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【発明の名称】 水性殺虫組成物
【発明者】 【氏名】植田 展仁
【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工業株式会社内

【氏名】田上 学
【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工業株式会社内

【要約】 【課題】有効成分として疎水性で常温固体の殺虫性化合物を含有し、低粘度で、希釈時において水中分散性が良好であり、しかも長期にわたって製剤安定性に優れる水性懸濁状殺虫組成物を提供する。

【解決手段】(a)融点が50℃以上で、かつ、20℃における水への溶解度が150〜5000mg/Lである殺虫性化合物、(b)リグニンスルホン酸塩、及び(c)水と実質的に混和せず、かつ、該殺虫性化合物を実質的に溶解しない疎水性有機溶剤を含有することを特徴とする水性殺虫組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】(a)融点が50℃以上で、かつ、20℃における水への溶解度が150〜5000mg/Lである殺虫性化合物、(b)リグニンスルホン酸塩、及び(c)水と実質的に混和せず、かつ、該殺虫性化合物を実質的に溶解しない疎水性有機溶剤を含有することを特徴とする水性殺虫組成物。
【請求項2】(a)該殺虫性組成物が、一般式(1)

(式中、Rは2−クロロピリジン−5−イル基または2−クロロチアゾール−5−イル基を表し、Rはニトロ基またはシアノ基を表し、Rはメチル基またはメチルアミノ基を表し、Rは水素またはメチル基を表すか、RとRとが一緒になって、−CH−A−CH−A−基を表す。但し、Aは酸素原子、メチルイミノ基または単結合を表し、Aは硫黄原子またはイミノ基を表す。)で示されるネオニコチノイド系化合物である請求項1に記載の水性殺虫組成物。
【請求項3】(a)該殺虫性組成物が、アセタミプリド、クロチアニジン、チアクロプリドまたはチアメトキサムである請求項2に記載の水性殺虫組成物。
【請求項4】(a)該殺虫性組成物が、クロチアニジンである請求項3に記載の水性殺虫組成物。
【請求項5】(b)リグニンスルホン酸塩のスルホン化度が2.5以下である請求項1〜4のいずれかに記載の水性殺虫組成物。
【請求項6】(c)該疎水性有機溶剤が、芳香族系溶剤である請求項1〜5のいずれかに記載の水性殺虫組成物。
【請求項7】(c)該疎水性有機溶剤が、フェニルキシリルエタンである請求項6に記載の水性殺虫組成物。
【請求項8】さらに少なくとも1種の粘度調節剤を含み、該粘度調節剤の濃度が0.1〜10重量%である請求項1〜7のいずれかに記載の水性殺虫組成物。
【請求項9】森林害虫用である請求項1〜8のいずれかに記載の水性殺虫組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性殺生物組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】液状製剤、中でも水性製剤は、例えば散布時における製剤計量の簡便性の点で固形製剤に比べ使用者にとって望ましい製剤であり、実用場面において賞用されている。
【0003】しかしながら、疎水性で常温固体の殺虫性化合物、特に最近その優れた効力により実用化されているクロチアニジン、チアクロプリド、アセタミプリド、チアメトキサム等のネオニコチノイド系化合物を有効成分として、これを水性製剤とした場合には、該殺虫性化合物が凝集しやすい性質を有するために、粒子の沈降によるケーキング現象を起こしやすいことが知られている。また、得られる製剤自体も高粘度となる傾向があり、実用場面において製剤を水により希釈する際の容器排出性や、水中分散性の悪さが問題となっている。かかる問題点を改良する目的で、界面活性剤として芳香族スルホン酸やポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルサルフェートを配合し、さらに保護コロイドとして吸着性水溶性ポリマーを配合した製剤が提案されている(特開平10−279410号公報)ものの、該製剤の粘度ならびに分離安定性の観点から充分とは言い難く、長期間にわたり粒子の沈降を生じず、また、水希釈時に分散性に優れたかかる殺虫性化合物を有効成分とする水性製剤が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、水性製剤中に特定の分散剤を使用すると共に、有効成分との関係で特定の性質を有する溶剤を共存させることにより、低粘度で、希釈時において水中分散性が良好な水性製剤が得られることを見出し、また、特に有効成分がいわゆるネオニコチノイド系殺虫性化合物の場合にはさらに、従来の製剤に比し殺虫効力が向上した製剤となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、融点が50℃以上で、かつ、20℃における水への溶解度が150〜5000mg/Lである殺虫性化合物、(b)リグニンスルホン酸塩、及び(c)水と実質的に混和せず、かつ、上記(a)殺虫効果を有する化合物を実質的に溶解しない疎水性有機溶剤を含有することを特徴とする水性殺虫組成物(以下、本組成物と記す。)に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本組成物において用いられる殺虫性化合物は、融点が50℃以上で、かつ、20℃における水への溶解度が150〜5000mg/Lである殺虫効果を有する化合物(以下、本化合物と記す。)であり、20℃における水への溶解度が150〜5000mg/Lであるものが好ましく、20℃における水への溶解度が250〜500mg/Lであるものがさらに好ましい。
【0007】本化合物としては、例えば下記一般式(1)

(式中、Rは2−クロロピリジン−5−イル基または2−クロロチアゾール−5−イル基を表し、Rはニトロ基またはシアノ基を表し、Rはメチル基またはメチルアミノ基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表すか、RとRとが一緒になって、−CH−A−CH−A−基を表す。但し、Aは酸素原子、メチルイミノ基または単結合を表し、Aは硫黄原子またはイミノ基を表す。)で示されるネオニコチノイド系化合物を挙げることができる。
【0008】その具体例としては、アセタミプリド(一般名、水溶解度(25℃):4200mg/L、融点:98.9℃)、クロチアニジン(一般名、水溶解度(20℃):327mg/L、融点:176〜178℃)、チアクロプリド(一般名、水溶解度(20℃):185mg/L、融点:136℃)、チアメトキサム(一般名、水溶解度(25℃):4100mg/L、融点:139.1℃)等が挙げられる。特にクロチアニジンを好ましい例として挙げることができる。また、前記した如く、本化合物としてネオニコチノイド系化合物(1)を使用した本組成物の場合には、従来の水性製剤の場合に比し、殺虫効力の向上効果が認められるので、ネオニコチノイド系化合物(1)を用いることが本製剤においては好ましい。
【0009】本化合物は本組成物中に、通常、5〜50重量%含有され、好ましくは10〜45重量%、さらに好ましくは15〜40重量%含有される。
【0010】また、本組成物中における本化合物の粒子径は、保存中における沈降防止の点から製造時点では、体積中位径として、通常6μm以下、好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1μm以下であり、通常は粉砕等によりかかる粒子径に調製される。
【0011】本組成物において、リグニンスルホン酸塩(以下、本分散剤と記す。)の本組成物中の含有量は、通常0.3〜15重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。
【0012】リグニンスルホン酸塩における塩としてはナトリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0013】中でもより低粘性の分散系を有する組成物とするという点からは、スルホン化度が2.5以下のリグニンスルホン酸塩が好ましく、さらに好ましくはスルホン化度が2.0以下のリグニンスルホン酸塩、特に好ましくはスルホン化度が1.5以下のリグニンスルホン酸塩である。
【0014】リグニンスルホン酸塩は市販されており、かかる市販品を使用することもできる。その具体例としては、リアックス85A(ウエストベーコ社製商品名、スルホン化度1.0のナトリウム塩)、リアックス83A(ウエストベーコ社製商品名、スルホン化度2.1のナトリウム塩)、リアックス82(ウエストベーコ社製商品名、スルホン化度2.0のナトリウム塩)、リアックス81A(ウエストベーコ社製商品名、スルホン化度1.9のナトリウム塩)、ポリホンO(ウエストベーコ社製商品名、スルホン化度1.2のナトリウム塩)、リアックス910(ウエストベーコ社製商品名、スルホン化度1.7のナトリウム塩)ポリホンH(ウエストベーコ社製商品名、スルホン化度0.5のナトリウム塩)、リアックス88B(ウエストベーコ社製商品名、スルホン化度3.8のナトリウム塩)、リアックス100M(ウエストベーコ社製商品名、スルホン化度4.7のナトリウム塩等が挙げられる。
【0015】本組成物において用いられる溶剤は、水と実質的に混和せず、かつ、本化合物を実質的に溶解しない疎水性有機溶剤(以下、本溶剤と記す。)である。水に実質的に混和しない疎水性有機溶剤とは、20℃における水100gに対する溶解度が1g以下である常温で液体の有機溶剤を意味する。また、本化合物を実質的に溶解しない有機溶剤とは、20℃における本化合物の溶解度が10g/L以下である常温で液体の有機溶剤を指す。本溶剤の具体例としては、芳香族系溶剤、動植物油類、パラフィン系溶媒等を挙げることができ、使用する本化合物の溶解度の点から適宜決定することができる。
【0016】芳香族系溶剤としては、キシレン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等芳香族炭化水素を挙げることができ、動植物油類としては、菜種油、大豆油、アマニ油等をあげることができる。パラフィン系溶媒としては、炭素数5以上のノルマルパラフィン、炭素数5以上のイソパラフィン、および炭素数5以上のシクロパラフィン等を挙げることができ、好ましくは炭素数5〜70程度のノルマルパラフィン、炭素数5〜200程度のイソパラフィン、および炭素数5〜200程度のシクロパラフィンを挙げることができ、さらに好ましくは炭素数5〜45程度のノルマルパラフィン、炭素数5〜100程度のイソパラフィン、および炭素数5〜100程度のシクロパラフィンを挙げることができ、本溶剤は1種または2種以上の混合物で用いることができる。
【0017】中でも本化合物がネオニコチノイド系化合物(1)の場合には、殺虫効力増強の点で芳香族系溶剤が好ましく、中でも引火点が70℃以上、更には引火点が120℃以上の芳香族系溶剤が好ましく、その例としてフェニルキシリルエタンが挙げられる。
【0018】本組成物における本溶剤の含有量は、本化合物の種類、本組成物の施用目的等により適宜決めることができるが、本化合物に対し通常は0.05〜10重量倍、好ましくは0.1〜5重量倍、さらに好ましくは0.2〜2重量倍である。
【0019】本溶剤は市販されており、かかる市販品を使用しても良い。市販品としては、例えばハイゾールSAS−296(1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニルエタンの混合物、日本石油株式会社の商品名)、カクタスソルベントHP−MN(メチルナフタレン80%、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントHP−DMN(ジメチルナフタレン80%、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−100(炭素数9〜10のアルキルベンゼン、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−150(アルキルベンゼン、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−180(メチルナフタレンとジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−200(メチルナフタレンとジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−220(メチルナフタレンとジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントPAD−1(ジメチルモノイソプロピルナフタレン、日鉱石油化学株式会社の商品名)、ソルベッソ100(芳香族炭化水素、エクソン化学株式会社の商品名)、ソルベッソ150(芳香族炭化水素、エクソン化学株式会社の商品名)、ソルベッソ200(芳香族炭化水素、エクソン化学株式会社の商品名)、スワゾール100(トルエン、丸善石油株式会社の商品名)、スワゾール200(キシレン、丸善石油株式会社の商品名)等を挙げることができる。
【0020】本組成物は、必要に応じてさらに、界面活性剤、粘度調節剤、消泡剤、凍結防止剤、防腐剤、安定化剤、着色剤、香料、効力増強剤、薬害軽減剤等を含有することができる。
【0021】本組成物において使用し得る界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0022】界面活性剤を使用する場合、含有量は本組成物中、通常0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0023】粘度調節剤としては、ザンサンガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェラントガム等の天然多糖類、ポリアクリル酸ナトリウムの合成高分子、カルボキシメチルセルロース等の半合成高分子、アルミニウムシリケート、スメクタイト、ベントナイト、ヘクライト、乾式シリカ等の鉱物質粉末、アルミナゾル等を挙げることができ、これらは単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。これらは市販されており、かかる市販品を使用することもできる。例えば、ザンサンガムとしては、ケルザンS、ケルザンASX、ケルザンT、ケルザンRD(以上、CPケルコ社の商品名)等が挙げられ、アルミニウムシリケートとして、ビーガムグラニュール、ビーガムHVグラニュール、ビーガムTグラニュール(以上、バンダビルト社の商品名)等が挙げられる。また、乾式シリカとしては、アエロジル200(デグサヒュルス社の商品名)が挙げられ、乾式シリカとアルミナゾルの混合物としては、アエロジルCOK−84(デグサヒュルス社の商品名)が挙げられる。粘度調節剤を使用する場合、その含有量は本組成物中、通常0.1〜10重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0024】消泡剤としては、例えばアンチフォームC(ダウ・コーニング社の商品名)、アンチフォームCE(ダウ・コーニング社の商品名)、TSA730(東芝シリコーン社の商品名)、TSA731(東芝シリコーン社の商品名)、TSA732(東芝シリコーン社の商品名)、YMA6509(東芝シリコーン社の商品名)等のシリコーン系消泡剤、フルオウェットPL80(クラリアント社の商品名)等のフッ素系消泡剤が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。消泡剤を使用する場合、その含有量は、本組成物中、通常0.01〜3重量%程度である。
【0025】凍結防止剤としては、例えばエチレングリコールやプロピレングリコール等の水溶性グリコール類が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。凍結防止剤を使用する場合、その含有量は本組成物中、通常0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは5〜10重量%程度である。
【0026】防腐剤としては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エステル、サリチル酸誘導体、イソチアゾリン−3−オン誘導体等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。防腐剤を使用する場合、その含有量は本組成物中、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%程度である。
【0027】本組成物は本発明の効果を奏する限りにおいて、その他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、植物生長調節剤、肥料等を適宜含有することもできる。
【0028】本組成物は、通常、フロアブル製剤あるいはSC(Suspension Concentrate)製剤と呼ばれる製剤形態であり、水性組成物である。そして、本組成物は、水が連続相(水相)を形成し、本化合物は水相には実質的に溶解せず、水相に分散した状態で存在する。また、本分散剤は実質的に水相に溶解した状態で存在する。本溶剤は水相には実質的に溶解せず、さらには、本化合物を実質的に溶解することなく、水相に分散した状態で存在する。また、本組成物中において、本化合物と本溶剤とがそれぞれ独立して水相中に分散して存在するか、本化合物が本溶剤中に懸濁してなる油滴が水相に分散して存在する。
【0029】本組成物は、例えば、本分散剤を水に溶解せしめ、次いでこれに本化合物及び本溶剤、必要によりさらに界面活性剤、粘度調節剤、消泡剤、凍結防止剤、防腐剤等の助剤、その他を添加、混合後、ガラスビーズ、ジルコニア等のメディアを用いた湿式粉砕の手法を用いて粉砕分散と乳化を同時に行なうことにより製造することができる。また、本溶剤を含有する乳濁液と本化合物を含有する懸濁液を別々に製造したのち、それらを混合することにより製造することもできる。その他、本分散剤、本溶剤、水、必要によりさらに界面活性剤、粘度調節剤、消泡剤、凍結防止剤、防腐剤等の助剤、その他からなる乳濁液を予め調製しておき、そこへ本化合物を粉砕分散させる方法、あるいは本化合物を粉砕分散させた懸濁液を予め調製し、その中に本溶剤を添加・乳化させる方法を挙げることもできる。
【0030】本組成物を施用することにより防除可能な農業害虫としては、例えば、半翅目害虫(例、ナガメ、イネクロカメムシ、ホソヘリカメムシ、ナシグンバイ、トビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカ、ツマグロヨコバイ、チャノミドリヒメヨコバイ、オンシツコナジラミ、ヤノネカイガラムシ、クワコナカイガラムシ、ダイズアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、ダイコンアブラムシ、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、リンゴアブラムシなど)、鱗翅目害虫(例、ハスモンヨトウ、コナガ、モンシロチョウ、ニカメイガ、タマナギンウワバ、タバコガ、アワヨトウ、ヨトウガ、リンゴコカクモンハマキ、ワタノメイガ、コブノメイガ、ジャガイモガ、チャノホソガ、チャノコカクモンハマキなど)、甲虫目害虫(例、ニジュウヤホシテントウムシ、ウリハムシ、キスジノミハムシ、コロラドイモハムシ、カメノコハムシ、イネドロオイムシ、イネゾウムシ、ヤサイゾウムシなど)、双翅目害虫(例、イエバエ、アカイエカ、ウシアブ、タマネギバエ、タネバエなど)、直翅目害虫(例、トノサマバッタ、ケラなど)、網翅類(例、チャバネゴキブリ、クロゴキブリなど)、ハダニ類(例、ナミハダニ、ミカンハダニ、カンザワハダニ、ミセナミダニ、リンゴハダニ、ミカンサビダニなど)、線虫(例、イネシンガレセンチュウなど)などが挙げられる。
【0031】また、本組成物を施用することにより防除可能な森林害虫としては、例えば、半翅目害虫(例、マツノコナカイガラムシ、マツノカキカイガラムシ、マツノオオアブラムシ、マツホソアブラムシ など)、鱗翅目害虫(例、チャハマキ、ヨモギエダシャク、ミノウスバ、ミノガ、イラガ、マツノシンマダラメイガ、マツカレハ、マツツマアカシンムシ、マイマイガなど)、甲虫目害虫(例、スギハムシ、マツノマダラカミキリ、ゴマダラカミキリ、クワカミキリ、マメコガネ、マツキボシゾウムシ、ヤナギシリジロゾウムシ、トドマツノキクイムシ、カラマツコキクイムシなど)、膜翅目(例、マツノミドリハバチ、マツノクロホシハバチ、マツノキハバチなど)、シロアリ目害虫(例、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、ダイコクシロアリ、タイワンシロアリなど)、ハダニ類(例、トドマツノハダニなど)、線虫(例、ネコブセンチュウ、マツノザイセンチュウセンチュウなど)などが挙げられる。
【0032】本組成物は、畑地、休耕地、水田の畦畔、果樹園、牧草地、芝生地、森林、非農耕地等の殺虫剤として用いることができる。本組成物は通常、水等で希釈され、該希釈液が処理される。その処理方法としては、例えば、土壌処理、茎葉処理、湛水処理等を挙げることができる。土壌処理には、土壌表面処理、土壌混和処理等があり、茎葉処理には、植物体の上方からの処理のほか、作物に付着しないようにある種の植物に限って処理する局部処理等があり、本組成物はいずれの処理においても適用可能である。水田等の場合、場合により水口処理、水面処理等、希釈することなくそのまま処理することもできる。また、本組成物を散布処理用に水等にて希釈した希釈液を、ヘリコプター、飛行機またはラジコンヘリにより空中散布することもできる。一方、散布処理用に水等にて希釈した希釈液を、森林用害虫の発生時期に動力噴霧機を用いて樹冠部に薬剤散布することもできる。また、ゴルフ場や平坦地作業が容易な松林では樹高約40mまで散布可能な強力送風散布装置(スパウター、小型自動車に搭載)等を使用して地上より森林樹木に散布することもできる。
【0033】本組成物の施用量は、対象害虫の種類、気象条件等により異なるが、10アール当りの本化合物量に換算して、通常0.5〜500g、好ましくは1〜200gである。
【0034】必要により、さらに展着剤等の補助剤を添加してもよい。展着剤として、液体窒素、アグリデックス(ヘレナ化学社の商品名)、ダイナミック(ヘレナ化学社の商品名)、インデュース(ヘレナ化学社の商品名)、およびシルウェットL−77(日本ユニカー社の商品名)等が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例にてより詳細に説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
実施例15Lのステンレスビーカー中に、クロチアニジン(武田薬品工業株式会社製)300g、リアックス85A(ウエストベーコ社製商品名、スルホン化度1.0のリグニンスルホン酸ナトリウム)40g、ソルポール8043(東邦化学株式会社製商品名、ノニルフェノール系界面活性剤)1g、ハイゾールSAS−296(日本石油株式会社製商品名、1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニルエタンの混合物)100g、アンチフォームCE(ダウ・コーニング社製商品名、シリコンエマルジョン系消泡剤)2g、アエロジルCOK−84(デグサヒュルス社製商品名、シリカ/酸化アルミニウム混合物)15g、プロピレングリコール50g、および水492gを混合した。該混合物1000gに200μmφのガラスビーズ1500gを加え、スリワンモーターを用いて常温で3時間、3000回転/分で攪拌下粉砕した。その後、ガラスビーズを濾別し、本組成物1を得た。
【0036】本組成物1の粘度をB型粘度計(ローターNo.1、25℃、6回転/分)にて測定した。また、0.1mlの本組成物1を99.9mlの水の入った100mlメスシリンダー中に投入し、その分散性を目視により観察した。結果を表1に記す。
【0037】
【表1】溶剤添加による製剤効果

【0038】参考例1実施例1において、ハイゾールSAS−296およびソルポール8043を添加せず、水の量を593gとした以外は、実施例1と同様の操作を実施し、参考組成物1を得た。
【0039】試験例1本組成物1ならびに参考組成物1の1000倍希釈液を、キャベツ3ポット/1Lとなるように散布し、散布7日後にチャバネゴキブリを放飼した。放飼後2日後のチャバネゴキブリを観察し、死虫率を算出した。結果を表2に記す。
【0040】
【表2】

【0041】
【発明の効果】本発明によれば、低粘度で、希釈時において水中分散性が良好な水性殺虫組成物が提供できる。また、その有効成分がクロチアニジンなどのいわゆるネオニコチノイド系殺虫性化合物の場合にはさらに、殺虫効力において優れる。
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
【出願日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【公開番号】 特開2003−321302(P2003−321302A)
【公開日】 平成15年11月11日(2003.11.11)
【出願番号】 特願2002−126177(P2002−126177)