他方、炭素数3〜20の飽和脂肪族アルコールとしては、例えば、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、イソオクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール(ドデシルアルコール)、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等を挙げることができる。
【0022】従って、本発明において用いる好ましい脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸イソステアリル、ネオデカン酸イソオクチルドデシル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸イソセチル、イソパルミチン酸イソオクチル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソオクチル等を挙げることができる。
【0023】脂肪族二塩基酸ジアルキルエステルは、好ましくは、炭素数4〜12の脂肪族二塩基酸と炭素数1〜12の脂肪族アルコールとのジアルキルエステルが好ましく、このような脂肪族二塩基酸ジアルキルエステルの具体例として、例えば、ドデカン二酸ジオクチル、アジピン酸ジプロピル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル等を挙げることができる。
【0024】脂肪族二価アルコールエステルは、好ましくは、エチレングリコールやプロピレングリコールと前述したような炭素数8〜20の飽和脂肪酸とのモノ又はジエステルが好ましく、そのような二価アルコールエステルの具体例として、例えば、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールのデカン酸ジエステル等を挙げることができる。
【0025】また、脂肪族三価アルコールエステルは、グリセリンやトリメチロールアルカンと前述したような炭素数8〜20の飽和脂肪酸とのモノ、ジエステル又はトリエステルが好ましく、なかでも、トリエステルが好ましい。このような三価アルコールエステルの具体例として、例えば、天然又は合成の脂肪酸トリグリセリドやトリメチロールアルカン脂肪酸トリエステル等を挙げることができる。
【0026】上記トリメチロールアルカンの好ましい具例としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン又はトリメチロールブタンを挙げることができるが、特に、トリメチロールプロパンが好ましく用いられる。このようなトリメチロールアルカンの脂肪酸トリエステルは、化学的に単一のものである必要はなく、種々のトリメチロールアルカンの種々の脂肪酸の混合エステルであってもよい。
【0027】トリメチロールアルカン脂肪酸トリエステルは、好ましくは、トリメチロールプロパン脂肪酸トリエステルであり、なかでも、好ましい具体例として、例えば、トリメチロールプロパンカプロン酸トリエステル、トリメチロールプロパンラウリン酸トリエステル、トリメチロールプロパンラウリン酸ステアリン酸混合トリエステル、トリメチロールプロパンイソステアリン酸トリエステル、トリメチロールプロパン−2−エチルヘキサン酸トリエステル等を挙げることができる。
【0028】本発明においては、これらのなかでも、特に、トリメチロールプロパンラウリン酸トリエステル、トリメチロールプロパンラウリン酸ステアリン酸混合トリエステル又はトリメチロールプロパン−2−エチルヘキサン酸トリエステルが好ましく用いられる。このようなトリメチロールプロパントリエステルは、市販品を入手することができる。
【0029】本発明によれば、防黴剤組成物の塗膜が目地部分では拭っても消し去ることが困難であり、即ち、非消去性を有しながら、タイル部分では、容易に拭い去ることができる、即ち、消去性を有するように、このような第1の消去性付与剤(a)と第2の消去性付与剤(b) のうちの少なくとも1種が、インキ組成物において、0.1〜2.0重量%、好ましくは、0.5〜1.2重量%の範囲で配合される。
【0030】即ち、本発明において用いる防黴剤組成物は、従来より知られているアルコール溶剤ベースの消去性インキ組成物に比べて、少量の消去性付与剤を有する。一般に、目地は、多孔質のセメントや漆喰からなるので、このような目地に防黴剤組成物を塗布すれば、防黴剤組成物中の消去性付与剤は、目地中に拡散し、吸収されるので、塗膜は、消去性を失ない、かくして、非消去性インキ組成物のように、その塗膜は、拭い去ることができないので、目地に有効量の防黴剤を含む非消去性の塗膜を形成することができる。
【0031】消去性付与剤の配合量が0.1重量%よりも少ないときは、得られる防黴剤組成物の塗膜が消去性に劣り、タイル部分においても、容易に拭い去ることができない。しかし、2.0重量%よりも多いときは、得られる防黴剤組成物の塗膜が目地部分においても、例えば、洗剤を含む水を用いて洗浄すれば、容易に拭い去ることができ、目地部分に耐久性ある防黴性塗膜を維持することができない。
【0032】本発明の防黴剤スプレーにおいて、防黴剤としては、好ましくは、チアベンダゾール(2−(4−チアゾリル)−1H−ベンズイミダゾール)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、ジチオ−2,2'−ビス(ベンズメチルアミド)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、テトラクロロイソフタロニトリル、2−ブロモ−2−ブロモメチルグルタルニトリル、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N,N−ジメチル−N’−(ジクロロフルオロメチルチオ)−N’−フェニルスルファミド、パラクロロメタキシレノール、ビス〔1−ヒドロキシ−2(H)ピリジンチオナト〕亜鉛及びデヒドロ酢酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種が用いられる。
【0033】特に、本発明においては、これらのなかでも、チアベンダゾール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール及び1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンから選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。これらの防黴剤を含む防黴剤組成物は、安全性と貯蔵安定性が高いうえに、水に溶出し難いので、目地に形成した塗膜の防黴性が高く、且つ、長期間にわたって持続される。
【0034】本発明において、防黴剤組成物における防黴剤の配合量は、0.1〜1.5重量%の範囲が好ましく、特に、0.3〜1.2重量%の範囲が好ましい。防黴剤の配合量が0.1重量%よりも少ないときは、目地に塗布して塗膜を形成しても、防黴性が十分ではない。しかし、1.5重量%を越えても、それに見合って、防黴性が向上するものでもなく、また、安全衛生上の見地からも、過多に配合することは、好ましくない。
【0035】本発明において、防黴剤組成物は、必要に応じて、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、染料又は顔料が用いられる。このような着色剤としては、防黴剤組成物において安定なものであれば、特に限定されるものではなく、従来、通常のマーキングペンインキ組成物において用いられているもののいずれでもよい。このような顔料として、例えば、酸化チタン、フタロシアニンブルー、カーボンブラックのような顔料のほか、樹脂加工顔料も用いることができる。所謂樹脂加工顔料は、有機溶剤中での分散性にすぐれるので、本発明において、顔料と樹脂とを兼ねるものとして、特に好ましく用いられる。このような樹脂加工顔料を用いる場合には、必ずしも後述する樹脂をインキ組成物に配合しなくともよい利点を有する。また、染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー30、C.I.ソルベントレッド18、C.I.ソルベントブルー5、C.I.フルオレセントブライトナー91等を挙げることができる。しかし、顔料、染料共に、上記例示したものに限定されるものではない。
【0036】このような着色剤は、その種類や塗膜の所要濃度等に応じて、適当な量が配合されるが、通常、防黴剤組成物に基づいて、通常、1〜10重量%、好ましくは、2〜5重量%の範囲で用いられる。
【0037】本発明において、防黴剤組成物は、従来、知られている通常の方法によって製造することができる。例えば、着色剤を配合しないか、又は着色剤として染料を用いる場合には、溶剤に樹脂、防黴剤及び消去性付与剤を、必要に応じて染料と共に、加え、攪拌混合し、これらを溶剤中に溶解させることによって得ることができる。他方、着色剤として、顔料を用いる場合には、樹脂を溶剤に溶解させた溶液に顔料を加え、分散サンドミルやボールミル等を用いて混練して、ミルベースとした後、これに防黴剤、消去性付与剤や、必要に応じて、樹脂溶液を更に加え、混合攪拌すれば、インキ組成物を得ることができる。しかし、本発明において用いる防黴剤組成物は、その製造方法において、何ら限定されるものではない。
【0038】本発明による防黴剤スプレーは、上述したような防黴剤組成物を既によく知られている霧吹き容器に充填して、霧吹き型防錆剤スプレーを得ることができ、また、噴射剤と共にエアゾール型容器に充填して、エアゾール型防黴剤スプレーを得ることができる。
【0039】上記噴射剤としては、特に限定されるものではないが、通常、液化石油ガス、ジメチルエーテル、窒素ガス、炭酸ガス、フロン134aや、これらの混合物が用いられる。このようなエアゾール型防黴剤スプレーにおいて、噴射剤の割合は、通常、10〜60重量%、好ましくは、20〜50重量%の範囲である。
【0040】
【発明の効果】本発明による防黴剤スプレーは、アルコール溶剤に樹脂と消去性付与剤と共に防黴剤を含有する防黴剤組成物を多孔質の目地に吹き付け、塗布して塗膜を形成させれば、塗膜は、目地部分では、拭い去ることができず、防黴剤を含む非消去性の塗膜を形成するので、目地部分における防黴性を持続することができるが、タイル部分にはみ出した塗膜は、柔軟な紙や布にて容易に拭って、消し去ることができ、かくして、目地部分のみに防黴性の塗膜を残すことができる。
【0041】しかも、本発明による防黴剤スプレーによれば、コーナー部のような目地の細部に正確に、しかも、簡単に防黴剤を塗布することができる。また、目地部分の面積が多いときでも、多大の労力を要することなく、簡単に速やかに且つ均一に塗布することができる。
【0042】更に、本発明による防黴剤スプレーによれば、貯蔵安定性もすぐれているうえに、得られる塗膜は、安全性が高く、耐水性にすぐれるので、水回りのタイル目地の防黴に好適に用いることができる。
【0043】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下において、各成分の配合量は重量%にて示す。
【0044】
実施例1樹脂 ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)
製デンカブチラール2000L 8.0消去性付与剤 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エス テルナトリウム塩 0.4 ステアリン酸イソオクチル 0.5防黴剤 ホクスターHP 0.5 スケーンM−8 0.2溶剤 エチルアルコール 83.2 イソプロピルアルコール 7.2【0045】
実施例2樹脂 ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)
製デンカブチラール2000L 3.0 ケトン樹脂(本州化学工業(株)製ハロン80) 3.0 安息香酸ショ糖エステル(第一工業製薬(株)
製モノペットSB) 1.5消去性付与剤 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エス テルナトリウム塩 0.5 イソオクタン酸セチル 0.5防黴剤 プロクセルHL−2 0.4 スケーンM−8 0.3溶剤 エチルアルコール 30.0 プロピレングリコールモノメチルエーテル 56.8着色剤 C.I.ソルベントブルー5 4.0【0046】
実施例3樹脂 ケトン樹脂(本州化学工業(株)製ハロン80) 5.0 アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)製ダイヤナ ールBR−102 5.5消去性付与剤 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ ステルナトリウム塩 0.5 ステアリン酸イソオクチル 0.5防黴剤 ホクスターHP 0.5 スケーンM−8 0.2溶剤 プロピレングリコールモノメチルエーテル 62.8【0047】上記防黴剤組成物において用いた防黴剤は次のとおりである。
【0048】ホクスターHP(北興化学工業(株)製チアベンダゾール)
プロクセルHL−2(ゼネカ(株)製1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンスケーンM−8(ローム・アンド・ハース社製2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン)
【0049】上記防黴剤組成物を市販の霧吹き容器に充填し、30cmの距離からタイルに吹き付けて塗布して塗膜を形成したところ、多孔質の目地部分では、容易には拭い去ることができず、防黴剤を含む非消去性の塗膜を形成して、目地部分における防黴性を持続することが確認された。他方、タイル部分にはみ出した塗膜は、柔軟な紙や布にて容易に拭って、消し去ることができた。更に、本発明によれば、目地に形成された防黴性塗膜は、安全性が高いのみならず、耐水性にすぐれるので、長期間にわたって、効果的な防黴性を有することが確認された。
【出願人】 【識別番号】390039734
【氏名又は名称】株式会社サクラクレパス
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1丁目6番20号
【出願日】 平成14年5月29日(2002.5.29)
【代理人】 【識別番号】100079120
【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 逸郎
【公開番号】 特開2003−342103(P2003−342103A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−155574(P2002−155574)