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【発明の名称】 害虫駆除用エアゾール
【発明者】 【氏名】千保 聡
【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工業株式会社内

【氏名】西部 勲
【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工業株式会社内

【要約】 【課題】ハエ、カ、ゴキブリ等の害虫に対する殺虫効果に優れるのみならず、より速効性の高い害虫駆除用エアゾールを提供する。

【解決手段】3−メトキシイミノメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル、溶剤及び噴射剤を含有するエアゾールであって、溶剤中にn−デカンを1〜50重量%含有することを特徴とする害虫駆除用エアゾールにより課題が解決できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】3−メトキシイミノメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル、溶剤及び噴射剤を含有するエアゾールであって、溶剤中にn−デカンを1〜50重量%含有することを特徴とする害虫駆除用エアゾール。
【請求項2】(b)溶剤中のn−デカンの含有量が5〜30重量%である請求項1に記載の害虫駆除用エアゾール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハエ、カ、ゴキブリ類等の害虫駆除用エアゾールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】3−メトキシイミノメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチルは、特開2000−63343号公報に記載される如く、高い殺虫性を有する化合物である。
【0003】ハエ、カ、ゴキブリ等は、台所、居間等の家屋内を素早く飛び回ったり、這いまわるため、これらの駆除においては、害虫に直接殺虫剤を噴霧し、駆除できるエアゾール製剤がその簡便さから汎用されている。特に、該エアゾール製剤においては、その殺虫性のみならず、速効性の高い製剤が望まれている。
【0004】本発明の課題は、ハエ、カ、ゴキブリ等の害虫に対する殺虫効果に優れるのみならず、より速効性の高い害虫駆除用エアゾールを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、3−メトキシイミノメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチルを有効成分として用いると共に、溶剤として特定の成分を特定範囲で含有するエアゾールとすることにより、前記の課題が達成されることを見出し、本発明に至った。
【0006】即ち本発明は、3−メトキシイミノメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル、溶剤及び噴射剤を含有するエアゾールであって、溶剤中にn−デカンを1〜50重量%含有することを特徴とする害虫駆除用エアゾール(以下、本エアゾールと記す。)を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本エアゾールにおいて用いられる3−メトキシイミノメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル(以下、本化合物と記す。)は、下記式(1)
【0008】

で示される、特開2000−63343号公報に記載の化合物であり、各種の光学異性体や幾何学異性体が存在するが、本エアゾールにおいてはそれらのうち、殺虫活性を有する任意の異性体や、該異性体の2種以上の混合物を使用することができる。
【0009】本化合物は本エアゾールに対して、通常0.005〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%含有される。
【0010】本エアゾールにおける溶剤はn−デカンを1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%含有し、その他の成分としては石油系溶剤、例えばパラフィン系溶剤、シクロパラフィン系溶剤等の脂肪族炭化水素系溶剤、ベンゼン系溶剤、ナフタレン系溶剤等の芳香族系溶剤等を含有する。また、本エアゾールが水性エアゾールの場合には前記石油系溶剤に加えて水、さらにはアルコール類(エタノール、イソプロパノール等)を含有する。
【0011】n−デカンは市販されており、市販品を使用することができる。市販品としては、例えばノルマルパラフィンN−10(日鉱石油化学(株)製)を挙げることができる。
【0012】また、前記石油系溶剤も市販されており、かかる市販溶剤を使用することができる。市販溶剤としては、例えば、ノルパー13(炭素数が12〜14の飽和炭化水素の割合がほぼ100%;エクソン化学製)、ノルパー15(炭素数が14〜16の飽和炭化水素の割合が90%以上;エクソン化学製)、ネオチオゾール(炭素数が12〜14の飽和炭化水素の割合がほぼ100%;中央化成(株)製)等のノルマルパラフィン系ケロシン、アイソパーM(炭素数が12〜15の飽和炭化水素の割合がほぼ100%で、かつ脂環族炭化水素の比率が21%;エクソン化学製)、アイソパーV(炭素数が15〜17の飽和炭化水素の割合がほぼ100%で、かつシクロ脂環式炭化水素の比率が20%;エクソン化学製)等のイソパラフィン系ケロシン、エクソールD110(炭素数が15の飽和炭化水素の割合が98%以上で、かつ脂環式炭化水素の比率が47%;エクソン化学製)、エクソールD130(炭素数が15〜17の飽和炭化水素の割合が98%以上で、かつ脂環式炭化水素の比率が67%;エクソン化学製)等のナフテン系溶剤等が挙げられる。
【0013】また本エアゾールが水性エアゾールである場合には、さらに界面活性剤が含有される。界面活性剤としては例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類や、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル等の非イオン性乳化剤、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリールスルホン酸塩等のイオン性乳化剤等が挙げられる。界面活性剤が含有される場合、その含有量は本エアゾールに対し、通常0.1〜5重量%である。
【0014】本エアゾールにおける噴射剤としては、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチラール等が挙げられ、これらは2種以上の混合物であってもよい。
【0015】本エアゾールにおける液体部(本エアゾールにおける噴射剤以外の成分の合計)と噴射剤との重量比は、通常30:70〜80:20、好ましくは40:60〜60:40である。
【0016】本エアゾールには必要に応じて、共力剤、香料、他の殺虫活性成分等を適宜含有していてもよい。共力剤としては、例えばPBO(ピペロニルブトキサイド),MGK264(N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、S421(オクタクロロジプロピルエーテル)等を挙げることができ、他の殺虫活性成分としては、例えばアレスリン、テトラメスリン、プラレトリン、フェノトリン、レスメトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、シフルトリン、フラメトリン、イミプロトリン、エトフェンプロックス、トランスフルスリン、ジクロルボス、フェニトロチオン、プロポキサー、ピリプロキシフェン、メトプレン等を挙げることができる。
【0017】本エアゾールは例えば、以下のようにして製造することができる。
【0018】本化合物を、n−デカンと石油系溶剤の所定比率で混合された溶液中で溶解後、該溶液を耐圧エアゾール容器内に充填する。該容器にエアゾールバルブを装着し、噴射剤をステムを通して充填し、振とうした後、アクチュエーターを装着する。
【0019】本エアゾールが水性エアゾールの場合は、n−デカンと石油系溶剤、必要に応じてアルコール類、界面活性剤等を加えた所定比率混合溶液中で本化合物を溶解後、水を加える。該液を耐圧エアゾール容器内に充填する。該容器にエアゾールバルブを装着し、噴射剤をステムを通して充填し、振とうした後、アクチュエーターを装着する。
【0020】本エアゾールにより駆除し得る害虫としては、例えば、アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類等の双翅目害虫、イガ、コイガ等の鱗翅目害虫、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等のゴキブリ目害虫等が挙げられる。特に、イエカ類、ヤブカ類、ハマダラカ類、イエバエ類、およびゴキブリ目害虫の駆除に適している。
【0021】本エアゾールによる害虫の駆除は通常、本エアゾールを壁、天井、床等にとまっている、または這っている害虫に直接噴霧するか、あるいは害虫が飛翔している空間または潜伏している場所付近の空間に噴霧することにより行われる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
実施例1(1R,3R)−3−[(E)−(メトキシイミノ)メチル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチルと(1R,3R)−3−[(Z)−(メトキシイミノ)メチル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチルの1:1混合物(以下、化合物Aと記す。)0.03gおよびノルマルパラフィンN−10(日鉱石油化学(株)製商品名:n−デカン)10gに、アイソパーM(エクソン化学社製商品名、炭素数が12〜15の飽和炭化水素の割合がほぼ100%で、かつ脂環式炭化水素の比率が21%)を加えて全量50gとした後、混合して混合液を得た。該混合液をエアゾール容器に充填した。該エアゾール容器にエアゾールバルブ(日本プリシジョン(株)製;ステム孔径0.33mm、ハウジング主孔径2.03mm、ベーパータップ無し)をクリンプした後、液化石油ガス(4.8kg/cm2・ゲージ圧(20℃))を50g充填し、エアゾールアクチャエーター(東洋エアゾール(株)製;孔径1.5mm、噴口構造:ストレート型、エクステナションチューブ付き)を装着することにより、本エアゾール1を得た。
【0023】実施例2化合物A0.03g、ノルマルパラフィンN−10 5g及びアイソパーV(エクソン化学製商品名:炭素数が15〜17の飽和炭化水素の割合がほぼ100%で、かつ脂環式炭化水素の比率が20%)5gに、アイソパーMを加えて全量50gとした後、混合して混合液を得た。該混合液を用いた以外は製造例1と同様の方法にて本エアゾール2を得た。
【0024】実施例3化合物A0.05g、ノルマルパラフィンN−10 2.5gに、ネオチオゾール(中央化成(株)製商品名:炭素数が12〜14の飽和炭化水素の割合がほぼ100%)を加えて全量50gとした後、混合して混合液を得る。該混合液をエアゾール容器に充填し、該エアゾール容器にエアゾールバルブをクリンプした後、液化石油ガス(4.8kg/cm2・ゲージ圧(20℃))を50g充填し、エアゾールアクチャエーターを装着することにより、本エアゾール3を得る。
【0025】実施例4化合物A0.01g、ノルマルパラフィンN−10 15gに、アイソパーMを加えて全量50gとした後、混合して混合液を得る。該混合液をエアゾール容器に充填し、該エアゾール容器にエアゾールバルブをクリンプした後、液化石油ガス(4.8kg/cm2・ゲージ圧(20℃))を50g充填し、エアゾールアクチャエーターを装着することにより、本エアゾール4を得る。
【0026】実施例5化合物A0.05g、ノルマルパラフィンN−10 2g、レオドールSP−L10(花王製商品名:ソルビタンモノラウレート)1g及びノルパー15(エクソン化学製商品名:炭素数が14〜16の飽和炭化水素の割合が90%以上)を混合して混合液10gを得る。該混合液10gおよび蒸留水50gをエアゾール容器に充填する。該エアゾール容器にエアゾールバルブ(日本プリシジョン(株)製;ステム孔径0.61mm、ハウジング主孔径2.03mm、ベーパータップ無し)をクリンプした後、液化石油ガス(3.6kg/cm2・ゲージ圧(20℃))を40g充填し、エアゾールアクチャエーターを装着することにより、本エアゾール5を得る。
【0027】試験例1ピートグラディーチャンバー(5.8m3)内にイエバエ成虫約100頭(雄/雌≒1)を放った。本エアゾール2を該チャンバーの4隅上部の窓部より計4回噴霧した(合計噴霧量650mg±100mg)。噴霧2分,3分,5分,7分,10分及び15分後にノックダウン数を観察し、BlissのProbit法によりKT50値を求めた。試験は4〜5反復実施し、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】

*1 M:アイソパーM、V:アイソパーV【0029】試験例2チャバネゴキブリ成虫10頭(雄5頭、雌5頭)を入れたプラスチック容器(直径13cm、高さ10cm、底部32メッシュ金網)を、ガラス製円筒(直径20cm、高さ60cm)の底部に設置する。ガラス製円筒上部より本エアゾール1を0.4g、供試ゴキブリに直撃噴霧した。噴霧30秒後、ゴキブリの入った容器をガラス製円筒より取り出し、所定時間毎にノックダウン数の観察を噴霧より20分後まで行った。BlissのProbit法によりKT50値を求めた。同様の試験を本エアゾール2についても実施し、KT50値を求めた。試験は各4〜5反復実施し、その平均値を求めた。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】

*1 M:アイソパーM、V:アイソパーV【0031】
【発明の効果】本発明によれば、ハエ、カ、ゴキブリ等の害虫に対する殺虫効果に優れるのみならず、より速効性の高い害虫駆除用エアゾールを提供できる。
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
【出願日】 平成14年4月24日(2002.4.24)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【公開番号】 特開2003−321305(P2003−321305A)
【公開日】 平成15年11月11日(2003.11.11)
【出願番号】 特願2002−122065(P2002−122065)